最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第310話 砂漠地帯を抜けて
依頼書の貼られた壁の前で俺たち四人はA級の冒険者向けの依頼を探す。
「なあ、どんなのがいいんだ?」
「そんなの報酬が一番高くて楽な依頼に決まってるじゃないっ」
「自分をより磨けるような依頼だな」
「勇者様の名声が世界中にとどろくような依頼ですね」
ローレル、エライザ、ビアンキそれぞれから三者三様の答えが返ってきた。
「なんだよそれ、注文が多いな」
俺がつぶやくと、
「あっ、これなんかどうっ?」
ローレルが一枚の依頼書を指差す。
「ん? どれどれ……」
見るとその依頼書にはこう書かれていた。
[わたしは学者をやっているマックスというものです。つい先日ゴンズの町から西に五十キロほどの場所に遺跡のようなものを発見しました。怖くて近付けないので是非冒険者の方に調査をお願いしたいです。報酬は出せませんがその代わり遺跡内にあるものはすべて差し上げます]
「遺跡の調査か……でも報酬はゼロだって書いてあるぞ」
「遺跡にはお宝が眠っている可能性が高いのよっ。だからこれはやる価値ありだわっ」
ローレルは俺を見ながら言う。
「エライザとビアンキはどうなんだ?」
「わたしは構わないぞ。遺跡には魔物も出るだろうからな、わたしの剣の腕を磨くにはもってこいだ」
「私は勇者様がよければそれでいいですよ」
「ふーん。俺はまあ三人がいいなら別に――」
「じゃあ決まりねっ」
ローレルは俺の言葉をさえぎるとその依頼書を手に取って受付カウンターへと持っていった。
そしてリムルさんと二言三言交わすと俺たちのもとへ戻ってくる。
「さあて善は急げよっ。さっさと遺跡調査に向かいましょっ」
言うなりビアンキとエライザの手を引いて冒険者ギルドを出ていってしまった。
置いてけぼりにされた俺は仕方なく三人のあとを追いかけるのだった。
☆ ☆ ☆
「ゴンズの町ってどこにあるんだ?」
「ここから西に五十キロくらい行ったところだ」
俺の問いかけにエライザが振り向く。
「おいおい、じゃあ合計百キロも歩くってことか?」
「まあ、そうなるな」
「大丈夫ですよ勇者様。明日にはつきますから」
「マジかよ」
俺一人なら飛翔魔法であっという間だってのに二日もかけて歩いていかなきゃならないのか。
これで遺跡の中になにもなかったら踏んだり蹴ったりだぞ。
☆ ☆ ☆
草原を歩いて三時間ほどすると地面が砂地に変わってきた。
日差しも強く、まるで砂漠を歩いているようだった。
「ふ~、あっついわね~」
ひたいの汗を拭いながら空を見上げるローレル。
「ローレル、お水飲む?」
「うんっ。ありがとビアンキっ」
ビアンキから水筒を受け取るとローレルはごくごくと喉を鳴らす。
「エライザも飲むー?」
ローレルは飲んでいた水筒をエライザに渡そうとするが、
「いや、わたしはいい」
エライザはこれを断った。
「だいじょぶ? 一番動いてるんだから水分補給しといた方がいいよ」
ローレルが言う。
ここまでにスライムやゴブリン、下級ゾンビといった魔物が俺たちを襲ってきていたがすべてエライザが斬り伏せていたのだった。
俺もやると申し出たのだが「これはわたしの役目だ」と頑として聞かなかったので魔物退治は任せてしまっている。
「ありがとう、ローレル。だが今は喉が渇いていないんだ。もう少ししたら貰うよ」
「そう。わかった」
「おい、ローレル。俺には訊かないのか?」
「ん? なに? あんたも水欲しいわけ?」
水筒を持ちながら俺を見返すローレル。
「でもごめーん、これはあたしたちが用意した水だからあたしたちのものなのよ。なんなら金貨十枚で売ってあげてもいいけど」
「がめつい奴だな。いらないよ、俺は水なら沢山持っているからな」
そう言うと俺は不思議な袋の中からミネラルウォーターを取り出した。
「なにそれ?」
「水だ。この不思議な袋の中に何故か沢山入っているんだ」
「へー、便利ねその袋。それあたしにちょうだいっ」
「アホか、やるわけないだろ。水も飲ませてくれないくせに」
俺はペットボトルの蓋を開けるとミネラルウォーターを一気に喉に流し込む。
とその時、
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
地中から頭部が二つある首の長い魔物が姿を現した。
*************************************
ツインサンドドラゴン――頭部が二つに分かれたドラゴンタイプの魔物。普段は砂の中に潜っているが人間の気配を察知すると地上に出てくる。弱点は水流魔法。
*************************************
「はあぁっ!」
その姿を見てエライザが大剣を振りかぶり向かっていく。
そしてツインサンドドラゴンの長い首を狙って斬りかかった。
ザシュッ!
