最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第216話 大和田有希
「そういうことだったのか。疑ってすまなかったな」
「いえ別に」
「むしろ泰造の仇をうってくれたんだから真琴は恩人ってわけだ」
ここは深い魔のダンジョン地下五階。
俺の目の前には切れ長の冷たい目をした長身の美人が立っている。
大和田有希さん、二十二歳。
北海道を拠点とする土建屋、大和田組の組長の一人娘。
大和田組のために有用なアイテムをみつけようと社員である泰造さん、銀次さん、武人さん、龍さんを引き連れてこの深い魔のダンジョンに探索に来ていたのだという。
「このダンジョンに一緒に入ったのに気付いたら泰造が消えていたんだ。それで探してる時にガーゴイルに剣を盗まれて……そのあとは真琴も知っての通りだな」
お互いに自己紹介を済ませてから有希さんは俺と出会うまでの経緯を語った。
「……はい」
そう。
そして泰造さんも銀次さんも武人さんも龍さんもデスアントライオンに殺されてしまったというわけだ。
「そこでだ、さっきの話に戻るんだがあたしは死んでしまったうちの衆を生き返らせてやりたい。あたしにとっては家族同然だったんだ。わかるだろこの気持ちっ」
有希さんは俺の肩にがしっと手を置くと同意を迫ってくる。
「は、はい」
そこまではよくわかる。
俺だって大事な人を亡くしたら生き返らせたいと思うだろうからな。
「そのためにはエクゾディアってアイテムが必要だ。だが残念ながらあたしはレベル99にもかかわらずスキルに恵まれていなくてな、スキルは一つもないんだ。だからここは一つ真琴の力を借りたい……貸してくれるよなっ?」
「い、いや。それは……」
気持ちはわかるが俺が協力する義理はない。
「なんだっ、あたしがここまで言ってるのに断るって言うのかっ! 今さっきあたしの気持ちがわかるって言ったばかりじゃないかっ!」
「いや、だからですね、同情はしますけど俺には俺の――」
「頼む、この通りだっ!」
有希さんは勢いよく頭を下げた。
「……」
「……」
『……』
重苦しい空気が流れる。
俺は助けを求めるようにキューンを見やった。
するとキューンは無言で首を横に振る。キューンはどうやら俺に強い口調で接する有希さんのことがあまり好きではないようだった。
「頼む、この通りだっ!」
有希さんは頭を下げたまま言葉を繰り返す。
「……あのう、俺の知り合いに蘇生魔法を使える子がいるんですけどその子を紹介しましょうか?」
マリアのことだ。
マリアはたしかランク1の蘇生魔法を覚えているはずだ。
「その知り合いって子はランクいくつの蘇生魔法が使えるんだ?」
「えっと、ランク1ですけど」
答えると、
「それじゃ駄目だっ! ランク1じゃ全然当てにならないっ!」
有希さんは怒鳴り声を上げた。
「あたしにも知り合いの蘇生魔法使いがいるがそいつのランクは3だっ。だがランク3じゃ三十パーセントの確率でしか生き返すことが出来ないんだっ。しかも一回蘇生魔法を使ったことのある相手には二度と効かないんだからなっ」
「そ、そうだったんですか。それは知らなかったです」
蘇生魔法にそんな条件があったのは今初めて知った。
「大体泰造たちはばらばらに食い殺されてしまったんだぞっ。そんな肉体のない奴らをどうやって蘇生させるんだっ!」
声を荒らげる有希さん。
目にはうっすら涙を浮かべている。
「はあ……すいません」
有希さんは着物の袖で涙を拭うと、
「……だからどうしてもエクゾディアが必要なんだ。どんな願いも叶えてくれるエクゾディアがなっ」
覚悟のこもったような目で俺の目をしっかりとみつめてきた。というよりにらみつけてきている。
俺が真性のドMだったならきっとその目つきだけで昇天してしまっていたことだろう。
「……二億出す」
有希さんは口を動かした。
「えっ……?」
「二億円払うと言ったんだっ」
「に、二億円ですかっ!?」
「そうだっ。エクゾディアをみつけることが出来たら二億円払ってあたしが買いとってやるっ。だからあたしに手を貸せっ!」
潔いほどの命令口調でもって俺に手を差し出してくる有希さん。
だがその強い口調とは裏腹に差し出した手は震えていた。
はぁ……。
俺は心の中でため息を一つつくとキューンに顔を向けた。
『マスター、もしかして……?』
「ああ、悪いなキューン」
有希さんをあまりこころよく思っていないキューンには悪いが俺のこの性格は変えられない。
困っている人を見捨てられないのか、女性に弱いのか、それとも金が好きなだけなのか。
自分でもよくわからないが俺は今この目の前にいる有希さんを放ってはおけないという気持ちに駆られていた。
「協力しますよ」
言いながら俺は有希さんの手を握る。
「ほ、ほんとかっ! 男に二言はないからなっ! 今さらなしにしようったって許さないからなっ!」
「わかってますよ。エクゾディアがみつかるまで手を貸します」
「約束だぞっ!」
「はい、約束です」
俺の返事を聞いて有希さんはにっと笑ったかと思った次の瞬間俺を力強く抱きしめたのだった。
