テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
寸法を測ったけどルル達は?
 武具屋ベルスの店長であるベルスさんが、設計図を書いている間に女性店員に試着室らしきところに案内された。
 「カイリ様のサイズを測りますね。ローブだけ脱いで下さい」
 「えっ ︎ ローブだけでいいんですか?」
 「はい。服の上から付ける道具なので、そのままの方が参考になります」
 あ……確かにそうだよな。あれ服の上から付ける道具だから脱いだら参考にならないよな。
 そう思いながら上に羽織っておりローブだけを脱いだ。
 「では、両腕を横へ開いて下さい」
 「わかりました」
 女性店員さんに言われた通りに両腕を開くと、女性店員はメジャーを当てて測っていき、その都度メモを取っていく。
 「こういうふうに肩掛けにした場合だと……なるほど! これぐらいの長さですか!」
 う〜ん……何を作るのか分からないのに、何でワクワクしているんだろうなぁ?
 カイリのそんな気持ちを察したのか、メジャーを持っている店員は笑顔でカイリに話し掛ける。
 「もしかして、どうして面白そうにしているの? って考えていますか?」
 「まぁ……はい」
 「この仕事が好きですし、何よりもオーダーメイドで装備を作るのは久しぶりですからね」
 「オーダーメイドを作るのは久しぶり? どういうことですか?」
 「ここ最近は迷宮の攻略が進んでいるらしく、その迷宮で見つけた装備を身に着けて戦う人が増えているらしいです」
 ああ〜……ファンタジーゲームでいうところの「買うよりもドロップした装備の方が強いから身に付ける!」って感じか。
 「それでそれまで使っていた装備を売りに来る人の方が増えたって感じですか?」
 「はい……お店に入って左脇に並んでいたのが…そのぉ〜……」
 「何だかんだ言って中古品?」
 「……はい。使用しているのでそういうことになります。勿論未使用なものも売りに来ている方もいるので分けておりますよ」
 やっぱり必要無いものは売っちゃうんだなぁ〜。
 「採寸も終わったので戻りましょうか」
 「あ…はい」
 いつの間にかローブを持っていた女性店員からローブを受け取り、羽織ってベルスさんのところへと行くとベルスはカイリ達が来たのに気が付き、顔をそちらに向ける。
 「マーヤさん。採寸の方は終わりましたか?」
 「はい。紙に書き留めたのがこちらです」
 あの人、マーヤさんって言うんだ。
 俺がそう思っているとマーヤさんと言う人は俺のスリーサイズが書かれた紙をベルスさんに渡した。
 「ありがとう。自分の仕事に戻ってくれ」
 「かしこまりました」
 マーヤはベルスにそう言うと、一礼してから部屋を出て行った。
 「ところで、ルル達は何処にいるか知りませんか?」
 「カイリ様の従魔達ですね。彼らはカウンターの方に行きましたよ」
 カウンターの方に行った?
 「ちょっと気になるんで、見て来ても大丈夫でしょうか?」
 「ええ。設計図が完成したらお呼びしますので、店内をゆっくり見て行って下さいね」
 「わかりました」
 カイリはそう言うとルル達がいると思われるカウンターの方へと向かった。
 そしてお店のカウンターへ着くと驚く光景が目に飛び込んで来た!
 「この子カワイイですねぇ〜……ここで飼ってるんですか?」
 「いいえ。お客様の従魔ですよ」
 ルルはショートカットで弓を背負った女性のお客と思わしき人に撫でられているし……。
 「妖精かぁ〜……ダンジョン以外で見たのは初めてだなぁ〜」
 「ダンジョンにいる妖精と違って可愛らしい姿をしてるね!」
 「〜〜〜♪」
 「おっ ︎ 踊り出した!」
 「この行動は確か、喜びの感情を表現している時の行動だった筈」
 ファニーちゃんはファニーちゃんで杖を持った男性と重装を着た男性の2人の客と戯れていた。
 「このプニプニボディ、堪りませんねぇ〜」
 プルンッ ︎
 「そして、ツヤツヤ感もいい! ああ〜……カイリさんがスライムをテイムした気持ちがわかった気がしますぅ〜……」
 プル太郎がマーヤさんに抱かれていて、気持ちよさそうにしているマーヤさんに対してプル太郎は嫌そうにしている。
 「……これ、どういう状況?」
 「…あっ ︎ カイリさん! こっちに来たんですね!」
 「まぁルル達の様子を見にぃ……てかこの状況は何?」
 本当に何がどうしてこうなっているんだ?
