最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第80話 上級ゾンビの大群
青い洞のダンジョン地下二十二階で俺は上級ゾンビの大群に囲まれていた。
さらに俺の隣では磯さんが「こ、怖いですぅ~っ」と肩を震わせながら縮こまっている。
地下二十一階で別れたはずの磯さんがなぜ俺の隣にいるのか、そしてなぜ俺たちが上級ゾンビの群れに囲まれているのか。
話は十分前にさかのぼる――
磯さんを置いて歩き出した俺だったがやはりどうしても危なっかしい彼女のことが心配になり別れた場所まで戻った。
だが、
「あれ? いない……」
そこに磯さんの姿はなく俺は磯さんを見失ってしまった。
「まずいなぁ……この階にはポイズンリザードが出るっていうのに」
スキルによって物理攻撃と魔法に対して無敵ともいえる防御力を誇る磯さんだが毒に対してはそのかぎりではない。
そのため磯さんはポイズンリザードに襲われでもしたらアウトなのだ。
そういう俺も毒には微塵も耐性はないのだがそれでも毒攻撃を充分避けられるだけのすばやさがあるため問題はない。
「……俺ってどこまでお人好しなんだ、まったく」
俺は磯さんを探すため駆け出した。
☆ ☆ ☆
「磯さんっ、こんなところにいたんですか。探したんですよ」
「あっ、佐倉さん。戻ってきてくれたんですねっ」
磯さんは広い部屋の中央付近で俺を見るなり飛び跳ねた。
そして、
「わたし今エクスマキナをみつけたんですよぉ」
俺のもとへ近寄ってくると肩に下げたバッグから懐中時計のようなものを取り出す。
「エクス……なんですか?」
「エクスマキナです」
「それ、どんなアイテムなんですか?」
俺は初めて見るそれを注意深く観察しながら訊いた。
「さあ? わたしにもわかりません」
「え? わからないのに喜んでいたんですか?」
「はい」
いや、俺の目をみつめながらそんな堂々と返事をされても……。
「そうだっ。わたしのこと助けてくれたお礼にこれを佐倉さんにあげますっ」
磯さんはにこにこと笑顔を絶やさずにエクスマキナとやらを俺に差し出す。
「え、いいですよ別に」
「もらってください。じゃないと私の気が済まないんですぅ」
むりやり俺にエクスマキナを押しつけてくる磯さん。
ていうかエクスマキナってなんなんだよ。
「……本当に貰ってもいいんですか? これレアアイテムかもしれませんよ」
「いいんです。こんなことくらいしかわたしには出来ませんから」
と磯さんは言う。
「でも金が必要なんじゃないんですか? 高く売れるかもですよ」
「それとこれとは別です」
「う~ん……そうですか。まあ、そういうことならじゃあ」
押し問答の末俺は結局使い道の分からないそのアイテムを受け取ると不思議な袋の中にしまった。
そしてその直後磯さんを探していた目的を思い出した。
俺は磯さんの目を見て、
「磯さん、こんなこと言いたくないですけど磯さんにこのダンジョンは荷が勝ちますよ。だから俺がこれから上の階まで送り届けてあげますから磯さんはこのダンジョンは諦めたほうがいいです」
真面目に語りかける。
「え~、でもぉ~……」
「高ランクの攻撃魔法を覚えているならともかく今の磯さんのレベルだとこのダンジョンにいる魔物は倒せないと思うんですよね」
「それはそうかもですけどぉ~……」
諦めの悪い磯さん。
やっぱりこの人見た目と違って強情だな。
「今度ポイズンリザードに襲われたらどうするんですか? 俺もう毒消し草持ってないんで助けてあげられませんよ」
「うぅ~ん……わ、わかりましたぁ。そういうことならわたしレベルを上げて出直してきます」
「そうですね、それがいいですよ」
ポイズンリザードたちに襲われたことがよほど怖かったのかその話を持ち出したら意外にもすんなり俺の言うことに従ってくれた。
「じゃ、行きましょうか」
「はい」
上の階への階段を目指して大部屋を歩く俺と磯さん。
すると、
「あっ、これなんですかぁ?」
磯さんが足元の地面を指差し声を上げる。
「あ、これって……」
下を向くとそこには赤い影のダンジョンで見た赤いトラップボタンとそっくりなボタンが地面に置かれていた。
「磯さん、これ多分罠なので絶対に押さないでください」
「罠ですかぁ……わかりました。わたし絶対に押したりしません」
俺と磯さんはボタンを避けて通り過ぎた。
がその時だった。
「きゃぁっ!?」
突如磯さんが叫び声を上げたかと思うと地面にどすんと尻もちをついた。
「い、痛いですぅ~」
「ちょっ、大丈夫ですか磯さんっ」
「自分の足に引っかかって転んじゃいましたぁ、えへへ~」
照れながら俺を見上げる磯さんだったがよく見るとそのお尻の下では赤いボタンが押しつぶされていた。
「げっ……!」
直後、
『……アアアァァァァ……』
『……アアアァァァァ……』
『……アアアァァァァ……』
・
・
・
地面の下からうめき声がしたかと思うと、
『ガアアアァァァァ……!!』
『ガアアアァァァァ……!!』
『ガアアアァァァァ……!!』
・
・
・
次の瞬間上級ゾンビの大群が一斉に地面から這い出てきたのだった――
さらに俺の隣では磯さんが「こ、怖いですぅ~っ」と肩を震わせながら縮こまっている。
