最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第189話 天童姉妹
スライムたちから逃げてダンジョンの外に飛び出た俺。
「はぁっ、はぁっ……スライム四匹はさすがにきびしいって。まったく」
膝に手を突き肩で息をしながら誰にともなく愚痴をこぼしていると、
「あのう、お兄さん大丈夫ですか?」
可愛らしい声が俺の耳に届いてきた。
顔を上げるとそこには姉妹らしき顔の似た少女二人が立っていて、興味深げに俺を眺めていた。
「あ、ああ。大丈夫だよ」
「でもさっきスライム四匹はきびしいって言ってたじゃん」
妹だろうか、背の低い方の少女が俺を指差して言う。
「ああ、ちょっと四匹だとさすがにね……」
「お兄ちゃんってスライムにも勝てないのっ? めっちゃ弱いじゃん」
「ちょっと瑠璃、失礼だよっ」
「だって本当のことだもんっ。お姉ちゃんだって本当はそう思ってるでしょ?」
「わ、わたしは別にそんなこと思ってないわよっ」
「うっそだぁ~」
姉妹は俺をよそに言い合いを始めた。
俺のことを知らない様子だからおそらくプレイヤーではないのだろう。
俺は息もだいぶ整ったので姉妹を横目にまたダンジョンに入ろうとする。と――
「あっねえ、ちょっと待ってお兄ちゃん。それ何っ?」
瑠璃と呼ばれていた少女の方が俺の右肩に乗ったキューンに気付いて声を上げる。
「え、こいつ? こいつは……」
一瞬言おうかどうしようかためらうも、
「ホワイトドラゴンのキューンっていうんだ」
子ども相手に隠し事をするのも気が進まなかったので教えてやった。
「キューンちゃんか~。ねえ、キューンちゃん触らせてっ」
俺に近付いてきて手を伸ばす少女。
ぐいぐい来るなぁ、この子。
「ちょっと瑠璃、駄目だってば。お兄さん困ってるでしょ」
と背の高い方の眼鏡をかけた少女が注意する。
「いや、まあいいよ。キューンちょっといいか?」
そう言って俺はキューンを手に乗せると背の低い少女の前に差し出した。
「わぁっ、何これ~、超可愛い~っ」
キューンをむぎゅっと掴み頬刷りする少女。
『キュイイィィ』
キューンはちょっと嫌そうにしているが我慢してくれ。
「すみませんお兄さん、妹のわがままを聞いてもらっちゃって……わたし天童琥珀っていいます。中学三年生です。この子はわたしの妹で瑠璃です。小学六年生です」
「俺は佐倉真琴だよ」
「ねえお兄ちゃん、この子ちょうだいっ」
妹の瑠璃ちゃんがキューンを抱きしめながら俺を見上げた。
「いや、それはさすがに駄目かな」
キューンとはまだ日は浅いがそれなりに愛着はある。それに何よりキューンがかなり嫌がっているようだしな。
「え~、いいじゃんっ。ちょうだいよ~」
「瑠璃、無理言わないの」
「じゃあ十万円払うって言ったら?」
と瑠璃ちゃん。
「え、十万円?」
どこからそんな金額が出てきたのだろう。
小学生が口にする額にしてはややリアルで生々しい。
「あっお兄ちゃん、あたしが嘘ついてると思ってるでしょ。でも十万円くらいあたしyoutubeやってるから余裕で払えるからねっ」
「youtube?」
「そうだよっ。あたしたち美人姉妹youtuberって言われてて結構人気あるんだよっ」
「瑠璃ってば、恥ずかしいこと言わないでっ」
「姉妹でyoutuberやってるの? 琥珀ちゃんも?」
妹の瑠璃ちゃんの方は活発そうだからなんとなくわかるが姉の琥珀ちゃんはおとなしそうだからちょっと意外だった。
「え、ええ、まあ。でも美人姉妹youtuberとか名乗ったこと一度もありませんからねっ」
「ふーん、そうなんだ」
今の時代誰でもyoutubeとかやってるんだなぁ。
「ねえお兄ちゃん、だからこの子十万円でちょうだいよっ」
まだ諦めてなかったのか瑠璃ちゃんが言う。
すると、
『キュイイィィーッ』
キューンが体を揺すって自力で瑠璃ちゃんの胸元から抜け出すと俺の頭の上に避難した。
「悪いけどキューンもこの通り嫌がっているみたいだからごめんな、瑠璃ちゃん」
「え~」
「瑠璃、わがまま言わないの。ねっ、わかった?」
「……はーい」
瑠璃ちゃんはわかってくれたようで口をとがらせつつ返事をする。
「じゃあ俺はこのダンジョンに用があるからここで」
「あ、はい。佐倉さんありがとうございました」
「キューンちゃん、またねー」
