最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第1話 佐倉真琴
「……おい大丈夫かっ! おい、しっかりしろっ!」
耳元で騒がしい声がする。
「亜矢、早くこっちに来てくれっ! 少年が倒れてるんだっ! おい何があった、おいっ!」
誰かが俺の体を揺すっている。
なんなんだ一体……?
「亜矢、早く回復魔法をっ」
「あっ比呂にぃ待って。その人、気がついたみたいよっ」
「おおっ、ほんとだっ。おい、お前大丈夫かっ!」
「……ぅん」
目を開けると目の前には三十代半ばくらいのあごひげを生やした男性と二十歳そこそこの髪の長い女性が心配そうに俺をみつめていた。
「何があったんだ? どうしてこんなとこで倒れていたんだ? 魔物に襲われたのか?」
矢継ぎ早に質問してくる。
「……」
この人が俺を起こしたのか。
せっかくいい夢を見ていたというのに……。
「おい、どうした? なんとか言ってくれっ」
「ちょっと比呂にぃってば、落ち着きなよ……ねぇきみ大丈夫?」
女性は俺の顔を覗き込んで言った。
「……ええ、大丈夫ですよ」
「おいなんだよ、喋れるじゃねぇかよ。だったら大丈夫なら大丈夫って早く言ってくれよなっ。無駄に心配しちまったじゃねぇか、まったくよおっ」
男性はオーバーリアクションとともに俺の肩をばしばし叩く。
「比呂にぃ、叩きすぎだってば」
「あっわりぃわりぃ。だってよ、壁を背にしてぐったりしてるもんだからみつけた時はてっきり死んでるのかと思ったくらいだったんだぜっ」
と男性がぼさぼさの髪を掻きながら話す。
どうやら単に俺を心配して起こしてくれただけで悪い人たちではなさそうだ。
「すいません、心配をおかけしたみたいで。うとうとしてたらつい眠っちゃって……」
「ついって、お前なぁ。ダンジョン内で寝る奴があるかよ」
「二度とそんなことしちゃ駄目よ。魔物がいつ襲ってくるかわからないんだからね」
「はぁ、どうも」
俺ならどんな魔物が寝込みを襲ってこようがまったく問題ないんだけどな。と思いつつも一から説明するのは面倒なので適当に返事をしておく。
「私は工藤亜矢、大学二年生。こっちのうるさいのは工藤比呂、私の兄よ。あなたは?」
「俺は佐倉真琴です。高……十六歳です」
一瞬高校一年生と言いかけてから今は違うと思い返し言い直した。
「へ~、なんか可愛い名前だね。私より女の子っぽいかも」
「おい亜矢。男は可愛いなんて言われてもちっとも嬉しくないんだからやめろよな」
「あ、そうなの? ごめんね真琴くん、さっきのは忘れて」
亜矢さんは手を合わせ申し訳なさそうな顔をする。
「別に謝らなくてもいいですよ」
背が低く中性的な顔立ちの俺は良くも悪くも昔から可愛いと言われ慣れている。
特段嬉しくはないが嫌でもない。
「私たち黄昏の旅団ていうチームを組んでいるんだけど真琴くんは?」
「まさか一人ってことはねぇよな」
チームか……懐かしい。
俺もこの世界にダンジョンが現れた当初はとあるチームに属していた。いや、少しの間行動を共にしていただけか。
だがそこでも高校同様馴染むことは出来なかった。
「一人ですよ。俺はチームには入っていませんから」
「えっ嘘っ!?」
「ソロプレイヤーってことかっ!? マジかよっ」
俺の返答に亜矢さんと比呂さんは驚きの声を上げた。
「そんなに驚かなくても。比呂さんたちだって二人じゃないですか」
「おれたちは二人じゃねぇよ。ほかの仲間ならすぐそこの部屋で待機してるぜ」
「待機?」
どういうことだろう。
「私には魔物の気配を探るスキル、比呂にぃには罠を見破るスキルがあるから私たちはチームの仲間より一足先に通路を確認していたのよ」
「そこでお前が壁に寄りかかってるのを発見したってわけだ」
「そうだったんですか」
