最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第282話 サイチョウ
「さてと……サクラ、お前が今までどこで何をしてたかまだ聞いていなかったよな。それに不思議な袋の入手方法も気になるところだしな。お前は一体何者なんだ?」
冒険者ギルドを出てすぐにガイさんが俺に訊いてくる。
だが記憶がないので答えられない。
むしろ俺の方がそれを知りたいくらいなのだ。
「えっと……」
助けを求めようとエレナさんたちに目をやるがエレナさんはさっきリムルさんから受け取った手紙を真剣な顔で読んでいて俺の視線には気付きもしないし、ミコトさんは俺以上にあわあわしている。
もういっそのこと心配させることになろうとも記憶喪失だと話した方が手っ取り早いか。
そう心に決めたその時だった。
「ガイっ、ちょっとこれ読んでっ」
エレナさんが突然声を上げた。
「なんだよ、どうした?」
「いいから早くっ」
「ん…………なっ、おいおいマジかっ!」
手紙の内容を見てガイさんも声を大にする。
「ど、どうかしたんですか? エレナさん、ガイさん」
ミコトさんが二人に訊ねた。
「ええ、ミコトもこれ読んでみてっ」
エレナさんが手紙をミコトさんに手渡す。
その手紙に目を落としてミコトさんは「えっ、た、大変じゃないですかっ」と声を発した。
「あの、どうかしました?」
三人の様子を見てさすがに俺も気になったので訊いてみる。
「ああ、ちょっと急ぎの用が出来た。ってわけでサクラ、お前とはここまでだっ」
「はあ……?」
「サクラくんごめんね。もっと一緒にいたかったんだけどわたしたちは今から急いでキリング城に行かないといけないからここでお別れだわっ」
「キリング城?」
「は、はい。今のお手紙でエレナさんとガイさんの――」
「おい、ミコト何してる。早く行くぞっ!」
ガイさんはミコトさんを自分たちのもとに呼び寄せるとエレナさんとともに駆けていった。
「ばいばいサクラくんっ、また会おうねっ!」
エレナさんは一度振り返り俺に向かって大きく手を振ると二人と一緒に走り去っていったのだった。
「なんだったんだ……?」
呆気にとられる俺。
すると、
「おいあんた、やっぱりエレナさんと知り合いだったんじゃねぇかよっ」
後ろから俺の肩に手を回してくる者がいた。
誰だと思って顔をよく見るとそれは二、三時間ほど前に冒険者ギルドの中で出会ったチャラい感じの優男だった。
「人が悪ぃな、あんたもさ。知り合いだったくせに知らんぷりしやがって」
「離れろ。なれなれしい奴だな」
「はいはいっと」
優男は俺から手を放すと正面に回り込む。
「それよりあんた名前はっ?」
「……佐倉だけど」
「サクラか。なんか女みたいな名前だな」
「ほっとけ。それよりお前こそ誰なんだ? なんの用だ?」
男に興味はないんじゃなかったのか?
「おれはサイチョウ。B級の冒険者だ、よろしくな」
サイチョウと名乗った優男は俺に手を差し出してきた。
「ああ……」
無視するのも気が引けるので俺はとりあえず握手をする。
「それで用件はなんだよ」
「そんなの決まってるだろ。エレナさんたちのチームにおれを紹介してくれっ」
サイチョウは身を乗り出して言った。
「紹介?」
「ああ。おれはエレナさんが好きだっ。ミコトさんも好きだっ。だから二人と同じチームに入って一緒に冒険がしたいんだっ」
「あのなぁ、俺はお前を紹介できるほどあの人たちと親しくはないぞ」
今日初めて会って二時間ほど一緒にいただけだからな。
「いいや、もう今度は騙されないぞっ。おれはあんたがエレナさんたちと仲良く町の外から戻ってきてそのまま冒険者ギルドに入って出てくるところをずっとこの目で見てたんだからなっ」
「お前、暇なのか?」
「わかった、あんたさては一人で抜け駆けしようとしてるなっ。どっち狙いだっ? エレナさんかっ? それともミコトさんかっ?」
俺の言葉も聞かずサイチョウは矢継ぎ早に話しかけてくる。
「エレナさんは超絶美人でミコトさんは超可愛いからな、正直おれはどっちでも全然構わないぞっ。あんたに選ばせてやるっ。それでどうだっ?」
「どうだってなんだよ。俺はただエレナさんたちに俺の依頼を手伝ってもらっただけだ」
それ以上でもそれ以下でもない。
