最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第306話 ベヒーモス退治
俺とブライドさんが引き受けた依頼の内容はウッドー村の近くの高台にある洞窟にすみついているベヒーモスの討伐。
いつ村に下りてきて村人を襲うか不安なので早めに退治してほしいということだった。
成功報酬は金貨十枚。
俺はムーンフェイスというローレルたちが常宿にしている旅館で伝言を残してからブライドさんと一緒にベスパの町をあとにしてウッドー村を目指すのだった。
☆ ☆ ☆
「そういやあ、ローレルたちにお前のこと勝手に話しちまったけどそのあとどうなった? ローレルたちには会ったか?」
ブライドさんが俺の隣を歩きながら訊いてきた。
「会いましたよ。なんかビアンキが探していた勇者が俺だとか言い出してビアンキは俺に仕えるそうですよ。よくわからないですけどね」
「そうか。迷惑かけたならすまなかったな」
「別にいいですよ」
「いやあ、あいつらには遠くの町に行く時に結構世話になっていたからつい口が滑っちまってな、悪い悪い」
ブライドさんはローレルたちに俺が【レベルフリー】というスキルを覚えているということを話してしまったことを少なからず悪いと思っていたようだ。
俺は別に気にしてはいない。
むしろそのおかげで俺が実は異世界から来た人間なのではないかということもわかったのだから。
「あいつら三人ともあれで結構苦労してきたみたいなんだ。だからお前が仲良くしてやってくれると嬉しいんだがな」
「仲良くですか? 向こうにはあまりそういう気はないみたいですけどね」
ビアンキはともかくローレルとエライザは俺を仲間と認めているのかどうかはなはだ疑問だ。
「はははっ。あいつら男を毛嫌いしているふしがあるからなぁ」
「ブライドさんはあの三人と仲がいいみたいですね」
「あいつらはおれのことを男と思っちゃいねぇのかもな」
ブライドさんは「なーんてなっ」と自虐的に笑ってみせる。
「ビアンキたちって何歳か知ってますか?」
「あー、前に聞いたことがあるけどいくつだったかなぁ……えーっとたしかエライザが一番年上で二十いくつって言ってたな。それとビアンキが二十歳だったかな。そんでローレルが十五か十六だったと思うぞ」
「そうですか」
「知りたいなら直接訊けよ」
「いえ、別にそこまで知りたいわけでは……大体自分の年もわからないくらいですから」
「ははっ、そういやそうだったな」
偶然出遭ったゴブリンたちを返り討ちにしつつ途中休憩を挟みながら三時間ほど歩いた頃だった。
「おっ、あれじゃねぇかっ」
ブライドさんが声を上げた。
俺たちはようやくウッドー村に到着したのだった。
☆ ☆ ☆
早速村に足を踏み入れた俺たちをウッドー村の村人たちはこぞって歓迎してくれた。
話によるとウッドー村には五十人ほどしか人がいないということだった。
そしてそのほとんどが老人だそうだ。
たしかに出迎えてくれた村人たちの中に若い人は見当たらなかった。
村の代表者であるウッドさんが俺たちを自宅に案内してくれた。
「いやあ、よく来てくださった。うちの村は自給自足で野菜や米などを作って細々と暮らしているので貧しい村なんです。今回の報酬の金貨十枚も村人からなんとか集めたもので……」
とお茶を出しながらウッドさんが言う。
「そうでしたか」
「そんなつつましい生活をしていたある日、村の者が高台にある洞窟の中にベヒーモスが入っていくのを見たと言い出しまして。わたしも確認したのですがたしかにベヒーモスが出入りするのをこの目で見ました。あの魔物がいつか村に下りてきて我々のことを襲うんじゃないかと私を含めて村のみんなは気が気じゃなくて……そういうわけで今回冒険者ギルドの方に依頼をお願いした次第です」
不安であまり眠れていないのだろうか、疲れ切った様子のウッドさん。
そういえばほかの村人たちも笑顔の割に元気がなかった気がする。
「わかりました。我々に任せてください。今からすぐにベヒーモスを退治してきますから」
とブライドさんが力強く断言した。
「ありがとうございます。わたしも案内役として同行しますのでよろしくお願いします」
