テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
レストランで楽しい食事!
 サシャさんが意を決した顔で話始める。
 「ゼラフ商会の会長はバルグ様の親戚に当たる人物なのです」
 「親戚? じゃあ、バルグさんはゼラフ商会の会長と面識があったのか?」
 「はい。家が近いということもあり、幼い頃からゼラフ様とちょこちょこ合っていたそうです。ただぁ……」
 歯切れが悪くなってないか?
 「ただ何?」
 「ゼラフは親の商会を継ぐのと同時に、バルグは自分の商会を立ち上げたのでしょ。
 それでバルグ商会は出来て1年ちょっとぐらいで業績が上がって、ゼラフ商会と肩を並べるほどになったのよ。それがゼラフにからして見れば面白く思えないらしいのよ」
 「サニー様の仰る通りです。ゼラフはバルグ様と会う度に嫌そうにしておられますし、何よりも関節的に嫌がらせのようなことをして来ます」
 「嫌がらせ? ……まさか隣りに作ったレストランが、その1つとか言わないですよね?」
 「……カイリ様が仰っていられることは、合っております」
 あっ! 正解だった。
 「バルグ様が新しい事業に手を出せば、ゼラフ商会が追って来るようにして近くで同じ事業をするようになったのです」
 「追うように事業を……ん?」
 「どうしたの、カイリ? 言いたいことがあるのなら言って欲しいわ」
 「いや……まるでバルグさんと同じことをやれば自分達も儲かるんじゃないか? って考えでやってるように見えるんですよね」
 俺の言葉にサシャさんが心当たりがあるのか、何か考えるような素振りを見せる。そんな中ファニーちゃん筆頭にルルとプル太郎が心配した様子でサシャさんの元へと行く。
 「〜〜〜♪」
 「……あっ ︎ すみません、ファニー様。ご心配をお掛け致しました」
 「キュ〜ン……」
 プルンッ……。
 「ルル様とプル太郎様も、大丈夫ですよ」
 そう言ってルル達にニッコリと優しい笑顔を見せるサシャさん。その後、俺の方に顔を向ける。
 「ゼラフ様の行動は目に余るものがあるので、商業ギルド経由で抗議をしました。なのでお店に手を出すようなことはないと思います」
 抗議って言うか、釘を刺したと言った方が合っているんじゃないか?
 「ともかく、あの商会は我々に実力行使をして来ない筈です。……そろそろ料理を持って来たようなので、嗜みましょうか」
 サシャさんがそう言って指をパチンッ ︎ と鳴らすと、ウェイターが料理を部屋の中に運んで来る。
 「あ……ありがとうございます」
 ウェイターにお礼を言ったら、ニッコリとした顔を俺に向けた。
 あ……この人達プロかも。
 グラスにブドウジュースを入れてくれたところで、サシャさんが俺達に話し掛けて来る。
 「お食事のご準備が出来ましたので、頂きましょうか」
 「あ、はい。ルル、プル太郎、ファニーちゃん。食べようか」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達は嬉しそうに「わぁ〜い!」と言いたそうにしている。
 目の前に置かれた食事を一口も食べずに待ってる。ホントいい子達だなぁ。
 「空よ、風よ、大地よ……そして大地を司りし女神よ。我々に恵みを与えて下さり、感謝致します」
 ああ、それがエルフの頂きます。の合図なのね。
 「我ら運命を司どりし女神様よ。運命に導かれし羊にお恵みを頂き感謝を致します」
 やっぱり信仰している女神によって言い方が変わるんだな。
 「では……いただきます」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 俺のその言葉と共にルル達は目の前の食事に手を出し始めるが、サシャさん達の方はポカンとした顔で俺の顔を見つめて来る。
 「えっとぉ……2人共どうしたんですか?」
 「いえ、何でもないわ」
 「カイリ様は独特な言い方をすると思っただけなので、お気になさらないで下さい」
 ああ〜……この世界では日本の「いただきます」って表現は無いのか。
 「アハハハ……まぁ気にしないで下さい」
 そう言ってから、お皿に盛り付けられたパスタを食べ始める。
 うん! これは美味しい ︎
 「キャンッ!」
 ルルも「美味しい」と言いたそうな鳴き声を上げると、ご飯にガッツガッツ食べる。
