テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
お腹の子の名前は……
 噴水広場で出会わせたミレイさんにお腹に子供が授かっていることを告げてからの行動は早かった。
 ミレイさんを医者のところに行って確認したり、ガルマさん本人に伝えに行ったりしたりと何だかんだで夕方になってしまった。
 「カイリちゃん、本当にありがとぉ〜!」
 「カイリのおかげで待望の子に気付けて本当によかったぁ〜!」
 バルグさんの家のリビング内で、ミレイさんとマナさんが嬉しそうな顔で俺の身体に抱き付いている。
 「よかった……本当によかったですねぇ〜」
 バルグさんが子供が出来たことを知った瞬間、驚きの余り気を失ったから、俺の方が驚いたわ!
 「キュ〜ン……キュ〜ン……」
 ルルが耳を垂らしながら俺達の周りをウロチョロしている。俺に甘えたいんだと思う。後で構ってやるから、今は我慢してくれよ!
 「ねぇ奥様。お腹の子の名前は、どうするの?」
 「そうねぇ〜……ねぇアナタ。何て名前がいいと思う?」
 「う〜ん……ここは立役者のカイリさんの名前を取って…………カイリって名前にしようか!」
 「いいわね!」
 イヤイヤイヤイヤッ ︎ 何を言ってるんだよこの人達はぁっ ︎
 「私の名前をそのまんま使うのは却下しますっ ︎」
 「「「ええええええっ ︎ ︎」」」
 「ええええええっ ︎ ︎ じゃないよ全く! 男か女のどっちが産まれてくるのか分からないのに、カイリって名前を付けないで下さいよっ ︎」
 下手したら、前世の俺の親の様に女の子が産まれるって思い込みだけで、俺が産まれる前に市役所に提出したからな! しかも両親は産んでからその名前にしたことを後悔してたし、何よりも俺が名前でイジられることがあったから、辛かったしな!
 「せめて男の子だったらカイト。女の子だったらアイリって、どっちが産まれてもいいようにしておいた方がいい!」
 そのまんま使うのだけは了承出来ないっつうの!
 「あ、じゃあそれにしましょう」
 「……え?」
 この人、今何て言った?
 「男の子が産まれたらカイト。女の子だったらアイリ。それでいいよね、旦那様」
 「ああ、カイリさんの考えてくれた名はいい名だから、それでいきましょう!」
 「あ、いやっ! そのぉ〜……適当な名前を言っただけだから、決められても困るんですけどぉ〜……」
 困った表情をして話す俺に対してバルグさんとミレイさんは、お互い側まで寄ると抱きしめ合った。
 「愛しているよ。ミレイ」
 「私も愛しています。旦那様ぁ」
 ……ダメだ。この人達また自分の世界に入ってしまったよ。
 「旦那様達が気に入ってるみたいだから、いいんじゃないの?」
 「そう、ですか?」
 俺としては真剣に考えてなかったから、考え直した方がいいと思う。
 「いいの。旦那様達が我が子の名前を真剣に考えちゃったら、産まれてすぐどころか、産まれた後も名前が決まらない状態になっちゃうかもしれないから」
 それはそれで子供によろしくないな。
 「このまま、放っておきますね」
 「それでいいんだよ」
 「キュ〜ン……」
 足元に目を向けて見ると、今にもガチ泣きしそうな目でルルが見上げていた。
 ヤバッ ︎ ルルのことをすっかり忘れていたぁ!
 「ゴメン、ルル!」
 そう言うとルルを持ち上げてソファーへと座ると、ルルの頭を撫でてあげる。
 「色々話していたからさ、あんまり構ってあげられなかった。ゴメンよぉ」
 そう言ってルルの身体を撫でてあげると、気持ちよさそうな顔になる。
 「キュゥ〜ン……」
 許してあげる。と言いたいのか、俺のお腹に顔を擦り付けて来た。何この子、可愛いっ ︎
 プルンッ ︎ プルンッ ︎
 「……ん?」
 ルルの身体を夢中になって撫でていると、プル太郎が俺の元にやって来た。
 「もしかして、プル太郎も撫でて欲しいのか?」
 プルプルッ ︎
 そうだよ! と言わんばかりに飛び跳ねた。
 「お前も見かけによらず甘えん坊だなぁ〜!」
 そう言ってプル太郎の身体を撫であげたら、嬉しそうにプルプル震えた。
 可愛いなぁ〜……お? 頭よりも側面の方を撫でた方が、気持ちよさそうにしてる。ここがええんかぁ、ん? ここがええんだなぁ〜!
