天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~
第69話 ルビル島へ
-シン視点-
俺たちは船に乗り、ランデリア大陸から北東へ向かっていた。
船の操縦兼見張りは交代で行っており、俺とハクアは船内で休憩していた。
「それにしてもなかなかいい船を使わせてもらえたよな」
「シュウの立場は相当なものなのじゃろうな。一番隊の隊長以外は皆シュウの命令に従うだけといった感じじゃったぞ」
「一番隊隊長と話したのか?闘技大会で戦ったけどあまりの強さで全く歯が立たなかったよ」
「そうじゃ。あの者はわしの千里眼の術を見ても全く驚かなかったんじゃ。長い間妖怪たちと関わっておるのじゃろうな」
ハクアは机に置いてあった水晶玉に手をかざし、この海域の周辺を映し出す。
「次の大陸まではもう少しのようじゃ。問題は、わしらがいきなり船で訪れても問題ないかどうかといったところじゃな」
「世界で複数の大陸が現れたんだから向こうの人たちも情報がほしいんじゃないのか?それなら俺たちの話を聞いてくれそうだけどな」
「そうじゃな。ところでシンよ、見ない間に随分と腕を上げたようじゃな」
ハクアは俺の隣にくっついて座り、妙に顔を近づけてくる。
「ああ、和合隊でいろいろあったからな。妖怪ともいくらか戦ったよ」
「やはりお主はわしが見込んだ通りの男のようじゃ。わしはお主がいない間寂しかったんじゃ」
ハクアは俺にさらに体を密着させ、胸を押し当ててくる。
「なんだよ急に。ハクアは長い間ずっとカガン島にいたんじゃないのか。一人でいるのも慣れてるはずだろ」
「そう言ってくれるな。もうお主と会えんかと思って心配しておったのじゃ。しかしまあ、今回一緒に旅することになって安心しておる」
「俺もハクアがいてくれて安心してるよ。他の大陸に行くとなれば何が起こるか分からないからな」
「ところでシンよ、シュウの正体に気づいたか?」
「妖怪なんだよな。霊眼解放を使ってきたから」
「シュウは、妖怪と人間の合いの子なのじゃ。つまり、わしとシンも……」
ハクアが深紅の瞳を煌めかせて俺をじっと見つめてくる。
人間にはない、吸い寄せられるような不思議な魅力を俺は感じていた。
ハクアの顔が俺につきそうなくらい近づいてきたとき、部屋のドアが開いた。
「シンさん、ハクアさん、島が見えてきました。ちょっと甲板まで上がってきてください」
俺たちは慌てて離れ、甲板へと向かう。
船の進路の先には、ラバネ島くらいの大きさの島が見えた。
「あれはランデリア領の最北端の島のルビル島じゃな。本来は無人島のはずなのじゃが」
「船が泊まっているようですね」
「おそらくはわしらが今向かっている大陸の船じゃろう。良い機会じゃ、わしらが大陸に向かうことに問題はないか聞いてみるとしよう」
俺たちはそのままルビル島へと進み、島の沿岸部に船を停めた。
俺たちの船の近くに停めてある船の持ち主であろう集団は、すぐ近くで騒いでいた。
この雰囲気はラバネ島に近いものを感じる。
俺たちは全員でその集団の方に向かっていった。
俺たちは船に乗り、ランデリア大陸から北東へ向かっていた。
船の操縦兼見張りは交代で行っており、俺とハクアは船内で休憩していた。
「それにしてもなかなかいい船を使わせてもらえたよな」
「シュウの立場は相当なものなのじゃろうな。一番隊の隊長以外は皆シュウの命令に従うだけといった感じじゃったぞ」
「一番隊隊長と話したのか?闘技大会で戦ったけどあまりの強さで全く歯が立たなかったよ」
「そうじゃ。あの者はわしの千里眼の術を見ても全く驚かなかったんじゃ。長い間妖怪たちと関わっておるのじゃろうな」
ハクアは机に置いてあった水晶玉に手をかざし、この海域の周辺を映し出す。
「次の大陸まではもう少しのようじゃ。問題は、わしらがいきなり船で訪れても問題ないかどうかといったところじゃな」
「世界で複数の大陸が現れたんだから向こうの人たちも情報がほしいんじゃないのか?それなら俺たちの話を聞いてくれそうだけどな」
「そうじゃな。ところでシンよ、見ない間に随分と腕を上げたようじゃな」
ハクアは俺の隣にくっついて座り、妙に顔を近づけてくる。
「ああ、和合隊でいろいろあったからな。妖怪ともいくらか戦ったよ」
「やはりお主はわしが見込んだ通りの男のようじゃ。わしはお主がいない間寂しかったんじゃ」
ハクアは俺にさらに体を密着させ、胸を押し当ててくる。
「なんだよ急に。ハクアは長い間ずっとカガン島にいたんじゃないのか。一人でいるのも慣れてるはずだろ」
「そう言ってくれるな。もうお主と会えんかと思って心配しておったのじゃ。しかしまあ、今回一緒に旅することになって安心しておる」
「俺もハクアがいてくれて安心してるよ。他の大陸に行くとなれば何が起こるか分からないからな」
「ところでシンよ、シュウの正体に気づいたか?」
「妖怪なんだよな。霊眼解放を使ってきたから」
「シュウは、妖怪と人間の合いの子なのじゃ。つまり、わしとシンも……」
ハクアが深紅の瞳を煌めかせて俺をじっと見つめてくる。
人間にはない、吸い寄せられるような不思議な魅力を俺は感じていた。
ハクアの顔が俺につきそうなくらい近づいてきたとき、部屋のドアが開いた。
「シンさん、ハクアさん、島が見えてきました。ちょっと甲板まで上がってきてください」
俺たちは慌てて離れ、甲板へと向かう。
船の進路の先には、ラバネ島くらいの大きさの島が見えた。
「あれはランデリア領の最北端の島のルビル島じゃな。本来は無人島のはずなのじゃが」
「船が泊まっているようですね」
「おそらくはわしらが今向かっている大陸の船じゃろう。良い機会じゃ、わしらが大陸に向かうことに問題はないか聞いてみるとしよう」
俺たちはそのままルビル島へと進み、島の沿岸部に船を停めた。
俺たちの船の近くに停めてある船の持ち主であろう集団は、すぐ近くで騒いでいた。
この雰囲気はラバネ島に近いものを感じる。
俺たちは全員でその集団の方に向かっていった。
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