俺【死神】になりました ~喧嘩もしたことない俺の、選べる職業が【死神】だった!?~
第44話 vs鷹人叔父さん
それから、食事をとったが。ここでの食事はさすがに、屋敷のようにいつもと全く変わらない食事というわけにはいかなかった。茶碗一杯のスープに、パンを食べた。
皆と同じものを食べて、一体感を得るということも重要なのだろう。
そうして、ご飯を食べ終わったころに、父さんが話しかけてきた。
「どうだった、みんなの前で演説をした感想は?」
「そうだね、緊張したけど何とかなったって感じかな。まだ結果はわからないから、なんとも言えないと思うけどね…。」
そう返事すると、
「もうすでに何人かは、雇ってほしいと申し出ているみたいだ。もちろんその中に戦闘行為を了承している戦闘職の者も居る。比較的若い世代に多いみたいだな。この結果からとりあえず失敗はしていないんじゃないか?」
そういってくれ、その言葉にほっとした。
その後父さんも忙しいので、その場を後にした。俺は何をするのかというと、叔父さんのところで、稽古をつけてもらい、その後実際に警備に参加し、ここでの魔物を倒す予定だ。
食事のあと、叔父さんのところに向かい、いつも警備班のみんなが稽古をしているという場所に案内さてもらった。
案内してもらった場所は、本社ビルのすぐ近くのビルの一階のフロアをまるまるぶち抜いた場所だった。話を聞くと、もともとこういう作りをしていたらしく、そこにあったものを全部どけて訓練場にしたらしい。上の階には警備班のみんなの休憩スペースやらが存在している。
「にしても、さっき見せたデモンストレーションでの速さはすごいな。今レベルはいくつなんだ?」
「今ちょうどレベル5だね」
訓練場につくなり質問されたので答える。
「レベル5であの速さか、お前さんの固有職は速さ特化なのか?」
「それもあるけど、固有武器のお陰でさらに上がっているから、単純にレベル5の速さではないけどね」
そんな会話をしながら訓練場の真ん中まで向かう。今回俺に訓練を付けてくれるのは勿論叔父さんだ。
「固有武器?そんなもんあるのか、俺の固有職にはなかったな。まあどんな武器でも使いこなせなきゃいけないから、一つの武器に固執するつもりもないしいいんだが。それじゃあ今から始めるか。どうせだったらほかも奴らにも見学させよう。おい、上にいるやつらを呼んできてくれ。」
そう部下の人に告げたおじさんは、体を伸ばしながらリラックスするしている様子だ。
おじさんが固有職を持っているといっていたが、その通りだ。おじさんの固有職は【刀神】で、刀に関しての特化型職業らしい。
しばらくすると、上の階から何人もの人達がぞろぞろと出てきて、俺たちの周りに円を描くように並んだ。なんだか見世物のような気持ちになるが、そのことは今は頭の片隅に置いておいて、今はおじさんに集中しよう。
ある程度人が集まってきたあたりでおじさんが「そろそろやるか」といった。その発言を機にあたりの空気が重くなり、張りつめた空間になる。
観客の皆さんも固唾をのんでこちらに集中している。俺も意識を切り替えよう。
「わかった、よろしくお願いします。」
そういうと、意識をいつもの戦闘の時の物に切り替える。
今回おじさんに言われたルールは、致命傷を与えない事と、どちらかが参ったといったら終了というルールのみだ。まああくまでも訓練なのだから当たり前のルールで許容範囲なのだが、俺の戦闘スタイルが急所への素早い攻撃に特化しているので、それが使えない今回は新しい戦い方を模索するしかない。
俺の合図で始まった戦闘訓練なのだが、いまだにどちらもじりじりと距離を詰めるだけで、一向に始まらない。
俺は何とかして、叔父さんのスキを見つけて攻めていきたいのだが、日本刀を鞘に入った状態で腰だめに構える、いわゆる抜刀術のスタイルで待っている叔父さんに、一切のスキがない。
今回スキルの使用は許可されているのでどこかで【属性付与(毒)】を使用して、何とか有利に持っていきたいというのが俺のプランなのだが、それにはちょっとでも傷を負わせなくてはならず、それができそうにない。