 そう思いながら身体の側面を撫でていると、とても気持ちよかったのかトロ〜ンと身体が少し溶けた感じになってしまった。
 「キャンッ! キャンッ!」
 「おぉ?」
 ルルが嫉妬しているのか、俺の身体に前足を乗せて来た。
 今度はこっちか!
 「ゴメンゴメン。ルルのことも忘れてないって!」
 そう言いながら身体を撫でてあげると、今度はソファーの上で仰向けになって「お腹を撫でてぇ〜」と言いた気な表情で俺の顔を見つめて来る。
 こ・ろ・す・気・かぁああああああ ︎ ︎
 「……分かった! そっちがその気なら、俺も容赦はしないからなぁ! 覚悟しろよなっ ︎」
 「キャンッ ︎」
 「ばっち来ぉ〜い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、容赦なくルルのお腹を撫でてあげる。
 「キュ〜ン……キュ〜ン!」
 嬉しそうに悶えるルルの姿を見て、俺のテンションも急激に上がる!
 「何だか楽しそう……私も混ざろう!」
 近くで見ていたマナさんも、俺と同じ様にルルのお腹を撫で始めた。ルル自身は意外な伏兵に驚いていたが、お腹を撫でられる気持ちよさに抗えずにいた。
 マナさんも加わったからなぁ〜。
 マナさんと共にルルのお腹を優しく撫でていると、だんだんルルの様子が変わってくる。
 「……あれ?」
 目を瞑ったまま動かなくなった。てか、寝たんじゃねぇかこれ?
 「あらまぁ〜……ルルちん余りの気持ちよさに寝ちゃったねぇ〜」
 「うん……起こすのも悪いし、ちょっとの間だけ寝かせていよっか」
 お腹が冷えないよう、シーツを被せてあげる。
 プルプルッ!
 ん?
 「どうしたんだ、プル太郎? もしかして遊んで欲しいのか?」
 俺の言葉にプル太郎は否定するように身体を横に振った。その後は必死になってピョンピョン飛ぶ。
 違う? 遊んで欲しいんじゃないのなら、他には……あっ ︎
 「もしかして、お腹が空いたのか?」
 プルッ ︎
 「うん!」と言わんばかりに飛び跳ねた。
 「プル太郎はお腹が減ってるみたいなので、宿に帰りますね」
 「いいんや、今日はウチらの方でご飯を出してあげるから、食べて行きなよ」
 「そんな、悪いですって」
 「いいんや。カイリのおかげで奥様の妊娠が分かったんだから、懐妊祝いに参加出来る権利があるって」
 懐妊祝い?
 「そうだとも。カイリさんには妻の懐妊祝いに出席して貰わないと」
 「宿の方には使用人が話すから、心配しなくてもいいわよ」
 「それにお腹の子の名付け親がいないとなりますと……ね?」
 バルグさん達だけじゃなく、サシャさんまで言うか! てか、いつの間にいたんだよっ!
 「コックが腕によりを掛けてカイリ様の分も作っていますよ」
 「今帰られたら、作った分の料理が勿体ないわよねぇ……」
 「私達の方で召し上がるという方法もありますが、そうしてしまいますとコックの残念そうな顔が目に浮かびます」
 「丹精込めて作り上げたご飯を、無下にするのはよくないと思うよぉ〜……」
 え? ……え? 何この断れないような雰囲気。そんなに俺を帰らせたくないのか?
 「さ、参加します……はい」
 俺がそう言った瞬間、マナさんが嬉しそうな顔で飛び付いて来た。
 「流石カイリ! 話が分かるいい子っ ︎」
 「アハハ……」
 てか、アンタらが断れないように圧を掛けて来たんだろうが!