 「カイリ様が身体のサイズを測っている間、お暇をしていたルル様達が店内を見て回ってたんです。そこにお客様が来店して来て、このような状況になったのです」
 「ああ……そういうことですか」
 そのお客様はどう見ても冒険者なんだよなぁ〜。それとプル太郎が俺に助けを求めてるみたいだから、助けてあげないと……。
 カイリがそんなことを思っていると、ルルと戯れていた女性客がカイリの前にやって来た。
 「ねぇ! もしかしてこの子達、アナタの従魔なの?」
 「あ、はい! そうです」
 カイリがそう言うと弓を背負った女性は眉間にシワを作り、重装備の男性に近付いて顔を寄せた。
 「やっぱり! ほらだから言ったじゃん! この子達は見覚えがあるから倒しちゃダメだって!」
 「いやっ…だって……普通魔物を見たら、危ないって思わないか?」
 「危ないも何も、野生の魔物が店にいる訳がないでしょ! もしいたなら、私達が入る前に店内が滅茶苦茶になってるわよ!
 それに入った瞬間に襲われるに決まってるでしょ! 違う?」
 「まぁ確かに……そう言われればそうかもしれないけど……」
 重装備の男性がしどろもどろになっているところに、ローブを着た男性が女性と男性の割って入った。
 「まぁまぁその辺にして。あの子も困っているよ」
  ローブの男性はそう言いながらカイリに指をさした。
 「あ…ああ。そうだな……。すまない。お前の従魔を討伐しようとしてしまって」
 「えっ ︎ 討伐? ルル達を?」
 ルル達を見てみると、「彼の言う通り!」と言いたそうに頷いて答えてくれた。
 「そ…そうだ。てっきり野生の魔物が店内に忍び込んだ。と思い込んで倒そうとしたんだ」
 「それを私達が止めたの。1つ間違えれば犯罪を犯してたのよ。反省しなさいよ」
 「ああ……反省するよ。本当にすまなかった!」
 重装備の男性はそう言って頭を下げてくれた。
 「まぁ…実質被害がなかったんで大丈夫。だから気にしないで下さい」
 「ありがとうございます。彼女に理解力がある人でよかったですね」
 「ああ……本当にすまなかった!」
 「あ…まぁ……頭を上げて下さい。それよりもこのお店に用があったんじゃないんですか?」
 てか何度も謝られると、こっちが悪い気がしてくる。
 「そうだったわ! 私の弓の調子がよくないんで、見て貰えますか?」
 「かしこまりました! 弓をちょっと貸して頂けますか?」
 「はい、どうぞ」
 マーヤさんが女性から弓を受け取ると調べ始めた。
 マーヤさんって、服の他にも武器の調子も見ることが出来たんだなぁ〜……。それと人の従魔を倒すのって犯罪だったんだ。 その辺を詳しく教えて! チュートリアルさんっ ︎
 説明。
 従魔殺害罪に当たり、犯罪です。
 従魔を正当な理由なく命を奪ってしまった場合。最大で100万レザから20万レザの賠償金。又は10年から3年の服役をしなければなりません。
 正当な理由を述べると。
 1.暴走した従魔を倒してしまった場合。
 2.決闘などの勝負の場合。
 3.犯罪に加担していた従魔を倒してしまった場合。
 などです。今回のケースはどれにも当てはまらないので、彼が従魔を倒していたら、とんでもないことになっておりました。
 そうだったのかぁ〜……。
 何て思っていたらマーヤさんが弓の調子を見終わったらしく、弓をテーブルに置いた。
 「弦が古くなっていたみたいなので、張り直せば直ると思いますよ。こちらで作業を致しましょうか?」
 「はい!  お願い致します!」
 「かしこまりました。少々お時間を頂きますね」
 マーヤはそう言うと、工具を取り出して作業を始めた。
 あれ? マーヤさんって……武器の調整も出来たのか?
