天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~
第67話 新世界に向けて
「四つの世界が現れたのか?ということは今五つの世界が一つになっているってことか」
「そういうことじゃ。そこで、わしから一つの提案なのじゃが」
ハクアは再び水晶玉に帝都アルディムを映し出す。
「アイルスだった世界のファンディオ皇国に行ってみるのはどうかと思ってな。それで他の人間も魔法を使えることが確認できれば、シンの疑惑も少しは晴れるのではないか」
「今までの話が本当だとしたら零番隊の隊長の俺としては別の世界だった場所を訪れるのはとても重要だ」
「確かに今僕らはランデリア王国内だと肩身が狭いし、ファンディオ皇国に戻る頃合いとしてはちょうどいいかもしれない」
「ですがその場合シュウさんも私たちと行動を共にするということですよね。和合隊としては問題ないんですか?」
「異界がインベルに現れたのであればその調査は先決だろう。俺はそれに向かうということにすれば問題ない。零番隊は融通が利くからな」
「しかし、仮にもシュウさんは一度シンさんを犯人だと勘違いし、戦いまで挑んだではありませんか。また魔族側の人間に操作されないかと心配になります」
「お前が俺をどう思おうと構わないが、船はどうするつもりだ。零番隊の権限があれば簡単に用意できるのだぞ」
「私たちと行動を共にするということは、シンさんをピンポイントで嵌めようとした魔族にも狙われるということ。懐疑心を持たれている状態では信頼関係を結ぶことはできません」
「俺はアマノ・シンを犯人の可能性のある一人として判断したまでだ。和合隊存続のためには仕方のない行動だったと言える。そもそも魔族の術を使える人間がいるなど知らなかったことだ」
「まあ、落ち着くのじゃ。二人とも。旅にはわしも同行するから安心せい」
「ハクアも来るのか?カガン島はどうするんだよ。まだ妖怪と人間の争いは収まってないぞ」
「それどころではないほど世界は大きく動いたのじゃぞ。それに、異界を見ることができるチャンスなどもうないかもしれん。行かないわけにもいかんじゃろう」
なんだかこの提案にはハクアの異界を見てみたいという気持ちが強く反映されているような気もするが、あまり気にしないでおこう。
「とりあえずはこれで決まりじゃな。それで、航路を決めなければならんのじゃ。ランデリア王国からファンディオ皇国に行くには海流の関係で東に中央の大陸を通るルートを除いて3パターンある」
ハクアは机に、ランデリア周辺の地図を出した。
その地図に、ランデリアを除く4つの大陸を描き出す。
「西にずっと遠くまで続く海を渡って行けばファンディオ皇国にたどり着けるが、この航路は長すぎる。よって、北にある大陸か南にある大陸を中継地として通るルートが良いじゃろう」
ハクアは今度は水晶玉にどこかを映し出す。
映し出される景色はジャングル地帯が多く、都市には比較的低い建物が多いように見受けられる。
さらに、大きな生き物が空を飛んでいる様子が見えた。
「これが、南の大陸の様子じゃ。個人的には行ってみたい場所ではあるが、沿岸部には都市がなく、ジャングルが多いみたいじゃな」
ハクアは続けて別の場所を水晶玉に映し出した。
そこには黒く高い建物が多く建っており、都市は極めて広そうだった。
沿岸部にも建物が多くあり、船も行き交っているようだった。
「こっちは、北の大陸じゃ。沿岸部に建物がある上に、船も行き来しておる。よって、物資の補給にはちょうど良いじゃろう」
「船の数と大きさからこの国でどれだけ海路が重視されているかが分かります。この大陸で物資の補給をするといいでしょうね」
「ならば北の航路で良いな?そうと決まればできるだけ早くに出発できるよう準備をせねばな」
「ハクア、和合隊本部まで来てくれ。お前の千里眼がなければ今回のことは説明がつかない」
「分かった。では三人とも、留守を頼むぞ」
ハクアとシュウは、一度和合隊本部に行って船でカガン島まで戻ってくることになった。