「いえ別に」
「むしろ泰造の仇をうってくれたんだから真琴は恩人ってわけだ」
ここは深い魔のダンジョン地下五階。
俺の目の前には切れ長の冷たい目をした長身の美人が立っている。
大和田有希さん、二十二歳。
北海道を拠点とする土建屋、大和田組の組長の一人娘。
大和田組のために有用なアイテムをみつけようと社員である泰造さん、銀次さん、武人さん、龍さんを引き連れてこの深い魔のダンジョンに探索に来ていたのだという。
「このダンジョンに一緒に入ったのに気付いたら泰造が消えていたんだ。それで探してる時にガーゴイルに剣を盗まれて……そのあとは真琴も知っての通りだな」
お互いに自己紹介を済ませてから有希さんは俺と出会うまでの経緯を語った。
「……はい」
そう。
そして泰造さんも銀次さんも武人さんも龍さんもデスアントライオンに殺されてしまったというわけだ。
「そこでだ、さっきの話に戻るんだがあたしは死んでしまったうちの衆を生き返らせてやりたい。あたしにとっては家族同然だったんだ。わかるだろこの気持ちっ」
有希さんは俺の肩にがしっと手を置くと同意を迫ってくる。
「は、はい」
そこまではよくわかる。
俺だって大事な人を亡くしたら生き返らせたいと思うだろうからな。
「そのためにはエクゾディアってアイテムが必要だ。だが残念ながらあたしはレベル99にもかかわらずスキルに恵まれていなくてな、スキルは一つもないんだ。だからここは一つ真琴の力を借りたい……貸してくれるよなっ?」
「い、いや。それは……」
気持ちはわかるが俺が協力する義理はない。
「なんだっ、あたしがここまで言ってるのに断るって言うのかっ! 今さっきあたしの気持ちがわかるって言ったばかりじゃないかっ!」
「いや、だからですね、同情はしますけど俺には俺の――」
「頼む、この通りだっ!」
有希さんは勢いよく頭を下げた。
「……」
「……」
『……』
重苦しい空気が流れる。
俺は助けを求めるようにキューンを見やった。
するとキューンは無言で首を横に振る。キューンはどうやら俺に強い口調で接する有希さんのことがあまり好きではないようだった。
「頼む、この通りだっ!」
有希さんは頭を下げたまま言葉を繰り返す。
「……あのう、俺の知り合いに蘇生魔法を使える子がいるんですけどその子を紹介しましょうか?」
マリアのことだ。
マリアはたしかランク1の蘇生魔法を覚えているはずだ。
「その知り合いって子はランクいくつの蘇生魔法が使えるんだ?」
「えっと、ランク1ですけど」
答えると、
「それじゃ駄目だっ! ランク1じゃ全然当てにならないっ!」
有希さんは怒鳴り声を上げた。
「あたしにも知り合いの蘇生魔法使いがいるがそいつのランクは3だっ。だがランク3じゃ三十パーセントの確率でしか生き返すことが出来ないんだっ。しかも一回蘇生魔法を使ったことのある相手には二度と効かないんだからなっ」
「そ、そうだったんですか。それは知らなかったです」
蘇生魔法にそんな条件があったのは今初めて知った。
「大体泰造たちはばらばらに食い殺されてしまったんだぞっ。そんな肉体のない奴らをどうやって蘇生させるんだっ!」
声を荒らげる有希さん。
目にはうっすら涙を浮かべている。
「はあ……すいません」
有希さんは着物の袖で涙を拭うと、
「……だからどうしてもエクゾディアが必要なんだ。どんな願いも叶えてくれるエクゾディアがなっ」
覚悟のこもったような目で俺の目をしっかりとみつめてきた。というよりにらみつけてきている。
俺が真性のドMだったならきっとその目つきだけで昇天してしまっていたことだろう。
「……二億出す」
有希さんは口を動かした。
「えっ……?」
「二億円払うと言ったんだっ」
「に、二億円ですかっ!?」
「そうだっ。エクゾディアをみつけることが出来たら二億円払ってあたしが買いとってやるっ。だからあたしに手を貸せっ!」
潔いほどの命令口調でもって俺に手を差し出してくる有希さん。
だがその強い口調とは裏腹に差し出した手は震えていた。
はぁ……。
俺は心の中でため息を一つつくとキューンに顔を向けた。
『マスター、もしかして……?』
「ああ、悪いなキューン」
有希さんをあまりこころよく思っていないキューンには悪いが俺のこの性格は変えられない。
困っている人を見捨てられないのか、女性に弱いのか、それとも金が好きなだけなのか。
自分でもよくわからないが俺は今この目の前にいる有希さんを放ってはおけないという気持ちに駆られていた。
「協力しますよ」
言いながら俺は有希さんの手を握る。
「ほ、ほんとかっ! 男に二言はないからなっ! 今さらなしにしようったって許さないからなっ!」
「わかってますよ。エクゾディアがみつかるまで手を貸します」
「約束だぞっ!」
「はい、約束です」
俺の返事を聞いて有希さんはにっと笑ったかと思った次の瞬間俺を力強く抱きしめたのだった。
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