最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第252話 畳のある家
「佐倉くん、いっぱい食べてねっ」
竹原さんの奥さんである涼子さんがそう言いながら俺の目の前の皿に鍋の中の白菜や豚肉を取り分けてくれる。
「あ、すみません。ありがとうございます」
「佐倉お兄ちゃん、食べるの遅ぉーっ」
竹原さんの息子さんの茂ちゃんが笑いながらずっこけた。
何が面白いんだ……?
「ほら佐倉、遠慮するなよっ。ちびちび食べてるとなくなっちゃうぞっ」
竹原さんは肉と野菜を一気に箸で掴みとると大口を開けてそれをたいらげる。
俺は今、竹原さんの家で夕食の鍋をご馳走になっているところだった。
成り行きで竹原さんの家に泊まることになった俺だったが家族のみんなには歓迎されているようでその点は安心したのだが、いかんせん人見知りな俺としてはぐいぐい来る竹原家のみんなについていけていないでいる。
竹原さんの家は三人家族で三十歳の涼子さんと四歳の茂ちゃんは竹原さんに似て体格から声からすべてが大きい。
かなり苦手な部類の人たちだ。
「佐倉、お前彼女いるのかっ?」
口をもぐもぐさせながら竹原さんが訊いてくる。
ほら、こういうデリカシーのないところも苦手なんだ。
「いませんけど……」
「なんだ、いないのかっ。そういや佐倉は高校行ってないんだったな、それじゃしょうがないかっ」
「はっはっは」と豪快に笑う竹原さん。
「あら、そうなの? 佐倉くん、高校行ってないんだ?」
涼子さんも続く。
「はい、まあ……」
「じゃあ時間が余っちゃって退屈でしょう」
「いえ、基本はダンジョンに潜っているので退屈ではないですよ」
返すと、
「いいなー。ぼくもダンジョン行きたいなーっ」
茂ちゃんも口を開いた。
「佐倉お兄ちゃん、明日日曜日だからダンジョンに連れてってよっ」
「え、それはちょっと……」
俺は竹原さんを盗み見る。
すると竹原さんは鍋に夢中で話を聞いていなかった。
「うーん……じゃあ茂ちゃんがもっと大きくなったらね」
と答えてその場をやり過ごそうとする。
「おっきくってどれくらいっ?」
「え、そうだなぁ……」
話を切り上げたいという俺の気持ちなど露知らず、茂ちゃんはこのあともどうでもいいような質問を延々と繰り返してきた。
そのせいで俺は腹五分目くらいのところで夕食の時間が終わってしまったのだった。
☆ ☆ ☆
風呂にも入らせてもらった俺は一階の畳のある部屋に通されるとここで寝るように竹原さんに言われた。
涼子さんが布団を茂ちゃんが枕を持ってきてくれる。
「あ、ありがとうございます」
「ごめんねー。こんな狭い部屋で」
「いえ、そんなことないですよっ」
実際はそこそこ狭いが俺は狭い部屋の方が落ち着くからさして問題はない。
「佐倉お兄ちゃん、枕投げしよーっ、枕投げーっ」
なつかれたのか、それとも家に来る人が単に珍しいだけなのか茂ちゃんは俺の足にひっつくと俺を見上げて言った。
「枕投げか。いいですか? 涼子さん」
俺は涼子さんに向き直り確認をとる。
「ええ、全然いいわよ。茂ちゃんと遊んでくれるなら大助かりだわっ」
「そうですか……だそうだ。枕投げするか」
「いえーい、やったーっ!」
そんなに嬉しいのかというくらい飛び跳ねて喜びを表現する茂ちゃん。
そこまで喜ばれると俺も悪い気はしない。
「じゃあ佐倉お兄ちゃんはそこで立っててね。ぼくが枕ぶつけるからっ」
「え、枕投げするんじゃないのか?」
「するよっ。だからぼくが投げる係で佐倉お兄ちゃんがかかし役ねっ。動いちゃだめだからねっ」
俺の知っている枕投げとは違う。
……前言撤回だ。
☆ ☆ ☆
茂ちゃんの言う枕投げに一時間ほど付き合ってやってから俺は布団に入った。
小さな部屋で一人天井をみつめながら考えるのはやはり俺の作り出したレアアイテムを持って逃げているであろう残りの六人のことだ。
「早く捕まえないとな……」
俺は自分に言い聞かせるようにつぶやくと明日に備えて眠りについた。
竹原さんの奥さんである涼子さんがそう言いながら俺の目の前の皿に鍋の中の白菜や豚肉を取り分けてくれる。
「あ、すみません。ありがとうございます」
「佐倉お兄ちゃん、食べるの遅ぉーっ」
竹原さんの息子さんの茂ちゃんが笑いながらずっこけた。
何が面白いんだ……?
