テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

強化弾の能力!

 カイリは手に乗せた強化弾LV1を、早速鑑定目を使用して性能を確認してみる。

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 強化弾LV1

 説明
 通常弾の1.2倍の攻撃力を持つ弾薬。

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 ……うん。答えはシンプルだった。

 「考えてみればそうだよな。LV1ぐらいじゃ2倍3倍の威力になる訳ないよなぁ〜……」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんが「その弾どれぐらい強くなるの?」と言いたそうな声を上げた。

 「通常弾の1.2倍の威力だってさ」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんは「そうなんだぁ〜」と言いながら、ちょっと期待ハズレみたいな雰囲気を出している。

 「念の為、これの製作するのに必要なMPを見ておかないと……」

 カイリはそう言ってステータス画面に目を向ける。

 「3……3ってことはポーションや初級のマナポーションと同じコストかぁ〜……」

 もしサニーさんがこのことを知ったら、「そんなの作るぐらいなら、ポーションを作ってちょうだい! 買うからぁ ︎」なんて言い出しそうな気がするなぁ。

 「キャンッ ︎」

 「……え? これ試すの? って言いたいのか?」

 「キャンッ ︎」

 ルルの「うん!」と言う返事を聞いたカイリは、悩ましい顔をさせながら弾の方へと視線を送る。

 「試したいのは山々だけどさ、これ1個だけじゃ検証は難しいと思う」

 それに比較対象も考えなければいけないし。キバネズミで試すとなると通常のヤツで一撃だから検証もへったくれもない。

 「持ってて損はなさそうだから、もう1個ぐらい作っておこうか」

 そして残りはポーション製作に使おう。

 プルンッ ︎

 側で聞いていたプル太郎も「そうだね!」と言いたそうに身体を震わせている。

 身体をプルプルさせてるプル太郎が可愛い。

 カイリの手が自然にプル太郎の上に乗り、優しくなでなでしていた。

 「……キャンッ ︎」

 その光景を見ていたルルが「もう1個作らないの?」と言いたそうな声を上げたので、カイリはハッ ︎ と我に返った。

 「そうだった! もう1個作らなきゃな!」

 カイリは「ちょっと嫉妬してるなぁ〜……」と思いながらも、2つ目の強化弾LV1を錬成をした。そして出来上がってすぐにあることに気が付いた。

 「……なぁ、みんな。ちょっといい?」

 カイリの言葉にルル達は「どうしたの?」と言いたそうな顔をさせる。

 「これを通常弾と一緒のポケットに入れてたら、混在して分からなくならない?」

 「キャンッ ︎」

 プルンッ ︎

 「〜〜〜♪」

 カイリの言葉にルル達は「あっ ︎」と言いたそうな顔になった。

 「やっぱそうだよな! ポケットの中に入れてたら同じような形だから中身見なきゃ見分け付かないし、何よりもそれで時間掛かってたら命の危機に繋がるかもしれないじゃん!」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんが「ポケット2つあるから、それで分ければ?」とか言いたそうな声を出す。

 「まぁそれで分けるのも1つの手だと思うよ。でもさ、これ以外の弾薬を製作出来るようになって来ると、その方法が使えなくなっちゃうじゃん」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんは「ああ〜……確かに」と言いたそうな声を出した。

 ダンジョンでサニーさん達と共に魔物達と戦ってみて、身を持って知って改善したい点が1つあった。
 それはマジックリボルバーに入っている空薬莢を交換するときに時間が掛かってしまうことだ。いくらスピードローダーがあると言っても、全部使い切ってしまえば手で1個1個装填しなければならないし、それ以前にポケットから6発分の弾薬をポケットから掴み取らなきゃいけないからかなり時間が掛かる。

 「やっぱあれかなぁ〜。こういった弾薬を入れておく為の道具を作って貰おうかなぁ〜? ……でも、どんなのがあった…け?」

 俺が見ていた映画やアニメだと大抵ポケットから引っ張り出してたからなぁ〜……それに俺が作って貰えるところに行って、「あーだこうだ」と言ったところで明確なイメージがないから作ってくれるかどうか分からない。

 「……あ〜ダメだ! いい方法が思い付かないっ ︎ やっぱ早い装填の方法を考えるしかないっ ︎」

 同じじゃないけどリボルバーを使っていたウェスタンの人達に、リボルバーの装填の仕方を……ウェスタン?

