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最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~

シオヤマ琴@『最強最速』10月2日発売

第100話 約束の終わり

ダンジョンセンターを出ると、
「ちなみにそれは売らなくてよかったんですか?」
俺は磯さんの持つ破壊の斧を見下ろして言った。


「はい。これはわたしの専用の武器にしようかなぁって思ってます。佐倉さんとの冒険の記念でもありますし」
「そうですか」


俺にとっては武器など邪魔なだけだが普通のプレイヤーからしたらたしかに武器はあった方がいいはずだな。
そう思い一人納得していると、
「佐倉さん、ありがとうございましたっ」
磯さんがおもむろに頭を下げた。


「ん、なんですか?」
「佐倉さんのおかげでわたし心も体も強くなれた気がします。佐倉さんとはこれでお別れですけどわたし佐倉さんとの冒険を胸にこれからも頑張りますぅっ」
磯さんは何か吹っ切れたようなすがすがしい表情で言う。


「そうですか……」
レベル99になるまで付き合うという約束だったからこれで磯さんとはさよならか。


「あんまり話しているとお別れが出来なくなりそうなのでわたしもう行きますねっ」
「あっ、ちょっと待ってくださいっ」
そう言うと俺は適当な紙切れに自分の電話番号を書きそれを磯さんに手渡した。


「これ俺の電話番号です。何かあったら連絡してください」
……決して下心などはない。
ダンジョンのクリア報酬三百万円の受け取りなどを相談するために必要だから渡すだけだ。




「ありがとうございます。じゃあ、本当にもうこれでお別れですぅ。佐倉さん、お世話になりました」
「こちらこそ」
「えへへ~。じゃあさようならっ」
磯さんはスカートを翻すとたたたっと駆け出していった。


俺は磯さんの少しだけ大きくなったような背中をみつめながら、
「さようなら」
無意識にそうつぶやいていた。

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