エライザは双頭の片方を斬り落とすことに成功する。
「いえーい、エライザかっこいいっ」
ローレルが声を飛ばした。
『ギャアアァァオー!!』
頭部が一つになったツインサンドドラゴンは逃げるようにして地中へと潜る。
「あいつエライザに恐れをなして逃げちゃったわっ」
ローレルが言うが、
「いや、まだだ」
エライザは周りを見回して辺りを警戒していた。
すると次の瞬間だった。
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
さっき片首を失ったツインサンドドラゴンが仲間を二体引き連れて地中から飛び出てきたのだった。
三体のツインサンドドラゴンに取り囲まれるエライザ。
「エライザっ」
ビアンキが声を上げる。
「おーい、エライザ。俺も戦おうかっ?」
「余計な世話を焼くなっ、これくらいわたし一人で充分だっ」
そう声を発したエライザは目の前にいたツインサンドドラゴンの胸を持っていた大剣で貫いた。
『ギャアアァァオー……!!』
『ギャアアァァオー……!!』
エライザはその勢いのまま、
「はぁっ!」
横のツインサンドドラゴンの首を今度は二本とも斬り落とした。
さらに振り向きざま後ろにいた片首のツインサンドドラゴンの残っていた首をジャンプしてはね飛ばすとマントをひるがえしながら颯爽と着地する。
ツインサンドドラゴンがすべて消滅していった。
「おおー、やるなぁ……」
俺は思わず声をもらす。
「ふんっ。わたしがいる限りお前の出番はないぞ」
エライザはニヒルな笑みを浮かべ俺を見た。
うーん……もしかしてだがエライザは俺に対抗心のようなものを持っているのではないだろうか。
それは俺がレベル十一万を超えているからなのか、それとも俺が男だからなのかはわからないが。
「なあ、どんなのがいいんだ?」
「そんなの報酬が一番高くて楽な依頼に決まってるじゃないっ」
「自分をより磨けるような依頼だな」
「勇者様の名声が世界中にとどろくような依頼ですね」
ローレル、エライザ、ビアンキそれぞれから三者三様の答えが返ってきた。
「なんだよそれ、注文が多いな」
俺がつぶやくと、
「あっ、これなんかどうっ?」
ローレルが一枚の依頼書を指差す。
「ん? どれどれ……」
見るとその依頼書にはこう書かれていた。
[わたしは学者をやっているマックスというものです。つい先日ゴンズの町から西に五十キロほどの場所に遺跡のようなものを発見しました。怖くて近付けないので是非冒険者の方に調査をお願いしたいです。報酬は出せませんがその代わり遺跡内にあるものはすべて差し上げます]
「遺跡の調査か……でも報酬はゼロだって書いてあるぞ」
「遺跡にはお宝が眠っている可能性が高いのよっ。だからこれはやる価値ありだわっ」
ローレルは俺を見ながら言う。
「エライザとビアンキはどうなんだ?」
「わたしは構わないぞ。遺跡には魔物も出るだろうからな、わたしの剣の腕を磨くにはもってこいだ」
「私は勇者様がよければそれでいいですよ」
「ふーん。俺はまあ三人がいいなら別に――」
「じゃあ決まりねっ」
ローレルは俺の言葉をさえぎるとその依頼書を手に取って受付カウンターへと持っていった。
そしてリムルさんと二言三言交わすと俺たちのもとへ戻ってくる。
「さあて善は急げよっ。さっさと遺跡調査に向かいましょっ」
言うなりビアンキとエライザの手を引いて冒険者ギルドを出ていってしまった。
置いてけぼりにされた俺は仕方なく三人のあとを追いかけるのだった。
☆ ☆ ☆
「ゴンズの町ってどこにあるんだ?」
「ここから西に五十キロくらい行ったところだ」
俺の問いかけにエライザが振り向く。
「おいおい、じゃあ合計百キロも歩くってことか?」
「まあ、そうなるな」
「大丈夫ですよ勇者様。明日にはつきますから」
「マジかよ」
俺一人なら飛翔魔法であっという間だってのに二日もかけて歩いていかなきゃならないのか。
これで遺跡の中になにもなかったら踏んだり蹴ったりだぞ。
☆ ☆ ☆
草原を歩いて三時間ほどすると地面が砂地に変わってきた。
日差しも強く、まるで砂漠を歩いているようだった。
「ふ~、あっついわね~」
ひたいの汗を拭いながら空を見上げるローレル。