地下二十一階で別れたはずの磯さんがなぜ俺の隣にいるのか、そしてなぜ俺たちが上級ゾンビの群れに囲まれているのか。
話は十分前にさかのぼる――
磯さんを置いて歩き出した俺だったがやはりどうしても危なっかしい彼女のことが心配になり別れた場所まで戻った。
だが、
「あれ? いない……」
そこに磯さんの姿はなく俺は磯さんを見失ってしまった。
「まずいなぁ……この階にはポイズンリザードが出るっていうのに」
スキルによって物理攻撃と魔法に対して無敵ともいえる防御力を誇る磯さんだが毒に対してはそのかぎりではない。
そのため磯さんはポイズンリザードに襲われでもしたらアウトなのだ。
そういう俺も毒には微塵も耐性はないのだがそれでも毒攻撃を充分避けられるだけのすばやさがあるため問題はない。
「……俺ってどこまでお人好しなんだ、まったく」
俺は磯さんを探すため駆け出した。
☆ ☆ ☆
「磯さんっ、こんなところにいたんですか。探したんですよ」
「あっ、佐倉さん。戻ってきてくれたんですねっ」
磯さんは広い部屋の中央付近で俺を見るなり飛び跳ねた。
そして、
「わたし今エクスマキナをみつけたんですよぉ」
俺のもとへ近寄ってくると肩に下げたバッグから懐中時計のようなものを取り出す。
「エクス……なんですか?」
「エクスマキナです」
「それ、どんなアイテムなんですか?」
俺は初めて見るそれを注意深く観察しながら訊いた。
「さあ? わたしにもわかりません」
「え? わからないのに喜んでいたんですか?」
「はい」
いや、俺の目をみつめながらそんな堂々と返事をされても……。
「そうだっ。わたしのこと助けてくれたお礼にこれを佐倉さんにあげますっ」
磯さんはにこにこと笑顔を絶やさずにエクスマキナとやらを俺に差し出す。
「え、いいですよ別に」
「もらってください。じゃないと私の気が済まないんですぅ」
むりやり俺にエクスマキナを押しつけてくる磯さん。
ていうかエクスマキナってなんなんだよ。
「……本当に貰ってもいいんですか? これレアアイテムかもしれませんよ」
「いいんです。こんなことくらいしかわたしには出来ませんから」
と磯さんは言う。
「でも金が必要なんじゃないんですか? 高く売れるかもですよ」
「それとこれとは別です」
「う~ん……そうですか。まあ、そういうことならじゃあ」
押し問答の末俺は結局使い道の分からないそのアイテムを受け取ると不思議な袋の中にしまった。
そしてその直後磯さんを探していた目的を思い出した。
俺は磯さんの目を見て、
「磯さん、こんなこと言いたくないですけど磯さんにこのダンジョンは荷が勝ちますよ。だから俺がこれから上の階まで送り届けてあげますから磯さんはこのダンジョンは諦めたほうがいいです」
真面目に語りかける。
「え~、でもぉ~……」
「高ランクの攻撃魔法を覚えているならともかく今の磯さんのレベルだとこのダンジョンにいる魔物は倒せないと思うんですよね」
「それはそうかもですけどぉ~……」
諦めの悪い磯さん。
やっぱりこの人見た目と違って強情だな。
「今度ポイズンリザードに襲われたらどうするんですか? 俺もう毒消し草持ってないんで助けてあげられませんよ」
「うぅ~ん……わ、わかりましたぁ。そういうことならわたしレベルを上げて出直してきます」
「そうですね、それがいいですよ」
ポイズンリザードたちに襲われたことがよほど怖かったのかその話を持ち出したら意外にもすんなり俺の言うことに従ってくれた。
「じゃ、行きましょうか」
「はい」
上の階への階段を目指して大部屋を歩く俺と磯さん。
すると、
「あっ、これなんですかぁ?」
磯さんが足元の地面を指差し声を上げる。
「あ、これって……」
下を向くとそこには赤い影のダンジョンで見た赤いトラップボタンとそっくりなボタンが地面に置かれていた。
「磯さん、これ多分罠なので絶対に押さないでください」
「罠ですかぁ……わかりました。わたし絶対に押したりしません」
俺と磯さんはボタンを避けて通り過ぎた。
がその時だった。
「きゃぁっ!?」
突如磯さんが叫び声を上げたかと思うと地面にどすんと尻もちをついた。
「い、痛いですぅ~」
「ちょっ、大丈夫ですか磯さんっ」
「自分の足に引っかかって転んじゃいましたぁ、えへへ~」
照れながら俺を見上げる磯さんだったがよく見るとそのお尻の下では赤いボタンが押しつぶされていた。
「げっ……!」
直後、
『……アアアァァァァ……』
『……アアアァァァァ……』
『……アアアァァァァ……』
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地面の下からうめき声がしたかと思うと、
『ガアアアァァァァ……!!』
『ガアアアァァァァ……!!』
『ガアアアァァァァ……!!』
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次の瞬間上級ゾンビの大群が一斉に地面から這い出てきたのだった――
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