テイマーと錬金術の職業で冒険したい!
カイリのポーションと人質
 椅子に座っるのと同時に、サシャさんが料理に被していた蓋を取ってくれる。そんな中、バルグさんは俺の作ったポーションをよく見た後、俺の方を見つめて来る。
 「これはキミが作ったもので間違いない?」
 「はい、俺が作ったものなのですがぁ……何か問題でもありました?」
 俺がそう言うと、バルグさんはミレイさんを見つめて頷いた。
 「とても品質がいいポーションを作るのね」
 「とても品質がいい? いやいや! ポーションはポーションだから、品質とか関係ないんじゃないか?」
 だって、RPGゲームの中じゃ回復薬とかポーションって、品質のこと書いてなかったし。
 俺の言葉を聞いたバルグさん達は、それぞれ呆れた様な顔をしていた。
 あれ? もしかして俺、変なことを言っちゃったか?
 「カイリちゃんのことを、隠していた理由が分かった気がするわぁ……」
 「隠していた理由?」
 「あっ ︎」
 ミレイさんは、慌てた様子で両手を出して、一生懸命に振る。
 「あっ ︎ イヤイヤイヤイヤッ ︎ こっちの話だから気にしないでねっ!」
 「はぁ……そうですか」
 一体何を勘違いしているのか分からないけど、追及したら面倒なことになりそうだから気にしないでおこう。
 そう、深く考えないのが俺のモットーなのだから ︎
 「ハグハグッ ︎ ハグハグハグ……ングッ!」
 あ、ルルが美味しそうにご飯を食べている……てか、ルルの為にドッグフードを買って来てくれたのかなぁ。
 おかわりの対応の為か、メイドさんがルルの側でドッグフードの袋を持っているのだ。
 「ルルちゃん。おかわりが欲しかったら言ってね」
 「キャンッ!」
 「分かったぁ!」って返事をしているっぽいけど、もしかしたらドッグフードを食べさせられてるのに気付いてないのもしれない。
 そう思っていたら、バルグさんが声を上げて話し出した。
 「とにかく! 私達がキミに言えることは、アイテムを作る時は周りに人がいないことを確認してから使用すること。いいね?」
 「え? ……え? どういうことですか?」
 「いや、どういうことって……」
 バルグさんはどう説明すればいいのか分からない。って顔をしているところに、サシャさんがバルグさんの側に近付く。
 「バルグ様、私に提案があるのですが、よろしいでしょうか?」
 「提案……聞かせて貰おう」
 「はい、ネルマ商会が所有しているポーションを、カイリ様に見せた方がよろしいかと思います」
 「あっ! なるほどぉ。じゃあ、倉庫に置いてるものを持って来てくれるかい」
 「畏まりました。少々お時間を下さい」
 サシャさんはそう言って頭を下げると部屋を出て行った。
 「カイリちゃん。食事を食べてないけど、大丈夫? もしかして嫌いなものばかりだった?」
 「ああ、いや。話に夢中になってただけなので、大丈夫です」
 俺はそう言った後、目の前のパンに手を手に取って齧り出した。
 ちょっと歯応えがあるパンだなぁ。
 などと思っているカイリの様子をバルグ達が困ったような顔をして見ているのに気付いていなかった。そんな中、サシャさんが戻って来た。
 「失礼致します。ポーションをお持ち致しました」
 サシャさんが持って来たのは、深い緑……って言うよりも黒みがかった緑色の液体の入った瓶だ。
 「えっとぉ〜……それ、本当にポーションなんですか?」
 色合い的に毒を混ぜられてる気がする。
 「そうよ。これが普通のポーションなのよ」
 「マジですか!」
 「そうです。どうぞ、よく見て下さい」
 「は、はぁ……」
 俺は困惑しながらもポーションを受け取り、色んな角度から見る。
 「……何か、俺のと違って底の方に粉っぽいのが溜まってるんですけどぉ」
 「ポーションを作る時に出来た薬草の粉ですよ」
 えっ ︎ マジ? これ湯呑みに緑茶を淹れた時に出て来る、お茶っ葉って感じなのか。
 「薬草1枚で、こんな色になるんだぁ」
 「いいえ、違います」
 「えっ ︎ 違う?」
 違う? 何が違うの?