 「そうと決まれば、準備をしなくてはなりません。カイリさんに会う服を用意して上げて下さい」
 「かしこまりました。旦那様」
 「私達に任せて下さい!」
 サシャさんとマナさんがそう言うと、俺の両腕にガッチリ腕を絡める。
 「さぁカイリさん。ドレスルームへ行きますよ!」
 「私達が責任を持って、とっても素敵な姿にしてあげるからねぇ!」
 「え? ええええええええええええっ! ︎」
 その後、俺は有無も言わされずサシャさん達にドレスルームに連れて行かれたのだった。
 ミレイさんを医者のところに行って確認したり、ガルマさん本人に伝えに行ったりしたりと何だかんだで夕方になってしまった。
 「カイリちゃん、本当にありがとぉ〜!」
 「カイリのおかげで待望の子に気付けて本当によかったぁ〜!」
 バルグさんの家のリビング内で、ミレイさんとマナさんが嬉しそうな顔で俺の身体に抱き付いている。
 「よかった……本当によかったですねぇ〜」
 バルグさんが子供が出来たことを知った瞬間、驚きの余り気を失ったから、俺の方が驚いたわ!
 「キュ〜ン……キュ〜ン……」
 ルルが耳を垂らしながら俺達の周りをウロチョロしている。俺に甘えたいんだと思う。後で構ってやるから、今は我慢してくれよ!
 「ねぇ奥様。お腹の子の名前は、どうするの?」
 「そうねぇ〜……ねぇアナタ。何て名前がいいと思う?」
 「う〜ん……ここは立役者のカイリさんの名前を取って…………カイリって名前にしようか!」
 「いいわね!」
 イヤイヤイヤイヤッ ︎ 何を言ってるんだよこの人達はぁっ ︎
 「私の名前をそのまんま使うのは却下しますっ ︎」
 「「「ええええええっ ︎ ︎」」」
 「ええええええっ ︎ ︎ じゃないよ全く! 男か女のどっちが産まれてくるのか分からないのに、カイリって名前を付けないで下さいよっ ︎」
 下手したら、前世の俺の親の様に女の子が産まれるって思い込みだけで、俺が産まれる前に市役所に提出したからな! しかも両親は産んでからその名前にしたことを後悔してたし、何よりも俺が名前でイジられることがあったから、辛かったしな!
 「せめて男の子だったらカイト。女の子だったらアイリって、どっちが産まれてもいいようにしておいた方がいい!」
 そのまんま使うのだけは了承出来ないっつうの!
 「あ、じゃあそれにしましょう」
 「……え?」
 この人、今何て言った?
 「男の子が産まれたらカイト。女の子だったらアイリ。それでいいよね、旦那様」
 「ああ、カイリさんの考えてくれた名はいい名だから、それでいきましょう!」
 「あ、いやっ! そのぉ〜……適当な名前を言っただけだから、決められても困るんですけどぉ〜……」
 困った表情をして話す俺に対してバルグさんとミレイさんは、お互い側まで寄ると抱きしめ合った。
 「愛しているよ。ミレイ」
 「私も愛しています。旦那様ぁ」
 ……ダメだ。この人達また自分の世界に入ってしまったよ。
 「旦那様達が気に入ってるみたいだから、いいんじゃないの?」
 「そう、ですか?」
 俺としては真剣に考えてなかったから、考え直した方がいいと思う。
 「いいの。旦那様達が我が子の名前を真剣に考えちゃったら、産まれてすぐどころか、産まれた後も名前が決まらない状態になっちゃうかもしれないから」
 それはそれで子供によろしくないな。
 「このまま、放っておきますね」
 「それでいいんだよ」
 「キュ〜ン……」
 足元に目を向けて見ると、今にもガチ泣きしそうな目でルルが見上げていた。
 ヤバッ ︎ ルルのことをすっかり忘れていたぁ!
 「ゴメン、ルル!」
 そう言うとルルを持ち上げてソファーへと座ると、ルルの頭を撫でてあげる。
 「色々話していたからさ、あんまり構ってあげられなかった。ゴメンよぉ」
 そう言ってルルの身体を撫でてあげると、気持ちよさそうな顔になる。
 「キュゥ〜ン……」
 許してあげる。と言いたいのか、俺のお腹に顔を擦り付けて来た。何この子、可愛いっ ︎
 プルンッ ︎ プルンッ ︎
 「……ん?」
 ルルの身体を夢中になって撫でていると、プル太郎が俺の元にやって来た。
 「もしかして、プル太郎も撫でて欲しいのか?」
 プルプルッ ︎
 そうだよ! と言わんばかりに飛び跳ねた。
 「お前も見かけによらず甘えん坊だなぁ〜!」
 そう言ってプル太郎の身体を撫であげたら、嬉しそうにプルプル震えた。
 可愛いなぁ〜……お? 頭よりも側面の方を撫でた方が、気持ちよさそうにしてる。ここがええんかぁ、ん? ここがええんだなぁ〜!