「ほら佐倉、遠慮するなよっ。ちびちび食べてるとなくなっちゃうぞっ」
竹原さんは肉と野菜を一気に箸で掴みとると大口を開けてそれをたいらげる。
俺は今、竹原さんの家で夕食の鍋をご馳走になっているところだった。
成り行きで竹原さんの家に泊まることになった俺だったが家族のみんなには歓迎されているようでその点は安心したのだが、いかんせん人見知りな俺としてはぐいぐい来る竹原家のみんなについていけていないでいる。
竹原さんの家は三人家族で三十歳の涼子さんと四歳の茂ちゃんは竹原さんに似て体格から声からすべてが大きい。
かなり苦手な部類の人たちだ。
「佐倉、お前彼女いるのかっ?」
口をもぐもぐさせながら竹原さんが訊いてくる。
ほら、こういうデリカシーのないところも苦手なんだ。
「いませんけど……」
「なんだ、いないのかっ。そういや佐倉は高校行ってないんだったな、それじゃしょうがないかっ」
「はっはっは」と豪快に笑う竹原さん。
「あら、そうなの? 佐倉くん、高校行ってないんだ?」
涼子さんも続く。
「はい、まあ……」
「じゃあ時間が余っちゃって退屈でしょう」
「いえ、基本はダンジョンに潜っているので退屈ではないですよ」
返すと、
「いいなー。ぼくもダンジョン行きたいなーっ」
茂ちゃんも口を開いた。
「佐倉お兄ちゃん、明日日曜日だからダンジョンに連れてってよっ」
「え、それはちょっと……」
俺は竹原さんを盗み見る。
すると竹原さんは鍋に夢中で話を聞いていなかった。
「うーん……じゃあ茂ちゃんがもっと大きくなったらね」
と答えてその場をやり過ごそうとする。
「おっきくってどれくらいっ?」
「え、そうだなぁ……」
話を切り上げたいという俺の気持ちなど露知らず、茂ちゃんはこのあともどうでもいいような質問を延々と繰り返してきた。
そのせいで俺は腹五分目くらいのところで夕食の時間が終わってしまったのだった。
☆ ☆ ☆
風呂にも入らせてもらった俺は一階の畳のある部屋に通されるとここで寝るように竹原さんに言われた。
涼子さんが布団を茂ちゃんが枕を持ってきてくれる。
「あ、ありがとうございます」
「ごめんねー。こんな狭い部屋で」
「いえ、そんなことないですよっ」
実際はそこそこ狭いが俺は狭い部屋の方が落ち着くからさして問題はない。
「佐倉お兄ちゃん、枕投げしよーっ、枕投げーっ」
なつかれたのか、それとも家に来る人が単に珍しいだけなのか茂ちゃんは俺の足にひっつくと俺を見上げて言った。
「枕投げか。いいですか? 涼子さん」
俺は涼子さんに向き直り確認をとる。
「ええ、全然いいわよ。茂ちゃんと遊んでくれるなら大助かりだわっ」
「そうですか……だそうだ。枕投げするか」
「いえーい、やったーっ!」
そんなに嬉しいのかというくらい飛び跳ねて喜びを表現する茂ちゃん。
そこまで喜ばれると俺も悪い気はしない。
「じゃあ佐倉お兄ちゃんはそこで立っててね。ぼくが枕ぶつけるからっ」
「え、枕投げするんじゃないのか?」
「するよっ。だからぼくが投げる係で佐倉お兄ちゃんがかかし役ねっ。動いちゃだめだからねっ」
俺の知っている枕投げとは違う。
……前言撤回だ。
☆ ☆ ☆
茂ちゃんの言う枕投げに一時間ほど付き合ってやってから俺は布団に入った。
小さな部屋で一人天井をみつめながら考えるのはやはり俺の作り出したレアアイテムを持って逃げているであろう残りの六人のことだ。
「早く捕まえないとな……」
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