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テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

お皿洗いが出来る従魔!

 ルル達と楽しい食事を終えた俺は部屋に戻ってゆっくりしようと考えていたのだが、プル太郎がテーブルの上に乗った。

 「どうしたんだ、プル太郎?」

 プルンッ ︎

 「……え? 片付け? 片付けは宿の人がやってくれるから、気にしなくてもいいんじゃないか?」

 と言ったのだが、「片付けやる!」と言いたそうに震えると目の前に置いている皿を、次々身体の中へと入れた。

 皿がプル太郎の身体の中で洗濯機みたいに回っているけど、大丈夫? 皿と皿がぶつかって割れたりしないよな?

 そう心配したのだけれども皿は割れずに済み、プル太郎の身体から出て来てテーブルの上に並べられた。

 「わぁ……キレイにしたなぁ〜」

 そんなことを言いながらプル太郎がキレイにした皿を手に取ると、皿の表面を指で擦ってみたら、キュッ! キュッ! と音がした。

 「油汚れまで落としてるっ ︎ どうなってるんだこれ ︎」

 プル太郎にそう聞いたら、自慢げに震えているだけで教えてくれない。

 ……もしかしてサシャさんに付いて行った時に教わったのか? ……いや、あるいはサシャさんの仕事ぶりを見て学習したのかもしれない。

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんはキュッ ︎ キュッ ︎ と鳴る音が楽しいのか、何度も手で擦っていた。

 「キャンッ ︎」

 ルルはルルで「これも出来るの?」と言いたそうな鳴き声を上げて、ドックフー……ルルが使っていた皿を咥えていた。

 プルンッ ︎

 プル太郎は「任せて!」と言いたそうに身体を震わせると、触手を伸ばしてルルから皿を受け取り、身体の中へと入れた。

 また洗濯機のようにグルグル回ってる。……これって必要なのか?

 プル太郎が洗っている姿を見つめていたら、女将のシェリーさんがやって来た。

 「アンタら食器で何をしてるの ︎」

 「あっ ︎ いやぁ〜……プル太郎が食器を洗いたいって言ってたので、やらせてみたんですよ」

 「〜〜〜♪」

 ファニーちゃんが「それで出来たのがこれ!」と言いたそうな声で、目の前の皿を指さした。

 何となく言いたいことは分かる。だけど俺しか伝わってないと思うぞ。

 「ふぅ〜〜〜ん……スライムがねぇ〜…………」

 ほら、シェリーさんだって嘘臭いと言いたそうな顔をしているよ。これ怒られるパターンじゃねぇ?

 カイリがそう思っている間にシェリーがプル太郎が洗った皿を手に取って、指で擦った。

 「……何これ?」

 「何これって……プル太郎が洗ってくれたお皿だけど…………うわぁっ ︎」

 いきなり両肩を掴んで来たっ ︎ 何ごと? ねぇ、何ごとっ ︎

 カイリがそう思っている中、もの凄い形相でカイリの両肩を掴んでいるシェリーは、顔をずいっとカイリに近付ける!

 「お願い! アンタのプル太郎を少し貸して欲しいの! 本当にほんのちょっとの間だけでいいからぁ ︎」

 「おぉ、落ち着いて! 落ち着いてくれ ︎ ルル達……てか、周りのお客が見てるよ ︎」

 何だ? 何だ? と言いそうな感じでカイリ達を見つめて来ていることに気付いたシェリーは、落ち着く為か息を吐いてから一旦離れてくれた。

 「食堂を切り盛りするの基本的にアタシの仕事なのは分かるわよね?」

 「何となく役割分担してるってのは分かっていたよ」

 「その中で皿洗いが面倒なのよ。毎日油汚れが付着した皿を一生懸命布タワシで擦って……」

 「えっ ︎ 布タワシ?」

 布切れを束ねて作ったタワシのことだよな? スポンジって……ないのか?