しかしいつまでもこのままでは意味がないし、訓練を付けてもらっているのは俺なのだから、叔父さんの胸を借りるつもりで突っ込んでいく。
持ち前のスピードを生かし、全速力で突っ込んでいく俺だったが、叔父さんの間合いに入った瞬間ものすごい悪寒に襲われた。おじさんが刀を抜くと同時に切りかかってきたのだ、それもスキルを使って。
「【みねうち】」
そういいながら青いオーラを纏った刀が、俺の首めがけて目にもとまらぬ速さで抜かれた。とっさの殺気に俺は瞬時にブレーキをかけた、間一髪のところで刀は届かず、俺の首すれすれを通り過ぎた。
切り傷こそつかなかったが、確実に首を切り取るであろう剣筋で、生きた心地がしなかった。
「今のは確実に殺すつもりだったでしょう!!、致命傷を与えるのは禁止じゃなかったの!?」
そういって大声で非難する俺に向かって、
「今のは【みねうち】ってアビリティだ、これを使うとどんな攻撃でも峰で攻撃することで、絶対に致命傷にならないって効果なんだ。いわゆる手加減専用アビリテだな。このおかげで俺は全力でお前を攻撃できるってわけだよ。」
と笑いながら話してきた、
「そんな…。」
思わず理不尽さに声が出てしまった。しかい周りの警備隊の人たちの同情的な視線から、同じような経験をしている人が何人かいることが想像できる。この戦いが終わったらその人たちとは仲間になれそうだ。そんなどうでもいいことに思考が割かれたが今はまだ訓練中だ、集中しよう。
一回深呼吸をして、気持ちを落ち着かせたところでおじさんの方を見る。そうするとすでに刀を抜いた状態で右手に刀を、左手に鞘を持って、両腕をぶらつかせている。
そんな一瞬隙だらけな叔父さんだが、視線は常に鋭くこちらを見ており、またしても隙が無い。
しかしそんなことはこの際どうだっていいのだ。これは訓練なのだし、スキがないなら作ればいい。そういった気持ちでまたしても距離を詰める。
先ほどの一回から、おそらく俺の方がスピードは速い。しかし刀を振るその速度に関しては俺のスピードを凌駕しており、しっかりと相手の動きを観察して、攻撃を予測しないといけない。
なるべく刀から距離をとるために鞘を持っている左手側に攻撃を仕掛ける。
持っていた短剣を低い姿勢で突っ込んだ状態で振り上げる。かなりのスピードで放たれたその攻撃に対して、叔父さんがとった行動は左手の鞘を振りぬく、それだけだった。その動きによって俺の短剣ははじかれてしまった。
攻撃をはじかれたことによって体制を崩したところに、またしても【みねうち】といいながら刀が振りぬかれた。それを取ったに後ろに倒れこむことで躱し、そのまま今度は横に転がることでその場を立ち去る。
俺が転がるところにもまたしても刀が襲い掛かってきたが、何とか逃れて立ち上がろうとした。
しかし俺が膝立ちになった時にはすでに、おじさんは目の前に来ていて刀を振りかぶっている。
(まずい!)そう思った。目の前には振りかぶった叔父さん、俺はといえばまだ膝立ちで態勢も整っていない。このままでは攻撃は当たるし、よける時間や余裕もない。今までかたくなに避けることを主軸に置いていた俺にとって、攻撃を受けるという行為はそのまま命の危険を意味した。
今までだったら、後ろにのけぞり、ちょっとでもダメージを軽減しようとするところだったが。今回はそれでも意味がないことが感覚で分かっていた。なので反射的に俺は短剣を構え、叔父さんの攻撃を短剣出受け止めることにした。
刀という長物の攻撃を短剣という小さなもので受け止める、それは自殺行為だ。しかし今の俺にはそれしか道がなかった。持ち前の観察眼を全力で駆使し、攻撃の起こりとその後の軌道を予測、攻撃に合わして短剣をその軌道に持っていく。この間わずか0.2秒。ギリギリまで軌道を見ていてその軌道に短剣の位置を修正しつつ何とか攻撃を受け止めることに成功した。
【みねうち】のお陰か、俺の短剣は切られることなく、しっかりと叔父さんの短剣を受け止めたが、俺にできたのはそれまでだった。
短剣で受け止めるので精一杯だった俺に、叔父さんの鞘での攻撃が突き刺さる。逆手で持たれた鞘が振りぬかれ、俺の顎を強打した。