 「確かな効果を出す為に、薬草を5枚ほど使用しています」
 「……マジですか?」
 「はい。本当にことを仰っております」
 「この1個の瓶の量を作るのに?」
 「はい」
 「えぇ〜っ ︎」
 このポーションがいくらになるのか知らないけど、薬草5枚使用するなんて勿体ないだろう!
 「私達は錬金術師じゃないから分からないけど、ポーションを作るのに大体3から5枚は使うらしいの」
 「それでも効果に不安を感じている人は、8枚使っているらしい」
 8枚も使うなんて、流石にちょっとぉ勿体なくない?
 「言いたいことは分かるわ。でも、それが常識なの」
 「え? ああ……そう、なんですかぁ」
 もしも人前で錬成を使ったら、恐ろしいと思えるぐらいに質問攻めに会いそうな気がするなぁ。
 そう思いながらポーションの入った瓶をテーブルに置くと、サシャさんに回収された。
 「この話はこれぐらいにしておいて、カイリちゃんは錬金術ギルドに行って登録する予定なのよね?」
 「あ、はい! 次いでに冒険者ギルドにも登録しに行く予定です」
 「そうなの……アナタ」
 「ああ、分かってるよ。その時に私と一緒に行こうじゃないか」
 「えっ ︎ いや、別に俺1人でも大丈夫ですからぁ」
 そう言った瞬間、周りから冷たい視線を感じる。
 「あ……あれ? 俺、何か変なことを言いました?」
 「クゥン……」
 えっ……何? ルルまでそんな目で見つめて来るの。もしかして空気を読んでるから、その視線で見つめて来るのか?
 「やっぱり、私と共にギルドに向かった方がよさそうだ」
 「イヤイヤイヤッ ︎ 本当に自分1人で大丈夫ですから……ね?」
 邸宅に泊めて貰わせた上に衣類まで貰っているのだから、これ以上のご厚意を受けるのは、ちょっと気が引ける。
 「いいや、カイリちゃん1人で行かせると問題になりそうだからね。それに、この間の報告もしなくちゃいけないしぃ……」
 あれぇ? 俺問題児扱いされてる気がするよぉ〜。気のせいだよねぇ〜?
 「それに、カイリちゃんは冒険者ギルドと錬金術ギルドの場所を知ってるの?」
 「それはぁ〜……」
 「……どうなの?」
 「場所、分かりません」
 この状況で嘘を吐ける人は、勇敢な人しかいないと思う。
 「キャンッ!」
 えっ? 「言うこと聞きなよ」だって? そんなこと分かってるって。それにもう断れる状況じゃないしさぁ。
 「よ、よろしくお願い致します」
 「よろしい。食事をした後、準備をしてから冒険者ギルドへ向かおう。そっちの方が近いからね」
 「あ、はい……分かりました」
 この状況は素直に従った方がいいと悟ったので、YESと言う言葉しか使わなかった。何でそう思ったかって? それはね、マナさんがルルを抱きしめて人質にしているし、何よりも俺の側にやって来たサシャさんが、ニコニコ笑顔でこっちを見つめて来ているからなんだ。
 もし断ったら、今朝の様なコスプレコースが待っているかもしれないし。あっ ︎ しかも、自分が人質になってるのに今気付いたよ。
 「キュゥン……キュゥン……」
 「はいはい。俺に甘えたいんだな。こっちにおいで」
 「キャンッ!」
 ルルはそう鳴くと、メイさんの手から離れて俺の元に駆け寄って来た。なので持ち上げて膝の上に乗せてたら、顔をペロペロと舐め始めた。
 「ちょっ、まっ! コラコラ……甘え過ぎだって」
 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!」
 ルルの方がステータス上なので引き剥がせないでいると、サシャさんがルルの身体を掴んで止めてくれた。
 「おいたが過ぎますよ。ルル様」
 「クゥ〜ン……」
 もっと甘えたそうな顔をしている。クッ! ここで甘やかしては、いけないんだよな。
 「ルル、また後で遊んであげるから、我慢してね」
 「キャンッ!」
 「分かったぁ!」と言う感じの返事が聞けたので、俺はホッとした様子で食事を続けることにしたが、ミレイさんが羨ましそうな顔で俺のことを見ていたのは、ちょっとだけ気になったよ……うん。
 「これはキミが作ったもので間違いない?」
 「はい、俺が作ったものなのですがぁ……何か問題でもありました?」
 俺がそう言うと、バルグさんはミレイさんを見つめて頷いた。
 「とても品質がいいポーションを作るのね」
 「とても品質がいい? いやいや! ポーションはポーションだから、品質とか関係ないんじゃないか?」
 だって、RPGゲームの中じゃ回復薬とかポーションって、品質のこと書いてなかったし。
 俺の言葉を聞いたバルグさん達は、それぞれ呆れた様な顔をしていた。
 あれ? もしかして俺、変なことを言っちゃったか?
