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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第212話 金のネックレス

深い魔のダンジョン地下二階にて。




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賢者の杖――装備していると最大MPを500アップさせる杖。杖の先端についている緑色の石が割れるとその効果はなくなる。


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ローズウィップ――薔薇のトゲがついた鞭。このトゲによるダメージは回復魔法では治せない。


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俺は二つのアイテムを拾う。
だがどちらも俺には特に必要はない武器だったのでとりあえず俺はそれらを不思議な袋の中にしまった。




☆ ☆ ☆




深い魔のダンジョン地下三階。


『フィィィー』
『フィィィー』
『フィィィー』


ヘルポックルが三体、グループで現れた。
木の枝を振り上げ氷結魔法を唱えてくる。


だが俺の歩みを止めることはかなわず俺はその三体ともを腕でなぎ払った。
ヘルポックルたちが壁に激突し消滅していく。


《佐倉真琴のレベルが531上がりました》


『マスターっ、鬼面道士だよっ』
「はいよっ」


『グェッグェッグ――』
ボシュッと上半身を殴りつけ体の上半分をふっ飛ばした。


《佐倉真琴のレベルが187上がりました》


鬼面道士にワープ攻撃をされる前に倒すことに成功する。




そして地下三階ではマジカルビュートという女性しか扱うことの出来ない新体操で使うリボンのような武器を手に入れた。
これも俺には不必要なものなのでやはり不思議な袋の中へとしまうと探索を続ける。




☆ ☆ ☆




深い魔のダンジョン地下四階では蟻地獄みたいなトラップを目にした。
回り込んで下を覗き込むと大きな蜘蛛のような魔物が男性を捕食している。


助けようと思ったが残念なことにその人はすでに体がばらばらにされていて死んでいた。


「……っ」


だがそれでも見て見ぬ振りは出来ないと考え直し俺はその魔物、デスアントライオンを倒すべく蟻地獄の中に飛び込んでデスアントライオンの背中に重い一撃をくらわせた。


デスアントライオンを爆砕するとその蟻地獄はクレーターのようにさらに大きく広がった。


《佐倉真琴のレベルが467上がりました》




『マスター、そこに落ちてるのドロップアイテムじゃない?』
キューンが言うので見下ろすとたしかにネックレスらしきものが落ちていた。


俺がそれを手に取ってみていると横から、
『わぁ、きれいだな~。おいらそれ欲しいな~』
キューンが物欲しそうに目をきらきらさせる。


「わかったからちょっと待ってろ」
キューンに言うと俺は飛翔魔法で浮き上がり男性の遺体に向かって手を合わせる。
そして全身が見えなくなるまで砂をかけると蟻地獄から抜け出て地面に下り立った。




『マスターは優しいね』
「別にそんなことはないさ。ただ俺だってもしかしたらああなる可能性もゼロではないからな」


忘れかけていたが俺はプレイヤーという職業がとても危険なものなのだということを男性の死に直面してあらためて認識していた。




「さて、それよりこのネックレスを調べてみるか」
『うんっ。頼むよマスター』


俺は識別魔法で拾ったネックレスが呪われたアイテムかどうかを確認してみる。
「スキル、識別魔法ランク10っ」




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金のネックレス――純金製のネックレス。特別な効果は特にない。


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「キューン、これ呪われてはいないけどただのネックレスみたいだぞ」
『呪われていないんだったら、おいらそれ欲しいな~』
上目遣いのキューン。


「別にいいけどさ、首につけるのか?」
『うん、そうだよっ。絶対カッコイイよっ』


キューンが金色のアクセサリーが好きだとは意外だったがにこにこ顔のキューンを見ていたら今さらあげないとは言えない。


「ほら、じゃあつけてやるよ」
『ありがとマスター』


俺はキューンの首に金のネックレスをかけてやった。


『どう、マスター? 似合ってるかな?』
「ん? うん、似合ってる似合ってる」
キューンは小さいのでネックレスはだらんとしてかなり下の部分にゆとりが出来てしまっているがキューンが嬉しそうにしているのでそう答えるしかない。


「似合ってる」のカツアゲだ。




☆ ☆ ☆




深い魔のダンジョン地下五階に下り立つと何やら物騒な声が耳に届いてくる。


「おらぁ、そんな魔物二人がかりでいてまえぇっ!」
「死にさらせっ!」
「じゃかましいんじゃ、こいつっ!」


『マスター、なんだろうね?』
「さあ?」
俺はキューンと顔を見合わせてから首をかしげた。


なんとなく関わり合いになりたくなかったので俺たちは声のする方とは反対に進む。


『乱暴な言葉遣いだったね』
「そうだな」
短い人生経験の中でもああいう喋り方をするタイプとは距離を取ったほうがいいということくらいはわかる。


「俺たちは俺たちで気にせずいこう」
『はーい、マスター』


俺は自分に言い聞かせるようにキューンに一言言うと地下五階フロアを物騒な声から遠ざかるように歩き続けた。

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