 ルル、それ朝に出されたのと同じドックぅ〜……いや、気にしないでいようか。
 プルンッ ︎
 プル太郎の方は、俺と同じ料理を身体に取り込んで嬉しそうにしている。
 プル太郎の口にも合ってよかったぁ〜。
 「〜〜〜♪」
 ファニーちゃんの方を向くと、ホットケーキを美味しそうに方張っていた。
 「みんな喜んでくれてよかっ……あれ? ファニーちゃんって、お菓子とかが主食なのか?」
 「〜〜〜♪」
 「そうだよ!」と言いたそうな声を出すファニーちゃん。
 「妖精族の主食は花の蜜や果物などです。私達が食べているようなものは妖精族のお口に合わないみたいです」
 「そうなんだ。これ、食べてみる?」
 「〜〜〜♪」
 ファニーちゃんにフォークに絡めた麺を差し出してみたら、「いらないよ」と言いたそうな声を出しながら首を横に振った。
 本当に口に合わないみたいだな。ファニーちゃんように果物を買ってあげようか。
 「キャンッ ︎ キャンッ ︎」
 ルルが「食べてみたぁ〜い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、フォークをスッと俺の方に戻す。
 「ルル、オオカミが食べるとお腹を悪くするかもしれないからダメだよ」
 人の食べ物を犬に食べさせちゃダメ! と聞いたことがある。まぁルルはオオカミだけど、同じようなものだよな。
 俺がそう思っていたら、ルルが耳を垂らしながら残念そうな顔をしていた。
 「キュ〜ン……」
 あっ ︎ ルルを悲しませちゃった!
 「ゴメンな、ルル……後で美味しいマナポーションを飲ませてあげるから、機嫌を直してくれ」
 「クゥ〜ン?」
 「本当?」と聞いて来る姿に胸がキュンと抱き付きたくなる衝動に襲われるが、グッと堪えてルルに話し掛ける。
 「ホント。約束する」
 ファニーちゃんの採取スキルのおかげで、色んな材料が大量に手に入ったからマナポーションの1本ぐらいあげてもいいよな?
 「カイリが作ったマナポーション……」
 「サニーさんに渡す分も作るから、欲しそうな顔をしないでくれ!」
 俺の言葉にサニーさんは安心した様子で食事を再開したので、俺も頼んだパスタの食事をする。
 「ご馳走様でした!」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 「お粗末様でした」
 サシャさんの言葉と共に席を立ち、お金を払う為にアイテムボックスを開くのだけれども……。
 「カイリ様、お金は私の方で出しますよ」
 「えっ ︎ そんなの悪いですよ!」
 「いえいえ、お気になさらないで下さい」
 サシャさんはそう言うと、自分のお財布を出してお金を置いた。
 「では、街へ帰りましょう」
 「えっ ︎ いやぁ〜……でもぉ……」
 「カイリ、ここは彼女の顔を立ててあげた方がいいと思うわよ」
 「そうなの?」
 「ええ、だからここは行きましょう」
 う〜ん……ここはサニーさんの言う通りにした方がいいよな。
 そう思いながらサシャさんに付いて行くようにして、レストランの外へと出る。
 「サシャさん奢って下さって、ありがとうございました!」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 「分かっていると思うけど、ルル達もお礼を言ってます」
 「いいえ、アナタ様には大きな恩がありますから、お気になさらないで下さい」
 「サシャ、今度私が奢ってあげるからね」
 「楽しみにしています」
 何だろう……今の会話に闇っぽいのを感じたぞ。
 「……深く考えないでおこう」
 「カイリ、何か言った?」
 「いいえ、何も言ってません!」
 ヤバイ! 急に声を掛けられたから声が裏返っちゃったよ!
 カイリが焦った様子を見せるが、サシャは気にした様子を見せないまま正面を向いた。
 「何してるの? 早く馬車に乗ってちょうだい!」
 「サニー様が待っていらっしゃるので、行きましょうか」
 「あ、はい! 行こう、みんな」
 ルル達の返事と共に馬車へと乗り込むのであった。
 「ゼラフ商会の会長はバルグ様の親戚に当たる人物なのです」
 「親戚? じゃあ、バルグさんはゼラフ商会の会長と面識があったのか?」
 「はい。家が近いということもあり、幼い頃からゼラフ様とちょこちょこ合っていたそうです。ただぁ……」
 歯切れが悪くなってないか?
