最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第225話 古風な有希さん
深い魔のダンジョン地下十五階にて俺たちは休憩をとることにした。
通路の行き止まりに透明テントを張ると俺と有希さんとキューンは中に入る。
ブレッドシードを地中に埋めるのも忘れない。
土の上からミネラルウォーターをとぽとぽとかけておいた。
これで半日もすればパンのなる木が大きく育つはずだ。
『おやすみ~』
お菓子を三つむしゃむしゃ食べてからキューンが一足先に眠りにつく。
俺と有希さんはまだ缶詰めを一つ開けたところだった。
焼き鳥を口に運びながら、
「これ美味しいな」
有希さんが言う。
「缶詰めは初体験だがこんなに美味しいなら今度買ってみるか」
「有希さんって缶詰め食べたことなかったんですか?」
「ああ。うちの食事は若い衆が作る決まりになっているからな。缶詰めなんて出したら親父が怒り狂うだろうな」
「へ、へ~」
やはり有希さんは普通の家庭環境で育ってきたわけではないらしく少しばかり浮世離れしているようだ。
「あ、よかったらお菓子もどうぞ」
俺はポテトチップスとチョコのお菓子を差し出してみた。
「おお、悪いな。それにしてもお菓子を食事代わりにするなんてあたしのうちでは考えられないことだ。なんか悪いことをしているようでわくわくするな」
「はあ、そうですか」
有希さんは無邪気に笑う。
その姿は年相応の可愛らしい女性に見えなくもない。
☆ ☆ ☆
「じゃあ俺もちょっと寝るんで有希さんも食べ終わったら適当に寝てくださいね」
食事に満足した俺はそう告げて横になろうとする。が、
「おい、ちょっと待て真琴」
有希さんに止められる。
「はい? なんですか?」
「あたしと真琴がこのテントの中で一緒に寝るのか?」
有希さんは真剣な顔で問うてきた。
「一緒っていうか、まあそうですけど」
「それは断じて認められないっ」
「え? なんでですか? このテント結構広いから二人くらいは余裕ですよ」
「そういう問題じゃないっ。結婚前の男と女がこんな狭い密室で寝るなんておかしいだろうがっ」
有希さんは声を大にする。
「別に狭くないですけど――」
「だからそういう問題じゃないと言っているんだっ。真琴の常識はどうなっているんだまったく……もういい真琴が先に寝ろ。あたしは真琴が起きたらそれから横になるっ」
少しだけ頬を赤らめた有希さんはそれだけ言うと焼き鳥の缶詰めを黙々と食べ始めた。
「はあ……わかりましたよ。それでいいならそうしましょうか」
古風な考えを持った有希さんにいちいち反論するのも面倒なので俺は先に眠らせてもらうことにした。
☆ ☆ ☆
六時間後俺とキューンが目を覚ますと有希さんはあぐらをかいて腕組みをしながらただ起きていた。
「二人とも目が覚めたようだな」
「はい。ていうかほんとに起きてたんですね」
「そう言っただろ。じゃああたしは寝るからな、おやすみっ」
「はい、おやすみなさい」
『有希、おやすみ~』
すぅ……。
有希さんが寝入ったのを確認してから、
「キューン、お前有希さんのこと苦手とか言ってなかったか? 見た感じそういう風には感じないけど……」
キューンに向き直る。
『うん、最初は苦手かもって思ったんだけど有希って思ったことははっきり言うし嘘もつかないし、何よりおいらのことをマスコットみたいな感じじゃなくて一人の仲間として受け入れてくれているからね。おいら有希のこと好きだよっ』
「ふーん。そういうもんなのか」
『出来ることならマスターと有希とおいらでこのままずっと一緒にいたいくらいだよ』
「そ、そうか」
俺はあまり気が進まないが……。
『ねぇマスター、それよりもパンまだ出来ないかな~?』
キューンがうずうずしながら訊いてくる。
よほど楽しみらしい。
「半日かかるみたいだからまだだろ。有希さんが起きる頃には多分木にパンが沢山なっているはずだよ」
自分で言っていてちょっと信じられないがパンのなる木というからには本当にパンが出来るのだろう。
『おいら二つ食べていい? あ、やっぱり三つ食べたいな~』
「好きにしろよ。出来てみないとわからないけど好きなだけ食べればいいさ」