「嘘だっ。大体親しくもないF級冒険者の依頼を手伝うS級冒険者がいるわけないだろうがっ」
「そう言われてもなぁ……」
俺は真実を語っているのだがサイチョウは信じようとしない。
それどころかますます前のめりになるサイチョウ。
「よし、それなら紹介料を払ってやるっ。いくらだっ? 金貨一枚かっ? 二枚かっ?」
「そういう問題じゃなくてだな……」
「頼むよっ。この通りだっ!」
しまいには土下座をする始末。
「おい、目立つからやめろよ」
「大好きなんだっ、だから頼むっ!」
「誤解されるようなこと言うなっ」
人目もはばからずにサイチョウは土下座をしながら大声を上げる。
道行く人たちがなんだなんだと集まってきた。
「おいサイチョウ、やめてくれ」
「この通りだぁっ!」
「わ、わかったからとりあえず立ってくれっ」
「し、紹介してくれるのかっ?」
サイチョウは顔を上げると見開いた目で俺を見上げる。
目が血走っていてちょっと怖い。
「うーん……紹介するだけだぞ。そのあとの責任は持てないからな」
「よっしゃ、約束だぞっ。ははっ。なあに、あんたが紹介してくれりゃあ一発さっ」
言うとサイチョウは何事もなかったかのようにすっと立ち上がった。
そして、
「ほら、見せもんじゃないぜっ。散った散った!」
足を止めていた野次馬たちを追い払うと俺に向き直る。
「じゃあ、あらためておれはサイチョウ・リョウギシャ。シギシャサ村出身で十七歳のB級冒険者だ。まあいずれはS級になる男だ、よろしく頼むぜっ」
親指を自分に向けて堂々と宣言した。
「そういうことでエレナさんたちに紹介してもらうまでおれはあんたに同行するからなっ」
「はぁ……もう好きにしろよ」
こうして俺はサイチョウというB級冒険者の男と行動をともにすることとなった。
冒険者ギルドを出てすぐにガイさんが俺に訊いてくる。
だが記憶がないので答えられない。
むしろ俺の方がそれを知りたいくらいなのだ。
「えっと……」
助けを求めようとエレナさんたちに目をやるがエレナさんはさっきリムルさんから受け取った手紙を真剣な顔で読んでいて俺の視線には気付きもしないし、ミコトさんは俺以上にあわあわしている。
もういっそのこと心配させることになろうとも記憶喪失だと話した方が手っ取り早いか。
そう心に決めたその時だった。
「ガイっ、ちょっとこれ読んでっ」
エレナさんが突然声を上げた。
「なんだよ、どうした?」
「いいから早くっ」
「ん…………なっ、おいおいマジかっ!」
手紙の内容を見てガイさんも声を大にする。
「ど、どうかしたんですか? エレナさん、ガイさん」
ミコトさんが二人に訊ねた。
「ええ、ミコトもこれ読んでみてっ」
エレナさんが手紙をミコトさんに手渡す。
その手紙に目を落としてミコトさんは「えっ、た、大変じゃないですかっ」と声を発した。
「あの、どうかしました?」
三人の様子を見てさすがに俺も気になったので訊いてみる。
「ああ、ちょっと急ぎの用が出来た。ってわけでサクラ、お前とはここまでだっ」
「はあ……?」
「サクラくんごめんね。もっと一緒にいたかったんだけどわたしたちは今から急いでキリング城に行かないといけないからここでお別れだわっ」
「キリング城?」
「は、はい。今のお手紙でエレナさんとガイさんの――」
「おい、ミコト何してる。早く行くぞっ!」
ガイさんはミコトさんを自分たちのもとに呼び寄せるとエレナさんとともに駆けていった。
「ばいばいサクラくんっ、また会おうねっ!」
エレナさんは一度振り返り俺に向かって大きく手を振ると二人と一緒に走り去っていったのだった。
「なんだったんだ……?」
呆気にとられる俺。
すると、
「おいあんた、やっぱりエレナさんと知り合いだったんじゃねぇかよっ」
後ろから俺の肩に手を回してくる者がいた。
誰だと思って顔をよく見るとそれは二、三時間ほど前に冒険者ギルドの中で出会ったチャラい感じの優男だった。
「人が悪ぃな、あんたもさ。知り合いだったくせに知らんぷりしやがって」
「離れろ。なれなれしい奴だな」
「はいはいっと」
優男は俺から手を放すと正面に回り込む。
「それよりあんた名前はっ?」
「……佐倉だけど」
「サクラか。なんか女みたいな名前だな」
「ほっとけ。それよりお前こそ誰なんだ? なんの用だ?」
男に興味はないんじゃなかったのか?
