最強で最速の無限レベルアップ ~スキル【経験値1000倍】と【レベルフリー】でレベル上限の枷が外れた俺は無双する~
第2話 ミノタウロス
すると突然、
「きゃあぁぁぁーっ!」
と女性の悲鳴がダンジョン内に響き渡った。
「っ!? この声は結衣かっ!?」
「そうよ。結衣たちに何かあったんだわきっと。比呂にぃ、早く戻りましょっ!」
「お、おう!」
比呂さんと亜矢さんの仲間の声だったようで二人は顔を見合わせると声のした方へと駆け出す。
「わりぃ真琴、また今度なっ」
「真琴くんも気をつけてっ」
俺に早口で声を飛ばすと二人はそのまま通路の角を曲がっていってしまった。
「……ふぅ~」
俺は二人の背中を見送ってからようやく一人になれたことに安堵し一息つく。
久しぶりに人と話をしたがやはり俺はコミュニケーション能力が他人より劣っているのだろう、精神的にかなり疲弊した。
「まあ何はともあれ、これでもうひと眠りできるな」
つぶやくと俺はダンジョンの壁を背にしてゆっくりと目を閉じた。
「……」
「……」
だがさっきの二人のことが気になってどうにも眠れない。
……さっきの悲鳴もなんだったんだろうな。
ふと疑問が頭をよぎったその時、
「いやあぁっ! 結衣っ!」
「な、なんだこいつはっ!?」
亜矢さんと比呂さんの声が俺の耳に届いてきた。
「……っ」
他人とかかわるのはもうやめよう。
過去の過ちからそう心に決めていた俺だったが、
「……くそっ」
気付けば俺は二人のもとへと走り出していた。
角を曲がって一つ二つと部屋を抜けると俺は開けた空間に出た。
そこで比呂さんと亜矢さんの後ろ姿を視界にとらえたがそれとほぼ同時にむごたらしい惨状が俺の目に飛び込んできた。
『ウウウウ……!』
体長四メートルほどの牛のような上半身を持った筋骨隆々の魔物が女性の頭部を鷲掴みにして高々と持ち上げていたのだ。
そしてその魔物の足元には血の海ができていて、胴体を引き裂かれた三人の男性の死体が転がっていた。
「ミノタウロス?」
俺はその魔物を知っていた。
ミノタウロス。
それは白い地のダンジョンに群れを成して棲んでいる凶悪な魔物だった。
ダンジョンに侵入したプレイヤーを決して許すことはなく出遭った者は一人残らず殺すとされているダンジョンの番人だ。
「でもなんでこんなところに……?」
ここは地下五階。ミノタウロスは白い地のダンジョンの最下層である地下十五階から地下二十階にしか存在しないはずなのだが。
「きゃああぁぁぁぁぁ……!」
「結衣ーっ!」
みしみしと今にも頭を潰されそうな女性を見て声を上げる亜矢さん。
そんな亜矢さんの悲痛な叫びに、
「このやろーっ、結衣を放せぇっ!」
比呂さんが危険をかえりみずミノタウロスの懐に入っていった。
持っていた剣でミノタウロスに斬りかかる。
ザシュッ。
比呂さんの渾身の一撃はミノタウロスの腹を斬り裂いた。
返り血が宙を舞う。
『ウウウウッ……!』
比呂さんの攻撃にひるんだミノタウロスは後ろにのけぞり、その拍子に女性を掴んでいた手を放した。
どさっと女性が地面に落ちる。
「結衣っ!」
亜矢さんは女性のもとにすぐに駆け寄ると、
「スキル、回復魔法ランク4っ」
回復の魔法を発動させた。
へー、ランク4か。
レベル30そこそこの割にはなかなかの魔法を覚えているなぁ。
俺は感心しつつ亜矢さんを眺める。
一変したこの世界ではダンジョンだけでなく魔法にもランクというものは存在し、1から10までの十段階に分けられている。
ランク4の回復魔法は全体の中では中の下といったところだがある程度の怪我なら充分に治せるはずだ。
その証拠に回復魔法の青白い光がすぅっと消えていくと、
「……あ、亜矢。わ、わたし……」
「結衣っ。よかったっ」
女性は無事だったようで亜矢さんは涙ながらに女性を強く抱きしめた。
一方ミノタウロスと対峙していた比呂さんはというと劣勢に追い込まれていた。
『ウガァァァッ』
「ぐあっ……!」
なんとかミノタウロスの攻撃をかわし続けていた比呂さんだったが一瞬の隙をついたミノタウロスの強烈なパンチで壁際まで殴り飛ばされてしまった。
