天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~
第15話 来訪者アカリ
シンが鬼と戦う少し前のこと。
-アカリ視点-
私は今、空を降下している。
どうやらシンの足元に発生した大穴に巻き込まれたのが原因のようだ。
これはおそらく、天地の落とし穴だろう。
話には聞いていたが、実際に体験してみるのは初めてだ。
私は降下しながらも、空から周りの状況を観察し、人のいそうな方角を確認した。
クレイブ村より少し小さめの村がある。
降りたらそこを目指すことにしよう。
私は、地面に着地する寸前に風魔法のサークルウィンドを使って軽やかに着地した。
天地の守護者。
私が所属する“天地の落とし穴”について研究し、その被害者を観察することを目的としている組織だ。
その発生パターンから、次の発生先がクレイブ村であることを突き止めた本部は、私を現地に送っていたのだった。
最も、私の得た情報が本部に伝わる前に想定外の事態が起こったのだが。
少し歩くとさっき見た村に着いた。
村の入り口の看板には、コーリス村と書いてある。
私は、門をくぐり、コーリス村へと入った。
まずは宿を探さなければならない。
広場まで行くと、宿と書かれた看板が見えた。
ただ、その店の入り口で何やら少年と店の人らしい女の人が話をしている。
少年は掌を上に向けて、光魔法で照らして見せた。
すると、女はいきなり声を大きくして言った。
「妖怪の関係者はお断りだよ!」
女は店の中へと入って強くドアを閉めてしまった。
女の放った“妖怪”という言葉が頭に引っかかる。
天地の守護者内で話を聞いたことがある。
確か、魔族のような特殊な種族で、恐ろしく長い年月を生きるのだとか。
しかし、そんな存在、ファンディオ皇国で見たことはない。
私は、道行く人に聞いてみた。
「こんばんは、突然ですが、このコーリス村は、どこかの国に属しているんでしょうか?」
「そりゃあランデリア王国だよ。妙な事を聞くね」
ランデリア王国、聞いたことがない。
恐ろしく遠い場所に来てしまったのだろうか。
あるいは、天地の落とし穴で……。
-アカリ視点-
私は今、空を降下している。
どうやらシンの足元に発生した大穴に巻き込まれたのが原因のようだ。
これはおそらく、天地の落とし穴だろう。
話には聞いていたが、実際に体験してみるのは初めてだ。
私は降下しながらも、空から周りの状況を観察し、人のいそうな方角を確認した。
クレイブ村より少し小さめの村がある。
降りたらそこを目指すことにしよう。
私は、地面に着地する寸前に風魔法のサークルウィンドを使って軽やかに着地した。
天地の守護者。
私が所属する“天地の落とし穴”について研究し、その被害者を観察することを目的としている組織だ。
その発生パターンから、次の発生先がクレイブ村であることを突き止めた本部は、私を現地に送っていたのだった。
最も、私の得た情報が本部に伝わる前に想定外の事態が起こったのだが。
少し歩くとさっき見た村に着いた。
村の入り口の看板には、コーリス村と書いてある。
私は、門をくぐり、コーリス村へと入った。
まずは宿を探さなければならない。
広場まで行くと、宿と書かれた看板が見えた。
ただ、その店の入り口で何やら少年と店の人らしい女の人が話をしている。
少年は掌を上に向けて、光魔法で照らして見せた。
すると、女はいきなり声を大きくして言った。
「妖怪の関係者はお断りだよ!」
女は店の中へと入って強くドアを閉めてしまった。
女の放った“妖怪”という言葉が頭に引っかかる。
天地の守護者内で話を聞いたことがある。
確か、魔族のような特殊な種族で、恐ろしく長い年月を生きるのだとか。
しかし、そんな存在、ファンディオ皇国で見たことはない。
私は、道行く人に聞いてみた。
「こんばんは、突然ですが、このコーリス村は、どこかの国に属しているんでしょうか?」
「そりゃあランデリア王国だよ。妙な事を聞くね」
ランデリア王国、聞いたことがない。
恐ろしく遠い場所に来てしまったのだろうか。
あるいは、天地の落とし穴で……。
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