 作業をしているマーヤの姿に、カイリはそう思うのであった。
 「カイリ様のサイズを測りますね。ローブだけ脱いで下さい」
 「えっ ︎ ローブだけでいいんですか?」
 「はい。服の上から付ける道具なので、そのままの方が参考になります」
 あ……確かにそうだよな。あれ服の上から付ける道具だから脱いだら参考にならないよな。
 そう思いながら上に羽織っておりローブだけを脱いだ。
 「では、両腕を横へ開いて下さい」
 「わかりました」
 女性店員さんに言われた通りに両腕を開くと、女性店員はメジャーを当てて測っていき、その都度メモを取っていく。
 「こういうふうに肩掛けにした場合だと……なるほど! これぐらいの長さですか!」
 う〜ん……何を作るのか分からないのに、何でワクワクしているんだろうなぁ?
 カイリのそんな気持ちを察したのか、メジャーを持っている店員は笑顔でカイリに話し掛ける。
 「もしかして、どうして面白そうにしているの? って考えていますか?」
 「まぁ……はい」
 「この仕事が好きですし、何よりもオーダーメイドで装備を作るのは久しぶりですからね」
 「オーダーメイドを作るのは久しぶり? どういうことですか?」
 「ここ最近は迷宮の攻略が進んでいるらしく、その迷宮で見つけた装備を身に着けて戦う人が増えているらしいです」
 ああ〜……ファンタジーゲームでいうところの「買うよりもドロップした装備の方が強いから身に付ける!」って感じか。
 「それでそれまで使っていた装備を売りに来る人の方が増えたって感じですか?」
 「はい……お店に入って左脇に並んでいたのが…そのぉ〜……」
 「何だかんだ言って中古品?」
 「……はい。使用しているのでそういうことになります。勿論未使用なものも売りに来ている方もいるので分けておりますよ」
 やっぱり必要無いものは売っちゃうんだなぁ〜。
 「採寸も終わったので戻りましょうか」
 「あ…はい」
 いつの間にかローブを持っていた女性店員からローブを受け取り、羽織ってベルスさんのところへと行くとベルスはカイリ達が来たのに気が付き、顔をそちらに向ける。
 「マーヤさん。採寸の方は終わりましたか?」
 「はい。紙に書き留めたのがこちらです」
 あの人、マーヤさんって言うんだ。
 俺がそう思っているとマーヤさんと言う人は俺のスリーサイズが書かれた紙をベルスさんに渡した。
 「ありがとう。自分の仕事に戻ってくれ」
 「かしこまりました」
 マーヤはベルスにそう言うと、一礼してから部屋を出て行った。
 「ところで、ルル達は何処にいるか知りませんか?」
 「カイリ様の従魔達ですね。彼らはカウンターの方に行きましたよ」
 カウンターの方に行った?
 「ちょっと気になるんで、見て来ても大丈夫でしょうか?」
 「ええ。設計図が完成したらお呼びしますので、店内をゆっくり見て行って下さいね」
 「わかりました」
 カイリはそう言うとルル達がいると思われるカウンターの方へと向かった。
 そしてお店のカウンターへ着くと驚く光景が目に飛び込んで来た!
 「この子カワイイですねぇ〜……ここで飼ってるんですか?」
 「いいえ。お客様の従魔ですよ」
 ルルはショートカットで弓を背負った女性のお客と思わしき人に撫でられているし……。
 「妖精かぁ〜……ダンジョン以外で見たのは初めてだなぁ〜」
 「ダンジョンにいる妖精と違って可愛らしい姿をしてるね!」
 「〜〜〜♪」
 「おっ ︎ 踊り出した!」
 「この行動は確か、喜びの感情を表現している時の行動だった筈」
 ファニーちゃんはファニーちゃんで杖を持った男性と重装を着た男性の2人の客と戯れていた。
 「このプニプニボディ、堪りませんねぇ〜」
 プルンッ ︎
 「そして、ツヤツヤ感もいい! ああ〜……カイリさんがスライムをテイムした気持ちがわかった気がしますぅ〜……」
 プル太郎がマーヤさんに抱かれていて、気持ちよさそうにしているマーヤさんに対してプル太郎は嫌そうにしている。
 「……これ、どういう状況?」
 「…あっ ︎ カイリさん! こっちに来たんですね!」
 「まぁルル達の様子を見にぃ……てかこの状況は何?」
 本当に何がどうしてこうなっているんだ?