「……がはっ……」
壁に手をつきながらよろよろと立ち上がる比呂さん。
口からは吐血している。
その様子をビー玉のような感情のない瞳でみつめるミノタウロス。
異常なまでの自然治癒力によってさっき比呂さんに受けた腹の傷口はもうほとんど塞がっていた。
『ウウウウウ……』
「比呂にぃ、逃げてっ!」
亜矢さんが必死で叫ぶがその声が届いていないのか比呂さんは震える手で剣を握り直す。
そして、
「悪い亜矢、おれには時間稼ぎが精一杯だ」
ミノタウロスを見据え、
「亜矢っ、結衣を連れて今すぐダンジョンを出るんだっ!」
大声を発した。
『ウガアァァァーッ!』
その直後比呂さんの声に触発されたのかミノタウロスが立っているのがやっとの比呂さんめがけて猛突進を仕掛けた。
「比呂にぃっ!」
「比呂っ!」
死。
その場にいた三人の頭にその言葉がよぎったまさにその瞬間――
比呂さんの前に瞬時に移動した俺はミノタウロスの突進を片手で受け止めていた。
「……えっ!?」
「ま、真琴くん……!?」
「な、何。どういうことなの……?」
三人は状況が飲み込めていないよう。
『ウグググゥ……!?』
ミノタウロスもまた同じだった。
なおも突進しようと足を動かすが俺のちからの前ではその足は一向に前へは進まない。
「ま、真琴。お前……?」
「すいません比呂さん。さっきは言いそびれましたけど俺のレベルは25なんかじゃないんですよ」
俺の後ろで膝に手をつきなんとか立っている比呂さんに言葉を投げかける。
「でもその前にこいつを片付けちゃうんでちょっと待ってくださいね」
「え……?」
俺は右手を握り締めると、
「せーのっ」
ミノタウロスに向けて拳を放った。
ボゴォォーン!
『ガフゥッ……!!』
俺の一撃で腹に大きな風穴が開いたミノタウロスは口から大量の血を吐きそのまま後ろに大の字になってどしーんと倒れ込んだ。
「お、お前は一体……?」
信じられないものを目撃したかのように目を大きく見開いている比呂さんを振り返り俺は本当のレベルを吐露する。
「俺のレベルは10018です」
「きゃあぁぁぁーっ!」
と女性の悲鳴がダンジョン内に響き渡った。
「っ!? この声は結衣かっ!?」
「そうよ。結衣たちに何かあったんだわきっと。比呂にぃ、早く戻りましょっ!」
「お、おう!」
比呂さんと亜矢さんの仲間の声だったようで二人は顔を見合わせると声のした方へと駆け出す。
「わりぃ真琴、また今度なっ」
「真琴くんも気をつけてっ」
俺に早口で声を飛ばすと二人はそのまま通路の角を曲がっていってしまった。
「……ふぅ~」
俺は二人の背中を見送ってからようやく一人になれたことに安堵し一息つく。
久しぶりに人と話をしたがやはり俺はコミュニケーション能力が他人より劣っているのだろう、精神的にかなり疲弊した。
「まあ何はともあれ、これでもうひと眠りできるな」
つぶやくと俺はダンジョンの壁を背にしてゆっくりと目を閉じた。
「……」
「……」
だがさっきの二人のことが気になってどうにも眠れない。
……さっきの悲鳴もなんだったんだろうな。
ふと疑問が頭をよぎったその時、
「いやあぁっ! 結衣っ!」
「な、なんだこいつはっ!?」
亜矢さんと比呂さんの声が俺の耳に届いてきた。
「……っ」
他人とかかわるのはもうやめよう。
過去の過ちからそう心に決めていた俺だったが、
「……くそっ」
気付けば俺は二人のもとへと走り出していた。
角を曲がって一つ二つと部屋を抜けると俺は開けた空間に出た。
そこで比呂さんと亜矢さんの後ろ姿を視界にとらえたがそれとほぼ同時にむごたらしい惨状が俺の目に飛び込んできた。
『ウウウウ……!』
体長四メートルほどの牛のような上半身を持った筋骨隆々の魔物が女性の頭部を鷲掴みにして高々と持ち上げていたのだ。
そしてその魔物の足元には血の海ができていて、胴体を引き裂かれた三人の男性の死体が転がっていた。
「ミノタウロス?」
俺はその魔物を知っていた。
ミノタウロス。
それは白い地のダンジョンに群れを成して棲んでいる凶悪な魔物だった。
