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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第224話 キューンの実力

体をかがめているがそれでも天井に頭がつきそうなくらい巨大化したキューンが、
『グオオオアアアァァァーッ!!!』
と咆哮を上げる。


翻訳まんじゅうの効果はどこに行ったんだというくらい普段とは違ってまったく言葉が理解できない。


『グオオオアアアァァァーッ!!!』
次の瞬間キューンは口から灼熱の炎を吐いた。


ベヒーモス三体とその後ろにいたバロンドール三体を炎が飲み込む。


一瞬にして焼き尽くされるバロンドールたち。
ベヒーモスも二体が消滅した。
だが一体だけはからくも消滅だけはまぬがれていた。


『ウゴオオオオーッ……!!』
ボロボロになりながらもキューンへと突進を仕掛けていくベヒーモス。


キューンはその突進を正面で受け止めると、
『グオオオアアアァァァーッ!!!』
これを力で投げ飛ばした。


そして地面に倒れたベヒーモスをキューンが踏みつぶすとベヒーモスは消滅していく。




☆ ☆ ☆




魔物たちを倒し終えたキューンは今までの戦いが嘘のように小さな体に戻ると俺のもとへと飛んできた。




『どうだった、マスター。おいら強いでしょ』
「そうだな。びっくりしたよ」
『有希も大丈夫?』
「……あ、ああ。平気だ」
呆気にとられていた有希さんだったがキューンの問いかけに我に返って返事をする。
俺が食べさせた複数枚の薬草のおかげで有希さんは元気を取り戻していた。


「すまないキューン、助かった」
有希さんがキューンに声をかける。
さらに俺を見て、
「真琴も悪かった。あたし一人でやるつもりだったが無謀だったようだ」
少しだけ頭を下げる。


「いえ、別にいいですよ」
何はともあれみんな無事だったわけだし有希さんもこれで無茶な行動はさすがに控えてくれるだろう。


「それにしてもキューン、お前本当はあんなに大きいんだな」
「ああ、あたしも驚いたぞ」
『へへへっ……あ、マスター。ドロップアイテムがあるよっ』
キューンは声を上げると落ちていたアイテムを拾いにいった。


『ほら、見て見てマスターっ』
黒い毛糸玉のようなものを持って戻ってくる。


「おっ、そのアイテムは……」


キューンが拾ってきたアイテムは前にも見た覚えがある。


「たしか、ベヒーモススレッドだったかな」


念のため識別魔法で確認してみると――




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ベヒーモススレッド――生成魔法で武器や防具を作る際の素材として用いられる。非常にしなやかで柔軟。電気に強い耐性がある。


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やはりそのアイテムはベヒーモススレッドという生成素材となるアイテムだった。


「なんなんだ? 生成魔法っていうのは?」
有希さんが訊ねてきた。


「えっと、見てもらった方が早いので今から使ってみせますね」
言うと俺はベヒーモススレッドを右手に持って、
「スキル、生成魔法ランク10っ」
と唱える。


すると俺が唱え終えた瞬間、ぱあぁぁっとベヒーモススレッドが光を放ち輝き出した。


その光は俺の手の上で形を変えていく。


そして光が消えたと思ったら俺の手の上には黒い光沢のあるアクセサリーが出来上がっていた。




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黒の髪飾り――身につけていると電気攻撃を完全に無効化することが出来る。


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「おおっ、アイテムが変化したぞっ」
「はい。生成魔法は素材となるアイテムを武器や防具に生まれ変わらせる魔法なんです」
「それは面白いなっ。ちょっとその髪飾り見せてもらってもいいか?」
言うが早いか有希さんは俺の手の上にあった黒の髪飾りを手に取ってよく見る。


「それを装備していれば電気を無効化できるそうですよ」
「そうか、それはいいな」


髪飾りだから女性用かな?
そう思い俺は、
「よかったらあげますよ」
そう口にした。


「ん、あたしにくれるのか?」
「はい」
「おお、それはすまないな。じゃあ早速つけてみるか」
言いながら有希さんは黒の髪飾りを自分の髪につける。


「どうだ?」
「ええ、よく似合ってますよ」
『有希、かっこいい~』


顔立ちがいいからアクセサリーも映えるというものだ。


「ははっ、そうだろうキューン」
ばしっとキューンの背中を叩く有希さん。


これで言動もおしとやかだったらさぞかしモテることだろう。

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