俺は天童姉妹と別れ再び易しい庭のダンジョンへと繰り出すのだった。
「はぁっ、はぁっ……スライム四匹はさすがにきびしいって。まったく」
膝に手を突き肩で息をしながら誰にともなく愚痴をこぼしていると、
「あのう、お兄さん大丈夫ですか?」
可愛らしい声が俺の耳に届いてきた。
顔を上げるとそこには姉妹らしき顔の似た少女二人が立っていて、興味深げに俺を眺めていた。
「あ、ああ。大丈夫だよ」
「でもさっきスライム四匹はきびしいって言ってたじゃん」
妹だろうか、背の低い方の少女が俺を指差して言う。
「ああ、ちょっと四匹だとさすがにね……」
「お兄ちゃんってスライムにも勝てないのっ? めっちゃ弱いじゃん」
「ちょっと瑠璃、失礼だよっ」
「だって本当のことだもんっ。お姉ちゃんだって本当はそう思ってるでしょ?」
「わ、わたしは別にそんなこと思ってないわよっ」
「うっそだぁ~」
姉妹は俺をよそに言い合いを始めた。
俺のことを知らない様子だからおそらくプレイヤーではないのだろう。
俺は息もだいぶ整ったので姉妹を横目にまたダンジョンに入ろうとする。と――
「あっねえ、ちょっと待ってお兄ちゃん。それ何っ?」
瑠璃と呼ばれていた少女の方が俺の右肩に乗ったキューンに気付いて声を上げる。
「え、こいつ? こいつは……」
一瞬言おうかどうしようかためらうも、
「ホワイトドラゴンのキューンっていうんだ」
子ども相手に隠し事をするのも気が進まなかったので教えてやった。
「キューンちゃんか~。ねえ、キューンちゃん触らせてっ」
俺に近付いてきて手を伸ばす少女。
ぐいぐい来るなぁ、この子。
「ちょっと瑠璃、駄目だってば。お兄さん困ってるでしょ」
と背の高い方の眼鏡をかけた少女が注意する。
「いや、まあいいよ。キューンちょっといいか?」
そう言って俺はキューンを手に乗せると背の低い少女の前に差し出した。
「わぁっ、何これ~、超可愛い~っ」
キューンをむぎゅっと掴み頬刷りする少女。
『キュイイィィ』
キューンはちょっと嫌そうにしているが我慢してくれ。
「すみませんお兄さん、妹のわがままを聞いてもらっちゃって……わたし天童琥珀っていいます。中学三年生です。この子はわたしの妹で瑠璃です。小学六年生です」
「俺は佐倉真琴だよ」
「ねえお兄ちゃん、この子ちょうだいっ」
妹の瑠璃ちゃんがキューンを抱きしめながら俺を見上げた。
「いや、それはさすがに駄目かな」
キューンとはまだ日は浅いがそれなりに愛着はある。それに何よりキューンがかなり嫌がっているようだしな。
「え~、いいじゃんっ。ちょうだいよ~」
「瑠璃、無理言わないの」
「じゃあ十万円払うって言ったら?」
と瑠璃ちゃん。
「え、十万円?」
どこからそんな金額が出てきたのだろう。
小学生が口にする額にしてはややリアルで生々しい。
「あっお兄ちゃん、あたしが嘘ついてると思ってるでしょ。でも十万円くらいあたしyoutubeやってるから余裕で払えるからねっ」
「youtube?」
「そうだよっ。あたしたち美人姉妹youtuberって言われてて結構人気あるんだよっ」
「瑠璃ってば、恥ずかしいこと言わないでっ」
「姉妹でyoutuberやってるの? 琥珀ちゃんも?」
妹の瑠璃ちゃんの方は活発そうだからなんとなくわかるが姉の琥珀ちゃんはおとなしそうだからちょっと意外だった。
「え、ええ、まあ。でも美人姉妹youtuberとか名乗ったこと一度もありませんからねっ」
「ふーん、そうなんだ」
今の時代誰でもyoutubeとかやってるんだなぁ。
「ねえお兄ちゃん、だからこの子十万円でちょうだいよっ」
まだ諦めてなかったのか瑠璃ちゃんが言う。
すると、
『キュイイィィーッ』
キューンが体を揺すって自力で瑠璃ちゃんの胸元から抜け出すと俺の頭の上に避難した。
「悪いけどキューンもこの通り嫌がっているみたいだからごめんな、瑠璃ちゃん」
「え~」
「瑠璃、わがまま言わないの。ねっ、わかった?」
「……はーい」
瑠璃ちゃんはわかってくれたようで口をとがらせつつ返事をする。
「じゃあ俺はこのダンジョンに用があるからここで」
「あ、はい。佐倉さんありがとうございました」
「キューンちゃん、またねー」
俺は天童姉妹と別れ再び易しい庭のダンジョンへと繰り出すのだった。
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