「おれはサイチョウ。B級の冒険者だ、よろしくな」
サイチョウと名乗った優男は俺に手を差し出してきた。
「ああ……」
無視するのも気が引けるので俺はとりあえず握手をする。
「それで用件はなんだよ」
「そんなの決まってるだろ。エレナさんたちのチームにおれを紹介してくれっ」
サイチョウは身を乗り出して言った。
「紹介?」
「ああ。おれはエレナさんが好きだっ。ミコトさんも好きだっ。だから二人と同じチームに入って一緒に冒険がしたいんだっ」
「あのなぁ、俺はお前を紹介できるほどあの人たちと親しくはないぞ」
今日初めて会って二時間ほど一緒にいただけだからな。
「いいや、もう今度は騙されないぞっ。おれはあんたがエレナさんたちと仲良く町の外から戻ってきてそのまま冒険者ギルドに入って出てくるところをずっとこの目で見てたんだからなっ」
「お前、暇なのか?」
「わかった、あんたさては一人で抜け駆けしようとしてるなっ。どっち狙いだっ? エレナさんかっ? それともミコトさんかっ?」
俺の言葉も聞かずサイチョウは矢継ぎ早に話しかけてくる。
「エレナさんは超絶美人でミコトさんは超可愛いからな、正直おれはどっちでも全然構わないぞっ。あんたに選ばせてやるっ。それでどうだっ?」
「どうだってなんだよ。俺はただエレナさんたちに俺の依頼を手伝ってもらっただけだ」
それ以上でもそれ以下でもない。
「嘘だっ。大体親しくもないF級冒険者の依頼を手伝うS級冒険者がいるわけないだろうがっ」
「そう言われてもなぁ……」
俺は真実を語っているのだがサイチョウは信じようとしない。
それどころかますます前のめりになるサイチョウ。
「よし、それなら紹介料を払ってやるっ。いくらだっ? 金貨一枚かっ? 二枚かっ?」
「そういう問題じゃなくてだな……」
「頼むよっ。この通りだっ!」
しまいには土下座をする始末。
「おい、目立つからやめろよ」
「大好きなんだっ、だから頼むっ!」
「誤解されるようなこと言うなっ」
人目もはばからずにサイチョウは土下座をしながら大声を上げる。
道行く人たちがなんだなんだと集まってきた。
「おいサイチョウ、やめてくれ」
「この通りだぁっ!」
「わ、わかったからとりあえず立ってくれっ」
「し、紹介してくれるのかっ?」
サイチョウは顔を上げると見開いた目で俺を見上げる。
目が血走っていてちょっと怖い。
「うーん……紹介するだけだぞ。そのあとの責任は持てないからな」
「よっしゃ、約束だぞっ。ははっ。なあに、あんたが紹介してくれりゃあ一発さっ」
言うとサイチョウは何事もなかったかのようにすっと立ち上がった。
そして、
「ほら、見せもんじゃないぜっ。散った散った!」
足を止めていた野次馬たちを追い払うと俺に向き直る。
「じゃあ、あらためておれはサイチョウ・リョウギシャ。シギシャサ村出身で十七歳のB級冒険者だ。まあいずれはS級になる男だ、よろしく頼むぜっ」
親指を自分に向けて堂々と宣言した。
「そういうことでエレナさんたちに紹介してもらうまでおれはあんたに同行するからなっ」
「はぁ……もう好きにしろよ」
こうして俺はサイチョウというB級冒険者の男と行動をともにすることとなった。
「最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
1,251
-
942
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
5,168
-
2.6万
-
-
12
-
6
-
-
6,643
-
2.9万
-
-
357
-
1,672
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2,491
-
6,724
-
-
9,385
-
2.4万
-
-
9,690
-
1.6万
-
-
23
-
2
-
-
236
-
1,826
-
-
78
-
2,902
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
8,168
-
5.5万
-
-
98
-
15
-
-
7,460
-
1.5万
-
-
3,202
-
1.5万
-
-
6,204
-
3.1万
-
-
984
-
1,509
-
-
27
-
46
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,690
-
1.6万
-
-
9,542
-
1.1万
-
-
9,385
-
2.4万
-
-
9,166
-
2.3万
コメント