 「ただ何?」
 「ゼラフは親の商会を継ぐのと同時に、バルグは自分の商会を立ち上げたのでしょ。
 それでバルグ商会は出来て1年ちょっとぐらいで業績が上がって、ゼラフ商会と肩を並べるほどになったのよ。それがゼラフにからして見れば面白く思えないらしいのよ」
 「サニー様の仰る通りです。ゼラフはバルグ様と会う度に嫌そうにしておられますし、何よりも関節的に嫌がらせのようなことをして来ます」
 「嫌がらせ? ……まさか隣りに作ったレストランが、その1つとか言わないですよね?」
 「……カイリ様が仰っていられることは、合っております」
 あっ! 正解だった。
 「バルグ様が新しい事業に手を出せば、ゼラフ商会が追って来るようにして近くで同じ事業をするようになったのです」
 「追うように事業を……ん?」
 「どうしたの、カイリ? 言いたいことがあるのなら言って欲しいわ」
 「いや……まるでバルグさんと同じことをやれば自分達も儲かるんじゃないか? って考えでやってるように見えるんですよね」
 俺の言葉にサシャさんが心当たりがあるのか、何か考えるような素振りを見せる。そんな中ファニーちゃん筆頭にルルとプル太郎が心配した様子でサシャさんの元へと行く。
 「〜〜〜♪」
 「……あっ ︎ すみません、ファニー様。ご心配をお掛け致しました」
 「キュ〜ン……」
 プルンッ……。
 「ルル様とプル太郎様も、大丈夫ですよ」
 そう言ってルル達にニッコリと優しい笑顔を見せるサシャさん。その後、俺の方に顔を向ける。
 「ゼラフ様の行動は目に余るものがあるので、商業ギルド経由で抗議をしました。なのでお店に手を出すようなことはないと思います」
 抗議って言うか、釘を刺したと言った方が合っているんじゃないか?
 「ともかく、あの商会は我々に実力行使をして来ない筈です。……そろそろ料理を持って来たようなので、嗜みましょうか」
 サシャさんがそう言って指をパチンッ ︎ と鳴らすと、ウェイターが料理を部屋の中に運んで来る。
 「あ……ありがとうございます」
 ウェイターにお礼を言ったら、ニッコリとした顔を俺に向けた。
 あ……この人達プロかも。
 グラスにブドウジュースを入れてくれたところで、サシャさんが俺達に話し掛けて来る。
 「お食事のご準備が出来ましたので、頂きましょうか」
 「あ、はい。ルル、プル太郎、ファニーちゃん。食べようか」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 ルル達は嬉しそうに「わぁ〜い!」と言いたそうにしている。
 目の前に置かれた食事を一口も食べずに待ってる。ホントいい子達だなぁ。
 「空よ、風よ、大地よ……そして大地を司りし女神よ。我々に恵みを与えて下さり、感謝致します」
 ああ、それがエルフの頂きます。の合図なのね。
 「我ら運命を司どりし女神様よ。運命に導かれし羊にお恵みを頂き感謝を致します」
 やっぱり信仰している女神によって言い方が変わるんだな。
 「では……いただきます」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 俺のその言葉と共にルル達は目の前の食事に手を出し始めるが、サシャさん達の方はポカンとした顔で俺の顔を見つめて来る。
 「えっとぉ……2人共どうしたんですか?」
 「いえ、何でもないわ」
 「カイリ様は独特な言い方をすると思っただけなので、お気になさらないで下さい」
 ああ〜……この世界では日本の「いただきます」って表現は無いのか。
 「アハハハ……まぁ気にしないで下さい」
 そう言ってから、お皿に盛り付けられたパスタを食べ始める。
 うん! これは美味しい ︎
 「キャンッ!」
 ルルも「美味しい」と言いたそうな鳴き声を上げると、ご飯にガッツガッツ食べる。
 ルル、それ朝に出されたのと同じドックぅ〜……いや、気にしないでいようか。
 プルンッ ︎
 プル太郎の方は、俺と同じ料理を身体に取り込んで嬉しそうにしている。
