最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第243話 SST本部
東京駅に着いた俺は神代に案内されるがまま近くの喫茶店に入った。
「なんだ神代、喉でも乾いたのか?」
「いえ、そういうわけではありませんよ」
神代は微笑を浮かべつつ返すとその喫茶店のマスターと思しき人に声をかける。
「こんにちは日向さん。こちらが話していた佐倉さんです」
「そうですか。ではこちらへどうぞ」
神代に日向さんと呼ばれた老紳士が先頭に立って歩き出した。
「さあ、佐倉さん行きましょう」
神代が言うので俺は神代とともにその日向さんについて喫茶店の奥に入っていく。
「おい、神代。なんなんだ一体?」
俺は前を歩く日向さんには聞こえないように神代に小声で訊いた。
「そのうちわかりますよ」
「そのうちって……」
「ふふっ」
俺たちは喫茶店の厨房を通り過ぎてその奥にあったドアの前まで案内されると、
「それでは神代様、いってらっしゃいませ。佐倉様、どうかご武運を」
日向さんは深く腰を折り曲げる。
「はい、では行ってきます」
と神代。
「え、どういうことですか……?」
俺は日向さんを見下ろすが日向さんはお辞儀をしたままだった。
そして神代は目の前のドアを開ける。
「さあ、佐倉さん。僕についてきてください」
言うと神代はドアの先にあった個室に入っていった。
俺はわけがわからないままその神代に続いてその個室に入る。
その直後外にいる日向さんがドアを閉めた。
俺と神代は二メートル四方の個室に閉じ込められてしまう。
「神代、なんだよこれ? SSTの本部に行くんじゃなかったのか? それがどうして喫茶店の奥の個室になんか――」
とそこまで言った時だった。
がたんと個室が揺れ動いたかと思うとそのまま個室がゆっくり下りていく感覚がした。
そのスピードはだんだんと速くなる。
「神代、これって……?」
「はい。エレベーターです」
「エレベーター……」
時間にして一分弱。
エレベーターは止まった。
すると自動でドアが開かれる。
と俺の目に飛び込んできたのは体育館のような広いスペースとそこかしこで格闘訓練らしきものを受けている人たちの姿だった。
☆ ☆ ☆
「なんだこれ……地下にこんな広い場所があったのか……?」
エレベーターを降りた俺は周りを見回しながら口にしていた。
「ん? なんだあれは?」
俺は向こう側の上の方にあった黒塗りの壁を指差す。
「あそこは作戦指令室です。こちらからは中の様子はわかりませんがあちらからは僕たちのことが見えているはずですよ」
「はぁ~」
マジックミラーみたいなものかな……。
「神代はあそこに入ったことはないのか?」
「ええ、残念ながら。あそこはお偉方しか入れないようですからね」
「ふーん、そうなのか」
うなずきながらきょろきょろ首を動かしていると、
「お前が佐倉真琴だなっ!」
大きな声がした。
振り向くとそこには大柄でかなりガタイのいい三十歳くらいの男性が立っていた。
「お前が佐倉真琴かと訊いているんだ! 返事くらいしろ!」
「あ、はい。そうです……」
「そうかっ。おれは竹原重蔵だっ。よーし、おれについてこいっ!」
言って歩き出す竹原と名乗った男性。
「なあ神代。あの人はなんだ?」
「竹原さんですか? 竹原さんはここの最高指導教官ですよ」
「最高? ってことは一番偉いのか?」
「SSTの隊員の中ではそうなりますね」
神代は続ける。
「もちろん竹原さんのレベルは99です。実力的にもナンバーワンと言われていますよ」
「へー。あの人がね~……」
「よーし、ここでいいっ!」
神代と話していると竹原さんが振り返り立ち止まった。
「佐倉真琴っ。お前はSSTに入りたいそうだなっ」
「はい」
「だが神代の推薦があったからといってもそう簡単には入れないぞっ」
「は、はあ」
神代は簡単な試験があるといっていたがそんな簡単ではないということだろうか?
