最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第316話 鎧と槍の男
ベスパの町と違って少々物価が高いゴンズの町では一番安い宿屋でも一泊あたり金貨一枚と銀貨五枚だった。
俺はその宿屋を確保すると一人で飯屋へと向かう。
ビアンキたちとは泊まる宿が違うので夜は別行動なのだった。
路地裏の暗がりを歩いていると前方に女性が男三人に囲まれているのが見えた。
通り過ぎようとしたのだが、
「やめてくださいっ!」
女性が大声を上げたので思わず立ち止まる。
どうやら見知らぬ男たちに絡まれているらしい。
助けたほうがいいかな。
そう思い声をかけようとしたその時だった。
「やめたまえっ!」
頭上から凛々しい男性の声が降ってきた。
見上げると鎧を身にまとった男性が建物の屋上からこっちを見下ろしている。
「なんだあいつは?」
「おいてめぇ、なんのつもりだっ!」
「文句があるなら下りてきやがれっ!」
「そこまで言うなら下りてやろうではないか。はぁっ」
男たちの言葉を受けて男性が屋上から飛び下りた。
鎧のきしむ音をさせながら着地した男性は男たちに槍を向ける。
「か弱き女性に狼藉を働くなど言語道断。そんな輩はぼくが成敗してくれるっ」
「なんだてめぇ!」
「イカレてんのかこいつっ」
「関係ねぇ、やっちまえっ」
男たちは口々に言うとズボンのポケットからバタフライナイフを取り出し男性に向かって構えた。
その隙に女性が走って逃げていく。
「面白い。ぼくとやるというのか」
「てめぇが言ったんだろうがっ」
「殺してやるっ」
「死ねぇっ!」
男たちが三人一斉に男性に襲い掛かった。
だが男性は余裕の表情で、
「スキル、すばやさ3倍化っ」
と唱えると三人の男たちをあっという間に地面に沈めた。
「ふっ。他愛もない。これに懲りたら二度と女性に乱暴な真似はしないことだね」
気絶している男たちを見下ろしながら言う。
それから俺を見て、
「きみも彼らの仲間かい?」
今度は槍を俺に向けた。
「いやいや、俺は違うよ。ただの通りすがりだから」
「そうかい。だがきみも男なら困っている女性を見捨てるような真似はしないことだね」
「いや、俺も助けようとしたけどそうしたらあんたが――」
「ふっ。言い訳は見苦しいよ。男としてね」
俺の話を聞こうともしない。
とそこへ、
「あれっ? サクラ、あんたなんでこんなとこにいんのよっ」
後ろからローレルの声がした。
振り返るとローレルとエライザとビアンキが路地裏の店から出てきたところだった。
「安くご飯が食べられるところを探してたんだよ」
「な~んだ。だったらここにしなさいよっ」
とローレルは今出てきたばかりの店を指差す。
「ここはゴンズの町一美味しいご飯屋さんなんだから。もちろん安いしねっ」
「へー、そうなのか。だったらそうする――」
その時、
「ビアンキっ!? ビアンキじゃないかっ!?」
俺の言葉をさえぎって鎧姿の男性が大声を上げた。
「えっ!? ロイドっ!?」
エライザの陰になっていたビアンキが顔を覗かせる。
「ん? なにビアンキ。あいつビアンキの知り合いなの?」
「え、ええ、まあ……」
ローレルの問いに歯切れ悪く答えるビアンキ。
「ビアンキっ!」
ビアンキにロイドと呼ばれた男性は駆け出した。
ビアンキに抱きつこうとしたところをエライザが「止まれっ」と剣で制する。
どうでもいいけどエライザの奴、新しい剣を新調したのか。
「何するんだきみ、まさかぼくに嫉妬しているのかい?」
エライザを見上げるロイド。
「男の嫉妬は見苦しいからよしたまえよっ」
「なにっ? 男だと? 貴様、わたしのどこが男なんだっ、えぇっ?」
エライザはロイドの胸ぐらを掴んだ。
するとロイドは目の前のエライザの胸のふくらみに気付いて、
「いやっ、これはすまないっ。ぼくとしたことが女性に対して失礼なことをっ」
と平謝りをする。
さらにひざまずき、
「これでどうか許してほしい」
エライザの手に口づけをした。
「っ!? 何をするんだ、貴様っ」
エライザはとっさに手を引き自身のマントで手を拭く。
「うげ~、気色悪い奴……あんなのが知り合いなの? ビアンキ」
「え、ええ……」
ビアンキは恥ずかしそうにうつむいた。
「久しぶりだね、ビアンキっ。まさかこんなところで再会できるとは思ってもいなかったよ」
ロイドはビアンキの前に歩みよりビアンキの手を取る。
「会いたかったよ、ビアンキ」
「……私は会いたくはなかったです」
「やっぱりぼくたちは運命の赤い糸で結ばれているんだねっ」
「そんなことはありませんっ。もう私とあなたは赤の他人ですっ、放っておいてくださいっ」
ビアンキはロイドの手を振り払うと声を大にした。
「なあ、ビアンキ。そいつ誰なんだ?」
いい加減ローレルもエライザも気になっているであろうことを俺が訊いてみる。
「そ、それは、ですね……」
