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テイマーと錬金術の職業で冒険したい!

青空鰹

今度こそ錬金術ギルドに登録!

 俺が作ったポーションを見つめながら放心しているサニーさん。その身体を揺さぶったら復活したのだが、自身の額に手を当てて困った顔を見せる。

 「オ〜ケオ〜ケ……アナタが私を呼んだ理由が分かったわ」

 そう言い終わると俺を見つめて来る。

 「カイリ……でいいわね。アナタが規格外なのは理解したわ」

 「やっぱりガルマさんが言うように、俺は規格外なんですね」

 「当たり前でしょ! 錬金術でポーションを作る時はねぇ! 薬草を擦り潰したり、錬金窯を使用しなきゃいけないのよっ!
 それなのにアナタは薬草1枚と水でポーションを作ったんだから、驚かない方がおかしいわよっ ︎
 それにポーション作りは半日ぐらい掛かる作業なのに一瞬よ、一瞬っ ︎ もうイヤになっちゃうわよぉ ︎
 しかも錬金術師なのに錬金術のスキルを持ってないなんて……頭痛がするわぁ〜 ︎」

 サニーさんはそう言うと、呆れた顔をしながら上を向いてしまった。

 「す、すみません」

 なんか、悪いことをした気分になってしまう。

 「クゥ〜ン?」

 ルルが「大丈夫?」と言いたそうに見つめて来る。

 「大丈夫だよ、ルル」

 そう言いながらルルの頭を撫でてあげると、嬉しそうな顔になった。

 「それでサニーさん……カイリさんを錬金術ギルドに入れるのですか?」

 「あんな凄い光景を見て、入れない方がおかしいわよ」

 そう言うとサニーさんは机の引き出しから登録書を取り出した。

 「登録書に書いてあることだけども、Aランク以上で販売店を持っていない限り錬金術ギルド以外で、作った薬品や道具を売買することは禁止よ。だけど、譲渡又は使用の場合は構わないけど自己責任ね」

 「どうして個人でポーションの販売をしてはいけないんですか?」

 「理由は色々あるのだけれども、1番の理由は山賊とかテロリストの資金源にならない様にする為の対策よ」

 なるほどぉ。ポーションはスキルレベル1で製作出来るし、何よりも素材が簡単に手に入るから大量生産しやすい。それに需要もあるみたいだから、纏まった数を売れば、それなりに資金源になりそう。

 「他にも、定期的に薬品を錬金術ギルドに持ち込まないと自然に除名されてしまうから、気を付けてちょうだい」

 「分かりました!」

 えっと……他には媚薬や呪いを伴うもの製作し、販売したい場合は、必ず錬金術ギルドに通すこと。そうしなければ、法に沿った措置をさせて頂きます。

 この内容怖っ ︎  でも今の俺には作れないから、気にしなくてもよさそうだ。

 書類の内容には不備がなさそうなので、名前を書いた後に冒険者ギルドと同様に血を一滴垂らして登録完了!

 「はいこれ。冒険者ギルドと同じでFからスタートするの。後、紛失したら再発行にお金が掛かるから気を付けなさい」

 「はい!」

  Fと書かれたカードを受け取ると、アイテムボックスの中へと仕舞った。

 「アイテムボックススキルまで持ってるって……ホント、カイリさんには驚かされてばかりねぇ。
 そういえば、カイリさんはポーション以外に何が作れるのかしら?」

 「ポーションの他かぁ〜……ちょっと待って下さい」

 そう言うと、ネックレスになっている万物の書を具現化してから本を開く。

 森にいた時に、ちょっと本の中身を見ただけだから何を作れるのか分からねぇや。

 「えっとぉ〜……あった! 解毒薬と魔力ポーションが作れるみたいぃ……ですぅ?」

 あれ? 何で固まっているんだ、この人は?

 「そ、装飾化武装!」

 「そうしょくかぶそう? 何ですか、それ?」

 俺の言葉を聞いた2人は、とてつもなく驚いた表情で俺を見つめる。

 あれ? これってもしかして、またやっちゃったパターンなのか?

 「もしかして、装飾化武装をご存知ないのですか?」

 「えっとぉ〜……はい。でも武器じゃないですよ、これ」

 「いいえ、装飾化武装って言うのはね。アクセサリーに出来る武器のことをさすのだけれども、ものによっては本やなんかもあるのよ」

 「マジですかぁ〜」

 知らなかったぁ。じゃあマジック・マグナムも装飾化武装になるのか?

