EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~
035 功績の条件
「すみません。そもそもASHギルドに登録するメリットは何があるんですか?」
「活動する上で必要な情報が開示されます。非登録者への情報漏洩は罪になりますので、冒険者、探索者、狩猟者として活動するには実質的に登録が必須となります」
アテラの問いかけに対し、穏やかな口調で答えるトリア。
しかし、言葉は断定的。
メリット云々以前の問題であるようだ。
「具体的には、冒険者であれば未踏破領域の状況予測などの、探索者であれば該当遺跡の内部構造などの、狩猟者であれば外敵の行動パターンなどの情報ですね」
確かにそれは必要不可欠なものだ。
登録が必須というのも頷ける。
「開示される情報は、それぞれのランクによっても制限されています。成果を上げてランクを上昇させれば、より重要な任務につくことができます」
「ランク……」
「はい。ランクはそれぞれ独立しており、区分はEからSまでとなっています」
いよいよライトファンタジーのギルド染みてきてマグは内心苦笑した。
とは言え、使用している言葉がそれらしいだけで、国家資格の甲種とか乙種のようなものと考えれば特別違和感のある制度ではないだろう。
人間を機人にする装置にせよ、時空間転移システムのコアユニットにせよ、明確に在処が分かっているものではない。
それらを探し出すには、いずれにしてもランクを上昇させて情報を得て、前人未踏の遺跡に踏み込んでいかなければならない。
「……何をすれば成果になるのですか?」
「冒険者なら遺跡の発見。探索者は出土品の回収。狩猟者は外敵の討伐です。それらも内容に応じてランク分けがなされており、高ければ高い程高く評価されます」
アテラのアーティファクトランクもまた、そのランク分けの一種なのだろう。
おおよそ予想通りの返答だ。
マグはトリアと目を会わせながら小さく頷き、一通り理解したことを示した。
対して、彼女は表情を一層柔らかくしながら再び口を開く。
「では、早速ですが、これからシミュレーターで遺跡探索のチュートリアルを行いたいと思います。これによって初期ランクが最終決定されます」
「ええと……シミュレーターでチュートリアル、ですか?」
「いわゆるVRで遺跡を再現し、簡易的に探索を体験していただきます」
サラリと答えたトリアにマグは成程と納得した。
当然と言うべきか、元の時代でもVR技術はあった。
勿論、フルダイブも可能なものだ。
底辺労働者であるマグは時間がなく、触れる機会はなかったが。
それはともかく。
一度文明が壊滅してはいても、それに類するような設備は残っていたらしい。
手続きを端末で全て済ませることができるにもかかわらず、こうした施設を構えている理由の大半は、あるいはそれなのかもしれない。
「実務に関する疑問、質問も色々と出てくるでしょうから、アドバイザーとして主に探索者として活躍している方をお呼びしております」
そうトリアが続ける途中、ASHギルドの入口が開く音が聞こえてきた。
「ああ、丁度いらっしゃいましたね」
振り返ったマグは思わず目を見張った。
そこにいたのは全身硬質的な鱗に覆われた、二足歩行のトカゲの如き異質な存在。
ファンタジーに登場するようなリザードマンそのものだった。
「活動する上で必要な情報が開示されます。非登録者への情報漏洩は罪になりますので、冒険者、探索者、狩猟者として活動するには実質的に登録が必須となります」
アテラの問いかけに対し、穏やかな口調で答えるトリア。
しかし、言葉は断定的。
メリット云々以前の問題であるようだ。
「具体的には、冒険者であれば未踏破領域の状況予測などの、探索者であれば該当遺跡の内部構造などの、狩猟者であれば外敵の行動パターンなどの情報ですね」
確かにそれは必要不可欠なものだ。
登録が必須というのも頷ける。
「開示される情報は、それぞれのランクによっても制限されています。成果を上げてランクを上昇させれば、より重要な任務につくことができます」
「ランク……」
「はい。ランクはそれぞれ独立しており、区分はEからSまでとなっています」
いよいよライトファンタジーのギルド染みてきてマグは内心苦笑した。
とは言え、使用している言葉がそれらしいだけで、国家資格の甲種とか乙種のようなものと考えれば特別違和感のある制度ではないだろう。
人間を機人にする装置にせよ、時空間転移システムのコアユニットにせよ、明確に在処が分かっているものではない。
それらを探し出すには、いずれにしてもランクを上昇させて情報を得て、前人未踏の遺跡に踏み込んでいかなければならない。
「……何をすれば成果になるのですか?」
「冒険者なら遺跡の発見。探索者は出土品の回収。狩猟者は外敵の討伐です。それらも内容に応じてランク分けがなされており、高ければ高い程高く評価されます」
アテラのアーティファクトランクもまた、そのランク分けの一種なのだろう。
おおよそ予想通りの返答だ。
マグはトリアと目を会わせながら小さく頷き、一通り理解したことを示した。
対して、彼女は表情を一層柔らかくしながら再び口を開く。
「では、早速ですが、これからシミュレーターで遺跡探索のチュートリアルを行いたいと思います。これによって初期ランクが最終決定されます」
「ええと……シミュレーターでチュートリアル、ですか?」
「いわゆるVRで遺跡を再現し、簡易的に探索を体験していただきます」
サラリと答えたトリアにマグは成程と納得した。
当然と言うべきか、元の時代でもVR技術はあった。
勿論、フルダイブも可能なものだ。
底辺労働者であるマグは時間がなく、触れる機会はなかったが。
それはともかく。
一度文明が壊滅してはいても、それに類するような設備は残っていたらしい。
手続きを端末で全て済ませることができるにもかかわらず、こうした施設を構えている理由の大半は、あるいはそれなのかもしれない。
「実務に関する疑問、質問も色々と出てくるでしょうから、アドバイザーとして主に探索者として活躍している方をお呼びしております」
そうトリアが続ける途中、ASHギルドの入口が開く音が聞こえてきた。
「ああ、丁度いらっしゃいましたね」
振り返ったマグは思わず目を見張った。
そこにいたのは全身硬質的な鱗に覆われた、二足歩行のトカゲの如き異質な存在。
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