最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第218話 バイタリティあふれる有希さん
深い魔のダンジョン地下六階。
俺とキューンは土建屋の令嬢である有希さんとともにダンジョンを探索していた。
「あのう、有希さん。さっきも言いましたけどデスアントライオンがいつ襲ってくるかわからないんであんまり離れないでもらえますか」
俺の前をすたすた歩く有希さんに声をかける。
デスアントライオンは地中から突然襲ってくるので用心が必要なのだが。
「あたしはちまちま歩くのは性に合わないんだ。真琴があたしの歩幅に合わせろっ」
有希さんは後ろを振り返ることもなく返事をした。
「はいはい、わかりましたよ」
脚の長い有希さんの歩幅に合わせて歩くのはちょっと疲れるのだがこの際仕方ないか。
俺は有希さんに追いつくように足を速めた。
本当ならばデスアントライオンが出ない階まで俺が有希さんを抱いて飛翔魔法で飛んでいきたいのだがそれを提案したところ有希さんにあっさり却下されてしまった。
「あたしに触れていいのはあたしが一生涯ともにすると心に誓った奴だけだっ」ということだそうだ。
いつもより速足でダンジョン内を進んでいると前からバルーンドラゴンがぷかぷかと浮きながら向かってきた。
「有希さん、あいつは自爆する可能性があるんでここで止まってく――有希さんっ!?」
「おおぉぉっ!」
有希さんは俺の制止も聞かずバルーンドラゴンに向かって一直線に走っていくと、なまくらソードでバルーンドラゴンに斬りかかる。
『ギィヤァァー……!』
有希さんの攻撃で片目を潰されたバルーンドラゴンが鳴き声を上げた。
続けて有希さんは袖の中に忍ばせていた鋭利で先のとがった扇子を取り出して振り下ろしバルーンドラゴンに追撃を浴びせる。
その攻撃を受けたバルーンドラゴンは血しぶきを上げ息を荒くした。
『ギャアオオォォ……』
「小さい体のくせになかなかタフじゃないかっ」
嬉しそうに言う有希さん。
俺の目にはエクゾディア探しという大きな目的を忘れてただ戦いを楽しんでいるようにすら見える。
有希さんがさらに攻撃を加えようとなまくらソードを上段に構えたその時だった。
バルーンドラゴンが『スゥーッ……』と息を大きく吸った。
するとバルーンドラゴンの体が一瞬にして倍以上の大きさになる。
「なんだ?」
「ヤバっ。スキル、氷結魔法ランク10っ!」
俺はそれを見てとっさに魔法を唱えた。
刹那――バルーンドラゴンが氷に覆われカチンコチンに固まる。
そしてそのままゴトッと地面に落ちて転がった。
「真琴、なんのつもりだっ。一対一の勝負に手出しするなんてっ」
有希さんが振り向き声を飛ばす。
「いや、今のはどう見ても自爆する寸前だったでしょう」
「何を言っているんだ。どうせあと一撃で倒せたはずだから自爆する前に倒せていたさ……真琴は心配性なんだな、まったく」
仕方のない奴だとでも言わんばかりに俺を見て失笑する有希さん。
う~ん……有希さんはたしかに強いし行動的で頼りになるけどちょっと自信過剰なところがあるのかもしれないなぁ。
俺はそんな有希さんの背中を眺めながら一抹の不安を感じていた。
☆ ☆ ☆
地面に転がったバルーンドラゴンの入った氷の塊に俺はパンチを浴びせて粉々にする。
《佐倉真琴のレベルが299上がりました》
「とにかく今度からはあまり先走った行動はとらないでくださいね」
「おい、あたしを誰だと思っているんだ。大和田組組長の一人娘だぞっ。いくらスキルが一つもないとはいってもレベル99なんだ、この辺りの魔物に負けるはずないだろうが」
「そうかもしれないですけど、一応用心しておいた方が……」
「真琴だってレベルは99なんだろ、だったらスキルの差だけでパラメータにはそんな大して違いはないはずだろ」
「まあ、それはそうですけど……」
本当のレベルを言ったら厄介なことになるかもしれないのでレベルの件は伏せておく。
特にこういう我が我がというタイプには教えない方がいいような気がする。
伊集院みたいに【レベルフリー】のスキルを持った人間が俺以外にもいるとわかった以上今さらレベルのことを隠す必要はないのかもしれないが、だとしても話す相手は選ばないとな。
もっと大人っぽくて落ち着いている人ならともかくこの直情型の有希さんには教えたくはない。
「そうだっ。真琴のステータスボードも見せてくれっ」
ほら、こんなことを平気で言い出す人なのだから。
「それはちょっと困りますよ」
「困るってなんだよ。あたしたちは仲間のはずだろ、仲間に隠し事するのかっ」
「それとこれとは話が別です。有希さんだって俺に知られたくないこととかあるでしょ」
「そんなのあたしにはないぞ。銀次たちにも隠し事は一切していなかったしな」
有希さんは腰に手を当て自信満々に言い切る。
「あたしのは見せてやったんだから真琴のも見せなっ」
「ちょっとやめてくださいって」
はたから見たら誤解されそうな会話をしているとそこへ、
『グルルルル……』
体長三、四メートルほどのオークキングが姿を現した。
するとそのオークキングを見てニヤッと笑った有希さんが俺をはね飛ばすようにしてオークキングへと駆け出していく。
「あっ、ちょっと有希さんっ」
「今度は手出しするなよっ!」
言って意気揚々とオークキングに向かっていった。
……有希さんはただの戦闘狂なんじゃないだろうか。
