最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第276話 冒険者登録
「それではこれでサクラ様のギルドへの登録は完了いたしました」
俺はつい今しがた金貨一枚を支払ってギルドへの冒険者登録を済ませたところだった。
冒険者は実績によってS級、A級、B級、C級、D級、E級、F級とランク分けされているらしくランクが上位にいけばいくほど難易度の高い依頼を受けることが出来るという。
難易度が高い依頼はそれだけ成功報酬も高いので冒険者たちはみんなこぞって上のランクを目指しているのだそうだ。
俺の冒険者ランクはというと登録を済ませたばかりで依頼をまだ一つもこなしていないので当然のごとくF級だった。
「依頼はそちらの壁に貼ってある依頼書の中からご自分の冒険者ランクに見合った依頼書をみつけてこちらに持ってきてくださいね。それとギルドでは無料で冒険者様のお金を預かるということもいたしておりますのでよかったらご利用ください」
「はい、わかりました」
俺は依頼を受ける前に記憶喪失の原因を探るためまずは医院に向かうことにした。
冒険者ギルドをあとにした俺は町の医院を探す。
ベスパの町は活気があってにぎやかな雰囲気だった。
町のあちらこちらで行商人が露店を開いている。
きっとブライドさんもどこかで商売をしているのだろう。
俺は道ですれ違った人に医院の場所を教えてもらうと、
「金貨四枚もあればなんとかなるよな……多分」
貨幣価値がいまいち把握できていないので少し心配しながらもポケットの中の金貨を握りしめながら歩いて向かった。
☆ ☆ ☆
少し歩いて俺は小さな医院にたどり着いた。
「こんにちは。失礼します」
ドアを開け中に入る。
受付の女性がじろっと俺を見た。
「どうしました?」
「記憶喪失みたいなんです」
俺は正直に答える。
「そうですか。では中へどうぞ」
「あ、どうも」
俺以外には患者がいないのか待ち時間ゼロで先生のもとに通された。
「はい、どうしましたか?」
医者の先生はがっしりとした体つきのこわもての男性だった。
少し緊張しながらも俺は対面の椅子に腰かけここに来たわけを説明する。
「記憶喪失になってしまったみたいなんですけど……」
「ふんふん、記憶喪失ね。それはまたどうしてかな?」
「いや、それを訊きに来たんです」
「ふむ。記憶喪失は厄介なんだよね、回復魔法じゃ治せないからさ。とりあえず検査してみようか」
「お願いします」
先生は看護師さんをしたがえて検査室に歩いていく。
俺もそのあとに続いた。
☆ ☆ ☆
「異常はないね」
レントゲン写真を見ながら先生が口を開く。
「え、異常ないんですか?」
「うん、ないよ。外部にも内部にもまったく異常はみられないね」
「で、でも記憶なくなってるんですよ俺っ」
「うん、頭の構造は複雑だからね。検査をした限りだと原因もわからないし時間が解決してくれるのを待つしかないね」
「ふとした瞬間に記憶が戻る場合もあるしずっと戻らない可能性も否定できない。こればっかりは残念だけど」
先生は口を真一文字に結んで何度もうなずくのだった。
「そんな……」
なんの解決もしていないのにその後俺は受付で銀貨五枚を請求された。
しぶしぶ持っていた金貨を一枚払うと銀貨が五枚返ってきた。
金貨一枚で銀貨十枚、銀貨一枚で銅貨十枚ということだろうか。
俺は意気消沈したまま医院をあとにした。
☆ ☆ ☆
ぎゅるるるる~。
記憶はなくてもお腹は減る。
俺は近くにあった公園にベンチをみつけて腰を下ろすと不思議な袋の中から缶詰めをあるだけ取り出して食べ始めた。
「うん。美味しい」
ミネラルウォーターを口にしながらカニの缶詰めを五つたいらげる。
「それにしても町の中には魔物は入ってこないんだなぁ……不思議だ」
平和な町の様子を眺めながらつぶやくと隣のベンチで寝ていた男性がむくっと起き上がって、
「なんだ、あんちゃん。田舎もんか?」
声をかけてきた。
記憶喪失だと説明するのも面倒なので「はい」と答えておく。
「でかい町の周りには魔物が嫌う聖水がたっぷりとまかれているんだ。だから魔物は町には寄りつかないってわけさ」
「なるほど、そうだったんですか」
「聖水はなかなか値が張るからな。田舎もんには手が出ないよな」
同意を求めるような口調で話してくるので、
「はあ、そうですね」
俺は一応相槌を打っておいた。
「あんちゃん、うまそうなもん食ってるな」
「あ……食べます?」
「いいのかっ? 悪いなあんちゃん」
待ってましたとばかりに俺の座っていたベンチに腰掛けた男性は缶詰めをむさぼるように食べ始める。
何日も食べていなかったんじゃないかというくらいにものすごい速さで食べ進めていく男性。