「SSTのメンバーにはやはりなんといってもスキル犯罪者を捕まえて離さないパワーが必要だっ。そこでおれと腕相撲をしてもらう。おれに少しでも本気を出させたらお前をSSTの新たなメンバーとして迎えてやる、いいなっ!」
「腕相撲ですか?」
「神代、台持ってこいっ」
「はい」
指示を受けた神代が倉庫らしきところから腕相撲の台を運んできた。
「よし、佐倉真琴っ。勝負だっ!」
竹原さんが台に腕を置いて俺を挑発するようにみつめる。
「おれに本気を出させることができるかなっ!」
「は、はあ……」
本気を出させるも何も俺の方が多分強いと思うんだけど……。
俺は助けを求めるように神代に目をやるが神代は涼しい顔で微笑んでいるだけ。
どういう感情なんだ、それは?
「ほら、佐倉真琴っ。ぼーっとしてるな、お前も早くここに腕を置けっ!」
「は、はい。すみません」
俺は仕方なく右腕を台に乗せ竹原さんの手を握る。
「ではいくぞ、佐倉真琴っ。スキル、パラメータ3倍化っ!」
竹原さんが唱えた。
その途端握っていた手に力が加わるのを感じた。
「佐倉真琴、ハンデとして合図はお前が言えっ」
「え、いいんですか?」
「当たり前だっ。おれを誰だと思っている。さあ、早くしろっ」
にやっと自信満々に笑う竹原さん。
「じゃ、じゃあいきますよ」
俺は竹原さんの目を見返しながら、
「レディ……ゴー!」
ゴーの瞬間力を入れた。
ドゴーンッ!
俺はかなり力を抜いたつもりだったがそれでも腕相撲の台が砕けて竹原さんは床に激突してしまった。
大きな音に周りで格闘訓練をしていた人たちが一斉に振り向く。
「あ、あの……大丈夫ですか? 竹原さん」
「あが、あがっ……あがっ……」
白目をむいて泡を吹いているもののぴくぴくと体が動いているので竹原さんは死んではいないようだった。
「なんだ神代、喉でも乾いたのか?」
「いえ、そういうわけではありませんよ」
神代は微笑を浮かべつつ返すとその喫茶店のマスターと思しき人に声をかける。
「こんにちは日向さん。こちらが話していた佐倉さんです」
「そうですか。ではこちらへどうぞ」
神代に日向さんと呼ばれた老紳士が先頭に立って歩き出した。
「さあ、佐倉さん行きましょう」
神代が言うので俺は神代とともにその日向さんについて喫茶店の奥に入っていく。
「おい、神代。なんなんだ一体?」
俺は前を歩く日向さんには聞こえないように神代に小声で訊いた。
「そのうちわかりますよ」
「そのうちって……」
「ふふっ」
俺たちは喫茶店の厨房を通り過ぎてその奥にあったドアの前まで案内されると、
「それでは神代様、いってらっしゃいませ。佐倉様、どうかご武運を」
日向さんは深く腰を折り曲げる。
「はい、では行ってきます」
と神代。
「え、どういうことですか……?」
俺は日向さんを見下ろすが日向さんはお辞儀をしたままだった。
そして神代は目の前のドアを開ける。
「さあ、佐倉さん。僕についてきてください」
言うと神代はドアの先にあった個室に入っていった。
俺はわけがわからないままその神代に続いてその個室に入る。
その直後外にいる日向さんがドアを閉めた。
俺と神代は二メートル四方の個室に閉じ込められてしまう。
「神代、なんだよこれ? SSTの本部に行くんじゃなかったのか? それがどうして喫茶店の奥の個室になんか――」
とそこまで言った時だった。
がたんと個室が揺れ動いたかと思うとそのまま個室がゆっくり下りていく感覚がした。
そのスピードはだんだんと速くなる。
「神代、これって……?」
「はい。エレベーターです」
「エレベーター……」
時間にして一分弱。
エレベーターは止まった。
すると自動でドアが開かれる。