 「カイリちゃんのことを、隠していた理由が分かった気がするわぁ……」
 「隠していた理由?」
 「あっ ︎」
 ミレイさんは、慌てた様子で両手を出して、一生懸命に振る。
 「あっ ︎ イヤイヤイヤイヤッ ︎ こっちの話だから気にしないでねっ!」
 「はぁ……そうですか」
 一体何を勘違いしているのか分からないけど、追及したら面倒なことになりそうだから気にしないでおこう。
 そう、深く考えないのが俺のモットーなのだから ︎
 「ハグハグッ ︎ ハグハグハグ……ングッ!」
 あ、ルルが美味しそうにご飯を食べている……てか、ルルの為にドッグフードを買って来てくれたのかなぁ。
 おかわりの対応の為か、メイドさんがルルの側でドッグフードの袋を持っているのだ。
 「ルルちゃん。おかわりが欲しかったら言ってね」
 「キャンッ!」
 「分かったぁ!」って返事をしているっぽいけど、もしかしたらドッグフードを食べさせられてるのに気付いてないのもしれない。
 そう思っていたら、バルグさんが声を上げて話し出した。
 「とにかく! 私達がキミに言えることは、アイテムを作る時は周りに人がいないことを確認してから使用すること。いいね?」
 「え? ……え? どういうことですか?」
 「いや、どういうことって……」
 バルグさんはどう説明すればいいのか分からない。って顔をしているところに、サシャさんがバルグさんの側に近付く。
 「バルグ様、私に提案があるのですが、よろしいでしょうか?」
 「提案……聞かせて貰おう」
 「はい、ネルマ商会が所有しているポーションを、カイリ様に見せた方がよろしいかと思います」
 「あっ! なるほどぉ。じゃあ、倉庫に置いてるものを持って来てくれるかい」
 「畏まりました。少々お時間を下さい」
 サシャさんはそう言って頭を下げると部屋を出て行った。
 「カイリちゃん。食事を食べてないけど、大丈夫? もしかして嫌いなものばかりだった?」
 「ああ、いや。話に夢中になってただけなので、大丈夫です」
 俺はそう言った後、目の前のパンに手を手に取って齧り出した。
 ちょっと歯応えがあるパンだなぁ。
 などと思っているカイリの様子をバルグ達が困ったような顔をして見ているのに気付いていなかった。そんな中、サシャさんが戻って来た。
 「失礼致します。ポーションをお持ち致しました」
 サシャさんが持って来たのは、深い緑……って言うよりも黒みがかった緑色の液体の入った瓶だ。
 「えっとぉ〜……それ、本当にポーションなんですか?」
 色合い的に毒を混ぜられてる気がする。
 「そうよ。これが普通のポーションなのよ」
 「マジですか!」
 「そうです。どうぞ、よく見て下さい」
 「は、はぁ……」
 俺は困惑しながらもポーションを受け取り、色んな角度から見る。
 「……何か、俺のと違って底の方に粉っぽいのが溜まってるんですけどぉ」
 「ポーションを作る時に出来た薬草の粉ですよ」
 えっ ︎ マジ? これ湯呑みに緑茶を淹れた時に出て来る、お茶っ葉って感じなのか。
 「薬草1枚で、こんな色になるんだぁ」
 「いいえ、違います」
 「えっ ︎ 違う?」
 違う? 何が違うの?
