テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

初めての討伐クエスト! (※報告編)

 そんなこんなでキバネズミを探し回って倒していたら、5体討伐どころか10体まで倒してしまった。

 「途中でレベルアップしたから、調子にのっちゃたよ。討伐範囲外の5体分は、どうするんだろうか?」

 こういう時の為のチュートリアルだろ! 教えて、チュートリアルさんっ ︎

 説明。
 ギルドによって対応が違うので分かりません。なので冒険者ギルドに行き、相談して下さい。

 「ここに来て初めての塩対応っ ︎」

 「キャンッ?」

 ルルが「何を言ってるの?」と言いたそうな顔で見つめて来るので、頭を撫でながら答えてあげる。

 「チュートリアルに聞いてみたら分からないって答えられただけだから、気にしなくていいぞ」

 因みにだがキバネズミを10体倒したら、レベルが上がったという知らせが2回来た。

 もうちょっとやれば1段階レベルを上げられるけど……これ以上やったらやり過ぎって言われそうな気がする。

 「10対も倒したし、今日のところはこれぐらいにして帰ろうか」

 「キャンッ!」

 「ええ〜っ ︎ もう帰るの?」と不満そうにしているルルに対して、プル太郎がプルプルと身体を震わせて会話(?)をすると、ルルが素直に俺の元にやって来た。

 ……今、どんな会話をしていたのかなぁ。キミ達は?

 そう思った後、俺達がどれぐらい強くなったのか確認する為にステータス画面を開く。

ーーーーーーーーーー
ステータス
 名前 カイリ
 年齢 15歳 
 種族 ハイヒューマン
 性別 女

職業
ファーストジョブ モンスターテイマー Lv4
セカンドジョブ 錬金術師 Lv4

基本能力
HP 13
MP 21
攻撃力 2
防御力 3
素早さ 4
器用性 16
魔法攻撃力 9
魔法防御力 8
運 21

取得スキル
錬成術Lv1
テイムLv2
弾錬成術Lv-
召喚Lv-
分解Lv-
射撃補正Lv1
魔力回復Lv2
アイテムボックスLv10
能力成長促進Lv5
鑑定眼Lv6
マップLv2
言語能力Lv2
チュートリアルLv-

 称号
 女神から命を受けし者
 女神に愛された者
 女神に心配されし者
 転生者
 ーーーーーーーーーー

 ーーーーーーーーーー

テイム状態

 ステータス
 名前 ルル
 種族 フェンリル
 個体名 フェンリル
 年齢 0歳 (生後3ヶ月)
 性別 メス

 契約者 カイリ

 職業
 Lv5 ※モンスターなので職業は有りません。

 基本能力
 HP 22
 MP 27
 攻撃力 13
 防御力 8
 素早さ 19
 器用性 8
 魔法攻撃力 8
 魔法防御力 5
 運 8

 取得スキル
 嗅覚Lv4
 聴覚Lv3
 気配探知Lv3
 牙攻撃Lv2
 爪攻撃Lv1
 風魔法Lv2 

 称号
  神狼候補
 ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

 ステータス
 名前 プル太郎
 種族 スライム
 個体名 スライム
 年齢 2歳
 性別 なし

 契約者 カイリ

 職業
 Lv4 ※モンスターなので職業は有りません。

 基本能力
 HP 9
 MP 11
 攻撃力 8
 防御力 5
 素早さ 11
 器用性 8
 魔法攻撃力 8
 魔法防御力 5
 運 6

 取得スキル
 水魔法Lv2
 溶解Lv2
 洗浄Lv2
 硬化Lv1
 家事Lv2
 コーディネイトLv2

称号
水の女神ウンディーネの慈愛

ーーーーーーーーーー

 ん? んんんんん? ちょっと待て! 俺のステータスだけ数値の上がりが悪い気がするぞ!

 「これは一体どういうことだ?」

 ……ハッ ︎ こういう時の為のチュートリアルじゃないかっ ︎ 俺のステータスの上がり具合を説明してくれよ! チュートリアルさんっ ︎

 説明
 テイマーは後衛職。錬金術師は生産職なので、どちらも戦闘向きの職業ではありません。なので攻撃力と魔法攻撃と防御力は上がり難いです。

 「マジかぁ〜……」

 ここで選んだ職業が裏目に出るとは……でもマジック・マグナムがあるから、何とかなるぅ……よな?

 「まぁ近接戦闘はルル達に任せればいっか!」

 「キャンッ!」

 プルンッ!

 2匹共「任せて!」といった感じで返事をしてくれる。ホントいい子達だ!