俺とキューンは土建屋の令嬢である有希さんとともにダンジョンを探索していた。
「あのう、有希さん。さっきも言いましたけどデスアントライオンがいつ襲ってくるかわからないんであんまり離れないでもらえますか」
俺の前をすたすた歩く有希さんに声をかける。
デスアントライオンは地中から突然襲ってくるので用心が必要なのだが。
「あたしはちまちま歩くのは性に合わないんだ。真琴があたしの歩幅に合わせろっ」
有希さんは後ろを振り返ることもなく返事をした。
「はいはい、わかりましたよ」
脚の長い有希さんの歩幅に合わせて歩くのはちょっと疲れるのだがこの際仕方ないか。
俺は有希さんに追いつくように足を速めた。
本当ならばデスアントライオンが出ない階まで俺が有希さんを抱いて飛翔魔法で飛んでいきたいのだがそれを提案したところ有希さんにあっさり却下されてしまった。
「あたしに触れていいのはあたしが一生涯ともにすると心に誓った奴だけだっ」ということだそうだ。
いつもより速足でダンジョン内を進んでいると前からバルーンドラゴンがぷかぷかと浮きながら向かってきた。
「有希さん、あいつは自爆する可能性があるんでここで止まってく――有希さんっ!?」
「おおぉぉっ!」
有希さんは俺の制止も聞かずバルーンドラゴンに向かって一直線に走っていくと、なまくらソードでバルーンドラゴンに斬りかかる。
『ギィヤァァー……!』
有希さんの攻撃で片目を潰されたバルーンドラゴンが鳴き声を上げた。
続けて有希さんは袖の中に忍ばせていた鋭利で先のとがった扇子を取り出して振り下ろしバルーンドラゴンに追撃を浴びせる。
その攻撃を受けたバルーンドラゴンは血しぶきを上げ息を荒くした。
『ギャアオオォォ……』
「小さい体のくせになかなかタフじゃないかっ」
嬉しそうに言う有希さん。
俺の目にはエクゾディア探しという大きな目的を忘れてただ戦いを楽しんでいるようにすら見える。
有希さんがさらに攻撃を加えようとなまくらソードを上段に構えたその時だった。
バルーンドラゴンが『スゥーッ……』と息を大きく吸った。
するとバルーンドラゴンの体が一瞬にして倍以上の大きさになる。
「なんだ?」
「ヤバっ。スキル、氷結魔法ランク10っ!」
俺はそれを見てとっさに魔法を唱えた。
刹那――バルーンドラゴンが氷に覆われカチンコチンに固まる。
そしてそのままゴトッと地面に落ちて転がった。
「真琴、なんのつもりだっ。一対一の勝負に手出しするなんてっ」
有希さんが振り向き声を飛ばす。
「いや、今のはどう見ても自爆する寸前だったでしょう」
「何を言っているんだ。どうせあと一撃で倒せたはずだから自爆する前に倒せていたさ……真琴は心配性なんだな、まったく」
仕方のない奴だとでも言わんばかりに俺を見て失笑する有希さん。
う~ん……有希さんはたしかに強いし行動的で頼りになるけどちょっと自信過剰なところがあるのかもしれないなぁ。
俺はそんな有希さんの背中を眺めながら一抹の不安を感じていた。
☆ ☆ ☆
地面に転がったバルーンドラゴンの入った氷の塊に俺はパンチを浴びせて粉々にする。
《佐倉真琴のレベルが299上がりました》
「とにかく今度からはあまり先走った行動はとらないでくださいね」
「おい、あたしを誰だと思っているんだ。大和田組組長の一人娘だぞっ。いくらスキルが一つもないとはいってもレベル99なんだ、この辺りの魔物に負けるはずないだろうが」
「そうかもしれないですけど、一応用心しておいた方が……」
「真琴だってレベルは99なんだろ、だったらスキルの差だけでパラメータにはそんな大して違いはないはずだろ」
「まあ、それはそうですけど……」
本当のレベルを言ったら厄介なことになるかもしれないのでレベルの件は伏せておく。
特にこういう我が我がというタイプには教えない方がいいような気がする。
伊集院みたいに【レベルフリー】のスキルを持った人間が俺以外にもいるとわかった以上今さらレベルのことを隠す必要はないのかもしれないが、だとしても話す相手は選ばないとな。
もっと大人っぽくて落ち着いている人ならともかくこの直情型の有希さんには教えたくはない。
「そうだっ。真琴のステータスボードも見せてくれっ」
ほら、こんなことを平気で言い出す人なのだから。
「それはちょっと困りますよ」
「困るってなんだよ。あたしたちは仲間のはずだろ、仲間に隠し事するのかっ」
「それとこれとは話が別です。有希さんだって俺に知られたくないこととかあるでしょ」
「そんなのあたしにはないぞ。銀次たちにも隠し事は一切していなかったしな」
有希さんは腰に手を当て自信満々に言い切る。
「あたしのは見せてやったんだから真琴のも見せなっ」
「ちょっとやめてくださいって」
はたから見たら誤解されそうな会話をしているとそこへ、
『グルルルル……』
体長三、四メートルほどのオークキングが姿を現した。
するとそのオークキングを見てニヤッと笑った有希さんが俺をはね飛ばすようにしてオークキングへと駆け出していく。
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「今度は手出しするなよっ!」
言って意気揚々とオークキングに向かっていった。
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