 「カイリ様が身体のサイズを測っている間、お暇をしていたルル様達が店内を見て回ってたんです。そこにお客様が来店して来て、このような状況になったのです」
 「ああ……そういうことですか」
 そのお客様はどう見ても冒険者なんだよなぁ〜。それとプル太郎が俺に助けを求めてるみたいだから、助けてあげないと……。
 カイリがそんなことを思っていると、ルルと戯れていた女性客がカイリの前にやって来た。
 「ねぇ! もしかしてこの子達、アナタの従魔なの?」
 「あ、はい! そうです」
 カイリがそう言うと弓を背負った女性は眉間にシワを作り、重装備の男性に近付いて顔を寄せた。
 「やっぱり! ほらだから言ったじゃん! この子達は見覚えがあるから倒しちゃダメだって!」
 「いやっ…だって……普通魔物を見たら、危ないって思わないか?」
 「危ないも何も、野生の魔物が店にいる訳がないでしょ! もしいたなら、私達が入る前に店内が滅茶苦茶になってるわよ!
 それに入った瞬間に襲われるに決まってるでしょ! 違う?」
 「まぁ確かに……そう言われればそうかもしれないけど……」
 重装備の男性がしどろもどろになっているところに、ローブを着た男性が女性と男性の割って入った。
 「まぁまぁその辺にして。あの子も困っているよ」
  ローブの男性はそう言いながらカイリに指をさした。
 「あ…ああ。そうだな……。すまない。お前の従魔を討伐しようとしてしまって」
 「えっ ︎ 討伐? ルル達を?」
 ルル達を見てみると、「彼の言う通り!」と言いたそうに頷いて答えてくれた。
 「そ…そうだ。てっきり野生の魔物が店内に忍び込んだ。と思い込んで倒そうとしたんだ」
 「それを私達が止めたの。1つ間違えれば犯罪を犯してたのよ。反省しなさいよ」
 「ああ……反省するよ。本当にすまなかった!」
 重装備の男性はそう言って頭を下げてくれた。
 「まぁ…実質被害がなかったんで大丈夫。だから気にしないで下さい」
 「ありがとうございます。彼女に理解力がある人でよかったですね」
 「ああ……本当にすまなかった!」
 「あ…まぁ……頭を上げて下さい。それよりもこのお店に用があったんじゃないんですか?」
 てか何度も謝られると、こっちが悪い気がしてくる。
 「そうだったわ! 私の弓の調子がよくないんで、見て貰えますか?」
 「かしこまりました! 弓をちょっと貸して頂けますか?」
 「はい、どうぞ」
 マーヤさんが女性から弓を受け取ると調べ始めた。
 マーヤさんって、服の他にも武器の調子も見ることが出来たんだなぁ〜……。それと人の従魔を倒すのって犯罪だったんだ。 その辺を詳しく教えて! チュートリアルさんっ ︎
 説明。
 従魔殺害罪に当たり、犯罪です。
 従魔を正当な理由なく命を奪ってしまった場合。最大で100万レザから20万レザの賠償金。又は10年から3年の服役をしなければなりません。
 正当な理由を述べると。
 1.暴走した従魔を倒してしまった場合。
 2.決闘などの勝負の場合。
 3.犯罪に加担していた従魔を倒してしまった場合。
 などです。今回のケースはどれにも当てはまらないので、彼が従魔を倒していたら、とんでもないことになっておりました。
 そうだったのかぁ〜……。
 何て思っていたらマーヤさんが弓の調子を見終わったらしく、弓をテーブルに置いた。
 「弦が古くなっていたみたいなので、張り直せば直ると思いますよ。こちらで作業を致しましょうか?」
 「はい!  お願い致します!」
 「かしこまりました。少々お時間を頂きますね」
 マーヤはそう言うと、工具を取り出して作業を始めた。
 あれ? マーヤさんって……武器の調整も出来たのか?
 作業をしているマーヤの姿に、カイリはそう思うのであった。
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