最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第335話 フードをかぶった女性
冒険者ギルドにて。
ドゴールさんの依頼の成功報酬として金貨八十枚を手にした俺たちはそれをいつものように四等分する。
「はい、ビアンキ。はい、エライザ。でこれがあんたの分ね」
「はいよ」
ローレルから二十枚の金貨を受け取った俺はそれを不思議な袋の中にしまった。
「さ~てと、じゃあ次の依頼でも探そうかしらねっ」
ローレルが背伸びをしながら言う。
とその時、
「あ、あのう、あなたたちはもしかしてA級の冒険者さんですか?」
背後から声がかけられた。
振り返るとフードを深くかぶった女性が立っていた。
フードのせいで顔はよく見えないがおそらく二十歳そこそこだろう、緑色を基調とした簡素な服を身につけている。
「何あんた? あたしたちに何か用?」
ローレルが胸を張り背丈とは反比例した不遜な態度で応対する。
「は、はい。実はお願いがあって……」
「はあ? 声がちっちゃいわ。もっと大きな声で喋ってよ」
「あの、みなさんにお願いしたいことがあります」
女性は少しだけだが声を大きくした。
「依頼か? だったらわたしたちに直接言うんじゃなくてそこの受付で頼むといい」
エライザが親指をくいっと受付カウンターの方に向ける。
「えっと、それはわかっているんですけど、でもあなたたちに直接お願いしたくて……」
するとビアンキが、
「申し訳ありませんがそれは冒険者ギルドの規則によって出来ない決まりなんです」
首をゆっくり横に振った。
「あ……」
まだ何か話したそうにしている女性をよそにローレルが「行こ行こっ」とビアンキとエライザの腕を掴んで依頼書の貼られた壁の方に歩いていく。
「サクラ、お前も来いっ」
女性のことは気になったがエライザに呼ばれ俺も依頼探しに加わった。
☆ ☆ ☆
「今日はハズレだったわね~」
ローレルが頭の後ろに両手をやりつぶやく。
「また明日見に来ればいいさ」
「そうね」
俺たちは冒険者ギルドをあとにする。
たいした依頼がなかったので今日は引き上げることにしたのだった。
とそこへ、
「あ、あの、すみませんっ」
先ほど冒険者ギルド内で声をかけてきた女性がまたしても話しかけてきた。
どうやらギルドの外で俺たちが出てくるのを持っていたようだった。
「何、またあんた? しつこいわね。ビアンキが言ったでしょ、依頼はギルドを通さないといけない決まりなんだって」
「それはわかっているんですけど……わたしお金をまったく持っていなくて」
「はあ? 何それ。あんたいい年してお金持ってないってどういうことよ。大体人にものを頼む時くらいフード取りなさいよねっ」
言うとローレルは女性のフードを脱がす。
「きゃっ」
「「「っ!?」」」
女性の顔があらわになった。
人間とは思えないほどの美しい顔に俺だけでなくローレルたちも息をのむ。
その視線を察してか女性はすぐさまフードをかぶり直すとうつむいてしまった。
「おいローレル、失礼だろうが。すいません、こいつ礼儀がなってなくて……」
俺は女性に顔を向け頭を下げるが女性はふるふると体を小刻みに振るわせていた。
そんなに怯えることはないと思うのだが……。
すると絶句していたローレルが口を開いた。
「ちょ、ちょっと、あんたってもしかして……エルフ?」
指を差し訊ねる。
「あ、ああ、間違いないぞ。今のとがった耳。碧い瞳。それと黄金のような髪」
「え、ええ。私も噂でなら聞いたことがあるけど……」
エライザとビアンキも女性を見て驚いていた。
「ん? なんだよみんなして? エルフってなんだ?」
「はあっ? あんたエルフを知らないのっ。バカじゃないっ」
ローレルが俺に向き直る。
「なんだよ」
俺はこの世界の人間じゃないし、記憶もないんだぞ。
「勇者様、エルフというのは精霊魔法を得意とする非常に長命な種族のことです」
「へー、そうなのか。でもだったら別にそんな驚くことでもないだろ」
「いや、エルフは人間とは一切かかわりを持たないと言われている」
とエライザ。
「だからこんな風に自分たちの方から人間の町に来るなんてありえないことなんだ」
「ふーん、そうか」
俺はうなずくとエルフの女性に目をやる。
エルフの女性はまだ小さく震えていた。
「とりあえず人目につかないところに移動しますか? 話はそれからで」
「……は、はい」
俺はエルフの女性を人通りの少ない場所に案内することにした。
「あっ、ちょっとあんた、何勝手にっ……」
ローレルが声を上げたが無視だ無視。
