最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第187話 SST
「もしもし。水川か?」
『あ、もしもし、はい、そ、そうです、み、水川ですっ』
電話の主はやはり水川だった。
「なんだ? 水川から電話くれるなんて珍しいな」
というより初めてだ。
『す、すみません佐倉さんっ。突然お電話してしまってっ』
「いや、別に構わないけどさ。あれ? 今日学校は?」
『い、今はお昼休みなんです。隣にはべ、紅ちゃんもいますっ』
紅ちゃんというのは長澤のことだな。
「ふーん、そうなのか。それで、なんの用なんだ?」
『あっ、え、えっとですね、その……』
そこまで言ったところで『べ、紅ちゃん、なんて言えばいいのっ?』と水川の声がかすかに聞こえてきた。
さらに『も~、何してんのっ』と長澤の声も届いてくる。
おそらく近くにいる長澤と何か話しているようだった。
『……』
『……』
その間ほったらかしにされる俺。
「おーい、水川ー。聞こえてるかー?」
声をかけると、
『あ、もしもし佐倉っ。あたし。長澤だけどっ』
長澤のはつらつとした声が返ってきた。
「長澤か。水川はどうしたんだ?」
『蓮華は恥ずかしがっちゃって全然駄目っ。代わりにあたしが話すわ……っていうか佐倉あんた、もしかしてずっとダンジョンに潜ってた? あたしたちここ三、四日ずっと電話してたんだけどつながんなかったわよ』
「そうだったのか。悪いな、たしかにここ四日間くらいはダンジョンの中にいたぞ」
『高校行ってない奴は暇でいいわねー』
それ、海道にも言われた気がするな。
『海道から聞いたんだけど佐倉って最近のニュースとか全然見てないんでしょ。だから今回の話も知らないんじゃないかと思って蓮華がどうしてもあんたに教えてあげたいって言うから何度も電話してやってたのよ』
「今回の話ってなんだよ」
『あー、やっぱり知らないんだ……蓮華、佐倉やっぱり知らないみたいよ。よかったわね』
「おーい、無視すんなっ」
『聞こえてるわよ、うっさいわね』
と語気強く長澤が言う。
勝ち気な奴だ。
『佐倉、あんたが優勝した格闘大会だけどしばらく延期するみたいよ』
「え、なんで?」
『さあね。なんかいろいろ不備があったって話だけど実際はどうだか』
「ふーん。それを伝えるためにわざわざ電話してくれたのか?」
だとしたら正直どうでもいい話なのだが。
『ううん、今のはおまけみたいなものよ。こっからが本題。これはあんたも知ってるだろうけどダンジョンが出来てからスキルを悪用して犯罪に手を染める人たちが増えていたでしょ。だから特別措置法とかでスキルを使った犯罪者には罪を重くして対応してたじゃない』
「あ、ああ」
まずい。初耳だ。
『でもそれでも追いつかないからスキル犯罪者をスキルを使える警察官が取り締まることになったでしょ』
「ああ」
一応相槌をしておく。
『今その警察官の集まりのスペシャルスキルチーム、SSTっていうんだけど。それに逮捕権を持たせたプレイヤーにも参加してもらおうって動きになってるのよ』
「へー、そうなのか」
『それでね、あたしたちお金はもう充分稼いだし平和のために役に立てるのならそれに参加しようって蓮華たちと話してたわけよ』
「蓮華たちってことは神代と海道もか?」
『そうよ。だからどうせなら佐倉、あんたも誘おうかって海道と蓮華が言い出したの。それで何度も電話してたってわけ』
海道はともかく水川も俺に参加してほしがったのか……少し意外だな。
「そのSSTってやつは高校生でもなれるのか?」
『今の感じだとオッケーみたい。まあそれだけ切羽詰まってるってことなんじゃないの。で佐倉、あんたはどうすんのよ?』
「いや、俺は……今はちょっと」
『ちょっとなんなの?』
レベルが1になってしまっているとは言い出せず、
「うん、まあ、考えとくよ」
とだけ口にした。
『キュイイィィ~ッ』
「あっ、こらやめろっ」
そこへいきなり俺の部屋にキューンが飛び込んできた。
『やめろって何よ? っていうか今の鳴き声なんなの?』
「いや、なんでもないからっ」
言いながら俺は部屋の中を飛び回っていたキューンを抱きかかえると口をふさぐ。
「と、とにかくさ、俺は今はちょっとあれかなぁ……」
『あれって何よ、はっきりしないわね。言いたいことがあるなら言いなさいってば』
「うーん……あのさ、そこに神代いるか?」
『いないわよ。神代と海道とはあたしたちクラス別だもん』
「ちょっと神代に代わってくれないか」
『は? なんでよ?』
「いいから、頼むよ長澤」
『……まあいいけどっ』
そう言って長澤はスマホを持って神代のいるクラスまで行ってくれたようで、このあと俺は俺のレベルの秘密を知っている神代にだけレベルが1になってしまったことを伝えたのだった。
そしてあとは神代がみんなに話してくれるというので任せることにして電話を切った。
神代のことだからきっと俺のレベルの件は上手くふせて俺がSSTに参加しないことを長澤たちに丁寧に説明してくれることだろう。
頼むぞ、神代。
『あ、もしもし、はい、そ、そうです、み、水川ですっ』
電話の主はやはり水川だった。
「なんだ? 水川から電話くれるなんて珍しいな」
というより初めてだ。
『す、すみません佐倉さんっ。突然お電話してしまってっ』
「いや、別に構わないけどさ。あれ? 今日学校は?」
『い、今はお昼休みなんです。隣にはべ、紅ちゃんもいますっ』
紅ちゃんというのは長澤のことだな。
「ふーん、そうなのか。それで、なんの用なんだ?」
『あっ、え、えっとですね、その……』
そこまで言ったところで『べ、紅ちゃん、なんて言えばいいのっ?』と水川の声がかすかに聞こえてきた。