と俺の目に飛び込んできたのは体育館のような広いスペースとそこかしこで格闘訓練らしきものを受けている人たちの姿だった。
☆ ☆ ☆
「なんだこれ……地下にこんな広い場所があったのか……?」
エレベーターを降りた俺は周りを見回しながら口にしていた。
「ん? なんだあれは?」
俺は向こう側の上の方にあった黒塗りの壁を指差す。
「あそこは作戦指令室です。こちらからは中の様子はわかりませんがあちらからは僕たちのことが見えているはずですよ」
「はぁ~」
マジックミラーみたいなものかな……。
「神代はあそこに入ったことはないのか?」
「ええ、残念ながら。あそこはお偉方しか入れないようですからね」
「ふーん、そうなのか」
うなずきながらきょろきょろ首を動かしていると、
「お前が佐倉真琴だなっ!」
大きな声がした。
振り向くとそこには大柄でかなりガタイのいい三十歳くらいの男性が立っていた。
「お前が佐倉真琴かと訊いているんだ! 返事くらいしろ!」
「あ、はい。そうです……」
「そうかっ。おれは竹原重蔵だっ。よーし、おれについてこいっ!」
言って歩き出す竹原と名乗った男性。
「なあ神代。あの人はなんだ?」
「竹原さんですか? 竹原さんはここの最高指導教官ですよ」
「最高? ってことは一番偉いのか?」
「SSTの隊員の中ではそうなりますね」
神代は続ける。
「もちろん竹原さんのレベルは99です。実力的にもナンバーワンと言われていますよ」
「へー。あの人がね~……」
「よーし、ここでいいっ!」
神代と話していると竹原さんが振り返り立ち止まった。
「佐倉真琴っ。お前はSSTに入りたいそうだなっ」
「はい」
「だが神代の推薦があったからといってもそう簡単には入れないぞっ」
「は、はあ」
神代は簡単な試験があるといっていたがそんな簡単ではないということだろうか?
「SSTのメンバーにはやはりなんといってもスキル犯罪者を捕まえて離さないパワーが必要だっ。そこでおれと腕相撲をしてもらう。おれに少しでも本気を出させたらお前をSSTの新たなメンバーとして迎えてやる、いいなっ!」
「腕相撲ですか?」
「神代、台持ってこいっ」
「はい」
指示を受けた神代が倉庫らしきところから腕相撲の台を運んできた。
「よし、佐倉真琴っ。勝負だっ!」
竹原さんが台に腕を置いて俺を挑発するようにみつめる。
「おれに本気を出させることができるかなっ!」
「は、はあ……」
本気を出させるも何も俺の方が多分強いと思うんだけど……。
俺は助けを求めるように神代に目をやるが神代は涼しい顔で微笑んでいるだけ。
どういう感情なんだ、それは?
「ほら、佐倉真琴っ。ぼーっとしてるな、お前も早くここに腕を置けっ!」
「は、はい。すみません」
俺は仕方なく右腕を台に乗せ竹原さんの手を握る。
「ではいくぞ、佐倉真琴っ。スキル、パラメータ3倍化っ!」
竹原さんが唱えた。
その途端握っていた手に力が加わるのを感じた。
「佐倉真琴、ハンデとして合図はお前が言えっ」
「え、いいんですか?」
「当たり前だっ。おれを誰だと思っている。さあ、早くしろっ」
にやっと自信満々に笑う竹原さん。
「じゃ、じゃあいきますよ」
俺は竹原さんの目を見返しながら、
「レディ……ゴー!」
ゴーの瞬間力を入れた。
ドゴーンッ!
俺はかなり力を抜いたつもりだったがそれでも腕相撲の台が砕けて竹原さんは床に激突してしまった。
大きな音に周りで格闘訓練をしていた人たちが一斉に振り向く。
「あ、あの……大丈夫ですか? 竹原さん」
「あが、あがっ……あがっ……」
白目をむいて泡を吹いているもののぴくぴくと体が動いているので竹原さんは死んではいないようだった。
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