震えている女性をそのままにして去ることなどたとえ種族が違っても出来ない。
……決して相手が美人だからという理由ではない。
ドゴールさんの依頼の成功報酬として金貨八十枚を手にした俺たちはそれをいつものように四等分する。
「はい、ビアンキ。はい、エライザ。でこれがあんたの分ね」
「はいよ」
ローレルから二十枚の金貨を受け取った俺はそれを不思議な袋の中にしまった。
「さ~てと、じゃあ次の依頼でも探そうかしらねっ」
ローレルが背伸びをしながら言う。
とその時、
「あ、あのう、あなたたちはもしかしてA級の冒険者さんですか?」
背後から声がかけられた。
振り返るとフードを深くかぶった女性が立っていた。
フードのせいで顔はよく見えないがおそらく二十歳そこそこだろう、緑色を基調とした簡素な服を身につけている。
「何あんた? あたしたちに何か用?」
ローレルが胸を張り背丈とは反比例した不遜な態度で応対する。
「は、はい。実はお願いがあって……」
「はあ? 声がちっちゃいわ。もっと大きな声で喋ってよ」
「あの、みなさんにお願いしたいことがあります」
女性は少しだけだが声を大きくした。
「依頼か? だったらわたしたちに直接言うんじゃなくてそこの受付で頼むといい」
エライザが親指をくいっと受付カウンターの方に向ける。
「えっと、それはわかっているんですけど、でもあなたたちに直接お願いしたくて……」
するとビアンキが、
「申し訳ありませんがそれは冒険者ギルドの規則によって出来ない決まりなんです」
首をゆっくり横に振った。
「あ……」
まだ何か話したそうにしている女性をよそにローレルが「行こ行こっ」とビアンキとエライザの腕を掴んで依頼書の貼られた壁の方に歩いていく。
「サクラ、お前も来いっ」
女性のことは気になったがエライザに呼ばれ俺も依頼探しに加わった。
☆ ☆ ☆
「今日はハズレだったわね~」
ローレルが頭の後ろに両手をやりつぶやく。
「また明日見に来ればいいさ」
「そうね」
俺たちは冒険者ギルドをあとにする。
たいした依頼がなかったので今日は引き上げることにしたのだった。
とそこへ、
「あ、あの、すみませんっ」
先ほど冒険者ギルド内で声をかけてきた女性がまたしても話しかけてきた。
どうやらギルドの外で俺たちが出てくるのを持っていたようだった。
「何、またあんた? しつこいわね。ビアンキが言ったでしょ、依頼はギルドを通さないといけない決まりなんだって」
「それはわかっているんですけど……わたしお金をまったく持っていなくて」
「はあ? 何それ。あんたいい年してお金持ってないってどういうことよ。大体人にものを頼む時くらいフード取りなさいよねっ」
言うとローレルは女性のフードを脱がす。
「きゃっ」
「「「っ!?」」」
女性の顔があらわになった。
人間とは思えないほどの美しい顔に俺だけでなくローレルたちも息をのむ。
その視線を察してか女性はすぐさまフードをかぶり直すとうつむいてしまった。
「おいローレル、失礼だろうが。すいません、こいつ礼儀がなってなくて……」
俺は女性に顔を向け頭を下げるが女性はふるふると体を小刻みに振るわせていた。
そんなに怯えることはないと思うのだが……。
すると絶句していたローレルが口を開いた。
「ちょ、ちょっと、あんたってもしかして……エルフ?」
指を差し訊ねる。
「あ、ああ、間違いないぞ。今のとがった耳。碧い瞳。それと黄金のような髪」
「え、ええ。私も噂でなら聞いたことがあるけど……」
エライザとビアンキも女性を見て驚いていた。
「ん? なんだよみんなして? エルフってなんだ?」
「はあっ? あんたエルフを知らないのっ。バカじゃないっ」
ローレルが俺に向き直る。
「なんだよ」
俺はこの世界の人間じゃないし、記憶もないんだぞ。
「勇者様、エルフというのは精霊魔法を得意とする非常に長命な種族のことです」
「へー、そうなのか。でもだったら別にそんな驚くことでもないだろ」
「いや、エルフは人間とは一切かかわりを持たないと言われている」
とエライザ。
「だからこんな風に自分たちの方から人間の町に来るなんてありえないことなんだ」
「ふーん、そうか」
俺はうなずくとエルフの女性に目をやる。
エルフの女性はまだ小さく震えていた。
「とりあえず人目につかないところに移動しますか? 話はそれからで」
「……は、はい」
俺はエルフの女性を人通りの少ない場所に案内することにした。
「あっ、ちょっとあんた、何勝手にっ……」
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