さらに『も~、何してんのっ』と長澤の声も届いてくる。
おそらく近くにいる長澤と何か話しているようだった。
『……』
『……』
その間ほったらかしにされる俺。
「おーい、水川ー。聞こえてるかー?」
声をかけると、
『あ、もしもし佐倉っ。あたし。長澤だけどっ』
長澤のはつらつとした声が返ってきた。
「長澤か。水川はどうしたんだ?」
『蓮華は恥ずかしがっちゃって全然駄目っ。代わりにあたしが話すわ……っていうか佐倉あんた、もしかしてずっとダンジョンに潜ってた? あたしたちここ三、四日ずっと電話してたんだけどつながんなかったわよ』
「そうだったのか。悪いな、たしかにここ四日間くらいはダンジョンの中にいたぞ」
『高校行ってない奴は暇でいいわねー』
それ、海道にも言われた気がするな。
『海道から聞いたんだけど佐倉って最近のニュースとか全然見てないんでしょ。だから今回の話も知らないんじゃないかと思って蓮華がどうしてもあんたに教えてあげたいって言うから何度も電話してやってたのよ』
「今回の話ってなんだよ」
『あー、やっぱり知らないんだ……蓮華、佐倉やっぱり知らないみたいよ。よかったわね』
「おーい、無視すんなっ」
『聞こえてるわよ、うっさいわね』
と語気強く長澤が言う。
勝ち気な奴だ。
『佐倉、あんたが優勝した格闘大会だけどしばらく延期するみたいよ』
「え、なんで?」
『さあね。なんかいろいろ不備があったって話だけど実際はどうだか』
「ふーん。それを伝えるためにわざわざ電話してくれたのか?」
だとしたら正直どうでもいい話なのだが。
『ううん、今のはおまけみたいなものよ。こっからが本題。これはあんたも知ってるだろうけどダンジョンが出来てからスキルを悪用して犯罪に手を染める人たちが増えていたでしょ。だから特別措置法とかでスキルを使った犯罪者には罪を重くして対応してたじゃない』
「あ、ああ」
まずい。初耳だ。
『でもそれでも追いつかないからスキル犯罪者をスキルを使える警察官が取り締まることになったでしょ』
「ああ」
一応相槌をしておく。
『今その警察官の集まりのスペシャルスキルチーム、SSTっていうんだけど。それに逮捕権を持たせたプレイヤーにも参加してもらおうって動きになってるのよ』
「へー、そうなのか」
『それでね、あたしたちお金はもう充分稼いだし平和のために役に立てるのならそれに参加しようって蓮華たちと話してたわけよ』
「蓮華たちってことは神代と海道もか?」
『そうよ。だからどうせなら佐倉、あんたも誘おうかって海道と蓮華が言い出したの。それで何度も電話してたってわけ』
海道はともかく水川も俺に参加してほしがったのか……少し意外だな。
「そのSSTってやつは高校生でもなれるのか?」
『今の感じだとオッケーみたい。まあそれだけ切羽詰まってるってことなんじゃないの。で佐倉、あんたはどうすんのよ?』
「いや、俺は……今はちょっと」
『ちょっとなんなの?』
レベルが1になってしまっているとは言い出せず、
「うん、まあ、考えとくよ」
とだけ口にした。
『キュイイィィ~ッ』
「あっ、こらやめろっ」
そこへいきなり俺の部屋にキューンが飛び込んできた。
『やめろって何よ? っていうか今の鳴き声なんなの?』
「いや、なんでもないからっ」
言いながら俺は部屋の中を飛び回っていたキューンを抱きかかえると口をふさぐ。
「と、とにかくさ、俺は今はちょっとあれかなぁ……」
『あれって何よ、はっきりしないわね。言いたいことがあるなら言いなさいってば』
「うーん……あのさ、そこに神代いるか?」
『いないわよ。神代と海道とはあたしたちクラス別だもん』
「ちょっと神代に代わってくれないか」
『は? なんでよ?』
「いいから、頼むよ長澤」
『……まあいいけどっ』
そう言って長澤はスマホを持って神代のいるクラスまで行ってくれたようで、このあと俺は俺のレベルの秘密を知っている神代にだけレベルが1になってしまったことを伝えたのだった。
そしてあとは神代がみんなに話してくれるというので任せることにして電話を切った。
神代のことだからきっと俺のレベルの件は上手くふせて俺がSSTに参加しないことを長澤たちに丁寧に説明してくれることだろう。
頼むぞ、神代。
「最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
1,253
-
944
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
5,169
-
2.6万
-
-
12
-
6
-
-
6,644
-
2.9万
-
-
358
-
1,672
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2,491
-
6,724
-
-
9,385
-
2.4万
-
-
9,690
-
1.6万
-
-
23
-
2
-
-
236
-
1,828
-
-
78
-
2,902
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
8,169
-
5.5万
-
-
98
-
15
-
-
7,460
-
1.5万
-
-
3,202
-
1.5万
-
-
6,205
-
3.1万
-
-
985
-
1,509
-
-
28
-
46
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,690
-
1.6万
-
-
9,542
-
1.1万
-
-
9,385
-
2.4万
-
-
9,166
-
2.3万
コメント