 プル太郎の口にも合ってよかったぁ〜。
 「〜〜〜♪」
 ファニーちゃんの方を向くと、ホットケーキを美味しそうに方張っていた。
 「みんな喜んでくれてよかっ……あれ? ファニーちゃんって、お菓子とかが主食なのか?」
 「〜〜〜♪」
 「そうだよ!」と言いたそうな声を出すファニーちゃん。
 「妖精族の主食は花の蜜や果物などです。私達が食べているようなものは妖精族のお口に合わないみたいです」
 「そうなんだ。これ、食べてみる?」
 「〜〜〜♪」
 ファニーちゃんにフォークに絡めた麺を差し出してみたら、「いらないよ」と言いたそうな声を出しながら首を横に振った。
 本当に口に合わないみたいだな。ファニーちゃんように果物を買ってあげようか。
 「キャンッ ︎ キャンッ ︎」
 ルルが「食べてみたぁ〜い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、フォークをスッと俺の方に戻す。
 「ルル、オオカミが食べるとお腹を悪くするかもしれないからダメだよ」
 人の食べ物を犬に食べさせちゃダメ! と聞いたことがある。まぁルルはオオカミだけど、同じようなものだよな。
 俺がそう思っていたら、ルルが耳を垂らしながら残念そうな顔をしていた。
 「キュ〜ン……」
 あっ ︎ ルルを悲しませちゃった!
 「ゴメンな、ルル……後で美味しいマナポーションを飲ませてあげるから、機嫌を直してくれ」
 「クゥ〜ン?」
 「本当?」と聞いて来る姿に胸がキュンと抱き付きたくなる衝動に襲われるが、グッと堪えてルルに話し掛ける。
 「ホント。約束する」
 ファニーちゃんの採取スキルのおかげで、色んな材料が大量に手に入ったからマナポーションの1本ぐらいあげてもいいよな?
 「カイリが作ったマナポーション……」
 「サニーさんに渡す分も作るから、欲しそうな顔をしないでくれ!」
 俺の言葉にサニーさんは安心した様子で食事を再開したので、俺も頼んだパスタの食事をする。
 「ご馳走様でした!」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 「お粗末様でした」
 サシャさんの言葉と共に席を立ち、お金を払う為にアイテムボックスを開くのだけれども……。
 「カイリ様、お金は私の方で出しますよ」
 「えっ ︎ そんなの悪いですよ!」
 「いえいえ、お気になさらないで下さい」
 サシャさんはそう言うと、自分のお財布を出してお金を置いた。
 「では、街へ帰りましょう」
 「えっ ︎ いやぁ〜……でもぉ……」
 「カイリ、ここは彼女の顔を立ててあげた方がいいと思うわよ」
 「そうなの?」
 「ええ、だからここは行きましょう」
 う〜ん……ここはサニーさんの言う通りにした方がいいよな。
 そう思いながらサシャさんに付いて行くようにして、レストランの外へと出る。
 「サシャさん奢って下さって、ありがとうございました!」
 「キャンッ ︎」
 プルンッ ︎
 「〜〜〜♪」
 「分かっていると思うけど、ルル達もお礼を言ってます」
 「いいえ、アナタ様には大きな恩がありますから、お気になさらないで下さい」
 「サシャ、今度私が奢ってあげるからね」
 「楽しみにしています」
 何だろう……今の会話に闇っぽいのを感じたぞ。
 「……深く考えないでおこう」
 「カイリ、何か言った?」
 「いいえ、何も言ってません!」
 ヤバイ! 急に声を掛けられたから声が裏返っちゃったよ!
 カイリが焦った様子を見せるが、サシャは気にした様子を見せないまま正面を向いた。
 「何してるの? 早く馬車に乗ってちょうだい!」
 「サニー様が待っていらっしゃるので、行きましょうか」
 「あ、はい! 行こう、みんな」
 ルル達の返事と共に馬車へと乗り込むのであった。
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