最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第277話 再び冒険者ギルド
「あんちゃん食事うまかったよ、ありがとなっ」
公園にいた男性と別れて俺は再び歩き出す。
向かう先は冒険者ギルド。
今後の食費や宿代のことを考えて俺はギルドで依頼を受けることに決めたのだった。
現在の所持品は不思議な袋とその中に入っているミネラルウォーターや衣類、薬草と魔草が数十枚。
所持金は金貨三枚に銀貨五枚。
食事代や宿代がいくらくらいかかるのかまったくわからないのでお金は稼げるときに稼いでおいたほうがいい。
医者の話では記憶喪失に関しては時間が解決してくれるらしく俺に出来ることは何もないそうだ。
焦っても仕方がないので俺は時間を有意義に使うことにする。
☆ ☆ ☆
「いらっしゃいませ」
冒険者ギルドに入ると扉付近にいた女性がお辞儀をした。
俺もそれにならって会釈を返して依頼書が貼られた壁に向かっていく。
壁には百枚近くの依頼書がびっしりと隙間なく貼られていた。
「へー、沢山あるんだなぁ……」
どれにしようか目移りしてしまう。
しかし壁に貼られた依頼書をよくよく見ると条件の欄に[B級以上の冒険者]とか[S級冒険者急募]といった文言が並んでいた。
俺の冒険者ランクはF級なのでそれらの依頼はそもそも受けることができない。
「F級、F級……」
壁の下の方にF級の文字がいくつか見えたので俺はしゃがんでそれらに目を通していた。
すると、
「邪魔だ、どけっ!」
上から男性の声が降ってきた。
俺は立ち上がり振り向くとそこには体格のいい大男が立っていた。
「お前、F級だろっ。F級はすっこんでろっ!」
どんっと俺の胸をどついてから壁に貼られた依頼書に手を伸ばす。
そして[C級冒険者求む]と書かれた依頼書を鷲掴みにすると俺をゴミクズでも見るような目で見下ろしながら俺の横を通って受付カウンターに持っていった。
「なんだってんだ……」
「きみ、大丈夫?」
俺が大男の背中を眺めていると今度は若い女性の声が後ろからした。
振り返った俺はその女性の美しさに大男へのムッとしていた感情も忘れ思わず見とれてしまう。
身長は俺よりやや低いくらいで目鼻立ちの整った端正な顔、瑠璃色の瞳。
長い金色の髪は背中まで伸びていて手足はすらっと長い。
記憶をなくしている俺でも今まで出会った女性の中できっと一番の美人だと直感した。
「おーい、きみ。どうしたのー?」
俺の目の前で手を振る女性。
「あ、いやなんでもないですっ」
「さっきの人、ヤな感じだったね」
女性は手をかざして俺の耳元でそっとささやく。
耳に息がかかり俺はとっさに身を引いた。
「えっと……」
「あ、わたしは――」
「エレナー! 何してんだ、早くしろよー!」
「ごめーん! すぐ行くからっ! ……ごめんね、わたし行かないとっ」
エレナと呼ばれたその女性は[S級冒険者急募]と書かれた依頼書を壁からはがすと「頑張ってねっ」と俺の肩にぽんと手を置いてから受付カウンターに駆けていった。
そして同じ冒険者仲間らしき二人の男女とともに冒険者ギルドをあとにする。
俺は彼女の残り香に包まれながらただぼけーっと突っ立っていた。
とそこへ、
「なああんた、エレナさんと知り合いなのかっ?」
チャラい感じの優男が話しかけてくる。
気付くと周りにいたほかの冒険者たちの視線も俺に集まっていた。
「ん? エレナさん……ってさっきの女性のことか?」
「なんだよっ、知り合いじゃないのかよっ」
優男の言葉で俺を注視していた冒険者たちが興味を失ったかのように一斉に壁に貼られた依頼書に向き直る。
どうやらエレナさんというさっきの女性はほかの冒険者たちからも一目置かれた存在のようだ。
