最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第279話 交換条件
「うおぉっ、燃えてるぞっ!?」
「ちょっと何があったのよ、ガイっ!」
「おれじゃない、あいつがやったんだっ」
ガイさんが俺を指差した。
「えっ? あれ、きみはさっきの……?」
「そ、そんなことより早く火を消さないとっ……」
とミコトさん。
俺が放った火炎魔法のせいで森に炎が燃え広がっていく。
まずい……なんとかしないと。
そう思ったその時だった。
「スキル、水流魔法ランク10っ!」
ガイさんが声を張り上げ魔法を唱えた。
直後ガイさんの両手から水が大量に飛び出して森に燃え広がっていた炎を鎮めていく。
そして――あっという間に鎮火した。
「ふぅっ。あぶねーあぶねー」
ガイさんが腕でひたいの汗を拭う。
「まったく、ガイったらもう少しで大事になるところだったわよ」
「だからおれじゃねぇって、そいつがやったんだよっ……大体おれは火炎魔法なんか使えないだろ」
ガイさんはあごをしゃくるようにして俺を見た。
「あ、そうそう、そういえばきみはさっきギルドで会った……」
「佐倉真琴です」
「へー、サクラくんっていうんだぁ。でガイ、何があったわけ? あなたがインペリアルベヒーモスを逃がしてから」
俺への笑顔から一転、エレナさんはじとっとした目つきでガイさんを見やる。
「あー、それはだなぁ……おれがインペリアルベヒーモスを追ってたら目の前にそいつがいて、そいつが火炎魔法をインペリアルベヒーモスにくらわせたらインペリアルベヒーモスが暴れ回ってからくたばった。そん時に火が周りの木に燃え移ったんだ」
「えっ!? インペリアルベヒーモスを倒したのはその方なんですかっ?」
よほど衝撃だったのだろう、ミコトさんが声を上げた。
「ああ、まあな」
「サクラくん、ほんとっ? ほんとにきみがインペリアルベヒーモスを倒したのっ?」
エレナさんは興味深そうな目で俺に向き直る。
「あ、はい、まあ」
「サクラくんて冒険者になったばかりだと思ってたけど違ったのっ? ごめんね、わたしサクラくんがF級の依頼書を探してたからてっきりそうだとばかり……」
「いや、違いませんよ。冒険者にはなったばかりです。俺はエレナさんの言う通りF級ですよ」
「おい、ふざけたこと言うなよっ。F級冒険者がインペリアルベヒーモスを倒せるわけねぇだろうがっ。お前本当はS級だろっ」
ガイさんが声を荒らげた。
「ふざけてなんかいませんて。俺は今日冒険者になったんですから」
「いやいや、そんなことあるはずがないっ。おれでさえ手こずってたんだぞ。それを初心者があんなあっさり……ありえないっ」
「そう言われても……」
「S級なんだろお前っ、正直に言えっ。さもないと――」
「ガイうるさい、ちょっと黙ってて!」
俺に詰め寄っていたガイさんの脳天にエレナさんがチョップをくらわせぴしゃりと制する。
「ねえ、サクラくん。わたしはあなたを信じるわ。それとわたしたちが逃がしちゃったインペリアルベヒーモスを倒してくれてありがとうね。もし逃がしたインペリアルベヒーモスが誰か人を襲っていたらどうなっていたか……考えただけで恐ろしいわ」
「いえ、俺は別に」
降りかかる火の粉を払ったに過ぎない。
「本当にありがとう」
「あ、ありがとうございました」
ミコトさんも俺に頭を下げた。
「あ、いえ……」
「ほら、ガイもサクラくんにお礼言って」
「なんでおれが――」
「いいからっ」
「……わぁったよ。面倒かけたな、悪かった」
「お礼になってない」
「……ちっ、サンキューな」
ガイさんは不承不承口にする。
兄妹だと聞いていたが妹のエレナさんの方がパワーバランスは上なのかな?
