最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第299話 二日目
翌日。
俺は猫猫亭で朝ご飯をとってからトンボロさんの家へと向かった。
するとトンボロさんの母親が出てきて申し訳なさそうな顔をする。
わけを訊くとトンボロさんが筋肉痛で動けないということで今日のレベル上げはなしにしてほしいということだった。
「おいおい、マジかよ……勘弁してくれ」と心の中で毒ずくももちろん声にも顔にも出さず、
「わかりました」
とだけ答えると俺はきびすを返す。
やることもないのでとりあえず宿屋に戻る俺。
「まいったな……マジで赤字だぞ、これじゃ」
受ける依頼を失敗したなぁ……と反省しながら道を歩いていた時だった。
「待ってくださぁ~い!」
前の方から女性の声が聞こえてきた。
顔を上げると三十歳くらいだろうか、その女性はこっちに向かって走ってきている。
そして女性の前には黒っぽい猫が後ろを振り返りつつ駆けていた。
「誰か~、その猫さんをつかまえてくださぁ~い!」
女性は猫を追いかけているようだった。
俺は一瞬どうしようかと迷ったが横を通りすぎようとした猫をとっさの判断でさっと掴み上げる。
「ニャーッ、ニャーッ」
と暴れる猫。
「はぁ、はぁ……あ、ありがとうございます~……猫さんを捕まえてくださったんですね~」
「ええ、まあ」
「よかったぁ~……」
女性は胸に手を当て息を整えている。
「この猫、あなたのペットですか?」
「いえ、その猫さんは迷い猫なんです~。わたし冒険者ギルドというところで依頼を受けてその猫さんを探していたんです~」
女性は言った。
猫探しの依頼?
「え、じゃあもしかしてあなたもF級の冒険者ですか?」
「わぁ、よくわかりましたね~。そうですよ、わたしアンといって最近冒険者になったばかりなんです~」
やはりそうか。
俺が受けなかったF級の依頼のうちの一つをこの人が受けたってわけだ。
たしか報酬は銀貨三枚だけだったはずだが。
「あなたもっていうことはもしかするとあなたもF級の冒険者さんなんですか~?」
「そうですよ。俺は佐倉っていいます。俺もつい最近冒険者になったばかりです」
「サクラさんですか~。わたしF級の冒険者さんに会ったのは初めてなのでなんか嬉しいです~」
アンと名乗った女性は柔らかい笑顔で俺をまっすぐ見てくる。
「あ、この猫どうぞ」
俺は手元で暴れていた猫をアンさんに渡した。
「ありがとうございます~……あっでもいいんですか? この猫さんの依頼ってF級の依頼ですけど……捕まえたのはサクラさんなのに」
「いいですよ別に。俺は別の依頼を引き受けている最中ですから」
「本当ですか、ありがとうございます~」
「でもその依頼の報酬ってたしか銀貨三枚でしたよね? あまりいい条件じゃない気がしたんですけど」
一泊の宿代にすらならない金額だ。
するとアンさんは、
「わたし普段はおうちのお店のお手伝いをしているんです~。冒険者になったのは人助けがしたかったからなので報酬は特に気にしてはいないんです~」
目を細めてにこっと笑う。
「あ、そうなんですか」
報酬目当てじゃない冒険者なんていう人もいるのか。
初めて知った。
「F級の冒険者同士、これからお互い頑張りましょうね~」
「そうですね」
「じゃあわたしこの猫さん届けてきますから。サクラさんありがとうございました~」
そう言うとアンさんはたたたっと走り去っていった。
その後ろ姿を見て報酬のあまりの安さに迷い猫探しの依頼を引き受けなかったことを少し恥じる俺であった。
☆ ☆ ☆
この日は一日暇になったのでベスパの町を一通り見て回った。
一日かけて歩き回ったおかげでどこにどのような建物があるのかということが大体把握できた。
昼ご飯と晩ご飯はそれぞれ歩きながらみつけたご飯屋さんに入って済ませた。
夜になったので宿屋に戻りお風呂に浸かってから布団に入る。
「ふぅ~。明日こそはトンボロさんが動けるようになっていればいいけどな……っていうか筋肉痛ってもしかして俺の回復魔法で治せるのかな……?」
そんなことを考えながら俺は眠りにつくのだった。