それによって脳震盪を起こし俺はそのまま意識を失ったのだった。
皆と同じものを食べて、一体感を得るということも重要なのだろう。
そうして、ご飯を食べ終わったころに、父さんが話しかけてきた。
「どうだった、みんなの前で演説をした感想は?」
「そうだね、緊張したけど何とかなったって感じかな。まだ結果はわからないから、なんとも言えないと思うけどね…。」
そう返事すると、
「もうすでに何人かは、雇ってほしいと申し出ているみたいだ。もちろんその中に戦闘行為を了承している戦闘職の者も居る。比較的若い世代に多いみたいだな。この結果からとりあえず失敗はしていないんじゃないか?」
そういってくれ、その言葉にほっとした。
その後父さんも忙しいので、その場を後にした。俺は何をするのかというと、叔父さんのところで、稽古をつけてもらい、その後実際に警備に参加し、ここでの魔物を倒す予定だ。
食事のあと、叔父さんのところに向かい、いつも警備班のみんなが稽古をしているという場所に案内さてもらった。
案内してもらった場所は、本社ビルのすぐ近くのビルの一階のフロアをまるまるぶち抜いた場所だった。話を聞くと、もともとこういう作りをしていたらしく、そこにあったものを全部どけて訓練場にしたらしい。上の階には警備班のみんなの休憩スペースやらが存在している。
「にしても、さっき見せたデモンストレーションでの速さはすごいな。今レベルはいくつなんだ?」
「今ちょうどレベル5だね」
訓練場につくなり質問されたので答える。
「レベル5であの速さか、お前さんの固有職は速さ特化なのか?」
「それもあるけど、固有武器のお陰でさらに上がっているから、単純にレベル5の速さではないけどね」
そんな会話をしながら訓練場の真ん中まで向かう。今回俺に訓練を付けてくれるのは勿論叔父さんだ。
「固有武器?そんなもんあるのか、俺の固有職にはなかったな。まあどんな武器でも使いこなせなきゃいけないから、一つの武器に固執するつもりもないしいいんだが。それじゃあ今から始めるか。どうせだったらほかも奴らにも見学させよう。おい、上にいるやつらを呼んできてくれ。」
そう部下の人に告げたおじさんは、体を伸ばしながらリラックスするしている様子だ。
おじさんが固有職を持っているといっていたが、その通りだ。おじさんの固有職は【刀神】で、刀に関しての特化型職業らしい。
しばらくすると、上の階から何人もの人達がぞろぞろと出てきて、俺たちの周りに円を描くように並んだ。なんだか見世物のような気持ちになるが、そのことは今は頭の片隅に置いておいて、今はおじさんに集中しよう。
ある程度人が集まってきたあたりでおじさんが「そろそろやるか」といった。その発言を機にあたりの空気が重くなり、張りつめた空間になる。
観客の皆さんも固唾をのんでこちらに集中している。俺も意識を切り替えよう。
「わかった、よろしくお願いします。」
そういうと、意識をいつもの戦闘の時の物に切り替える。
今回おじさんに言われたルールは、致命傷を与えない事と、どちらかが参ったといったら終了というルールのみだ。まああくまでも訓練なのだから当たり前のルールで許容範囲なのだが、俺の戦闘スタイルが急所への素早い攻撃に特化しているので、それが使えない今回は新しい戦い方を模索するしかない。
俺の合図で始まった戦闘訓練なのだが、いまだにどちらもじりじりと距離を詰めるだけで、一向に始まらない。
俺は何とかして、叔父さんのスキを見つけて攻めていきたいのだが、日本刀を鞘に入った状態で腰だめに構える、いわゆる抜刀術のスタイルで待っている叔父さんに、一切のスキがない。
今回スキルの使用は許可されているのでどこかで【属性付与(毒)】を使用して、何とか有利に持っていきたいというのが俺のプランなのだが、それにはちょっとでも傷を負わせなくてはならず、それができそうにない。
しかしいつまでもこのままでは意味がないし、訓練を付けてもらっているのは俺なのだから、叔父さんの胸を借りるつもりで突っ込んでいく。