そのエレナさんと親しげに話している俺を見て仲間だとでも思ったのだろうか。
「声かけて損したぜ……ったく。邪魔したなっ」
「あ、ちょっと待ってくれ」
俺はその優男を呼び止めた。
「あ、なんだよ。おれは男に興味はないぜっ」
「俺もないから安心しろ。それよりさっきのエレナさんって何者なんだ?」
「冒険者のくせにエレナさんを知らないってあんたの方こそ何もんなんだよっ」
仕方ないだろ。記憶がないんだから。
もちろんいちいちそんなことは言わないが。
「あのな、エレナさんっていうのはS級の冒険者だよ。あんたも見ての通りとんでもなく美人だがそれだけじゃなくてものすごく強いって評判だ。しつこく迫っていた同じくS級の冒険者を半殺しにしたって噂もあるくらいだぜ」
「へー。じゃあ一緒に出ていった連中もS級の冒険者か?」
「ああ、そうだぜ。女の子の方はミコトっていってエレナさんと比べると地味だけど隠れファンも結構いるって話だぜ。男の方はガイ、エレナさんの兄貴だそうだ」
「ふーん。であの三人のレベルはいくつくらいなんだ?」
「はあ? おれが知るかよっ。つうか普通に考えて99だろっ」
「99? そんな低いのか?」
俺のレベルはたしか十一万を超えていたはずだが……。
「そんな低いって、あんた何言ってるんだ? レベルの上限は99だろうがっ」
「え……でも――」
あれ? ちょっと待てよ。
そういえばブライドさんは俺のステータスを見て俺のことをバケモンだって言っていたな。
もしかして俺ってかなりイレギュラーな存在なのか……?
「あんたF級だろ? どうせレベルもまだ二桁いってないんじゃないのか? 冒険者やるならもっと勉強してから出直したほうがいいぞあんた、じゃないとF級の依頼でも死んじまうぞっ」
そう言うと俺に愛想をつかしたのか優男が手をひらひらさせながら去っていった。
うーん……レベルの上限って普通は99なのか。
ブライドさん。そういう大事なことは教えておいてくださいよ。
公園にいた男性と別れて俺は再び歩き出す。
向かう先は冒険者ギルド。
今後の食費や宿代のことを考えて俺はギルドで依頼を受けることに決めたのだった。
現在の所持品は不思議な袋とその中に入っているミネラルウォーターや衣類、薬草と魔草が数十枚。
所持金は金貨三枚に銀貨五枚。
食事代や宿代がいくらくらいかかるのかまったくわからないのでお金は稼げるときに稼いでおいたほうがいい。
医者の話では記憶喪失に関しては時間が解決してくれるらしく俺に出来ることは何もないそうだ。
焦っても仕方がないので俺は時間を有意義に使うことにする。
☆ ☆ ☆
「いらっしゃいませ」
冒険者ギルドに入ると扉付近にいた女性がお辞儀をした。
俺もそれにならって会釈を返して依頼書が貼られた壁に向かっていく。
壁には百枚近くの依頼書がびっしりと隙間なく貼られていた。
「へー、沢山あるんだなぁ……」
どれにしようか目移りしてしまう。
しかし壁に貼られた依頼書をよくよく見ると条件の欄に[B級以上の冒険者]とか[S級冒険者急募]といった文言が並んでいた。
俺の冒険者ランクはF級なのでそれらの依頼はそもそも受けることができない。
「F級、F級……」
壁の下の方にF級の文字がいくつか見えたので俺はしゃがんでそれらに目を通していた。
すると、
「邪魔だ、どけっ!」
上から男性の声が降ってきた。
俺は立ち上がり振り向くとそこには体格のいい大男が立っていた。
「お前、F級だろっ。F級はすっこんでろっ!」
どんっと俺の胸をどついてから壁に貼られた依頼書に手を伸ばす。
そして[C級冒険者求む]と書かれた依頼書を鷲掴みにすると俺をゴミクズでも見るような目で見下ろしながら俺の横を通って受付カウンターに持っていった。
「なんだってんだ……」
「きみ、大丈夫?」
