最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第345話 記憶
セバスさんはつきものが取れたような穏やかな顔で駆けつけてきた警備隊に自ら事情を話すと倒れていた男たちとともに連行されていった。
そしてアントワネットはというと――
「ちょっとアントワネット、約束が違うじゃないのっ」
「なんじゃ、今回お主らはほとんど何もしとらんではないかっ。だから報酬はビタ一文くれてやらんわっ」
ローレルと顔を突き合わせ言い争っていた。
「お主にいたっては男たちにやられただけであろうがっ」
「うっさいわねっ。金貨一千枚払いなさいよっ」
「いやじゃっ」
「このチビっ!」
「わらわがお主の年になればお主の方がきっとチビじゃっ!」
「何よっ!」
「なんじゃっ!」
「おい、もうそれくらいにしろよ二人とも」
「あんたは無報酬でいいわけっ?」
険しい顔を俺に向けてくるローレル。
「まあ、よくはないけど相手は子どもだろ。子ども相手に金貨千枚を要求するのもどうかと思うぞ」
「子どもとはなんじゃっ」
フォローしてやったはずなのにアントワネットが俺に牙をむく。
さすがに面倒くさい。
俺は助けを求めるようにビアンキとエライザに目をやった。
すると二人は微笑ましいものを見ているかのごとく「「ふふっ」」と頬を緩ませる。
「っていうかあんた、血だらけじゃない。あんまり近寄んないでよねっ」
ローレルはそう言うとメタルドラゴンの返り血を浴びた俺から距離をとった。
「まったくじゃ」
アントワネットも俺から離れる。
「はいはい、わかってるよ」
俺はいつものように不思議な袋の中からタオルと着替えの服を取り出そうとしてはっとなる。
「あれ? そういえば浄化魔法できれいにできるって誰かが言ってたような……」
うろ覚えだが確かに聞いた気がした。
なので俺は、
「スキル、浄化魔法ランク10っ」
と唱えた。
その瞬間光に包まれた俺の体が浄化されていく。
返り血もすぅーと消えていった。
「おー……おおおっっ!!?」
「何よ、うっさいわねっ」
「いや……戻った」
「は? 何が?」
「き、記憶だよっ。記憶が戻ったんだっ!」
「「「えっ!?」」」
キューン今まで悪かった。そしてありがとう。
【魔法効果10倍】によるランク10の浄化魔法で俺の記憶は完全に戻ったぞ。
☆ ☆ ☆
「マジでっ?」
「本当ですか、勇者様っ?」
「記憶が戻ったのかっ?」
ローレルたちが俺のもとに駆け寄ってくる。
「ああ、全部な。たしかに俺はこの世界の人間じゃない。邪神バアラを倒すためにやってきたんだ」
「「「邪神バアラっ!?」」」
三人が声をそろえた。
「知ってるのか?」
「え、ええ。もちろんです。この世界のすべての魔物を生み出しているといわれていますから」
「そいつはどこにいるんだ?」
身を乗り出して訊ねるが、
「そ、それは……」
ビアンキは押し黙ってしまう。
「なんだよ?」
「邪神バアラというのは神や悪魔のような存在なんだ。実際にいるかどうかもわからないのさ」
とエライザ。
「え、どういうことだ?」
「昔から魔物は邪神バアラが生み出しているって言い伝えられているだけなのよ」
ローレルが言う。
「そんな……」
言い伝えだって……?
でもキューンはそんなこと言っていなかったはずだぞ。
どういうことなんだ……。
すると、
「わらわは知っておるぞ、邪神バアラがいるかもしれん場所を」
アントワネットが俺の顔を見上げて言った。
「えっ、本当かっ?」
「うむ。前に予知夢で見たことがある。あれはたしかキリング城だったはずじゃ」
「キリング城っ?」
「そうじゃ」
キリング城っていうと確かキリング王国の王様がいる城のことだったよな。
そういえば前にエレナさんたちが向かったのもキリング城だったはず。
「悪い、俺今すぐキリング城に行ってくるっ」
「待ってください勇者様っ。私たちを置いていくのですかっ」
「ああ。俺は急がないといけないんだ。もうずいぶんこっちの世界で時間を費やしてしまったからな」
あっちの世界がどうなっているか心配だ。
早く邪神バアラを倒さなくては。
「邪神を倒したらそのあとはどうするつもりだっ? まさかそのまま消えるつもりじゃないだろうな」
「え、それは……」
もとの世界に帰れれば帰りたい気持ちはある。
気持ちはあるが……。
「戻って来なさいよ」
「え……?」
「もとの世界に帰るとしても一旦ここに戻って来なさいって言ってんのよっ」
ローレルが言う。
「いい、わかったっ? 勝手に帰ったら許さないからね……」
「勇者様……」
「……」
ローレルとビアンキとエライザが俺をみつめる。
「わかった。邪神バアラを倒したら必ずここへ戻ってくるよ」
俺はそう約束すると、
「スキル、飛翔魔法ランク10っ」
