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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第240話 黒い沼のダンジョン

ランクDの黒い沼のダンジョン地下十五階にて俺はフロアボスであるレプリコーンと対峙していた。




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レプリコーン――黒い沼のダンジョンのボス。人型の妖精で見た目は人畜無害そうだが残忍な性格を持つ。爪には猛毒が塗られており少しでも傷口から入ると十秒足らずで死に至る。弱点はない。


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『キシシシシシッ!』


レプリコーンは足元の毒の池をものともせず近付いてくる。
俺とキューンは少しだけ宙に浮いた状態でレプリコーンの動きを注視していた。


すると次の瞬間レプリコーンが『キエエェェーッ!』と飛びかかってきた。
腕を斜めに振り下ろす。


俺はその腕を掴んで受け止めると腹を蹴飛ばした。


ゴキュと鈍い音がして腕がもげる。
そして本体は壁にぶち当たると毒の池に倒れ込んだ。


だがレプリコーンはまだ戦意を失ってはいなかった。


『キシシシシシッ……!』


片腕になったレプリコーンは起き上がると恐ろしい形相で駆け出して毒の池の上を走って向かってくる。


『げっ! マスター、あいつ水面を走ってるよっ』
キューンが驚いて指差しながら言った。


俺も一瞬虚を突かれるがすぐに気を取り直してレプリコーンを迎え撃つ。


『キエエェェーッ!』
「このやろっ」


俺は右手でレプリコーンの攻撃をいなすと左手でがら空きになった胴体にこぶしを打ち込んだ。
強烈な一撃で胴体が粉砕。
空中でばらばらになった肉の破片が毒の池にぼちゃんぼちゃんと落ちる。


《佐倉真琴のレベルが451上がりました》


「ふぅ~。これでこのダンジョンもクリアだな」
『そうだね、マスター』
「それにしてもやっぱりレベルが上がりにくくなってるなぁ」


レベルが十万を超えた辺りからだろうか、レベルの上がるスピードががくんと落ちていたのだった。
まあ、今でも充分すぎるくらい強いのでどうでもいいといえばどうでもいいのだが。


とその時、


どぼんっ。


ひときわ大きな着水音がして、見ると毒の池に大きなオレンジ色の箱が浮いていた。


「なんだこれ?」
『マスター。それってさっきのボスのドロップアイテムじゃない?』
「あー、そうかもな」
そう思い俺は識別魔法で調べてみる。




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オレンジボックス――箱を開ける度に最高級オレンジが箱いっぱいに詰まって出てくる。


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「この中にオレンジが沢山入ってるらしい」
『オレンジが? なんかランクDのダンジョンのボスにしてはいまいちなアイテムだね』
「そうだな。もちろん売っちゃっていいよな、これは」
『うん。おいらオレンジよりカニの缶詰めの方がいいやっ』


俺はオレンジボックスとやらを持ち上げると適当にタオルで拭いて乾かしてから不思議な袋の中に入れる。


「じゃあ帰るぞ」
『オッケー』




このあと帰還魔法によって地上に戻った俺とキューンはダンジョンセンターに向かうとアイテムの買い取りとダンジョンクリアの報告を済ませた。




☆ ☆ ☆




「キューン、これからちょっと買い出しに行ってくるけどお前はどうする?」
ダンジョンセンターを出た俺はキューンに訊ねる。
買いだめしておいた食料や衣類などが底をついたため俺はスーパーに出向こうとしていたのだった。


『もちろんおいらも行くよっ。おいら、マスターの行くとこならどこだってついていくからねっ』
「そっか。じゃあすぐ近くに大型スーパーがあるみたいだからそこに行くか」
『おーっ』




☆ ☆ ☆




大型スーパーには歩いて五分ほどで着いた。
俺は衣類やタオルなどを買い込んだ。


これまではダンジョン内で風呂は入れなかったのでウェットティッシュや濡れタオルなどを使っていたのだが俺が新しく覚えた浄化魔法には状態異常を治す効果だけではなく体の汚れなども落とせるということがわかったのでウェットティッシュはもう買う必要はない。


ちなみにほぼ同時に覚えたスキル【峰打ち】は魔物に試してみたところどんなに本気で殴っても瀕死状態にはなるが死なないということがわかった。
おそらく【峰打ち】は相手のHPを1残した状態にするというスキルなのだろう。


次に俺はスーパーの一階でミネラルウォーターや缶詰め、お菓子などを大量に買い込む。


「キューン、何かほしいものはあるか?」
訊くと、
『おいら、カニの缶詰めがいいなっ』
思っていた通りの答えが返ってきた。


「それはさっき買っただろ」


俺たちは一つ千円以上もするカニの缶詰めを店にあるだけ買いあさっていたのだった。


「ほかに欲しいものはないのか?」
『う~ん……ないやっ』
キューンは少し考えてから笑顔で返す。


「だったらほかの店にも行ってみるか。カニの缶詰め、もっと買ってやるよ」
『えっ、いいのっ?』
「ああ」
『わーい。ありがとう、マスターっ』


俺の胸に飛びついてきたキューンの頭を撫でつつ俺はレジへと向かった。
そしてこのあとスーパーやデパート、コンビニをはしごして合計七十個ものカニの缶詰めをゲットしたのだった。

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