天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~
第72話 人魚姫を捜すために
新大陸まではあまり時間はかからなかった。
コッジの顔はその見た目だけで妖怪と分かるものだったが、コッジは擬態ができるようで、人間の顔に変身した。
これならばこのまま新大陸に入っても問題ないだろうということで、俺たちはいくつかの船が停泊している傍に船をつけた。
すると、港の見張りらしき男が船の方に走ってきた。
俺たちが船を降りると、その男が話しかけてくる。
「あんたら、この港の人間じゃないな。船の停泊代を払いな」
「わしらはここよりずっと南西の島からやってきたんじゃ。よってここで使われておる通貨は持っておらんが、代わりになりそうな物ならあるぞ」
「ダメだ。きっちり一泊50ガル払ってもらわないと困る」
「この通貨ではダメか?銀でできているぞ」
シュウがランデリア王国で使われている銀貨を見せるが、この男は首を横に振った。
「しょうがねえ、夜まで待ってやるよ。換金所の位置を教えるから、そこでなんとかしてきな」
俺たちはこの男に換金所の場所を教えてもらい、まずはそこを目指すことにした。
シュウは和合隊から金貨も含めて資金を託されているようだが、今日のところは銀貨だけを換金しようということだった。
換金所では、ちょうど前の客が代金を受け取っているところだった。
シュウが銀貨を換金所の男に見せ、男は執拗に銀貨を観察する。
「これなら一枚20ガルだな。何枚交換する?」
「ちょっと待ってください。20ガルというのは硬貨にしてどのくらいなのですか?」
「これが10ガル硬貨だ。こっちが100ガル」
アカリは出された硬貨を確認すると、少し考えてから言った。
「私たちの銀貨が一枚20ガルとは随分と低く見積もりましたね。ぼったくろうとしても無駄ですよ」
男は一瞬驚いたような顔をし、頭を掻きながら言った。
「そうかい。ただの観光客かと思ったけどどうやら見る目はあるみたいだな」
男は提示した額を訂正し、銀貨一枚あたり100ガル支払うということになった。
シュウは銀貨10枚を100ガル硬貨10枚と交換した。
危うくかなり手痛い詐欺を食らうところだったようだ。
「アカリ、よく銀貨が低く見積もられているって分かったな。この国の通貨の単位なんて分からないんだろ?」
「一つ前の客が出していた銅の製品と通貨を比較したんです。それに、異国の地で換金する際は絶対に必要な警戒だと思います」
アカリの鋭い洞察力には感心させられる。
俺たちは船に戻って船の停泊代を払い、今後の予定を決めた。
この不慣れな土地のどこかにいるはずの人魚姫を捜すべく、俺たちは二手に分かれることにした。
俺とハクアとコッジは街の方で聞き込みをし、シュウとアキラとアカリの三人は港で手がかりを捜すことになった。
シュウはハクアに500ガル渡し、日没までに船に再び集まることを約束して俺たちは港で別れた。
人魚姫が連れていかれそうな場所を考えると、街の方面が怪しいが、俺たちはまだ持っている情報が少なすぎる。
そのため、まずは近くの市場で聞き込みをすることにした。
コッジの顔はその見た目だけで妖怪と分かるものだったが、コッジは擬態ができるようで、人間の顔に変身した。
これならばこのまま新大陸に入っても問題ないだろうということで、俺たちはいくつかの船が停泊している傍に船をつけた。
すると、港の見張りらしき男が船の方に走ってきた。
俺たちが船を降りると、その男が話しかけてくる。
「あんたら、この港の人間じゃないな。船の停泊代を払いな」
「わしらはここよりずっと南西の島からやってきたんじゃ。よってここで使われておる通貨は持っておらんが、代わりになりそうな物ならあるぞ」
「ダメだ。きっちり一泊50ガル払ってもらわないと困る」
「この通貨ではダメか?銀でできているぞ」
シュウがランデリア王国で使われている銀貨を見せるが、この男は首を横に振った。
「しょうがねえ、夜まで待ってやるよ。換金所の位置を教えるから、そこでなんとかしてきな」
俺たちはこの男に換金所の場所を教えてもらい、まずはそこを目指すことにした。
シュウは和合隊から金貨も含めて資金を託されているようだが、今日のところは銀貨だけを換金しようということだった。
換金所では、ちょうど前の客が代金を受け取っているところだった。
シュウが銀貨を換金所の男に見せ、男は執拗に銀貨を観察する。
「これなら一枚20ガルだな。何枚交換する?」
「ちょっと待ってください。20ガルというのは硬貨にしてどのくらいなのですか?」
「これが10ガル硬貨だ。こっちが100ガル」
アカリは出された硬貨を確認すると、少し考えてから言った。
「私たちの銀貨が一枚20ガルとは随分と低く見積もりましたね。ぼったくろうとしても無駄ですよ」
男は一瞬驚いたような顔をし、頭を掻きながら言った。
「そうかい。ただの観光客かと思ったけどどうやら見る目はあるみたいだな」
男は提示した額を訂正し、銀貨一枚あたり100ガル支払うということになった。
シュウは銀貨10枚を100ガル硬貨10枚と交換した。
危うくかなり手痛い詐欺を食らうところだったようだ。
「アカリ、よく銀貨が低く見積もられているって分かったな。この国の通貨の単位なんて分からないんだろ?」
「一つ前の客が出していた銅の製品と通貨を比較したんです。それに、異国の地で換金する際は絶対に必要な警戒だと思います」
アカリの鋭い洞察力には感心させられる。
俺たちは船に戻って船の停泊代を払い、今後の予定を決めた。
この不慣れな土地のどこかにいるはずの人魚姫を捜すべく、俺たちは二手に分かれることにした。
俺とハクアとコッジは街の方で聞き込みをし、シュウとアキラとアカリの三人は港で手がかりを捜すことになった。
シュウはハクアに500ガル渡し、日没までに船に再び集まることを約束して俺たちは港で別れた。
人魚姫が連れていかれそうな場所を考えると、街の方面が怪しいが、俺たちはまだ持っている情報が少なすぎる。
そのため、まずは近くの市場で聞き込みをすることにした。
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