俺は猫猫亭で朝ご飯をとってからトンボロさんの家へと向かった。
するとトンボロさんの母親が出てきて申し訳なさそうな顔をする。
わけを訊くとトンボロさんが筋肉痛で動けないということで今日のレベル上げはなしにしてほしいということだった。
「おいおい、マジかよ……勘弁してくれ」と心の中で毒ずくももちろん声にも顔にも出さず、
「わかりました」
とだけ答えると俺はきびすを返す。
やることもないのでとりあえず宿屋に戻る俺。
「まいったな……マジで赤字だぞ、これじゃ」
受ける依頼を失敗したなぁ……と反省しながら道を歩いていた時だった。
「待ってくださぁ~い!」
前の方から女性の声が聞こえてきた。
顔を上げると三十歳くらいだろうか、その女性はこっちに向かって走ってきている。
そして女性の前には黒っぽい猫が後ろを振り返りつつ駆けていた。
「誰か~、その猫さんをつかまえてくださぁ~い!」
女性は猫を追いかけているようだった。
俺は一瞬どうしようかと迷ったが横を通りすぎようとした猫をとっさの判断でさっと掴み上げる。
「ニャーッ、ニャーッ」
と暴れる猫。
「はぁ、はぁ……あ、ありがとうございます~……猫さんを捕まえてくださったんですね~」
「ええ、まあ」
「よかったぁ~……」
女性は胸に手を当て息を整えている。
「この猫、あなたのペットですか?」
「いえ、その猫さんは迷い猫なんです~。わたし冒険者ギルドというところで依頼を受けてその猫さんを探していたんです~」
女性は言った。
猫探しの依頼?
「え、じゃあもしかしてあなたもF級の冒険者ですか?」
「わぁ、よくわかりましたね~。そうですよ、わたしアンといって最近冒険者になったばかりなんです~」
やはりそうか。
俺が受けなかったF級の依頼のうちの一つをこの人が受けたってわけだ。
たしか報酬は銀貨三枚だけだったはずだが。
「あなたもっていうことはもしかするとあなたもF級の冒険者さんなんですか~?」
「そうですよ。俺は佐倉っていいます。俺もつい最近冒険者になったばかりです」
「サクラさんですか~。わたしF級の冒険者さんに会ったのは初めてなのでなんか嬉しいです~」
アンと名乗った女性は柔らかい笑顔で俺をまっすぐ見てくる。
「あ、この猫どうぞ」
俺は手元で暴れていた猫をアンさんに渡した。
「ありがとうございます~……あっでもいいんですか? この猫さんの依頼ってF級の依頼ですけど……捕まえたのはサクラさんなのに」
「いいですよ別に。俺は別の依頼を引き受けている最中ですから」
「本当ですか、ありがとうございます~」
「でもその依頼の報酬ってたしか銀貨三枚でしたよね? あまりいい条件じゃない気がしたんですけど」
一泊の宿代にすらならない金額だ。
するとアンさんは、
「わたし普段はおうちのお店のお手伝いをしているんです~。冒険者になったのは人助けがしたかったからなので報酬は特に気にしてはいないんです~」
目を細めてにこっと笑う。
「あ、そうなんですか」
報酬目当てじゃない冒険者なんていう人もいるのか。
初めて知った。
「F級の冒険者同士、これからお互い頑張りましょうね~」
「そうですね」
「じゃあわたしこの猫さん届けてきますから。サクラさんありがとうございました~」
そう言うとアンさんはたたたっと走り去っていった。
その後ろ姿を見て報酬のあまりの安さに迷い猫探しの依頼を引き受けなかったことを少し恥じる俺であった。
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この日は一日暇になったのでベスパの町を一通り見て回った。
一日かけて歩き回ったおかげでどこにどのような建物があるのかということが大体把握できた。
昼ご飯と晩ご飯はそれぞれ歩きながらみつけたご飯屋さんに入って済ませた。
夜になったので宿屋に戻りお風呂に浸かってから布団に入る。
「ふぅ~。明日こそはトンボロさんが動けるようになっていればいいけどな……っていうか筋肉痛ってもしかして俺の回復魔法で治せるのかな……?」
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