 「そういえば、西部劇だとベルトに弾を付けていたよな?」

 腰に革で出来たホルスターに薬莢がたくさん付いていたり、しかも弾薬だけがたくさん着いたベルトをショルダーバッグみたいに掛けていたし……。

 「そうだよ! 弾薬用のベルトを作って貰えばいいんだよ! そうすれば今よりもスムーズに装填出来る!」

 次いでにホルスターも作って貰おうか!

 「……と言いたいところなんだけど。革を加工して作って貰えるお店を知らないんだよなぁ〜」

 「クゥ〜ン……キャンッ ︎」

 「え? バルグさん? もしかしてバルグさんに紹介して貰えばいいんじゃないか? って言ってるのか?」

 「キャンッ ︎」

 「うん!」と言いたそうに吠えるルル。

 「その手があったか!」

 そうだよ! この世界の商人のバルグさんなら、俺の要望を聞いてくれる職人を紹介してくれる筈だ!

 「ルル、ナイスアイディアだ!」

 「キャンッ ︎」

 ルルの頭を撫でてあげると嬉しそうな顔をさせる。

 「じゃあ今日は無理そうだから、明日バルグさんのところに行って聞いてみようか」

 『話を聞かせて貰ったわよぉ〜♡』

 むっ ︎ このねっとりとした話し方は……まさかっ ︎

 カイリがそう思った直後、扉が開きほぼ裸の筋肉モリモリマッチョ変態が入って来た。

 「アンリーさん! どうしてここにいるんですか?」

 「どうしてってぇ〜…カイリちゃぁんに用事があったから来たのよぉ〜♡」

 「俺に用事?」

 何だろう? アンリーさんが用事と言うと嫌な予感しかしない。

 「もしかしてその子がぁ〜、新しくカイリちゃぁんのお友達になった妖精ちゃぁんなのぉ〜♡」

 「あ、はい! ファニーって名前の妖精です。……って、あれ?」

 先ほどまで俺の肩らへんで飛んでいたファニーちゃんが、何故か後ろに隠れてビクビクしながらアンリーさんを見ていた。

 ああ〜……うん。初めて見たらそんな感じになるわなぁ〜……。

 「アンリーさんは悪い人じゃないから出て来ても大丈夫」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんが「本当に?」と言いたそうな感じで話し掛けて来る。

 「本当だから……ね?」

 あくまで俺の憶測だけどな。

 ファニーちゃんは怯えた表情のまま出て来ると、アンリーさんに頭を下げた。

 「〜〜〜♪ ……〜〜〜♪」

 「よろしくって挨拶出来てえらいぞ! ファニーちゃん!」

 後で甘いお菓子をあげようか!

 「こちらこそよろしくねぇ〜♡ それよりも、さっきの話なんだけどもぉ〜……カイリちゃぁんの要望に応えてくれる職人をアタシが紹介してあげるわぁ〜♡」

 「俺の要望を……って! さっきの話聞いてたのかっ?」

 「ええ〜、聞いてたわよぉ〜。それにぃ〜…カイリちゃぁん、ダンジョンに行って結構なお金貰えることになってるでょぉ〜♡」

 「は…はい」

 その情報も何時いつ手に入れたんだ?

 「そのお金で新しい装備を作って貰えばいいわよぉ〜。でもカイリちゃぁんが作りたいって言う装備はオーダーメイドになるから、それなりの金額になりそうねぇ〜♡」

 「まぁ……そうなりますよね」

 生活費に直撃するような値段だったら、作って貰うのを止めて貰おう。

 「でも安心してアタシの紹介ならぁ〜、ちょっと安くして貰えると思うわよぉ〜♡」

 「はぁ……因みに聞くけど、お店の名前は?」

 「そのお店のお名前はぁ〜…………武具屋ベルスって言うのよぉ〜♡」

 「武具屋ベルス?」

 「そうよぉ〜。アタシもそこで武器の手入れをして貰っているのよぉ〜♡」

 そうなんだぁ〜……。じゃなくて! どっかで聞いたことがある名前だなぁ〜……ええっとぉ…………何だっけ?

 そう言って思い出そうとするカイリであった。

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