ダンジョンに侵入したプレイヤーを決して許すことはなく出遭った者は一人残らず殺すとされているダンジョンの番人だ。
「でもなんでこんなところに……?」
ここは地下五階。ミノタウロスは白い地のダンジョンの最下層である地下十五階から地下二十階にしか存在しないはずなのだが。
「きゃああぁぁぁぁぁ……!」
「結衣ーっ!」
みしみしと今にも頭を潰されそうな女性を見て声を上げる亜矢さん。
そんな亜矢さんの悲痛な叫びに、
「このやろーっ、結衣を放せぇっ!」
比呂さんが危険をかえりみずミノタウロスの懐に入っていった。
持っていた剣でミノタウロスに斬りかかる。
ザシュッ。
比呂さんの渾身の一撃はミノタウロスの腹を斬り裂いた。
返り血が宙を舞う。
『ウウウウッ……!』
比呂さんの攻撃にひるんだミノタウロスは後ろにのけぞり、その拍子に女性を掴んでいた手を放した。
どさっと女性が地面に落ちる。
「結衣っ!」
亜矢さんは女性のもとにすぐに駆け寄ると、
「スキル、回復魔法ランク4っ」
回復の魔法を発動させた。
へー、ランク4か。
レベル30そこそこの割にはなかなかの魔法を覚えているなぁ。
俺は感心しつつ亜矢さんを眺める。
一変したこの世界ではダンジョンだけでなく魔法にもランクというものは存在し、1から10までの十段階に分けられている。
ランク4の回復魔法は全体の中では中の下といったところだがある程度の怪我なら充分に治せるはずだ。
その証拠に回復魔法の青白い光がすぅっと消えていくと、
「……あ、亜矢。わ、わたし……」
「結衣っ。よかったっ」
女性は無事だったようで亜矢さんは涙ながらに女性を強く抱きしめた。
一方ミノタウロスと対峙していた比呂さんはというと劣勢に追い込まれていた。
『ウガァァァッ』
「ぐあっ……!」
なんとかミノタウロスの攻撃をかわし続けていた比呂さんだったが一瞬の隙をついたミノタウロスの強烈なパンチで壁際まで殴り飛ばされてしまった。
「……がはっ……」
壁に手をつきながらよろよろと立ち上がる比呂さん。
口からは吐血している。
その様子をビー玉のような感情のない瞳でみつめるミノタウロス。
異常なまでの自然治癒力によってさっき比呂さんに受けた腹の傷口はもうほとんど塞がっていた。
『ウウウウウ……』
「比呂にぃ、逃げてっ!」
亜矢さんが必死で叫ぶがその声が届いていないのか比呂さんは震える手で剣を握り直す。
そして、
「悪い亜矢、おれには時間稼ぎが精一杯だ」
ミノタウロスを見据え、
「亜矢っ、結衣を連れて今すぐダンジョンを出るんだっ!」
大声を発した。
『ウガアァァァーッ!』
その直後比呂さんの声に触発されたのかミノタウロスが立っているのがやっとの比呂さんめがけて猛突進を仕掛けた。
「比呂にぃっ!」
「比呂っ!」
死。
その場にいた三人の頭にその言葉がよぎったまさにその瞬間――
比呂さんの前に瞬時に移動した俺はミノタウロスの突進を片手で受け止めていた。
「……えっ!?」
「ま、真琴くん……!?」
「な、何。どういうことなの……?」
三人は状況が飲み込めていないよう。
『ウグググゥ……!?』
ミノタウロスもまた同じだった。
なおも突進しようと足を動かすが俺のちからの前ではその足は一向に前へは進まない。
「ま、真琴。お前……?」
「すいません比呂さん。さっきは言いそびれましたけど俺のレベルは25なんかじゃないんですよ」
俺の後ろで膝に手をつきなんとか立っている比呂さんに言葉を投げかける。
「でもその前にこいつを片付けちゃうんでちょっと待ってくださいね」
「え……?」
俺は右手を握り締めると、
「せーのっ」
ミノタウロスに向けて拳を放った。
ボゴォォーン!
『ガフゥッ……!!』
俺の一撃で腹に大きな風穴が開いたミノタウロスは口から大量の血を吐きそのまま後ろに大の字になってどしーんと倒れ込んだ。
「お、お前は一体……?」
信じられないものを目撃したかのように目を大きく見開いている比呂さんを振り返り俺は本当のレベルを吐露する。
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