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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第205話 生成魔法ランク10

「スキル、電撃魔法ランク10っ」


バリバリバリィィィー!!!


俺の手から放たれた雷撃によって出入り口の前で待ち構えるように立っていた鬼面道士が一瞬で黒焦げになった。


《佐倉真琴のレベルが204上がりました》




「もう大丈夫ですよ。これで安全です」
深い魔のダンジョンの出入り口へとやってきていた俺は洋子さんと久志さんに向き直る。


すると二人は顔を見合わせてから、
「ありがとな、助かったよ。これはここまで連れてきてくれたお礼だ、受け取ってくれ」
「こんなものしかなくてごめんね。あたしたちが拾えたアイテムはこれだけなの」
と言って一枚の黒い布切れを差し出してきた。


「これ、使い道もよくわからないアイテムなんだけどごめんね」
「別にお礼なんていいですよ」
俺は五分ほど付き合っただけで大したことをしたわけではない。
せっかく拾えたというたった一つのアイテムを貰うのは気が引ける。


だが二人の気持ちはそれではおさまらないようで、
「佐倉くんは命の恩人みたいなものなんだからとっておいてくれ、なっ」
「そうよ。ね、お願いっ」
その布切れを俺に強引に渡そうとしてくる。


「えっと、じゃあどんなアイテムかだけ確認してもいいですか。俺識別魔法使えるんで」
それでもしもよさそうなアイテムだったら考えるか。
そう思い俺は「スキル、識別魔法ランク10っ」と唱えた。


直後、アイテムの情報が目の前に表示される。




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黒い反物――生成魔法で武器や防具を作る際の素材として用いられる。


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「どんなアイテムだった?」
洋子さんが訊いてきた。


「生成魔法の素材です」
「生成魔法? って何? あたし初めて聞いたわ」
「生成魔法っていうのはですねぇ……試しに使ってみましょうか?」
「え、佐倉くん、識別魔法だけじゃなく生成魔法って魔法も使えるのか?」
驚いた様子で久志さんが俺を見る。


「ええ、まあ」
「は~、すごいんだな、佐倉くんは」


ほかにも魔法は沢山使えるがわざわざ教える必要はないな。
俺は黒い反物を手に持ったまま生成魔法を唱える。


「スキル、生成魔法ランク10っ」
ちなみに俺の生成魔法のランクは度重なるレベルアップによってすでに10になっていた。


俺が唱え終えた瞬間、ぱあぁぁっと黒い反物が光を放ち輝き出した。


その光は俺の手の上で大きく形を変えていく。


そして光が消えたと思ったら俺の手の上には黒々とした立派な鎧が出来上がっていた。


「おーっ!? アイテムが鎧に変わったぞっ!」
「すっごい、これどういうことっ?」
久志さんと洋子さんが目を見開き声を上げる。


「生成魔法っていうのは素材となるアイテムを使って武器や鎧を生み出す魔法なんです」
「なるほどな。いやあ、それにしてもすごい魔法だなー」
「ほんとね~」


二人が感嘆の声を上げる中、俺は出来上がった鎧を識別魔法で確認してみた。




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黒極の鎧――あらゆる魔法を一切受け付けない鎧。装備中は回復魔法さえも効かなくなる。


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「あらゆる魔法を受け付けない鎧かぁ……」
俺には【魔法耐性(強)】があるから特に必要ないか。
プラスに作用する魔法も効かなくなったら嫌だしな。


ってことで。
「これ、よかったらどうぞ。二人にあげますよ」
「えっ、いいのかっ?」
「はい。黒極の鎧といって魔法を受け付けなくなる鎧だそうです」
「おーっ、すごいいい防具じゃないかっ」
「ちょっと、あなたっ。これはもともと佐倉くんにあげようとしてたものでしょっ」
洋子さんが久志さんをたしなめる。


「そ、そうだったな」
それを受けてバツが悪そうな顔をする久志さん。


「ごめん佐倉くん。調子に乗っちゃって……」
「いえ、本当にいいんですよ。俺はこれ装備する気ないですから、あげますよ」
「そ、そうかい。おれはものすごく欲しいんだけど……でもな~……」
と言って洋子さんの顔を盗み見る。洋子さんは鬼のような形相で久志さんをにらみ返していた。
パワーバランスは洋子さんの方が上なのかな……?


だったら洋子さんに渡しておくか。
「洋子さん、これ持っていってください。俺は本当にいらないんで」
「そんなの悪いわ、お礼をしなきゃいけないのはあたしたちの方なのにっ……」
「いや、俺本当にいいんで……っていうか実はちょっと急ぎの用があるんで俺もう行きますから」
そう言って俺は黒極の鎧を地面に置くと半ば強引に押しつけてその場を去った。


「あっちょっと、佐倉くんっ」
「どうしてもいらなかったらそこに置いておいてくださいっ。じゃあさようならっ」


俺は返事を聞くこともなくダンジョンの奥へと戻っていく。
そしてあらためてキューン探しを再開するのだった。

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