「おれたちは全員で六人のチームだ。それぞれ役割があるのさ」
この二人はさしずめ危険を察知する先遣隊といったところだろうか。
チームには欠かせない存在なんだろうな。
「それより真琴はソロで平気なのかよ。ここランクQのダンジョンだぞ」
「そうよ。私たちみんなレベル30以上だけど六人いてようやく地下五階まで下りてこれたところなんだから」
「はあ……」
比呂さんが言った通り今俺たちがいるのはランクQのダンジョン。
ダンジョンにはAからZまでランク分けがされており、Aに近付くほど難易度は高くなっていく。
なのでランクQのダンジョンは主に中級プレイヤー向けの狩場となっている。
日本にあるランクQのダンジョンはここのほかに合計四つ存在しており、今いるここは通称白い地のダンジョンと呼ばれている。
「真琴くんはレベルいくつなの? ソロでも平気ってことは60くらい?」
「おいおい、何言ってんだ亜矢。そんなことあるはずないだろうが。レベル60っていったらおれたちの倍じゃねぇか」
「でもソロならレベルが上がるのも私たちより早いはずよ」
「そうとは限らねぇぞ。経験値の高い魔物を一人で倒すのは大変だからな。そうだろ真琴?」
比呂さんが鋭い眼光で俺を見る。
「え、ええ。そうですね」
「おそらくだが真琴はお前と似たようなスキルを持ってるんじゃねぇかな」
と亜矢さんに向かって言った。
「私と……ってことは魔物を察知するスキルってこと? そうなの真琴くん?」
「絶対そうだぜ。魔物から逃げながらアイテムだけ拾ってるんだろ。だから、そうだなぁ……レベルはいいとこ25くらいか」
「ちょっと比呂にぃ、私は真琴くんに訊いてるんだから黙っててよ」
「実の兄に向かって黙ってろとはなんだ」
「黙ってろなんて言ってない、黙っててって言ったの」
「同じだろうがっ」
「同じじゃないっ」
二人は俺を置き去りにして話をヒートアップさせていく。
はぁ……どっちでもいいからそろそろどっか行ってくれないかなこの人たち。
耳元で騒がしい声がする。
「亜矢、早くこっちに来てくれっ! 少年が倒れてるんだっ! おい何があった、おいっ!」
誰かが俺の体を揺すっている。
なんなんだ一体……?
「亜矢、早く回復魔法をっ」
「あっ比呂にぃ待って。その人、気がついたみたいよっ」
「おおっ、ほんとだっ。おい、お前大丈夫かっ!」
「……ぅん」
目を開けると目の前には三十代半ばくらいのあごひげを生やした男性と二十歳そこそこの髪の長い女性が心配そうに俺をみつめていた。
「何があったんだ? どうしてこんなとこで倒れていたんだ? 魔物に襲われたのか?」
矢継ぎ早に質問してくる。
「……」
この人が俺を起こしたのか。
せっかくいい夢を見ていたというのに……。
「おい、どうした? なんとか言ってくれっ」
「ちょっと比呂にぃってば、落ち着きなよ……ねぇきみ大丈夫?」
女性は俺の顔を覗き込んで言った。
「……ええ、大丈夫ですよ」
「おいなんだよ、喋れるじゃねぇかよ。だったら大丈夫なら大丈夫って早く言ってくれよなっ。無駄に心配しちまったじゃねぇか、まったくよおっ」
男性はオーバーリアクションとともに俺の肩をばしばし叩く。
「比呂にぃ、叩きすぎだってば」
「あっわりぃわりぃ。だってよ、壁を背にしてぐったりしてるもんだからみつけた時はてっきり死んでるのかと思ったくらいだったんだぜっ」
と男性がぼさぼさの髪を掻きながら話す。
どうやら単に俺を心配して起こしてくれただけで悪い人たちではなさそうだ。
「すいません、心配をおかけしたみたいで。うとうとしてたらつい眠っちゃって……」
「ついって、お前なぁ。ダンジョン内で寝る奴があるかよ」
「二度とそんなことしちゃ駄目よ。魔物がいつ襲ってくるかわからないんだからね」
「はぁ、どうも」
