最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第170話 かみ合わない会話
「高野、大丈夫かっ?」
エンペラードラゴンを葬り去った俺は高野のもとへと駆け寄る。
「はい、まあなんとか……」
言うが高野は流血していた。
「ラストポーション使うか?」
不思議な袋の中に手を突っ込みながら訊くと、
「いえ、そこまでの怪我じゃないです」
と高野が返す。
ラストポーションはHPを全回復させるアイテムなので俺は渡そうと思ったのだが高野はもったいないとでも思ったのかこれを断った。
その代わりに、
「薬草いくつか貰えますか?」
高野は手を差し出してきた。
「わかった」
俺は不思議な袋の中から薬草を三枚ほど取り出すと高野に手渡す。
さらに、
「服も破けて血だらけだからこれもやるよ」
替えの服も取り出してやった。
「あっ、ありがとうございます。わたし着替え持ってきてなかったんでどうしようかと思ってたんですよ~」
エンペラードラゴンの鋭い爪で着ていた服を斬り裂かれたばかりの高野がほっとした様子で微笑んだ。
☆ ☆ ☆
「わたしやっぱり透明になっていますね」
着替えを済ませた高野が口を開く。
「またさっきのエンペラードラゴンとかが出てきたらわたしじゃ勝てないですもん」
「そっか、わかった……っていうかなんならもうここで引き返してもいいんだぞ」
「それは約束が違いますよ。わたし今ダンジョンを出たって家には戻りませんからねっ」
家出中の高野はぶんぶんと首を横に振りながら口にした。
意地でもこのダンジョンをクリアするまでは家には帰らないつもりらしい。
「スキル、透明化っ。スキル、忍び足っ」
高野はそう口にすると俺の目の前から姿を消した。
「さあ、真琴さん。張り切っていきましょうっ」
テンション高く声を上げる高野をよそに俺はこのダンジョン、一体地下何階まであるんだろうかとまだ見ぬ最深階に思いをはせていた。
☆ ☆ ☆
地下十階をしばらく歩いたのち細長い通路を高野とともに進んでいると、
「あっ、真琴さんっ。あれ見てくださいっ」
急に高野が声を発した。
「ん? あれってどれだ?」
「あれですよ、あれ。見えないんですかっ?」
おそらく高野は俺の左隣でどこかを指差しているのだろうがさっぱりわからない。
「ちゃんと口で説明してくれ」
「じゃあもうちょっと前に行ってくださいっ」
仕方なく高野の指示通り移動する。
高野の言う通りちょっとだけ前に進むと、
「ほら、これですよ。なんですかね、これ?」
高野が俺の左肩をとんとんと叩いた。
「これってどれだよ? はっきり言ってくれ」
「え? 真琴さん何言ってるんですかっ? これですよ、これっ。真琴さんの足元の右側にあるやつですよっ」
必死に伝えようとしてくれているようだが俺には意味が分からない。
俺の足元になんて何もないのだから。
「高野、お前の方こそマジで何言ってるんだ……?」
会話が全然かみ合わない。
きっと高野は俺と同じくけげんな表情で眉をひそめていることだろう。
「これですよ、これっ!」
少々いら立ったのか高野は語気を強める。
そんな高野の声は俺の足元から聞こえたので今高野は俺の足元でしゃがみ込んでいるはずだ。
なので俺もしゃがんでみる。
だがしゃがんではみたものの……。
「高野、どれのことを言ってるんだよ」
やはりあるのは地面と壁だけ。
「え……もしかして真琴さんにはこれ見えてないんですかっ?」
「これって?」
すると高野は俺の手を取ってUFOキャッチャーのように右に動かして止めた。
そしてそこからゆっくりと下ろす。
こつん。
「えっ?」
地面から五センチ上くらいのところで俺の手に何か冷たいものが触れた。
でもそこには何もない。というより何も見えない。
「……高野。これ、なんだ……ここに何かあるよな?」
俺はそこにある何かを確かめるようにしてそっと触ってみる。
「やっぱり真琴さんには見えてないんですねっ。でもわたしにははっきりと見えてますよ。なんでだろ~、透明になってるから見えるのかなぁ……」
「高野、これってさあ、もしかして……」
俺はその透明な何かを触っているうちに過去に触ったあるものに感触が似ていることに気付いた。
硬くもなく柔らかくもなく手の大きさにフィットするような丸い形をしたもの。
それは……。
「……ボタン?」
「はい、そうですっ。クイズ番組でよく見るようなボタンですっ!」
まさにクイズ番組で正解を出した時のようなテンションで高野は言い放った。