と唱えて空高く舞い上がった。
そしてアントワネットはというと――
「ちょっとアントワネット、約束が違うじゃないのっ」
「なんじゃ、今回お主らはほとんど何もしとらんではないかっ。だから報酬はビタ一文くれてやらんわっ」
ローレルと顔を突き合わせ言い争っていた。
「お主にいたっては男たちにやられただけであろうがっ」
「うっさいわねっ。金貨一千枚払いなさいよっ」
「いやじゃっ」
「このチビっ!」
「わらわがお主の年になればお主の方がきっとチビじゃっ!」
「何よっ!」
「なんじゃっ!」
「おい、もうそれくらいにしろよ二人とも」
「あんたは無報酬でいいわけっ?」
険しい顔を俺に向けてくるローレル。
「まあ、よくはないけど相手は子どもだろ。子ども相手に金貨千枚を要求するのもどうかと思うぞ」
「子どもとはなんじゃっ」
フォローしてやったはずなのにアントワネットが俺に牙をむく。
さすがに面倒くさい。
俺は助けを求めるようにビアンキとエライザに目をやった。
すると二人は微笑ましいものを見ているかのごとく「「ふふっ」」と頬を緩ませる。
「っていうかあんた、血だらけじゃない。あんまり近寄んないでよねっ」
ローレルはそう言うとメタルドラゴンの返り血を浴びた俺から距離をとった。
「まったくじゃ」
アントワネットも俺から離れる。
「はいはい、わかってるよ」
俺はいつものように不思議な袋の中からタオルと着替えの服を取り出そうとしてはっとなる。
「あれ? そういえば浄化魔法できれいにできるって誰かが言ってたような……」
うろ覚えだが確かに聞いた気がした。
なので俺は、
「スキル、浄化魔法ランク10っ」
と唱えた。
その瞬間光に包まれた俺の体が浄化されていく。
返り血もすぅーと消えていった。
「おー……おおおっっ!!?」
「何よ、うっさいわねっ」
「いや……戻った」
「は? 何が?」
「き、記憶だよっ。記憶が戻ったんだっ!」
「「「えっ!?」」」
キューン今まで悪かった。そしてありがとう。
【魔法効果10倍】によるランク10の浄化魔法で俺の記憶は完全に戻ったぞ。
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「マジでっ?」
「本当ですか、勇者様っ?」
「記憶が戻ったのかっ?」
ローレルたちが俺のもとに駆け寄ってくる。
「ああ、全部な。たしかに俺はこの世界の人間じゃない。邪神バアラを倒すためにやってきたんだ」
「「「邪神バアラっ!?」」」
三人が声をそろえた。
「知ってるのか?」
「え、ええ。もちろんです。この世界のすべての魔物を生み出しているといわれていますから」
「そいつはどこにいるんだ?」
身を乗り出して訊ねるが、
「そ、それは……」
ビアンキは押し黙ってしまう。
「なんだよ?」
「邪神バアラというのは神や悪魔のような存在なんだ。実際にいるかどうかもわからないのさ」
とエライザ。
「え、どういうことだ?」
「昔から魔物は邪神バアラが生み出しているって言い伝えられているだけなのよ」
ローレルが言う。
「そんな……」
言い伝えだって……?
でもキューンはそんなこと言っていなかったはずだぞ。
どういうことなんだ……。
すると、
「わらわは知っておるぞ、邪神バアラがいるかもしれん場所を」
アントワネットが俺の顔を見上げて言った。
「えっ、本当かっ?」
「うむ。前に予知夢で見たことがある。あれはたしかキリング城だったはずじゃ」
「キリング城っ?」
「そうじゃ」
キリング城っていうと確かキリング王国の王様がいる城のことだったよな。
そういえば前にエレナさんたちが向かったのもキリング城だったはず。
「悪い、俺今すぐキリング城に行ってくるっ」
「待ってください勇者様っ。私たちを置いていくのですかっ」
「ああ。俺は急がないといけないんだ。もうずいぶんこっちの世界で時間を費やしてしまったからな」
あっちの世界がどうなっているか心配だ。
早く邪神バアラを倒さなくては。
「邪神を倒したらそのあとはどうするつもりだっ? まさかそのまま消えるつもりじゃないだろうな」
「え、それは……」
もとの世界に帰れれば帰りたい気持ちはある。
気持ちはあるが……。
「戻って来なさいよ」
「え……?」
「もとの世界に帰るとしても一旦ここに戻って来なさいって言ってんのよっ」
ローレルが言う。
「いい、わかったっ? 勝手に帰ったら許さないからね……」
「勇者様……」
「……」
ローレルとビアンキとエライザが俺をみつめる。
「わかった。邪神バアラを倒したら必ずここへ戻ってくるよ」
俺はそう約束すると、
「スキル、飛翔魔法ランク10っ」
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