持ち前のスピードを生かし、全速力で突っ込んでいく俺だったが、叔父さんの間合いに入った瞬間ものすごい悪寒に襲われた。おじさんが刀を抜くと同時に切りかかってきたのだ、それもスキルを使って。
「【みねうち】」
そういいながら青いオーラを纏った刀が、俺の首めがけて目にもとまらぬ速さで抜かれた。とっさの殺気に俺は瞬時にブレーキをかけた、間一髪のところで刀は届かず、俺の首すれすれを通り過ぎた。
切り傷こそつかなかったが、確実に首を切り取るであろう剣筋で、生きた心地がしなかった。
「今のは確実に殺すつもりだったでしょう!!、致命傷を与えるのは禁止じゃなかったの!?」
そういって大声で非難する俺に向かって、
「今のは【みねうち】ってアビリティだ、これを使うとどんな攻撃でも峰で攻撃することで、絶対に致命傷にならないって効果なんだ。いわゆる手加減専用アビリテだな。このおかげで俺は全力でお前を攻撃できるってわけだよ。」
と笑いながら話してきた、
「そんな…。」
思わず理不尽さに声が出てしまった。しかい周りの警備隊の人たちの同情的な視線から、同じような経験をしている人が何人かいることが想像できる。この戦いが終わったらその人たちとは仲間になれそうだ。そんなどうでもいいことに思考が割かれたが今はまだ訓練中だ、集中しよう。
一回深呼吸をして、気持ちを落ち着かせたところでおじさんの方を見る。そうするとすでに刀を抜いた状態で右手に刀を、左手に鞘を持って、両腕をぶらつかせている。
そんな一瞬隙だらけな叔父さんだが、視線は常に鋭くこちらを見ており、またしても隙が無い。
しかしそんなことはこの際どうだっていいのだ。これは訓練なのだし、スキがないなら作ればいい。そういった気持ちでまたしても距離を詰める。
先ほどの一回から、おそらく俺の方がスピードは速い。しかし刀を振るその速度に関しては俺のスピードを凌駕しており、しっかりと相手の動きを観察して、攻撃を予測しないといけない。
なるべく刀から距離をとるために鞘を持っている左手側に攻撃を仕掛ける。
持っていた短剣を低い姿勢で突っ込んだ状態で振り上げる。かなりのスピードで放たれたその攻撃に対して、叔父さんがとった行動は左手の鞘を振りぬく、それだけだった。その動きによって俺の短剣ははじかれてしまった。
攻撃をはじかれたことによって体制を崩したところに、またしても【みねうち】といいながら刀が振りぬかれた。それを取ったに後ろに倒れこむことで躱し、そのまま今度は横に転がることでその場を立ち去る。
俺が転がるところにもまたしても刀が襲い掛かってきたが、何とか逃れて立ち上がろうとした。
しかし俺が膝立ちになった時にはすでに、おじさんは目の前に来ていて刀を振りかぶっている。
(まずい!)そう思った。目の前には振りかぶった叔父さん、俺はといえばまだ膝立ちで態勢も整っていない。このままでは攻撃は当たるし、よける時間や余裕もない。今までかたくなに避けることを主軸に置いていた俺にとって、攻撃を受けるという行為はそのまま命の危険を意味した。
今までだったら、後ろにのけぞり、ちょっとでもダメージを軽減しようとするところだったが。今回はそれでも意味がないことが感覚で分かっていた。なので反射的に俺は短剣を構え、叔父さんの攻撃を短剣出受け止めることにした。
刀という長物の攻撃を短剣という小さなもので受け止める、それは自殺行為だ。しかし今の俺にはそれしか道がなかった。持ち前の観察眼を全力で駆使し、攻撃の起こりとその後の軌道を予測、攻撃に合わして短剣をその軌道に持っていく。この間わずか0.2秒。ギリギリまで軌道を見ていてその軌道に短剣の位置を修正しつつ何とか攻撃を受け止めることに成功した。
【みねうち】のお陰か、俺の短剣は切られることなく、しっかりと叔父さんの短剣を受け止めたが、俺にできたのはそれまでだった。
短剣で受け止めるので精一杯だった俺に、叔父さんの鞘での攻撃が突き刺さる。逆手で持たれた鞘が振りぬかれ、俺の顎を強打した。
それによって脳震盪を起こし俺はそのまま意識を失ったのだった。
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