『ほんとっ? やったーっ』
キューンは宙がえりして喜びを表現してみせた。
通路の行き止まりに透明テントを張ると俺と有希さんとキューンは中に入る。
ブレッドシードを地中に埋めるのも忘れない。
土の上からミネラルウォーターをとぽとぽとかけておいた。
これで半日もすればパンのなる木が大きく育つはずだ。
『おやすみ~』
お菓子を三つむしゃむしゃ食べてからキューンが一足先に眠りにつく。
俺と有希さんはまだ缶詰めを一つ開けたところだった。
焼き鳥を口に運びながら、
「これ美味しいな」
有希さんが言う。
「缶詰めは初体験だがこんなに美味しいなら今度買ってみるか」
「有希さんって缶詰め食べたことなかったんですか?」
「ああ。うちの食事は若い衆が作る決まりになっているからな。缶詰めなんて出したら親父が怒り狂うだろうな」
「へ、へ~」
やはり有希さんは普通の家庭環境で育ってきたわけではないらしく少しばかり浮世離れしているようだ。
「あ、よかったらお菓子もどうぞ」
俺はポテトチップスとチョコのお菓子を差し出してみた。
「おお、悪いな。それにしてもお菓子を食事代わりにするなんてあたしのうちでは考えられないことだ。なんか悪いことをしているようでわくわくするな」
「はあ、そうですか」
有希さんは無邪気に笑う。
その姿は年相応の可愛らしい女性に見えなくもない。
☆ ☆ ☆
「じゃあ俺もちょっと寝るんで有希さんも食べ終わったら適当に寝てくださいね」
食事に満足した俺はそう告げて横になろうとする。が、
「おい、ちょっと待て真琴」
有希さんに止められる。
「はい? なんですか?」
「あたしと真琴がこのテントの中で一緒に寝るのか?」
有希さんは真剣な顔で問うてきた。
「一緒っていうか、まあそうですけど」
「それは断じて認められないっ」
「え? なんでですか? このテント結構広いから二人くらいは余裕ですよ」
「そういう問題じゃないっ。結婚前の男と女がこんな狭い密室で寝るなんておかしいだろうがっ」
有希さんは声を大にする。
「別に狭くないですけど――」
「だからそういう問題じゃないと言っているんだっ。真琴の常識はどうなっているんだまったく……もういい真琴が先に寝ろ。あたしは真琴が起きたらそれから横になるっ」
少しだけ頬を赤らめた有希さんはそれだけ言うと焼き鳥の缶詰めを黙々と食べ始めた。
「はあ……わかりましたよ。それでいいならそうしましょうか」
古風な考えを持った有希さんにいちいち反論するのも面倒なので俺は先に眠らせてもらうことにした。
☆ ☆ ☆
六時間後俺とキューンが目を覚ますと有希さんはあぐらをかいて腕組みをしながらただ起きていた。
「二人とも目が覚めたようだな」
「はい。ていうかほんとに起きてたんですね」
「そう言っただろ。じゃああたしは寝るからな、おやすみっ」
「はい、おやすみなさい」
『有希、おやすみ~』
すぅ……。
有希さんが寝入ったのを確認してから、
「キューン、お前有希さんのこと苦手とか言ってなかったか? 見た感じそういう風には感じないけど……」
キューンに向き直る。
『うん、最初は苦手かもって思ったんだけど有希って思ったことははっきり言うし嘘もつかないし、何よりおいらのことをマスコットみたいな感じじゃなくて一人の仲間として受け入れてくれているからね。おいら有希のこと好きだよっ』
「ふーん。そういうもんなのか」
『出来ることならマスターと有希とおいらでこのままずっと一緒にいたいくらいだよ』
「そ、そうか」
俺はあまり気が進まないが……。
『ねぇマスター、それよりもパンまだ出来ないかな~?』
キューンがうずうずしながら訊いてくる。
よほど楽しみらしい。
「半日かかるみたいだからまだだろ。有希さんが起きる頃には多分木にパンが沢山なっているはずだよ」
自分で言っていてちょっと信じられないがパンのなる木というからには本当にパンが出来るのだろう。
『おいら二つ食べていい? あ、やっぱり三つ食べたいな~』
「好きにしろよ。出来てみないとわからないけど好きなだけ食べればいいさ」
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