天地の落とし穴~異世界たちが覚醒し、人類は激動の時代へ~
第10話 赤い鬼
-シン視点-
俺は今、空中を降下している。
大穴を落ちた時にはアカリも一緒だったような気がしたが、周りを見回しても俺しかいないようだ。
これはおそらく、俺がアイルスに最初に入ったのと同じ現象だろう。
アカリを巻き込んでしまったのではないかと少し心配だが、今は自分自身のことに集中しよう。
降下する先には森が見えているが、これは一回目と似ている。
俺は一度目と同じように着地すると、辺りを見回した。
夜という時間帯も同じ。
これでまた魔物と出くわしたら、同じような状況になるかもな、などと考えていると、すぐに自分の考えの浅さを思い知ることとなった。
「貴様、人間だな。こんな場所で何をしている?」
振り向くとそこには、三メートル超の巨大な体、赤い肌、右手には大きな棍棒を持ち、頭には二本の角が生えた人間ではない何かが立っていた。
「そう言うあなたは一体何者ですか?」
荒々しい口調のその生物に、俺は正体を聞いてみた。
「オレはベニカガだ。それより何の用があってどうやってカガンの地に入った?」
どうにも答えづらい質問ばかりされてしまう。
イノムントの時のようにベニカガが敵であるなら、軽々しくは答えられない。
「あなたは魔族ですか?」
会話の進めように困っていたので、俺は単刀直入に質問してみた。
「魔族?貴様、侮辱しているのか?俺はどう見ても鬼だろう。もういい、質問に答えないというのなら、力尽くで正体を暴いてくれる!」
鬼と魔族は違うのかと新たな疑問が頭に浮かんできている俺に、ベニカガは容赦なく棍棒を振り下ろしてきた。
俺は剣を抜きながら左にかわし、火炎斬で腕を切ろうとした。
ベニカガは左手の甲でガードしてきた。
火炎斬なら切れるだろうと思っていたが、敵の手には籠手がつけられており、火炎斬をも防がれてしまい、俺は一度後退した。
「なんて硬さだ……」
自信のあった一撃を防がれ、俺の口から思わず一言こぼれてしまう。
「何も知らないようだがここはただの人間が入ってこれる場所じゃねえ。それに今の攻撃。貴様、魔族の仲間だな?」
ベニカガはそう言ってまた棍棒を振り上げてきた。
俺がまた攻撃を左にかわすと、敵は今度は左手を俺に振るってきた。
その瞬間、敵が右手に握っていた棍棒が消え、敵の左手に棍棒が現れた。
俺は慌てて剣で攻撃を受けようとするが、一瞬遅れ、敵のあまりの力の強さに剣は弾かれてしまう。
そして、その一撃をそのまま胴体に受けてしまった。
鈍い衝撃を受け、俺は慌てて後退し、傷を確認する。
右の横腹からは血が出ていた。
暗かった上に凝視する暇がなかったので分からなかったが、棍棒の表面には刃のようなものが付いているようだ。
スカルホーンやイノムントからの連戦が続いている上に、傷を負ってしまい、俺はかなり疲労していた。
俺は今、空中を降下している。
大穴を落ちた時にはアカリも一緒だったような気がしたが、周りを見回しても俺しかいないようだ。
これはおそらく、俺がアイルスに最初に入ったのと同じ現象だろう。
アカリを巻き込んでしまったのではないかと少し心配だが、今は自分自身のことに集中しよう。
降下する先には森が見えているが、これは一回目と似ている。
俺は一度目と同じように着地すると、辺りを見回した。
夜という時間帯も同じ。
これでまた魔物と出くわしたら、同じような状況になるかもな、などと考えていると、すぐに自分の考えの浅さを思い知ることとなった。
「貴様、人間だな。こんな場所で何をしている?」
振り向くとそこには、三メートル超の巨大な体、赤い肌、右手には大きな棍棒を持ち、頭には二本の角が生えた人間ではない何かが立っていた。
「そう言うあなたは一体何者ですか?」
荒々しい口調のその生物に、俺は正体を聞いてみた。
「オレはベニカガだ。それより何の用があってどうやってカガンの地に入った?」
どうにも答えづらい質問ばかりされてしまう。
イノムントの時のようにベニカガが敵であるなら、軽々しくは答えられない。
「あなたは魔族ですか?」
会話の進めように困っていたので、俺は単刀直入に質問してみた。
「魔族?貴様、侮辱しているのか?俺はどう見ても鬼だろう。もういい、質問に答えないというのなら、力尽くで正体を暴いてくれる!」
鬼と魔族は違うのかと新たな疑問が頭に浮かんできている俺に、ベニカガは容赦なく棍棒を振り下ろしてきた。
俺は剣を抜きながら左にかわし、火炎斬で腕を切ろうとした。
ベニカガは左手の甲でガードしてきた。
火炎斬なら切れるだろうと思っていたが、敵の手には籠手がつけられており、火炎斬をも防がれてしまい、俺は一度後退した。
「なんて硬さだ……」
自信のあった一撃を防がれ、俺の口から思わず一言こぼれてしまう。
「何も知らないようだがここはただの人間が入ってこれる場所じゃねえ。それに今の攻撃。貴様、魔族の仲間だな?」
ベニカガはそう言ってまた棍棒を振り上げてきた。
俺がまた攻撃を左にかわすと、敵は今度は左手を俺に振るってきた。
その瞬間、敵が右手に握っていた棍棒が消え、敵の左手に棍棒が現れた。
俺は慌てて剣で攻撃を受けようとするが、一瞬遅れ、敵のあまりの力の強さに剣は弾かれてしまう。
そして、その一撃をそのまま胴体に受けてしまった。
鈍い衝撃を受け、俺は慌てて後退し、傷を確認する。
右の横腹からは血が出ていた。
暗かった上に凝視する暇がなかったので分からなかったが、棍棒の表面には刃のようなものが付いているようだ。
スカルホーンやイノムントからの連戦が続いている上に、傷を負ってしまい、俺はかなり疲労していた。
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