こうして俺たちは、新たな世界へと足を踏み入れることになるのだった。
「そういうことじゃ。そこで、わしから一つの提案なのじゃが」
ハクアは再び水晶玉に帝都アルディムを映し出す。
「アイルスだった世界のファンディオ皇国に行ってみるのはどうかと思ってな。それで他の人間も魔法を使えることが確認できれば、シンの疑惑も少しは晴れるのではないか」
「今までの話が本当だとしたら零番隊の隊長の俺としては別の世界だった場所を訪れるのはとても重要だ」
「確かに今僕らはランデリア王国内だと肩身が狭いし、ファンディオ皇国に戻る頃合いとしてはちょうどいいかもしれない」
「ですがその場合シュウさんも私たちと行動を共にするということですよね。和合隊としては問題ないんですか?」
「異界がインベルに現れたのであればその調査は先決だろう。俺はそれに向かうということにすれば問題ない。零番隊は融通が利くからな」
「しかし、仮にもシュウさんは一度シンさんを犯人だと勘違いし、戦いまで挑んだではありませんか。また魔族側の人間に操作されないかと心配になります」
「お前が俺をどう思おうと構わないが、船はどうするつもりだ。零番隊の権限があれば簡単に用意できるのだぞ」
「私たちと行動を共にするということは、シンさんをピンポイントで嵌めようとした魔族にも狙われるということ。懐疑心を持たれている状態では信頼関係を結ぶことはできません」
「俺はアマノ・シンを犯人の可能性のある一人として判断したまでだ。和合隊存続のためには仕方のない行動だったと言える。そもそも魔族の術を使える人間がいるなど知らなかったことだ」
「まあ、落ち着くのじゃ。二人とも。旅にはわしも同行するから安心せい」
「ハクアも来るのか?カガン島はどうするんだよ。まだ妖怪と人間の争いは収まってないぞ」
「それどころではないほど世界は大きく動いたのじゃぞ。それに、異界を見ることができるチャンスなどもうないかもしれん。行かないわけにもいかんじゃろう」
なんだかこの提案にはハクアの異界を見てみたいという気持ちが強く反映されているような気もするが、あまり気にしないでおこう。
「とりあえずはこれで決まりじゃな。それで、航路を決めなければならんのじゃ。ランデリア王国からファンディオ皇国に行くには海流の関係で東に中央の大陸を通るルートを除いて3パターンある」
ハクアは机に、ランデリア周辺の地図を出した。
その地図に、ランデリアを除く4つの大陸を描き出す。
「西にずっと遠くまで続く海を渡って行けばファンディオ皇国にたどり着けるが、この航路は長すぎる。よって、北にある大陸か南にある大陸を中継地として通るルートが良いじゃろう」
ハクアは今度は水晶玉にどこかを映し出す。
映し出される景色はジャングル地帯が多く、都市には比較的低い建物が多いように見受けられる。
さらに、大きな生き物が空を飛んでいる様子が見えた。
「これが、南の大陸の様子じゃ。個人的には行ってみたい場所ではあるが、沿岸部には都市がなく、ジャングルが多いみたいじゃな」
ハクアは続けて別の場所を水晶玉に映し出した。
そこには黒く高い建物が多く建っており、都市は極めて広そうだった。
沿岸部にも建物が多くあり、船も行き交っているようだった。
「こっちは、北の大陸じゃ。沿岸部に建物がある上に、船も行き来しておる。よって、物資の補給にはちょうど良いじゃろう」
「船の数と大きさからこの国でどれだけ海路が重視されているかが分かります。この大陸で物資の補給をするといいでしょうね」
「ならば北の航路で良いな?そうと決まればできるだけ早くに出発できるよう準備をせねばな」
「ハクア、和合隊本部まで来てくれ。お前の千里眼がなければ今回のことは説明がつかない」
「分かった。では三人とも、留守を頼むぞ」
ハクアとシュウは、一度和合隊本部に行って船でカガン島まで戻ってくることになった。
こうして俺たちは、新たな世界へと足を踏み入れることになるのだった。
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