 「その本ってもしかして……錬金術で必要なレシピが書いているの?」

 「えっとぉ……錬金術じゃなくて、錬成に必要な素材とレベルが書いているもので……いや、もしかしたら錬金術でも通用する素材かもしれない」

 「ちょっと中身観せてちょうだい!」

 もの凄い剣幕で俺の元に来ると、万物の書を覗き込む。

 「……ん? ねぇ、この本に何も書いてないわよ」

 「えっ ︎」

 何も書いてないって、オイオイオイオイッ ︎

 「ほら、ここにちゃんと書いてますよ! 解毒薬に必要な素材は、解毒草と水って!」

 「ホ、ホント?」

 「ホントですって! 魔力ポーションだって、三日月草と水って書いてますし!」

 「ん? んんんん?」

 サニーさんは唸りながら、ページを凝視する。

 「どう見ても、何も書いてない白紙よ」

 これはどういうことだ? ルルだって、本の内容が見えてるのに……。

 「……なるほど。その本の内容は持ち主であるカイリ様以外は、読めないようになっているのではないでしょうか?」

 「俺以外読めない?」

 「ええ、装飾花武装は基本的に持ち主以外は扱えないようになっております。なので、それと同じ様にカイリ様以外の方は、本の内容を読むことが出来ないようになってるのだと思いますよ」

 あ〜、なるほど……。

 「ハァ〜……エリクサーとかの素材が知れたら、よかったのだけれども、当てが外れたわねぇ」

 「いいえ、サニーさん。諦めるのはまだ早いです。その本は錬成に必要な素材を書き記したものなので、調べれば分かるのでは?」

 「あっ ︎ 確かにそうね!」

 サニーさんが期待の眼差しを向けて来るので、仕方なく調べてあげることにした。

 「えっとぉ……クリアソルトと聖なる者の灰。それに聖水が無いとダメみたいです」

 「ク、クリアソルトに聖なる者の灰ぃ……」

 サニーさんが顔を青ざめさせるほど、入手が出来ないものなのか? この3つの素材の入手場所を教えて、チュートリアルさん!

 説明
 クリアソルトは水晶の様に透明度非常に高い為、高価で取引されています。海辺のダンジョンの最深部ら辺で基本的に取れます。因みに階層が浅いダンジョンでは入手不可です。
 又、聖なる者の灰は、かつての聖職者を極めたが亡くなり、その遺体を灰になるまで燃やしたものです。その場に撒くことで弱いモンスターが50年ほど近寄らなくなります。こちらも、ノーライフキングやレイスといった闇系のモンスターから低確率でドロップします。
 聖水は基本的に教会に行けば手に入ります。

 うん……つまり聖水以外の入手はゲームで例えるとベリーハード並みに難しいってことだな。

 「サニーさん。本に書き記している方法以外で、エリクサーの作り方を見出すしかありませんね」

 「そうね。クリアソルト……聖なる者の灰ぃ…………」

 放心気味なサニーさんは席に座った。

 「クゥ〜ン?」

 ルルもサニーさんの姿が心配なのか、近寄って見つめている。

 やだぁ、何ていい子なのっ ︎

 「カイリ様、無事に錬金術ギルドにも出来ましたね」

 「はい! これもバルグさんのお陰です、ありがとうございます!」

 「喜んで頂けて何よりです。それと、こちらの書類にサインして頂けると、私は助かります」

 バルグさんはそう言って、机の上に1枚の紙を取り出した。

 「え? 何これ?」

 「カイリ様が作ったものを販売する際は、我々ネルマ商会に優先すると書かれた誓約書ですよ」

 「優先して販売?」

 確かに、誓約書の内容には商品を優先して販売するって書かれている。

 「ゆ、優先ってことは、俺が販売目的で作ったものをバルグさんに全部に行くってこと?」

 「いいえ、優先なので、カイリ様がお作りになられたものが、なるべく多くの商品が私の元に来るだけです」

 「う、う〜ん」

 聞こえはいいけど、何か罠とかないよなぁ?

 「ちょっ ︎ だったらバルグはこれにサインしなさい!」

 「これと言いますと?」

 「カイリが作った商品は、必ず私達錬金術ギルドを通すことって書かれた誓約書よ!」

 「私だって歴とした商人なので、錬金術ギルド経由でカイリ様の商品を買いますよ」

 「何かの拍子でってことがあるじゃない」

 それとも何? この誓約書にサイン出来ないようなことをカイリさんにやらせようとしてる訳? と言いたそうな顔で、バルグさんを睨むサニーさん。

 「……別に変なところはなさそうなので書きます」

 「えっ ︎ 書いちゃうの?」

 「いや、だって……変な人に買われてしまうよりも、バルグさんに買って貰って販売して貰った方が安心だと思いますから」

 そう言ってから、その誓約書に名前を書いた。

 「なるほど。でしたら、私もその信用に応えましょう」

 バルグさんはそう言うと、俺と同様にサニーさんが用意した誓約書にサインをしたのだった。

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