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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第213話 オークキングとガーゴイル

深い魔のダンジョン地下五階フロアをアイテムを探しながら歩いていると前方から体長五十センチくらいの小太りなドラゴンがぷかぷかと宙を浮きながらゆっくり向かってきた。


「なんだあいつ……?」
『さあ? 同じドラゴンタイプだけどおいら知らないや』


俺は識別魔法で危険な魔物かどうかを確認する。
見た目は弱そうだが厄介な特技を覚えている可能性も否定できないからな。


「スキル、識別魔法ランク10っ」




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バルーンドラゴン――ドラゴンタイプの中では珍しく小型の魔物。口から火を吹く。ピンチになると体を大きく膨らませて自爆する。


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「自爆するのか……まあ問題ないか」


俺はその場で手を前に出し「スキル、氷結魔法ランク10っ」と唱えた。
その瞬間バルーンドラゴンが凍りついて地面にごとっと落ちる。


「こうなっちゃえば自爆も何もないだろ」
『マスター、頭いいっ』
「ふふっ、だろっ」


俺は地面に落ちたその氷の塊を踏みつぶし砕いた。


《佐倉真琴のレベルが312上がりました》




さらに横幅三メートルほどの通路を進んでいくと通路の横幅いっぱいに体の大きな魔物がのっしのっしとこっちに歩いてくる。




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オークキング――体が大きく力がとても強いがそれだけでなく蘇生魔法も使いこなせる数少ない希少な魔物。まれに七色のしずくをドロップすることがある。


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その頭上にはもう一体、鳥と人間が合わさったような魔物が羽を広げ剣を片手に飛んできていた。




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ガーゴイル――ずる賢い性格で落ちているアイテムを自分のものとして拾って使うことがある。自分が助かるためなら味方を裏切ることもいとわない魔物。弱点は電撃魔法。


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『グルルルル……』
『グヘッグヘッ……』


二体の魔物が近付いてくる中、
『マスター、一体はおいらがやろうかっ?』
キューンが声をかけてくるが、
「大丈夫、任せとけ」
俺はキューンをその場に置いて駆け出した。


『グルルッ!?』
『グヘッ!?』
俺の急接近にぎょっとする魔物たち。


俺はそんなことはお構いなしにこぶしを振り上げる。


ボンッと小さな爆発音のような音とともにオークキングの腹に風穴が開いた。


《佐倉真琴のレベルが493上がりました》


『グヘッ!?』
それを目にしたガーゴイルは空中で急旋回すると一目散に逃げていった。


だが、
「逃がすかっ。スキル電撃魔法ランク10っ」
俺はとっさに電撃魔法を唱える。


俺の手から放たれた高電圧の雷撃が飛んで逃げるガーゴイルを背中からとらえた。


『グギャッ……!』


一瞬にして黒焦げになったガーゴイルが地面に落下していくさなか消滅していく。


《佐倉真琴のレベルが257上がりました》


と同時にカランカランッとガーゴイルが持っていた剣が地面に落ちた。


『あれ? マスター、剣が消えずに残ったよ』
いつの間にか俺の近くに来ていたキューンが俺の肩越しに言う。


「ほんとだな……多分あれじゃないか。もともとこのダンジョンに落ちていたアイテムだったんじゃないかな」
ガーゴイルは拾ったアイテムを使うことがあるというような情報が識別魔法を使った時に表示されていたはずだ。


『そっか。じゃあそれも拾っておこうかマスター』
「ああ、そうしよう」


俺はガーゴイルが持っていた剣を拾い上げ識別魔法を唱える。
「スキル、識別魔法ランク10っ」


直後目の前にアイテムの情報が表示された。




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なまくらソード――非常に硬いが斬れ味の悪い剣。斬るというより叩いて使う方が実用的。


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「……いらね~」
『マスター、残念。全然使えそうにないアイテムだったね』
「ああ。でもまあいいさ。こんなものでも売ればいくらか――」
「こら、ちょっと待ちなっ!!」
すると突然女性の怒声が飛んできた。


「その剣はあたしのだっ!」
「え?」
『なんだなんだ?』
俺とキューンは声のした方に向き直る。


とそこには着物姿の切れ長の目をした長身の女性が立っていた。

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