最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第84話 借金一億円
「えっ!? 借金一億って……マジですか?」
「はい、そうなんです。えへへ~」
磯さんは頭をかきながら照れくさそうに言う。
「いや、笑い事じゃないですよ。一億ですよ一億っ。ありえないでしょ」
磯さんはたしか十八歳だと言っていた。
十八歳で一億円の借金なんて到底考えられない。
「冗談ですよね?」
「いいえ、本当ですよ」
当然ですよと言わんばかりに答える磯さん。
「なんでそんなことになってるんですか?」
「それはですねぇ、わたしのお父さん昔は大きな会社の社長さんだったんですけど連帯保証人? とかになって……それが原因でつい最近その会社が倒産しちゃって……」
お父さんが倒産……。
「先月借金を残したまま亡くなってしまったんです」
「あー……そうだったんですか……」
よくよく聞いてみたら結構重たい話だった。
やっぱり訊くんじゃなかったかな。
「相続放棄? っていうこともあとから聞いたら出来たらしいんですけどわたしもお母さんもよくわからずに財産を処分できる分は処分してしまったので……それで結局わたしたち親子には借金が出来てしまったんですぅ」
と磯さん。
俺は法律についてはド素人なのでそんな磯さんに「そ、そうなんですか……」と返すことしか出来なかった。
「プロのプレイヤーさんがすごく稼いでいるっていう話を耳にしたので、だからわたし借金を返すために高校をやめてプロのプレイヤーさんになることに決めたんですぅっ」
ふんすと鼻息荒く胸を張る。
「はあ……」
借金一億円か……。
高ランクのダンジョンでアイテム集めをしていれば普通に働くよりはたしかに早く返せるかもしれないが磯さんはレベル22だからなぁ……このままだと無理っぽいなぁ。
「……」
……あー、まずい。
けなげに頑張ろうとしている磯さんを見てまた馬鹿なことを考え出している俺がいる。
「あの、磯さん……」
馬鹿やめとけ。
「よかったら磯さんがレベル99になるまで……」
余計なおせっかいを焼くんじゃない。
「俺が……」
おい、引き返すなら今だぞ。
「手伝いましょうか?」
あー、言ってしまった。
「えぇっ、いいんですかぁっ!」
俺の申し出に磯さんの表情がぱあっと明るくなる。
「は、はい。磯さんを見ていると危なっかしいというか庇護欲をそそられるというか心配なんで」
「ひごよく?」
「とにかく高ランクのダンジョンを一人でクリアできるくらいになるまではそばにいますよ」
「わぁっ、ありがとうございますぅ! すっごくすっごく嬉しいですぅ~!」
磯さんは俺の手を取るとぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを表現してみせた。
そんな磯さんを冷静に眺めつつこれでよかったのかなぁ、と今さらながら自問自答する俺。
……まあ、いっか。
こうして俺はなんの得にもならないのに磯さんのレベル上げに付き合うことを決めたのだった。
「はい、そうなんです。えへへ~」
磯さんは頭をかきながら照れくさそうに言う。
「いや、笑い事じゃないですよ。一億ですよ一億っ。ありえないでしょ」
磯さんはたしか十八歳だと言っていた。
十八歳で一億円の借金なんて到底考えられない。
「冗談ですよね?」
「いいえ、本当ですよ」
当然ですよと言わんばかりに答える磯さん。
「なんでそんなことになってるんですか?」
「それはですねぇ、わたしのお父さん昔は大きな会社の社長さんだったんですけど連帯保証人? とかになって……それが原因でつい最近その会社が倒産しちゃって……」
お父さんが倒産……。
「先月借金を残したまま亡くなってしまったんです」
「あー……そうだったんですか……」
よくよく聞いてみたら結構重たい話だった。
やっぱり訊くんじゃなかったかな。
「相続放棄? っていうこともあとから聞いたら出来たらしいんですけどわたしもお母さんもよくわからずに財産を処分できる分は処分してしまったので……それで結局わたしたち親子には借金が出来てしまったんですぅ」
と磯さん。
俺は法律についてはド素人なのでそんな磯さんに「そ、そうなんですか……」と返すことしか出来なかった。
「プロのプレイヤーさんがすごく稼いでいるっていう話を耳にしたので、だからわたし借金を返すために高校をやめてプロのプレイヤーさんになることに決めたんですぅっ」
ふんすと鼻息荒く胸を張る。
「はあ……」
借金一億円か……。
高ランクのダンジョンでアイテム集めをしていれば普通に働くよりはたしかに早く返せるかもしれないが磯さんはレベル22だからなぁ……このままだと無理っぽいなぁ。
「……」
……あー、まずい。
けなげに頑張ろうとしている磯さんを見てまた馬鹿なことを考え出している俺がいる。
「あの、磯さん……」
馬鹿やめとけ。
「よかったら磯さんがレベル99になるまで……」
余計なおせっかいを焼くんじゃない。
「俺が……」
おい、引き返すなら今だぞ。
「手伝いましょうか?」
あー、言ってしまった。
「えぇっ、いいんですかぁっ!」
俺の申し出に磯さんの表情がぱあっと明るくなる。
「は、はい。磯さんを見ていると危なっかしいというか庇護欲をそそられるというか心配なんで」
「ひごよく?」
「とにかく高ランクのダンジョンを一人でクリアできるくらいになるまではそばにいますよ」
「わぁっ、ありがとうございますぅ! すっごくすっごく嬉しいですぅ~!」
磯さんは俺の手を取るとぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを表現してみせた。
そんな磯さんを冷静に眺めつつこれでよかったのかなぁ、と今さらながら自問自答する俺。
……まあ、いっか。
こうして俺はなんの得にもならないのに磯さんのレベル上げに付き合うことを決めたのだった。
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