「そうですか。じゃあサクラ、早速行こうか」
「はい」
こうして俺とブライドさんはウッドさんに連れられてウッドー村のそばにある高台の上の洞窟へと向かうのだった。
☆ ☆ ☆
「あの洞窟です」
指を差しながらウッドさんが小声で教えてくれる。
俺たちは高台を上り洞窟が見える位置までやってきていた。
「あそこにベヒーモスがいるんですね?」
「は、はい」
ブライドさんの問いに小さくうなずくウッドさん。
不安げな表情を浮かべている。
「サクラ。おれが洞窟の中に入るからお前はここでウッドさんと待っていてくれ」
「え、俺はいいんですか?」
「ああ。ベヒーモスくらいならおれ一人ででも退治できるし万が一入れ違いになってもまずいからな。お前がここで見張ってくれていればおれも安心だ」
「そうですか。わかりました」
「じゃあ、行ってくる」
そう言うとブライドさんは洞窟へと向かっていった。
「あ、あの……」
ブライドさんが洞窟に入ってからしばらくしてウッドさんが口を開く。
「なんですか? ウッドさん」
「え、えっと実はお二人には言っていなかったことがありまして……」
「言っていなかったこと?」
「は、はい……」
ウッドさんは言いにくそうに目を泳がせていたが心を決めたのか話し出した。
「わ、わたしたちの村は非常に貧しくて……冒険者ギルドに払うお金も村の者総出で金貨十枚集めるのがやっとだったんです……」
「はあ」
「……そ、それでですね。実は今回の依頼ですが、冒険者ギルドの方にはベヒーモス退治とお願いしたのですが、そ、その……」
そこまで言った時だった。
「うおぉーっ、サクラーっ! 助けてくれーっ!」
ブライドさんが叫び声を上げながら洞窟から必死の形相で駆け出てきた。
「ブライドさんっ?」
するとブライドさんを追いかけるようにして黒い体毛をなびかせ大きな魔物が洞窟から姿を現した。
「ブライドさんっ、どうしたんですかっ?」
「こいつはベヒーモスじゃねぇっ! キングベヒーモスだっ!」
「えっ!?」
洞窟から現れた黒い大きな四足歩行の魔物はベヒーモスではなくキングベヒーモスだった。
いつ村に下りてきて村人を襲うか不安なので早めに退治してほしいということだった。
成功報酬は金貨十枚。
俺はムーンフェイスというローレルたちが常宿にしている旅館で伝言を残してからブライドさんと一緒にベスパの町をあとにしてウッドー村を目指すのだった。
☆ ☆ ☆
「そういやあ、ローレルたちにお前のこと勝手に話しちまったけどそのあとどうなった? ローレルたちには会ったか?」
ブライドさんが俺の隣を歩きながら訊いてきた。
「会いましたよ。なんかビアンキが探していた勇者が俺だとか言い出してビアンキは俺に仕えるそうですよ。よくわからないですけどね」
「そうか。迷惑かけたならすまなかったな」
「別にいいですよ」
「いやあ、あいつらには遠くの町に行く時に結構世話になっていたからつい口が滑っちまってな、悪い悪い」
ブライドさんはローレルたちに俺が【レベルフリー】というスキルを覚えているということを話してしまったことを少なからず悪いと思っていたようだ。
俺は別に気にしてはいない。
むしろそのおかげで俺が実は異世界から来た人間なのではないかということもわかったのだから。
「あいつら三人ともあれで結構苦労してきたみたいなんだ。だからお前が仲良くしてやってくれると嬉しいんだがな」
「仲良くですか? 向こうにはあまりそういう気はないみたいですけどね」
ビアンキはともかくローレルとエライザは俺を仲間と認めているのかどうかはなはだ疑問だ。
「はははっ。あいつら男を毛嫌いしているふしがあるからなぁ」
「ブライドさんはあの三人と仲がいいみたいですね」
「あいつらはおれのことを男と思っちゃいねぇのかもな」
ブライドさんは「なーんてなっ」と自虐的に笑ってみせる。
「ビアンキたちって何歳か知ってますか?」
「あー、前に聞いたことがあるけどいくつだったかなぁ……えーっとたしかエライザが一番年上で二十いくつって言ってたな。それとビアンキが二十歳だったかな。そんでローレルが十五か十六だったと思うぞ」
