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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第179話 嬉々とした伊集院

伊集院が「スキル、捻転魔法ランク10」と口にした瞬間俺の腕が関節とは逆向きに動く力が働いた。


「んぐっ……」
【魔法耐性(強)】の効果のおかげか、それとも超パワーのおかげか俺はそれをなんとか耐える。


「えっ……!? ボ、ボクの捻転魔法に耐えられるなんて……」
と伊集院。


「伊集院、お前どういうつもりだ?」
ぎしぎしと体が悲鳴を上げる中俺は目の前の伊集院をにらみつけた。


「俺がお前に何かしたか?」


桜庭たちならいざ知らず俺はこいつに恨まれる覚えなどない。
俺は伊集院を見据えつつ近付いていく。


「さ、佐倉くん、まさかボクと戦う気なの?」
「お前から仕掛けたくせに何言ってるんだ」
俺は伊集院の腕をがしっと掴んだ。


だが、
「触るなっ!」
伊集院の細腕からは考えられないくらいの力で俺の手は払いのけられる。
前の時もそうだったが伊集院のパワーは信じられないくらい強い。
いくら俺が手加減しているとはいっても普通の人間ならまず俺の手を払いのけることなんて出来ないはずだ。


「お前、おかしいぞさっきから」
「佐倉くんはボクと戦うんだね……」


情緒不安定とも思える伊集院の言動に俺が顔をしかめていると、
「……わかったよ。だったらボクがもう昔のボクじゃないところを見せてやるよっ」
言うなり伊集院は俺の首を両手で掴んで締め付けてきた。


「んぐっ、何してんだっ!」
しかし伊集院のパワーがすごいといってもそれは人間レベルの話であって俺にとっては大したことはなかった。
不意を突かれ多少驚きはしたものの俺は伊集院を手で突き飛ばし距離を取る。


「!? や、やっぱり……佐倉くん、きみもボクと同じで【レベルフリー】を覚えているんだね」
呆然とした顔から一転して伊集院は生き生きとした顔になった。


「ちなみにボクのレベルは8917だけど佐倉くんはいくつなのかなあ?」
「何笑ってるんだお前?」
「え? ボク、笑ってる……? あ、本当だ……」
伊集院は自分の顔を触って口角が上がっていることを確かめる。


「伊集院、お前マジで大丈夫か?」
「なんで? 全然問題ないよ。むしろ絶好調だよボクっ」


変なクスリでもやってるんじゃないだろうな。
そう俺に思わせるくらいに伊集院は楽しそうに笑った。

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