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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第180話 全力

「伊集院、もうやめよう。な? お前が強いのはわかったから」
「駄目だよ。だって本当はそう思ってないでしょ」
にやにやと笑って伊集院は口にする。


「思ってるって。それに俺はお前と戦いたくなんてないし、戦う理由もない」
「ボクにはあるよ。ボクはもうあの頃の弱かったボクじゃないんだってことを佐倉くんに証明したいんだ」
言いつつ俺に近寄ってくる伊集院。


伊集院の言っていることはさっぱりわからないが俺と戦う気満々だってことだけはよくわかる。
どうすれば……。


俺は後ろにじりじりと下がりながら、
「……なあ、伊集院。お前さっき自分のレベルが八千いくつだって言ったよな?」
「8917だよ」
「たしかにお前の言う通り俺も【レベルフリー】を覚えてるよ」
正直に白状する。


「やっぱりだっ」
「でもレベルはお前の思っているものとは多分桁が違うぞ」
「……どういうこと?」
「俺のレベルはな――」
伊集院を諦めさせるためには仕方ないか。そう思い、
「81292だ」
俺は現在のレベルを伊集院に教えてやった。


レベルにこだわっていた伊集院のことだからこれでさすがに諦めてくれるだろう、そう期待していたのだが、
「ふーん……そっか。レベルが八万も超えているなんてね……それはさすがに驚きだけどさ、ボクがそれで退くと思う?」
伊集院はこれっぽっちもひるんではいない様子で返す。


「嘘じゃない、八万だぞっ」
「わかってるよ。佐倉くんはボクに嘘はつかないもんね」
「だったらなんでまだ戦う気なんだよっ。死ぬぞっ」
俺は説得を試みるも伊集院は身構えたまま、まだ俺に近寄ってくる。


「死なないよ。だってボクには奥の手があるからね」
そう言うと伊集院は俺を指差してこう言った。


「スキル、パラメータトレース!」




☆ ☆ ☆




伊集院がにやりと笑った。
次の瞬間――俺の目の前から残像を残して消える。


直後俺の横に現れた伊集院が俺の左頬を殴りつけてきた。
「ぐあっ……!」
俺はふっ飛ばされて地面に転がる。


「い、いってぇ……」
「どう? ボクのパンチ効いたでしょ」
と伊集院が俺を見下ろして言った。


どういうことだ?
俺のレベルは伊集院の十倍だぞ。
不意を突かれたとはいえ俺が殴り飛ばされるなんて……。


「伊集院、何をした……?」
「ふふふ……ボクのスキルのパラメータトレースの効果だよ」
「パラメータトレース?」
「うん。このスキルはね指を差して唱えた相手のパラメータをコピーできるんだ」


なっ!? マジかよ……。


「だから今のボクはレベル81292の佐倉くんとまったく同じ強さなんだよっ」
言うと伊集院が猛スピードで駆けてくる。
俺も負けじと伊集院に向かっていった。


ガツンッ!!!


とこぶしとこぶしがぶつかり合う。
手がびりびりとしびれてお互いにもう片方の手で殴りかかった。
だがこれも同じスピード、同じ威力でぶつかり合い相殺される。


「くっ……」
「このっ」


俺もそしておそらくは伊集院も格闘技などの経験はない。
超スピード、超パワー、超ディフェンスのパラメータに頼った殴り合いが展開された。


「ぐあっ……」
「がぁっ……」


俺は全力で伊集院を壁に殴り飛ばすが、壁に激突した伊集院が立ち上がり今度は俺が蹴り飛ばされる。
一進一退の攻防。


「ぐぅっ……」
「ぐっ……」




☆ ☆ ☆




俺と伊集院の戦いは熾烈を極めた。
ダンジョンの壁や地面が崩れていたるところに亀裂が入り穴ができる。
人知を超えたパワーのぶつかり合いが続き――




「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


小一時間が経った今、俺たちはボロボロになりながらも距離を取ってお互いに目線を合わせていた。

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