 「乾燥させたヘチマは?」

 「ここら辺じゃヘチマは取れないから、輸入もんになっちまうんだよ。それに洗剤を買って使ってるけどプル太郎ほど取れないんだよ。……ほら、これを触ってみな」

 シェリーさんが洗ったと思われる皿を差し出されたので、受け取って表面を指で擦ってみた。

 「……これ、本当に洗ったんですか?」

 「〜〜〜♪」

 俺と一緒に指で擦っていたファニーちゃんも不思議そうにしている。

 「信じられないって顔をしてるけど、それが普通なのよ」

 マジかぁ〜……。

 「だからお願い! 1日だけでいいからプル太郎をアタシに貸して ︎」

 両手を合わせて拝むようにお願いするシェリーさん。それに対してカイリはプル太郎の方に顔を向ける。

 「どうする、プル太郎?」

 プルンッ ︎

 「……俺と一緒にいたいから、やりたくないみたいです」

 「そこを何とか!」

 そう言ってプル太郎に顔を近付けるが、プル太郎はそっぽを向いてしまった。

 「シェリーさん、諦めるしかないよ」

 「クゥ〜〜〜…………分かったわ。お客に皿洗いを頼むのも、おかしな話だしね」

 シェリーさんはそう言うと、残念そうな顔で厨房へ戻った。

 「さてと……みんな食事も終わったし、部屋に戻ろうか」

 「キャンッ ︎」

 プルンッ ︎

 「〜〜〜♪」

 元気に返事するルル達に萌えを感じながら部屋に戻って行くと、頭の中を何かが過った気がした。

 「あれ? ……気のせいか?」

 そんなことを言っていたら、今度は「アイテムボックス」とサクラ様の声が聞こえて来た気がした。

 「この感じ……もしかして」

 そう言ってからアイテムボックス欄を確認すると、最初の方に手紙が1通だけあった。

 「やっぱりあった。でも、今回は1通だけなのか」

 サクラさんの声っぽかったから、サクラさんが書いた手紙だろう。エイリィンの手紙だったら、流し読みするだけにしておこう。

 「カイリさん酷いですぅううううううっ! ︎」って声がした気がした。……そう。声がした気がしただけだから気に止めないでいよう。

 そう思いながら手紙をアイテムボックスから取り出したら、ルル達が興味深そうにカイリの側にやって来た。

 「みんな、読んで欲しいんだな」

 そう言ったらルル達は無言で頷いた。

 言わなくても分かるぐらい興味を持ってる。

 「えっとぉ……コホンッ! ようやく錬成スキルが2になったようじゃな。もうかわっておると思うのじゃか、レベルが2に上がったことで今までよりも製作出来るアイテムが増えるんじゃ。
 しかもアイテムだけではなく他のことも出来るようになっておるから万物の書を確認するといい、先ほどお主が読んだ武具の強化合成もその1つじゃ……その1つ?」

 その1つってことは、他にも出来ることが増えたってことだよな?

 「キャンッ ︎」

 「あっ ︎ 続きね。……他の神達もお主に興味を持ったようじゃ。お主の活躍次第でエイリィンよりも力になってくれるはずじゃぞ、がんばれ。だって」

 プルンッ ︎

 プル太郎が「もしかして……」って言いたそうに震えている。

 わかるぞ。言いたいことは充分わかるぞ。だって称号が物語っているじゃないか!

 「じゃあつまり……最初に祝福を受けたのはプル太郎だったってわけだな」

 プルンッ ︎

 「そうみたい!」と言いたそうにプル太郎が飛び跳ねた。

 「それでその次がファニーちゃん」

 「〜〜〜♪」

 「えっ ︎ 私が ︎」と言いたそうな感じで驚いている。

 「キャンッ ︎」

 「ルルはぁ……神狼候補ってだけでまだみたい」

 「キュ〜ン……」

 悲しそうな顔で耳が垂れたので、撫でてあやしてあげた。

 「大丈夫だよルル。きっといい神様が称号をくれるって」

 俺なんかプル太郎達に比べると酷い称号しか持ってないし、役に立ちそうにもない。……エイリィン、使えないヤツめ ︎

 俺がそう言ったら「カイリさんのせいで、みんなから責められてるぅ! どうしてくれるんですかぁああああああああああああっ ︎ ︎」って聞こえた気がしたけど……無視だ、無視 ︎ 構っているだけ無駄! てか関わる手段がないから諦めるってことにしておこう!

 「それとサクラ様が書いた内容が気になるな。もう一回調べてみようか」

 そう言って万物の書を取り出して本を開くのであった。

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