 「確かな効果を出す為に、薬草を5枚ほど使用しています」
 「……マジですか?」
 「はい。本当にことを仰っております」
 「この1個の瓶の量を作るのに?」
 「はい」
 「えぇ〜っ ︎」
 このポーションがいくらになるのか知らないけど、薬草5枚使用するなんて勿体ないだろう!
 「私達は錬金術師じゃないから分からないけど、ポーションを作るのに大体3から5枚は使うらしいの」
 「それでも効果に不安を感じている人は、8枚使っているらしい」
 8枚も使うなんて、流石にちょっとぉ勿体なくない?
 「言いたいことは分かるわ。でも、それが常識なの」
 「え? ああ……そう、なんですかぁ」
 もしも人前で錬成を使ったら、恐ろしいと思えるぐらいに質問攻めに会いそうな気がするなぁ。
 そう思いながらポーションの入った瓶をテーブルに置くと、サシャさんに回収された。
 「この話はこれぐらいにしておいて、カイリちゃんは錬金術ギルドに行って登録する予定なのよね?」
 「あ、はい! 次いでに冒険者ギルドにも登録しに行く予定です」
 「そうなの……アナタ」
 「ああ、分かってるよ。その時に私と一緒に行こうじゃないか」
 「えっ ︎ いや、別に俺1人でも大丈夫ですからぁ」
 そう言った瞬間、周りから冷たい視線を感じる。
 「あ……あれ? 俺、何か変なことを言いました?」
 「クゥン……」
 えっ……何? ルルまでそんな目で見つめて来るの。もしかして空気を読んでるから、その視線で見つめて来るのか?
 「やっぱり、私と共にギルドに向かった方がよさそうだ」
 「イヤイヤイヤッ ︎ 本当に自分1人で大丈夫ですから……ね?」
 邸宅に泊めて貰わせた上に衣類まで貰っているのだから、これ以上のご厚意を受けるのは、ちょっと気が引ける。
 「いいや、カイリちゃん1人で行かせると問題になりそうだからね。それに、この間の報告もしなくちゃいけないしぃ……」
 あれぇ? 俺問題児扱いされてる気がするよぉ〜。気のせいだよねぇ〜?
 「それに、カイリちゃんは冒険者ギルドと錬金術ギルドの場所を知ってるの?」
 「それはぁ〜……」
 「……どうなの?」
 「場所、分かりません」
 この状況で嘘を吐ける人は、勇敢な人しかいないと思う。
 「キャンッ!」
 えっ? 「言うこと聞きなよ」だって? そんなこと分かってるって。それにもう断れる状況じゃないしさぁ。
 「よ、よろしくお願い致します」
 「よろしい。食事をした後、準備をしてから冒険者ギルドへ向かおう。そっちの方が近いからね」
 「あ、はい……分かりました」
 この状況は素直に従った方がいいと悟ったので、YESと言う言葉しか使わなかった。何でそう思ったかって? それはね、マナさんがルルを抱きしめて人質にしているし、何よりも俺の側にやって来たサシャさんが、ニコニコ笑顔でこっちを見つめて来ているからなんだ。
 もし断ったら、今朝の様なコスプレコースが待っているかもしれないし。あっ ︎ しかも、自分が人質になってるのに今気付いたよ。
 「キュゥン……キュゥン……」
 「はいはい。俺に甘えたいんだな。こっちにおいで」
 「キャンッ!」
 ルルはそう鳴くと、メイさんの手から離れて俺の元に駆け寄って来た。なので持ち上げて膝の上に乗せてたら、顔をペロペロと舐め始めた。
 「ちょっ、まっ! コラコラ……甘え過ぎだって」
 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!」
 ルルの方がステータス上なので引き剥がせないでいると、サシャさんがルルの身体を掴んで止めてくれた。
 「おいたが過ぎますよ。ルル様」
 「クゥ〜ン……」
 もっと甘えたそうな顔をしている。クッ! ここで甘やかしては、いけないんだよな。
 「ルル、また後で遊んであげるから、我慢してね」
 「キャンッ!」
 「分かったぁ!」と言う感じの返事が聞けたので、俺はホッとした様子で食事を続けることにしたが、ミレイさんが羨ましそうな顔で俺のことを見ていたのは、ちょっとだけ気になったよ……うん。
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