そんなことを考えていると、
「ほら、これ持っていけよっ」
ガイさんがぶしつけに一枚の紙きれを差し出してきた。
よく見るとそれは依頼書だった。
「え、どういうことですか?」
「どうもこうもない。インペリアルベヒーモスを倒したのはお前なんだからこの依頼の報酬はお前が受け取れっ」
ガイさんが言う。
「いや、いいですよ別に」
俺はたまたま遭遇した魔物をやっつけただけだ。
「というか依頼を受けたのはガイさんたちですから俺が代わりに受け取るとかは出来ないんじゃないですか?」
お金は欲しいけどその依頼を受けたのは俺ではない。
F級冒険者はF級の依頼しか受けられないはずだからそんなS級専用の依頼書を持ってギルドに戻ったところで俺にお金を払ってくれるとは到底思えない。
「そうよ、サクラくんの言う通りよ。お金は依頼を受けた冒険者しか受け取れない決まりでしょ」
「じゃあエレナはこいつのおこぼれを貰えって言うのかっ、このおれに」
「別にいいんじゃない。サクラくんがいいって言ってるんだから。ねえ? ミコト」
「え、えっとわたしは……」
急に話を振られたミコトさんはガイさんとエレナさんの間で縮こまってしまう。
「じゃあこうしましょうよ。わたしたちがサクラくんの受けた依頼を手伝ってあげるの。そうすればお互い様でしょ」
「そ、そうですね。それならわたしも賛成です」
「ありがとミコト。ね? ガイもそれでいいでしょ」
「なんで今さらおれがF級の依頼なんか――」
「インペリアルベヒーモスを逃がしたのは一体誰だったかしらねえ?」
「うっ……」
エレナさんの言葉に反論出来なくなるガイさん。
「っていうわけだからサクラくん、きみの依頼をわたしたちに手伝わせてっ」
「え、でも……」
「お願いっ」
エレナさんにきゅっと手を握られた俺は思わず「は、はい」とうなずいていたのだった。
「ちょっと何があったのよ、ガイっ!」
「おれじゃない、あいつがやったんだっ」
ガイさんが俺を指差した。
「えっ? あれ、きみはさっきの……?」
「そ、そんなことより早く火を消さないとっ……」
とミコトさん。
俺が放った火炎魔法のせいで森に炎が燃え広がっていく。
まずい……なんとかしないと。
そう思ったその時だった。
「スキル、水流魔法ランク10っ!」
ガイさんが声を張り上げ魔法を唱えた。
直後ガイさんの両手から水が大量に飛び出して森に燃え広がっていた炎を鎮めていく。
そして――あっという間に鎮火した。
「ふぅっ。あぶねーあぶねー」
ガイさんが腕でひたいの汗を拭う。
「まったく、ガイったらもう少しで大事になるところだったわよ」
「だからおれじゃねぇって、そいつがやったんだよっ……大体おれは火炎魔法なんか使えないだろ」
ガイさんはあごをしゃくるようにして俺を見た。
「あ、そうそう、そういえばきみはさっきギルドで会った……」
「佐倉真琴です」
「へー、サクラくんっていうんだぁ。でガイ、何があったわけ? あなたがインペリアルベヒーモスを逃がしてから」
俺への笑顔から一転、エレナさんはじとっとした目つきでガイさんを見やる。
「あー、それはだなぁ……おれがインペリアルベヒーモスを追ってたら目の前にそいつがいて、そいつが火炎魔法をインペリアルベヒーモスにくらわせたらインペリアルベヒーモスが暴れ回ってからくたばった。そん時に火が周りの木に燃え移ったんだ」
「えっ!? インペリアルベヒーモスを倒したのはその方なんですかっ?」
よほど衝撃だったのだろう、ミコトさんが声を上げた。
「ああ、まあな」
「サクラくん、ほんとっ? ほんとにきみがインペリアルベヒーモスを倒したのっ?」
エレナさんは興味深そうな目で俺に向き直る。
「あ、はい、まあ」