 そんなことを思った後は、ルル達と共に門まで戻って来た。

 「ただ今戻りました」

 「ん? もう戻って来たのか?」

 「はい。ルル達が戦ってくれたおかげで、無事にキバネズミを倒すことが出来ました!」

 本当はルル達が4匹倒したところで疲れてしまった為、残りの1匹は俺がマジック・マグナムで倒したんだよなぁ〜……しかも近くに巣穴があったせいで、ゾロゾロと出て来たキバネズミと戦う羽目になったしな。
 正直言ってしんどかった。

 「……そうか。ギルドへの報告を忘れるんじゃないぞ!」

 「心得ていますよ!」

 門番に見送られながら街の中へと入って行くと、ルルが俺の顔を見つめて来る。

 「キュ〜ン……」

 「え? もしかして抱っこして欲しいのか?」

 「キャンッ!」

 どうやらルルはさっきの戦闘で疲れたようだ。

 「仕方ないなぁ。冒険者ギルドに着くまでの間だけだぞ」

 「キャンッ!」

 ルルを抱っこしてあげると、甘えたように俺の身体に顔を擦り付けて来た。

 「全く、ルルは甘えん坊だなぁ〜」

 俺よりもステータスが上なんだから、自分で歩いて欲しいなぁ。

 そんなことを思いながら歩いていると冒険者ギルドへとやって来た。

 「ルル、着いたから……ルル?」

 どうやらルルはここに来るまでに眠ってしまったみたいで、身体を丸めて寝息を立てていた。

 ……まぁ今日はいっぱい動いたからな。寝ちゃうのも当たり前か。

 プルンッ! プルンッ!

 今度は頭の上に乗っかっているプル太郎が、何かを言いたそうに飛び跳ねて来る。

 「ん? もしかして、起こさないのかって聞いているのか?」

  プルンッ!

 俺が言った言葉は合っていたみたいだ。

 「そんなことしたら可哀想だから、やらないよ」

 そう言った後、冒険者ギルドへと入って行き、誰もいない受付カウンターへと行く。

 タイミングが悪かったのか?

 「すみませぇ〜ん! 何方かいますかぁっ?」

 そう言ってみたら、奥の方からアンリーさんが嬉しそうな顔でやって来た。

 「あらカイリちゃぁん! 今日は何のご用意なのかしらぁ〜♡」

 う、うわぁ……よりにもよってこの人が対応とは……。

 「受けていた依頼が完了したので、その報告しに来たのと、薬草を摘んだので買い取って欲しいです」

 「あらそうなのぉ〜! じゃあ、ギルドカードを貸してちょうだぁ〜い♡」

 「あ、はい」

 そう言ってアンリーさんに渡すと、ギルドカードを水晶に触れさせる。その行動に何をしているんだろう? と思ったら、水晶の上にステータス画面と同じ表示が出て来たのだ!

 「うわっ ︎ 何これ?」

 「あらぁ? もしかしてカイリちゃんは、この水晶のことを知らないの?」

 「え? ただの飾りじゃないんですか?」

 「これは、ギルドカードに記録した情報を読み取る為の水晶なのよ。だからカイリちゃんが、ちゃんとキバネズミの討伐をしたかどうか分かるのよぉ……ってあらぁ♡」

 アンリーさんがよく見るように画面に顔を近付ける。

  「どうしたんですか?」

 「カイリちゃん、キバネズミを10体倒したのねぇ♡」

 「ああ、はい。ルル達のおかげで10体も討伐出来ました! 一応キバネズミの死体もアイテムボックスに入れているんですが……どうしたんですか?」

 「カイリちゃん…………そのキバネズミを討伐料金と別で買い取るわぁ♡」

 「ホントですか ︎」

 お金を貰えるのなら、それに越したことはない!

 「ええ、ここで出されると困るからぁ、ギルドに解体場に行きましょう♡」

 「分かりました! あ、でも1体は売りませんよ」

 「どうしてぇ♡」

 「その1体に解体スキルを試してみたいんです」

 「解体スキル……まさか…………♡」

 俺の言葉を聞いたアンリーさんは、考えるように何かブツブツと言い出した。

 何だろう。俺変なことを言ってしまったのか?

 「あの、アンリーさん?」

 「ん……あらっ ︎ ゴメンなさい! 考えごとをしちゃったわぁ〜♡」

 「別に気にしてませんよ。それよりも解体場へ行きましょう」

 「そうねぇ〜。案内は任せてちょうだぁい♡」

 こうしてアンリーさんの後を追うようにして、解体場へと向かうのであった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品