 そう思いながら身体の側面を撫でていると、とても気持ちよかったのかトロ〜ンと身体が少し溶けた感じになってしまった。
 「キャンッ! キャンッ!」
 「おぉ?」
 ルルが嫉妬しているのか、俺の身体に前足を乗せて来た。
 今度はこっちか!
 「ゴメンゴメン。ルルのことも忘れてないって!」
 そう言いながら身体を撫でてあげると、今度はソファーの上で仰向けになって「お腹を撫でてぇ〜」と言いた気な表情で俺の顔を見つめて来る。
 こ・ろ・す・気・かぁああああああ ︎ ︎
 「……分かった! そっちがその気なら、俺も容赦はしないからなぁ! 覚悟しろよなっ ︎」
 「キャンッ ︎」
 「ばっち来ぉ〜い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、容赦なくルルのお腹を撫でてあげる。
 「キュ〜ン……キュ〜ン!」
 嬉しそうに悶えるルルの姿を見て、俺のテンションも急激に上がる!
 「何だか楽しそう……私も混ざろう!」
 近くで見ていたマナさんも、俺と同じ様にルルのお腹を撫で始めた。ルル自身は意外な伏兵に驚いていたが、お腹を撫でられる気持ちよさに抗えずにいた。
 マナさんも加わったからなぁ〜。
 マナさんと共にルルのお腹を優しく撫でていると、だんだんルルの様子が変わってくる。
 「……あれ?」
 目を瞑ったまま動かなくなった。てか、寝たんじゃねぇかこれ?
 「あらまぁ〜……ルルちん余りの気持ちよさに寝ちゃったねぇ〜」
 「うん……起こすのも悪いし、ちょっとの間だけ寝かせていよっか」
 お腹が冷えないよう、シーツを被せてあげる。
 プルプルッ!
 ん?
 「どうしたんだ、プル太郎? もしかして遊んで欲しいのか?」
 俺の言葉にプル太郎は否定するように身体を横に振った。その後は必死になってピョンピョン飛ぶ。
 違う? 遊んで欲しいんじゃないのなら、他には……あっ ︎
 「もしかして、お腹が空いたのか?」
 プルッ ︎
 「うん!」と言わんばかりに飛び跳ねた。
 「プル太郎はお腹が減ってるみたいなので、宿に帰りますね」
 「いいんや、今日はウチらの方でご飯を出してあげるから、食べて行きなよ」
 「そんな、悪いですって」
 「いいんや。カイリのおかげで奥様の妊娠が分かったんだから、懐妊祝いに参加出来る権利があるって」
 懐妊祝い?
 「そうだとも。カイリさんには妻の懐妊祝いに出席して貰わないと」
 「宿の方には使用人が話すから、心配しなくてもいいわよ」
 「それにお腹の子の名付け親がいないとなりますと……ね?」
 バルグさん達だけじゃなく、サシャさんまで言うか! てか、いつの間にいたんだよっ!
 「コックが腕によりを掛けてカイリ様の分も作っていますよ」
 「今帰られたら、作った分の料理が勿体ないわよねぇ……」
 「私達の方で召し上がるという方法もありますが、そうしてしまいますとコックの残念そうな顔が目に浮かびます」
 「丹精込めて作り上げたご飯を、無下にするのはよくないと思うよぉ〜……」
 え? ……え? 何この断れないような雰囲気。そんなに俺を帰らせたくないのか?
 「さ、参加します……はい」
 俺がそう言った瞬間、マナさんが嬉しそうな顔で飛び付いて来た。
 「流石カイリ! 話が分かるいい子っ ︎」
 「アハハ……」
 てか、アンタらが断れないように圧を掛けて来たんだろうが!
 「そうと決まれば、準備をしなくてはなりません。カイリさんに会う服を用意して上げて下さい」
 「かしこまりました。旦那様」
 「私達に任せて下さい!」
 サシャさんとマナさんがそう言うと、俺の両腕にガッチリ腕を絡める。
 「さぁカイリさん。ドレスルームへ行きますよ!」
 「私達が責任を持って、とっても素敵な姿にしてあげるからねぇ!」
 「え? ええええええええええええっ! ︎」
 その後、俺は有無も言わされずサシャさん達にドレスルームに連れて行かれたのだった。
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