レベリング・マーダー ~一週間に一回人を殺さないと自分が死んでしまうのでそれならいっそ勧善懲悪したいと思います~
第30話 居眠り
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鬼束ヤマト:レベル5→10
HP:20/20 →HP:35/35
MP:9/9 →MP:28/28
ちから:18 →ちから:35
まもり:16 →まもり:28
すばやさ:13→すばやさ:20
呪文:クフイカ(2)
:クドゲ(1)
:チンカンニクア(3)
:シアビノシ(4)
:ンガリンセ(6)
*************************************
レベルが10になったことによって俺のステータスは格段にアップしていた。
特にちからに関してはレベル1の頃と比べると三倍近い数値になっていて試しに握力を測ったところ握力計の針は百キロをゆうに超えた。
おかげで以前よりも殺人がスムーズに行えている。
さらに新たな呪文も二つ覚えていた。
シアビノシは足音を消す呪文、ンガリンセは顔と名前さえわかればその人物の動向を知ることが出来る呪文。
正直二つとも殺人それ自体にはさほど役に立たないのだが今の俺は呪文など必要ないくらい身体能力が強化されているのでさして問題はなかった。
☆ ☆ ☆
「……パイセン。聞いてるっすか、鬼束パイセンっ」
助手席に座る岡島の発する声と腕を揺らす振動で俺は覚醒した。
「……んんっ、どうした?」
「どうしたじゃないっすよ、目なんかつぶって。鬼束パイセン、まさか運転中に寝てたんじゃないっすよねぇ」
「そ、そんなわけないだろ、ちょっと考え事してただけだ」
「ならいいっすけど勘弁してくださいよ、もう」
そう言うと岡島はスマホのゲームを再開した。
俺は信号が青になると同時に車を発進させそのまま職場へと走らせる。
……ふ~、危なかった。
「そんなわけないだろ」と岡島にはとっさに返したがその実俺はここ一分ほどの記憶がなかった。
岡島と車で営業先に行った帰り道、交差点で信号待ちをしていた俺はあろうことか知らず知らずのうちに居眠りをしてしまっていたようだ。
停まっていたとはいえ運転中に眠るなんてどうかしている。
最近会社での残業が増えてきたことが関係しているのだろうか。
うちの会社は決してホワイトな労働環境が整っているとはいえないからその可能性は充分ある。
「よっしゃ、レベル上がったっ」
隣では岡島がスマホ画面とにらめっこしながらはしゃいでいた。
おい岡島、俺の疲れの一因はお前のせいでもあるんだからな。
――この時の俺はまだ気付いてはいなかったのだ。
殺人者だけを狙う殺人者が俺のすぐそばまで来ていたことに――
鬼束ヤマト:レベル5→10
HP:20/20 →HP:35/35
MP:9/9 →MP:28/28
ちから:18 →ちから:35
まもり:16 →まもり:28
すばやさ:13→すばやさ:20
呪文:クフイカ(2)
:クドゲ(1)
:チンカンニクア(3)
:シアビノシ(4)
:ンガリンセ(6)
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レベルが10になったことによって俺のステータスは格段にアップしていた。
特にちからに関してはレベル1の頃と比べると三倍近い数値になっていて試しに握力を測ったところ握力計の針は百キロをゆうに超えた。
おかげで以前よりも殺人がスムーズに行えている。
さらに新たな呪文も二つ覚えていた。
シアビノシは足音を消す呪文、ンガリンセは顔と名前さえわかればその人物の動向を知ることが出来る呪文。
正直二つとも殺人それ自体にはさほど役に立たないのだが今の俺は呪文など必要ないくらい身体能力が強化されているのでさして問題はなかった。
☆ ☆ ☆
「……パイセン。聞いてるっすか、鬼束パイセンっ」
助手席に座る岡島の発する声と腕を揺らす振動で俺は覚醒した。
「……んんっ、どうした?」
「どうしたじゃないっすよ、目なんかつぶって。鬼束パイセン、まさか運転中に寝てたんじゃないっすよねぇ」
「そ、そんなわけないだろ、ちょっと考え事してただけだ」
「ならいいっすけど勘弁してくださいよ、もう」
そう言うと岡島はスマホのゲームを再開した。
俺は信号が青になると同時に車を発進させそのまま職場へと走らせる。
……ふ~、危なかった。
「そんなわけないだろ」と岡島にはとっさに返したがその実俺はここ一分ほどの記憶がなかった。
岡島と車で営業先に行った帰り道、交差点で信号待ちをしていた俺はあろうことか知らず知らずのうちに居眠りをしてしまっていたようだ。
停まっていたとはいえ運転中に眠るなんてどうかしている。
最近会社での残業が増えてきたことが関係しているのだろうか。
うちの会社は決してホワイトな労働環境が整っているとはいえないからその可能性は充分ある。
「よっしゃ、レベル上がったっ」
隣では岡島がスマホ画面とにらめっこしながらはしゃいでいた。
おい岡島、俺の疲れの一因はお前のせいでもあるんだからな。
――この時の俺はまだ気付いてはいなかったのだ。
殺人者だけを狙う殺人者が俺のすぐそばまで来ていたことに――
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