空になった缶詰めがどんどん積み重なっていく。
その様子を見ながら高い授業料になったな、と俺は諦めにも似たため息を一つ吐いた。
俺はつい今しがた金貨一枚を支払ってギルドへの冒険者登録を済ませたところだった。
冒険者は実績によってS級、A級、B級、C級、D級、E級、F級とランク分けされているらしくランクが上位にいけばいくほど難易度の高い依頼を受けることが出来るという。
難易度が高い依頼はそれだけ成功報酬も高いので冒険者たちはみんなこぞって上のランクを目指しているのだそうだ。
俺の冒険者ランクはというと登録を済ませたばかりで依頼をまだ一つもこなしていないので当然のごとくF級だった。
「依頼はそちらの壁に貼ってある依頼書の中からご自分の冒険者ランクに見合った依頼書をみつけてこちらに持ってきてくださいね。それとギルドでは無料で冒険者様のお金を預かるということもいたしておりますのでよかったらご利用ください」
「はい、わかりました」
俺は依頼を受ける前に記憶喪失の原因を探るためまずは医院に向かうことにした。
冒険者ギルドをあとにした俺は町の医院を探す。
ベスパの町は活気があってにぎやかな雰囲気だった。
町のあちらこちらで行商人が露店を開いている。
きっとブライドさんもどこかで商売をしているのだろう。
俺は道ですれ違った人に医院の場所を教えてもらうと、
「金貨四枚もあればなんとかなるよな……多分」
貨幣価値がいまいち把握できていないので少し心配しながらもポケットの中の金貨を握りしめながら歩いて向かった。
☆ ☆ ☆
少し歩いて俺は小さな医院にたどり着いた。
「こんにちは。失礼します」
ドアを開け中に入る。
受付の女性がじろっと俺を見た。
「どうしました?」
「記憶喪失みたいなんです」
俺は正直に答える。
「そうですか。では中へどうぞ」
「あ、どうも」
俺以外には患者がいないのか待ち時間ゼロで先生のもとに通された。
「はい、どうしましたか?」
医者の先生はがっしりとした体つきのこわもての男性だった。
少し緊張しながらも俺は対面の椅子に腰かけここに来たわけを説明する。
「記憶喪失になってしまったみたいなんですけど……」
「ふんふん、記憶喪失ね。それはまたどうしてかな?」
「いや、それを訊きに来たんです」
「ふむ。記憶喪失は厄介なんだよね、回復魔法じゃ治せないからさ。とりあえず検査してみようか」
「お願いします」
先生は看護師さんをしたがえて検査室に歩いていく。
俺もそのあとに続いた。
☆ ☆ ☆
「異常はないね」
レントゲン写真を見ながら先生が口を開く。
「え、異常ないんですか?」
「うん、ないよ。外部にも内部にもまったく異常はみられないね」
「で、でも記憶なくなってるんですよ俺っ」
「うん、頭の構造は複雑だからね。検査をした限りだと原因もわからないし時間が解決してくれるのを待つしかないね」
「ふとした瞬間に記憶が戻る場合もあるしずっと戻らない可能性も否定できない。こればっかりは残念だけど」
先生は口を真一文字に結んで何度もうなずくのだった。
「そんな……」
なんの解決もしていないのにその後俺は受付で銀貨五枚を請求された。
しぶしぶ持っていた金貨を一枚払うと銀貨が五枚返ってきた。
金貨一枚で銀貨十枚、銀貨一枚で銅貨十枚ということだろうか。
俺は意気消沈したまま医院をあとにした。
☆ ☆ ☆
ぎゅるるるる~。
記憶はなくてもお腹は減る。
俺は近くにあった公園にベンチをみつけて腰を下ろすと不思議な袋の中から缶詰めをあるだけ取り出して食べ始めた。
「うん。美味しい」
ミネラルウォーターを口にしながらカニの缶詰めを五つたいらげる。
「それにしても町の中には魔物は入ってこないんだなぁ……不思議だ」
平和な町の様子を眺めながらつぶやくと隣のベンチで寝ていた男性がむくっと起き上がって、
「なんだ、あんちゃん。田舎もんか?」
声をかけてきた。
記憶喪失だと説明するのも面倒なので「はい」と答えておく。
「でかい町の周りには魔物が嫌う聖水がたっぷりとまかれているんだ。だから魔物は町には寄りつかないってわけさ」
「なるほど、そうだったんですか」
「聖水はなかなか値が張るからな。田舎もんには手が出ないよな」
同意を求めるような口調で話してくるので、
「はあ、そうですね」
俺は一応相槌を打っておいた。
「あんちゃん、うまそうなもん食ってるな」
「あ……食べます?」
「いいのかっ? 悪いなあんちゃん」
待ってましたとばかりに俺の座っていたベンチに腰掛けた男性は缶詰めをむさぼるように食べ始める。
何日も食べていなかったんじゃないかというくらいにものすごい速さで食べ進めていく男性。
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