「ローレル、お水飲む?」
「うんっ。ありがとビアンキっ」
ビアンキから水筒を受け取るとローレルはごくごくと喉を鳴らす。
「エライザも飲むー?」
ローレルは飲んでいた水筒をエライザに渡そうとするが、
「いや、わたしはいい」
エライザはこれを断った。
「だいじょぶ? 一番動いてるんだから水分補給しといた方がいいよ」
ローレルが言う。
ここまでにスライムやゴブリン、下級ゾンビといった魔物が俺たちを襲ってきていたがすべてエライザが斬り伏せていたのだった。
俺もやると申し出たのだが「これはわたしの役目だ」と頑として聞かなかったので魔物退治は任せてしまっている。
「ありがとう、ローレル。だが今は喉が渇いていないんだ。もう少ししたら貰うよ」
「そう。わかった」
「おい、ローレル。俺には訊かないのか?」
「ん? なに? あんたも水欲しいわけ?」
水筒を持ちながら俺を見返すローレル。
「でもごめーん、これはあたしたちが用意した水だからあたしたちのものなのよ。なんなら金貨十枚で売ってあげてもいいけど」
「がめつい奴だな。いらないよ、俺は水なら沢山持っているからな」
そう言うと俺は不思議な袋の中からミネラルウォーターを取り出した。
「なにそれ?」
「水だ。この不思議な袋の中に何故か沢山入っているんだ」
「へー、便利ねその袋。それあたしにちょうだいっ」
「アホか、やるわけないだろ。水も飲ませてくれないくせに」
俺はペットボトルの蓋を開けるとミネラルウォーターを一気に喉に流し込む。
とその時、
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
地中から頭部が二つある首の長い魔物が姿を現した。
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ツインサンドドラゴン――頭部が二つに分かれたドラゴンタイプの魔物。普段は砂の中に潜っているが人間の気配を察知すると地上に出てくる。弱点は水流魔法。
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「はあぁっ!」
その姿を見てエライザが大剣を振りかぶり向かっていく。
そしてツインサンドドラゴンの長い首を狙って斬りかかった。
ザシュッ!
エライザは双頭の片方を斬り落とすことに成功する。
「いえーい、エライザかっこいいっ」
ローレルが声を飛ばした。
『ギャアアァァオー!!』
頭部が一つになったツインサンドドラゴンは逃げるようにして地中へと潜る。
「あいつエライザに恐れをなして逃げちゃったわっ」
ローレルが言うが、
「いや、まだだ」
エライザは周りを見回して辺りを警戒していた。
すると次の瞬間だった。
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
『ギャアアァァオー!!』
さっき片首を失ったツインサンドドラゴンが仲間を二体引き連れて地中から飛び出てきたのだった。
三体のツインサンドドラゴンに取り囲まれるエライザ。
「エライザっ」
ビアンキが声を上げる。
「おーい、エライザ。俺も戦おうかっ?」
「余計な世話を焼くなっ、これくらいわたし一人で充分だっ」
そう声を発したエライザは目の前にいたツインサンドドラゴンの胸を持っていた大剣で貫いた。
『ギャアアァァオー……!!』
『ギャアアァァオー……!!』
エライザはその勢いのまま、
「はぁっ!」
横のツインサンドドラゴンの首を今度は二本とも斬り落とした。
さらに振り向きざま後ろにいた片首のツインサンドドラゴンの残っていた首をジャンプしてはね飛ばすとマントをひるがえしながら颯爽と着地する。
ツインサンドドラゴンがすべて消滅していった。
「おおー、やるなぁ……」
俺は思わず声をもらす。
「ふんっ。わたしがいる限りお前の出番はないぞ」
エライザはニヒルな笑みを浮かべ俺を見た。
うーん……もしかしてだがエライザは俺に対抗心のようなものを持っているのではないだろうか。
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