俺が大男の背中を眺めていると今度は若い女性の声が後ろからした。
振り返った俺はその女性の美しさに大男へのムッとしていた感情も忘れ思わず見とれてしまう。
身長は俺よりやや低いくらいで目鼻立ちの整った端正な顔、瑠璃色の瞳。
長い金色の髪は背中まで伸びていて手足はすらっと長い。
記憶をなくしている俺でも今まで出会った女性の中できっと一番の美人だと直感した。
「おーい、きみ。どうしたのー?」
俺の目の前で手を振る女性。
「あ、いやなんでもないですっ」
「さっきの人、ヤな感じだったね」
女性は手をかざして俺の耳元でそっとささやく。
耳に息がかかり俺はとっさに身を引いた。
「えっと……」
「あ、わたしは――」
「エレナー! 何してんだ、早くしろよー!」
「ごめーん! すぐ行くからっ! ……ごめんね、わたし行かないとっ」
エレナと呼ばれたその女性は[S級冒険者急募]と書かれた依頼書を壁からはがすと「頑張ってねっ」と俺の肩にぽんと手を置いてから受付カウンターに駆けていった。
そして同じ冒険者仲間らしき二人の男女とともに冒険者ギルドをあとにする。
俺は彼女の残り香に包まれながらただぼけーっと突っ立っていた。
とそこへ、
「なああんた、エレナさんと知り合いなのかっ?」
チャラい感じの優男が話しかけてくる。
気付くと周りにいたほかの冒険者たちの視線も俺に集まっていた。
「ん? エレナさん……ってさっきの女性のことか?」
「なんだよっ、知り合いじゃないのかよっ」
優男の言葉で俺を注視していた冒険者たちが興味を失ったかのように一斉に壁に貼られた依頼書に向き直る。
どうやらエレナさんというさっきの女性はほかの冒険者たちからも一目置かれた存在のようだ。
そのエレナさんと親しげに話している俺を見て仲間だとでも思ったのだろうか。
「声かけて損したぜ……ったく。邪魔したなっ」
「あ、ちょっと待ってくれ」
俺はその優男を呼び止めた。
「あ、なんだよ。おれは男に興味はないぜっ」
「俺もないから安心しろ。それよりさっきのエレナさんって何者なんだ?」
「冒険者のくせにエレナさんを知らないってあんたの方こそ何もんなんだよっ」
仕方ないだろ。記憶がないんだから。
もちろんいちいちそんなことは言わないが。
「あのな、エレナさんっていうのはS級の冒険者だよ。あんたも見ての通りとんでもなく美人だがそれだけじゃなくてものすごく強いって評判だ。しつこく迫っていた同じくS級の冒険者を半殺しにしたって噂もあるくらいだぜ」
「へー。じゃあ一緒に出ていった連中もS級の冒険者か?」
「ああ、そうだぜ。女の子の方はミコトっていってエレナさんと比べると地味だけど隠れファンも結構いるって話だぜ。男の方はガイ、エレナさんの兄貴だそうだ」
「ふーん。であの三人のレベルはいくつくらいなんだ?」
「はあ? おれが知るかよっ。つうか普通に考えて99だろっ」
「99? そんな低いのか?」
俺のレベルはたしか十一万を超えていたはずだが……。
「そんな低いって、あんた何言ってるんだ? レベルの上限は99だろうがっ」
「え……でも――」
あれ? ちょっと待てよ。
そういえばブライドさんは俺のステータスを見て俺のことをバケモンだって言っていたな。
もしかして俺ってかなりイレギュラーな存在なのか……?
「あんたF級だろ? どうせレベルもまだ二桁いってないんじゃないのか? 冒険者やるならもっと勉強してから出直したほうがいいぞあんた、じゃないとF級の依頼でも死んじまうぞっ」
そう言うと俺に愛想をつかしたのか優男が手をひらひらさせながら去っていった。
うーん……レベルの上限って普通は99なのか。
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