「そうですか」
「知りたいなら直接訊けよ」
「いえ、別にそこまで知りたいわけでは……大体自分の年もわからないくらいですから」
「ははっ、そういやそうだったな」
偶然出遭ったゴブリンたちを返り討ちにしつつ途中休憩を挟みながら三時間ほど歩いた頃だった。
「おっ、あれじゃねぇかっ」
ブライドさんが声を上げた。
俺たちはようやくウッドー村に到着したのだった。
☆ ☆ ☆
早速村に足を踏み入れた俺たちをウッドー村の村人たちはこぞって歓迎してくれた。
話によるとウッドー村には五十人ほどしか人がいないということだった。
そしてそのほとんどが老人だそうだ。
たしかに出迎えてくれた村人たちの中に若い人は見当たらなかった。
村の代表者であるウッドさんが俺たちを自宅に案内してくれた。
「いやあ、よく来てくださった。うちの村は自給自足で野菜や米などを作って細々と暮らしているので貧しい村なんです。今回の報酬の金貨十枚も村人からなんとか集めたもので……」
とお茶を出しながらウッドさんが言う。
「そうでしたか」
「そんなつつましい生活をしていたある日、村の者が高台にある洞窟の中にベヒーモスが入っていくのを見たと言い出しまして。わたしも確認したのですがたしかにベヒーモスが出入りするのをこの目で見ました。あの魔物がいつか村に下りてきて我々のことを襲うんじゃないかと私を含めて村のみんなは気が気じゃなくて……そういうわけで今回冒険者ギルドの方に依頼をお願いした次第です」
不安であまり眠れていないのだろうか、疲れ切った様子のウッドさん。
そういえばほかの村人たちも笑顔の割に元気がなかった気がする。
「わかりました。我々に任せてください。今からすぐにベヒーモスを退治してきますから」
とブライドさんが力強く断言した。
「ありがとうございます。わたしも案内役として同行しますのでよろしくお願いします」
「そうですか。じゃあサクラ、早速行こうか」
「はい」
こうして俺とブライドさんはウッドさんに連れられてウッドー村のそばにある高台の上の洞窟へと向かうのだった。
☆ ☆ ☆
「あの洞窟です」
指を差しながらウッドさんが小声で教えてくれる。
俺たちは高台を上り洞窟が見える位置までやってきていた。
「あそこにベヒーモスがいるんですね?」
「は、はい」
ブライドさんの問いに小さくうなずくウッドさん。
不安げな表情を浮かべている。
「サクラ。おれが洞窟の中に入るからお前はここでウッドさんと待っていてくれ」
「え、俺はいいんですか?」
「ああ。ベヒーモスくらいならおれ一人ででも退治できるし万が一入れ違いになってもまずいからな。お前がここで見張ってくれていればおれも安心だ」
「そうですか。わかりました」
「じゃあ、行ってくる」
そう言うとブライドさんは洞窟へと向かっていった。
「あ、あの……」
ブライドさんが洞窟に入ってからしばらくしてウッドさんが口を開く。
「なんですか? ウッドさん」
「え、えっと実はお二人には言っていなかったことがありまして……」
「言っていなかったこと?」
「は、はい……」
ウッドさんは言いにくそうに目を泳がせていたが心を決めたのか話し出した。
「わ、わたしたちの村は非常に貧しくて……冒険者ギルドに払うお金も村の者総出で金貨十枚集めるのがやっとだったんです……」
「はあ」
「……そ、それでですね。実は今回の依頼ですが、冒険者ギルドの方にはベヒーモス退治とお願いしたのですが、そ、その……」
そこまで言った時だった。
「うおぉーっ、サクラーっ! 助けてくれーっ!」
ブライドさんが叫び声を上げながら洞窟から必死の形相で駆け出てきた。
「ブライドさんっ?」
するとブライドさんを追いかけるようにして黒い体毛をなびかせ大きな魔物が洞窟から姿を現した。
「ブライドさんっ、どうしたんですかっ?」
「こいつはベヒーモスじゃねぇっ! キングベヒーモスだっ!」
「えっ!?」
洞窟から現れた黒い大きな四足歩行の魔物はベヒーモスではなくキングベヒーモスだった。
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