天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~

天地新生

第43話 勝つための選択

 第三回戦の対戦相手のレガリオは左手を前にして真っ直ぐに距離を詰めてくる。


 その後また少し距離のある状態から左手で攻撃してきた。


 避けたり受けたりした場合はまた攻撃を受けてしまう危険性がある。


 俺は相手の左手を右手で掴み、左手で相手の腹を殴った。


 相手は右手で俺の攻撃をガードしてくる。


 俺はそれを見てから相手の左手を離し、一瞬の間に右手で攻撃した。


 この攻撃にのみ妖力を込めているために威力は高いが、相手も妖力でガードしてきた。


 相手は後ろに吹っ飛ぶことで、俺の攻撃の威力を相殺した。


 俺は間髪入れずに距離を詰める。


 すると、相手はまた左手で殴ろうとしてきた。


 しかし、今度は左手が上段、中段、下段の三本に見えた。


 紛れもなくさっきとは別の妖術だろう。


 俺は上段、中段の攻撃をそれぞれ右手と左手でガードし、下段の攻撃は妖力でカバーした。


 相手の攻撃は三つの内上段と中段は消え、下段だけが残り、俺に攻撃が当たった。


 俺は横腹に攻撃を受けるが妖力でガードしていたためにそこまでのダメージはない。


 相手は間髪入れずに今度は右手で殴ってきた。


 今回も攻撃が三つに分かれて見える。


 しかし三つの攻撃のうち、中段の一つだけが妖力を纏って見える。


 俺はその攻撃を左手でガードし、右手で殴ろうとした。


 その時、相手の中段と下段の攻撃は消え、上段の攻撃だけが残った。


 俺は、まともに攻撃を受けてしまう。


 妖力が込められてはいない攻撃であったが、最初に攻撃を受けたのと同じ箇所だったため、俺は倒れてしまう。


 三つの攻撃の内妖力を込めているように見えたのは幻影なのか、もしくは別の意味を持つ妖術なのか。


 この厄介な能力を持つ相手にカウンターで仕掛けようとするのは難しいかもしれない。


 俺はそんなことを考えながらレフェリーのカウントを止め立ち上がる。


 まだとっておきたかったが仕方ないだろう。


 俺は冷静に呼吸を整え、魂の記憶を発動させた。


 相手はすでに射程距離に入っているようで、左手で殴ってきた。


 相手の能力で左手は三つに分かれるが、俺は素早い動きで左手でそのすべてをガードする動きをとった。


 相手の別の妖術で左手が曲がってくるが俺はさらに左手を動かして相手の攻撃を避ける。


 相手は攻撃が防がれた後も続けて右手で攻撃してくる。


 今度も攻撃が三つに分かれるが、俺は三つのすべての攻撃を横に避けるように回転し、相手の背後に回ったところで右手に妖力を込める。


 そして、右手で相手の脇腹を攻撃した。


 相手はダウンし、カウントが終わるまで立ち上がることができず、俺は第三回戦に勝利した。

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