エンペラードラゴンを葬り去った俺は高野のもとへと駆け寄る。
「はい、まあなんとか……」
言うが高野は流血していた。
「ラストポーション使うか?」
不思議な袋の中に手を突っ込みながら訊くと、
「いえ、そこまでの怪我じゃないです」
と高野が返す。
ラストポーションはHPを全回復させるアイテムなので俺は渡そうと思ったのだが高野はもったいないとでも思ったのかこれを断った。
その代わりに、
「薬草いくつか貰えますか?」
高野は手を差し出してきた。
「わかった」
俺は不思議な袋の中から薬草を三枚ほど取り出すと高野に手渡す。
さらに、
「服も破けて血だらけだからこれもやるよ」
替えの服も取り出してやった。
「あっ、ありがとうございます。わたし着替え持ってきてなかったんでどうしようかと思ってたんですよ~」
エンペラードラゴンの鋭い爪で着ていた服を斬り裂かれたばかりの高野がほっとした様子で微笑んだ。
☆ ☆ ☆
「わたしやっぱり透明になっていますね」
着替えを済ませた高野が口を開く。
「またさっきのエンペラードラゴンとかが出てきたらわたしじゃ勝てないですもん」
「そっか、わかった……っていうかなんならもうここで引き返してもいいんだぞ」
「それは約束が違いますよ。わたし今ダンジョンを出たって家には戻りませんからねっ」
家出中の高野はぶんぶんと首を横に振りながら口にした。
意地でもこのダンジョンをクリアするまでは家には帰らないつもりらしい。
「スキル、透明化っ。スキル、忍び足っ」
高野はそう口にすると俺の目の前から姿を消した。
「さあ、真琴さん。張り切っていきましょうっ」
テンション高く声を上げる高野をよそに俺はこのダンジョン、一体地下何階まであるんだろうかとまだ見ぬ最深階に思いをはせていた。
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地下十階をしばらく歩いたのち細長い通路を高野とともに進んでいると、
「あっ、真琴さんっ。あれ見てくださいっ」
急に高野が声を発した。
「ん? あれってどれだ?」
「あれですよ、あれ。見えないんですかっ?」
おそらく高野は俺の左隣でどこかを指差しているのだろうがさっぱりわからない。
「ちゃんと口で説明してくれ」
「じゃあもうちょっと前に行ってくださいっ」
仕方なく高野の指示通り移動する。
高野の言う通りちょっとだけ前に進むと、
「ほら、これですよ。なんですかね、これ?」
高野が俺の左肩をとんとんと叩いた。
「これってどれだよ? はっきり言ってくれ」
「え? 真琴さん何言ってるんですかっ? これですよ、これっ。真琴さんの足元の右側にあるやつですよっ」
必死に伝えようとしてくれているようだが俺には意味が分からない。
俺の足元になんて何もないのだから。
「高野、お前の方こそマジで何言ってるんだ……?」
会話が全然かみ合わない。
きっと高野は俺と同じくけげんな表情で眉をひそめていることだろう。
「これですよ、これっ!」
少々いら立ったのか高野は語気を強める。
そんな高野の声は俺の足元から聞こえたので今高野は俺の足元でしゃがみ込んでいるはずだ。
なので俺もしゃがんでみる。
だがしゃがんではみたものの……。
「高野、どれのことを言ってるんだよ」
やはりあるのは地面と壁だけ。
「え……もしかして真琴さんにはこれ見えてないんですかっ?」
「これって?」
すると高野は俺の手を取ってUFOキャッチャーのように右に動かして止めた。
そしてそこからゆっくりと下ろす。
こつん。
「えっ?」
地面から五センチ上くらいのところで俺の手に何か冷たいものが触れた。
でもそこには何もない。というより何も見えない。
「……高野。これ、なんだ……ここに何かあるよな?」
俺はそこにある何かを確かめるようにしてそっと触ってみる。
「やっぱり真琴さんには見えてないんですねっ。でもわたしにははっきりと見えてますよ。なんでだろ~、透明になってるから見えるのかなぁ……」
「高野、これってさあ、もしかして……」
俺はその透明な何かを触っているうちに過去に触ったあるものに感触が似ていることに気付いた。
硬くもなく柔らかくもなく手の大きさにフィットするような丸い形をしたもの。
それは……。
「……ボタン?」
「はい、そうですっ。クイズ番組でよく見るようなボタンですっ!」
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