「ぼくかい? ぼくはビアンキのフィアンセだよっ」
ロイドは持っていた槍を夜空に向かって天高く上げ言い放った。
俺はその宿屋を確保すると一人で飯屋へと向かう。
ビアンキたちとは泊まる宿が違うので夜は別行動なのだった。
路地裏の暗がりを歩いていると前方に女性が男三人に囲まれているのが見えた。
通り過ぎようとしたのだが、
「やめてくださいっ!」
女性が大声を上げたので思わず立ち止まる。
どうやら見知らぬ男たちに絡まれているらしい。
助けたほうがいいかな。
そう思い声をかけようとしたその時だった。
「やめたまえっ!」
頭上から凛々しい男性の声が降ってきた。
見上げると鎧を身にまとった男性が建物の屋上からこっちを見下ろしている。
「なんだあいつは?」
「おいてめぇ、なんのつもりだっ!」
「文句があるなら下りてきやがれっ!」
「そこまで言うなら下りてやろうではないか。はぁっ」
男たちの言葉を受けて男性が屋上から飛び下りた。
鎧のきしむ音をさせながら着地した男性は男たちに槍を向ける。
「か弱き女性に狼藉を働くなど言語道断。そんな輩はぼくが成敗してくれるっ」
「なんだてめぇ!」
「イカレてんのかこいつっ」
「関係ねぇ、やっちまえっ」
男たちは口々に言うとズボンのポケットからバタフライナイフを取り出し男性に向かって構えた。
その隙に女性が走って逃げていく。
「面白い。ぼくとやるというのか」
「てめぇが言ったんだろうがっ」
「殺してやるっ」
「死ねぇっ!」
男たちが三人一斉に男性に襲い掛かった。
だが男性は余裕の表情で、
「スキル、すばやさ3倍化っ」
と唱えると三人の男たちをあっという間に地面に沈めた。
「ふっ。他愛もない。これに懲りたら二度と女性に乱暴な真似はしないことだね」
気絶している男たちを見下ろしながら言う。
それから俺を見て、
「きみも彼らの仲間かい?」
今度は槍を俺に向けた。
「いやいや、俺は違うよ。ただの通りすがりだから」
「そうかい。だがきみも男なら困っている女性を見捨てるような真似はしないことだね」
「いや、俺も助けようとしたけどそうしたらあんたが――」
「ふっ。言い訳は見苦しいよ。男としてね」
俺の話を聞こうともしない。
とそこへ、
「あれっ? サクラ、あんたなんでこんなとこにいんのよっ」
後ろからローレルの声がした。
振り返るとローレルとエライザとビアンキが路地裏の店から出てきたところだった。
「安くご飯が食べられるところを探してたんだよ」
「な~んだ。だったらここにしなさいよっ」
とローレルは今出てきたばかりの店を指差す。
「ここはゴンズの町一美味しいご飯屋さんなんだから。もちろん安いしねっ」
「へー、そうなのか。だったらそうする――」
その時、
「ビアンキっ!? ビアンキじゃないかっ!?」
俺の言葉をさえぎって鎧姿の男性が大声を上げた。
「えっ!? ロイドっ!?」
エライザの陰になっていたビアンキが顔を覗かせる。
「ん? なにビアンキ。あいつビアンキの知り合いなの?」
「え、ええ、まあ……」
ローレルの問いに歯切れ悪く答えるビアンキ。
「ビアンキっ!」
ビアンキにロイドと呼ばれた男性は駆け出した。
ビアンキに抱きつこうとしたところをエライザが「止まれっ」と剣で制する。
どうでもいいけどエライザの奴、新しい剣を新調したのか。
「何するんだきみ、まさかぼくに嫉妬しているのかい?」
エライザを見上げるロイド。
「男の嫉妬は見苦しいからよしたまえよっ」
「なにっ? 男だと? 貴様、わたしのどこが男なんだっ、えぇっ?」
エライザはロイドの胸ぐらを掴んだ。
するとロイドは目の前のエライザの胸のふくらみに気付いて、
「いやっ、これはすまないっ。ぼくとしたことが女性に対して失礼なことをっ」
と平謝りをする。
さらにひざまずき、
「これでどうか許してほしい」
エライザの手に口づけをした。
「っ!? 何をするんだ、貴様っ」
エライザはとっさに手を引き自身のマントで手を拭く。
「うげ~、気色悪い奴……あんなのが知り合いなの? ビアンキ」
「え、ええ……」
ビアンキは恥ずかしそうにうつむいた。
「久しぶりだね、ビアンキっ。まさかこんなところで再会できるとは思ってもいなかったよ」
ロイドはビアンキの前に歩みよりビアンキの手を取る。
「会いたかったよ、ビアンキ」
「……私は会いたくはなかったです」
「やっぱりぼくたちは運命の赤い糸で結ばれているんだねっ」
「そんなことはありませんっ。もう私とあなたは赤の他人ですっ、放っておいてくださいっ」
ビアンキはロイドの手を振り払うと声を大にした。
「なあ、ビアンキ。そいつ誰なんだ?」
いい加減ローレルもエライザも気になっているであろうことを俺が訊いてみる。
「そ、それは、ですね……」
「ぼくかい? ぼくはビアンキのフィアンセだよっ」
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