「サクラくんて冒険者になったばかりだと思ってたけど違ったのっ? ごめんね、わたしサクラくんがF級の依頼書を探してたからてっきりそうだとばかり……」
「いや、違いませんよ。冒険者にはなったばかりです。俺はエレナさんの言う通りF級ですよ」
「おい、ふざけたこと言うなよっ。F級冒険者がインペリアルベヒーモスを倒せるわけねぇだろうがっ。お前本当はS級だろっ」
ガイさんが声を荒らげた。
「ふざけてなんかいませんて。俺は今日冒険者になったんですから」
「いやいや、そんなことあるはずがないっ。おれでさえ手こずってたんだぞ。それを初心者があんなあっさり……ありえないっ」
「そう言われても……」
「S級なんだろお前っ、正直に言えっ。さもないと――」
「ガイうるさい、ちょっと黙ってて!」
俺に詰め寄っていたガイさんの脳天にエレナさんがチョップをくらわせぴしゃりと制する。
「ねえ、サクラくん。わたしはあなたを信じるわ。それとわたしたちが逃がしちゃったインペリアルベヒーモスを倒してくれてありがとうね。もし逃がしたインペリアルベヒーモスが誰か人を襲っていたらどうなっていたか……考えただけで恐ろしいわ」
「いえ、俺は別に」
降りかかる火の粉を払ったに過ぎない。
「本当にありがとう」
「あ、ありがとうございました」
ミコトさんも俺に頭を下げた。
「あ、いえ……」
「ほら、ガイもサクラくんにお礼言って」
「なんでおれが――」
「いいからっ」
「……わぁったよ。面倒かけたな、悪かった」
「お礼になってない」
「……ちっ、サンキューな」
ガイさんは不承不承口にする。
兄妹だと聞いていたが妹のエレナさんの方がパワーバランスは上なのかな?
そんなことを考えていると、
「ほら、これ持っていけよっ」
ガイさんがぶしつけに一枚の紙きれを差し出してきた。
よく見るとそれは依頼書だった。
「え、どういうことですか?」
「どうもこうもない。インペリアルベヒーモスを倒したのはお前なんだからこの依頼の報酬はお前が受け取れっ」
ガイさんが言う。
「いや、いいですよ別に」
俺はたまたま遭遇した魔物をやっつけただけだ。
「というか依頼を受けたのはガイさんたちですから俺が代わりに受け取るとかは出来ないんじゃないですか?」
お金は欲しいけどその依頼を受けたのは俺ではない。
F級冒険者はF級の依頼しか受けられないはずだからそんなS級専用の依頼書を持ってギルドに戻ったところで俺にお金を払ってくれるとは到底思えない。
「そうよ、サクラくんの言う通りよ。お金は依頼を受けた冒険者しか受け取れない決まりでしょ」
「じゃあエレナはこいつのおこぼれを貰えって言うのかっ、このおれに」
「別にいいんじゃない。サクラくんがいいって言ってるんだから。ねえ? ミコト」
「え、えっとわたしは……」
急に話を振られたミコトさんはガイさんとエレナさんの間で縮こまってしまう。
「じゃあこうしましょうよ。わたしたちがサクラくんの受けた依頼を手伝ってあげるの。そうすればお互い様でしょ」
「そ、そうですね。それならわたしも賛成です」
「ありがとミコト。ね? ガイもそれでいいでしょ」
「なんで今さらおれがF級の依頼なんか――」
「インペリアルベヒーモスを逃がしたのは一体誰だったかしらねえ?」
「うっ……」
エレナさんの言葉に反論出来なくなるガイさん。
「っていうわけだからサクラくん、きみの依頼をわたしたちに手伝わせてっ」
「え、でも……」
「お願いっ」
エレナさんにきゅっと手を握られた俺は思わず「は、はい」とうなずいていたのだった。
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