俺ならどんな魔物が寝込みを襲ってこようがまったく問題ないんだけどな。と思いつつも一から説明するのは面倒なので適当に返事をしておく。
「私は工藤亜矢、大学二年生。こっちのうるさいのは工藤比呂、私の兄よ。あなたは?」
「俺は佐倉真琴です。高……十六歳です」
一瞬高校一年生と言いかけてから今は違うと思い返し言い直した。
「へ~、なんか可愛い名前だね。私より女の子っぽいかも」
「おい亜矢。男は可愛いなんて言われてもちっとも嬉しくないんだからやめろよな」
「あ、そうなの? ごめんね真琴くん、さっきのは忘れて」
亜矢さんは手を合わせ申し訳なさそうな顔をする。
「別に謝らなくてもいいですよ」
背が低く中性的な顔立ちの俺は良くも悪くも昔から可愛いと言われ慣れている。
特段嬉しくはないが嫌でもない。
「私たち黄昏の旅団ていうチームを組んでいるんだけど真琴くんは?」
「まさか一人ってことはねぇよな」
チームか……懐かしい。
俺もこの世界にダンジョンが現れた当初はとあるチームに属していた。いや、少しの間行動を共にしていただけか。
だがそこでも高校同様馴染むことは出来なかった。
「一人ですよ。俺はチームには入っていませんから」
「えっ嘘っ!?」
「ソロプレイヤーってことかっ!? マジかよっ」
俺の返答に亜矢さんと比呂さんは驚きの声を上げた。
「そんなに驚かなくても。比呂さんたちだって二人じゃないですか」
「おれたちは二人じゃねぇよ。ほかの仲間ならすぐそこの部屋で待機してるぜ」
「待機?」
どういうことだろう。
「私には魔物の気配を探るスキル、比呂にぃには罠を見破るスキルがあるから私たちはチームの仲間より一足先に通路を確認していたのよ」
「そこでお前が壁に寄りかかってるのを発見したってわけだ」
「そうだったんですか」
「おれたちは全員で六人のチームだ。それぞれ役割があるのさ」
この二人はさしずめ危険を察知する先遣隊といったところだろうか。
チームには欠かせない存在なんだろうな。
「それより真琴はソロで平気なのかよ。ここランクQのダンジョンだぞ」
「そうよ。私たちみんなレベル30以上だけど六人いてようやく地下五階まで下りてこれたところなんだから」
「はあ……」
比呂さんが言った通り今俺たちがいるのはランクQのダンジョン。
ダンジョンにはAからZまでランク分けがされており、Aに近付くほど難易度は高くなっていく。
なのでランクQのダンジョンは主に中級プレイヤー向けの狩場となっている。
日本にあるランクQのダンジョンはここのほかに合計四つ存在しており、今いるここは通称白い地のダンジョンと呼ばれている。
「真琴くんはレベルいくつなの? ソロでも平気ってことは60くらい?」
「おいおい、何言ってんだ亜矢。そんなことあるはずないだろうが。レベル60っていったらおれたちの倍じゃねぇか」
「でもソロならレベルが上がるのも私たちより早いはずよ」
「そうとは限らねぇぞ。経験値の高い魔物を一人で倒すのは大変だからな。そうだろ真琴?」
比呂さんが鋭い眼光で俺を見る。
「え、ええ。そうですね」
「おそらくだが真琴はお前と似たようなスキルを持ってるんじゃねぇかな」
と亜矢さんに向かって言った。
「私と……ってことは魔物を察知するスキルってこと? そうなの真琴くん?」
「絶対そうだぜ。魔物から逃げながらアイテムだけ拾ってるんだろ。だから、そうだなぁ……レベルはいいとこ25くらいか」
「ちょっと比呂にぃ、私は真琴くんに訊いてるんだから黙っててよ」
「実の兄に向かって黙ってろとはなんだ」
「黙ってろなんて言ってない、黙っててって言ったの」
「同じだろうがっ」
「同じじゃないっ」
二人は俺を置き去りにして話をヒートアップさせていく。
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