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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第253話 竹原さんには真実を伝えることにした

翌日曜日。
朝早く竹原さんに起こされた俺は涼子さんの用意してくれた朝食を急いで胃に流し込むと竹原さんとともに家を出る。


「いってらっしゃい佐倉くん、あなた」
「はい、行ってきます」
「おう」


茂ちゃんはまだ眠っていたので俺と竹原さんは涼子さんに見送られて家をあとにした。


車で昨日神代を降ろした場所に向かうと神代はその場所にすでに立っていてこっちに気付くと会釈をする。


「おはようございます竹原さん。佐倉さん」


神代を車に乗せると俺たちは早速作戦指令室からの指示でレアアイテムのある場所へと向かった。




☆ ☆ ☆




三件目も空振りだったとわかり車に戻るとちょうどそのタイミングで作戦指令室からの無線が入る。


『……竹原っ、竹原聞こえるかっ。こちら作戦指令室の柳井だっ』
「はい、こちら竹原ですっ!」
『尾畑さとしと横浜一を発見したと柿崎チームから連絡が入った。この二人は以前同じ刑務所の同じ房にいたことがある。二人そろって近くの廃倉庫に隠れていたところを柿崎チームがみつけたんだが応援が欲しいそうだ。すぐ行けるかっ?』
「はい、もちろんですっ」
『詳しい場所はスマホに送るっ。健闘を祈るぞっ』
「はっ!」


竹原さんは無線を切るとスマホを神代に投げ渡した。


「神代、お前がナビしてくれっ」
「わかりました……ではまずはここを五キロほどまっすぐ行ってください」
「よしっ」


神代の言葉を受けて竹原さんは車を発進させる。




尾畑さとしと横浜一か……。
たしか二人はそれぞれ敗者復活ベルトと怪力グローブ・改を持っているはずだ。
敗者復活ベルトは死んでも何度でも生き返ることが出来てしかも復活するたびに最大HPが10ずつ上がるというアイテムで、怪力グローブ・改は身につけるとちからの数値が2000上がるアイテムだ。


尾畑さとしはどうでもいいが怪力グローブ・改を持っている横浜一は気をつけないと死者が出る恐れがある。
そんな危険な奴の相手をほかのSSTのメンバーに任せるわけにはいかない。俺がやらなくては。


俺は覚悟を決めて竹原さんに話しかけた。
「竹原さん。実は話していなかったことがあるんですけど……」
「ん、なんだ佐倉っ?」
「レベルの上限がなくなるレベルフリーっていうスキルがあるんですけど竹原さんは知っていますか?」
「レベルフリー? おお、聞いたことあるぞっ。たしか前に警察に自首してきた少年がそんなスキルを覚えていたな。その少年のレベルは八千を超えていたらしいぞ、信じられるか?」


竹原さんは【レベルフリー】自体は知っているようだがあまり関心はなさそうに見える。


「実は俺もレベルフリーを覚えているんです」
「なに、佐倉もかっ?」
「はい」
「じゃあ、佐倉のレベルはいくつなんだ?」
「……俺のレベルは100957です」
「はっ。佐倉、嘘をつくならもっとましな嘘をつけっ」
失笑し俺の言葉を信じようとはしない竹原さん。


だが神代は驚いた顔をしている。
俺のレベルが十万を超えていたことがさすがに衝撃だったのだろう。


「竹原さん、本当なんですって。俺のレベルは100957なんですよ」
「おいおい、いくらおれでもそんなの信じるわけないだろう」
「竹原さん」
「佐倉、しつこいぞっ」
赤信号で止まった竹原さんが振り向く。


……駄目だ、信じてくれそうにない。
仕方ない。目的地に着いたら俺のステータスボードを見せるしかないか。




☆ ☆ ☆




廃倉庫前に到着すると、
「ステータスオープン」
俺はステータスボードを竹原さんに見せてやった。




*************************************


名前:佐倉真琴


レベル:100957


HP:339437/339437 MP:303104/303104


ちから:319065


みのまもり:300031


すばやさ:283382


スキル:経験値1000倍
   :レベルフリー
   :必要経験値1/3700
   :魔法耐性(強)
   :魔法効果10倍
   :状態異常無効
   :即死無効
   :火炎魔法ランク10
   :氷結魔法ランク10
   :電撃魔法ランク10
   :飛翔魔法ランク10
   :転移魔法ランク10
   :識別魔法ランク10
   :生成魔法ランク10
   :帰還魔法ランク10
   :浄化魔法ランク5
   :レベル消費
   :峰打ち


*************************************




「な、なんだこれはっ!?」
竹原さんは声を上げる。


「お、おい、なんだこのでたらめな数値はっ!?」
驚愕の表情を浮かべながら俺に向き直る竹原さん。


「だからこういうことなんです。信じてもらえましたか?」
「あ、ああ……うーむ」
竹原さんは見てはいけないものを見てしまったと言わんばかりの様子で俺をみつめている。


「こんなことがあるなんてな……人一人が持っていい力の範疇を大きく超えているぞ……」
ぶつぶつつぶやく竹原さんに、
「大丈夫ですよ。佐倉さんはその強大な力をきちんと制御していますから」
と神代が言った。


「佐倉さんは間違ってもその力を悪いことに使ったりはしませんよ」
「神代、お前は知っていたのか? 佐倉のレベルのこと」
「はい、だいぶ前から。現在のレベルがここまで上がっているとは予想外でしたけれど」
「そ、そうか……うむ」


竹原さんはうんうんと一人うなずく。


「神代がそう言うのならおれも佐倉を信じよう。それに昨日一日一緒にいて佐倉が悪さをするような奴じゃないことくらいはわかっているつもりだ」
竹原さんは険しい顔になって続ける。
「だが、上の連中は佐倉の人となりを知らない。佐倉のレベルを知ったら脅威だと感じる者も出てくるかもしれない。だからこれは上には報告しないでおこう。それでいいか? 佐倉」
「はい、わかりました」


俺も国のお偉いさん連中に知られて面倒なことになるのは避けたいから願ったりかなったりだ。


「一応SSTの中ではおれが一番強いということになっているからおれのもとに救援要請が飛び込んできやすい。おれと一緒にいれば佐倉も自然と逃走者たちを捕まえられる機会が増えるはずだ」
「はい。今回の件は俺にも責任がありますから出来る限り俺が自分の手で捕まえたいです」
「ああ、わかった。そう出来るようにおれも力を尽くすつもりだ」


そう言うと竹原さんは柿崎チームの三人を現場から遠ざける。


「おーい、柿崎! ここはおれたち三人に任せてお前たちは次の場所に向かってくれ!」
「えっ、竹原さん。おれたちはいいんですかっ?」
「ああ、おれ一人でも充分なくらいだっ!」
「さっすが、竹原さん! じゃあおれたちは行きますねっ!」
「おう! サンキュー!」


竹原さんの言葉で柿崎チームが現場を離れていった。


「よし、これで佐倉は気兼ねなくやれるなっ」
「はい、ありがとうございます」


……うん。竹原さんが理解のある人でよかった。

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