青春の選択肢は結局気持ちだけで決めるものだ

平等望

第二章第1話

期末テストが終わった今日、

早く家に帰りたいところだが今日は部活に来ている。

なぜなら大切な会議があるからだ。

その会議の内容はと聞かれれば答えやるのが夜の情け。

モサシ!コシロー!ソーデヤンス!

すいませんちゃんとやります。

まあ何の話かと言うと夏休みの合宿についての話だ。

うちの学校は全ての部活が合宿に行くことが決まりである。

そして察しのいい人なら築いていると思う。

そう、合宿という事は1泊男が一人、ハーレム状態で過ごせるということである。

キター!俺の時代きた〜!

いや〜とうとうこの作品もラブコメらしくなってきたじゃん。

これで俺もラッキースケベ主人公の仲間入りだ。

例えば、川に手を洗いに行ったら女子が着替え中でたまたま見てしまって「キャー何見てんのよ!この変態!」って言われるんだろうな〜

なんて思ってたら。

「夏休みの合宿はアウトドア部と組むことになりました」

大曽根先生が無慈悲にもそう告げる。

おいマジかよ。ハーレム状態壊滅じゃねーか。

「え?なんでですか?」

月葉姫が少し不安そうな顔で問いかけた。

やはり見知らぬ人と組むのはコミュ障の月葉姫にとってはつらいんだろう。

「えーとね、学校側からさすがに男一人はちょっとダメだって」

いやそりゃそうですよね。淡い期待をしていた俺が悪いですよね。

もう俺ったら、ス・ケ・べ♡。…キモイ。

「アウトドア部ってどんな人がいましたっけ?」

纏美ちゃんが少し上を見ながら問いかける。

確かにそれは気になる。喋れる人がいたらいいな〜。

まあ、喋れる人この学校にほとんどいないんですけどね。

「うーんと、堀越翼ほりこしつばさくん、清須晴輝きよすはるきくん、碧南響へきなんひびきくん、牧野明希まきのあかねちゃん、毛受奏音めんじょかのんちゃんの5人だよ」

そう大曽根先生が言った瞬間に俺と月葉姫はそのパワーネームに「ひぃぃ〜」となっていた。

おいマジかよ。俺ですら名前を聞いたことがあるやべえやつばっかじゃん。

どんな人かまではしらいけど嫌な予感しかしねえ…。

行くのやめよっかな。

まあでもあの集団に月葉姫をぼっちにさせるのはさすがに可哀想なので行くしかないか。俺って優しい。まあ後が怖いだけなんですけどね。

「へ〜ちゃんと女の子もいるんだ、楽しみだな〜♪」

陽向はウキウキな顔をしながらもはや1人後ではないくらいの声で一人ごとを言った。

そのウキウキやワクワクを俺にもちょっと分けてくれ。

「後、もうすぐ部長である翼くんが会議に入ってくるからね」

本日驚きすぎて3回目のおいマジかよ。

無理だよ、話せないよ、トイレ行こかな。

しかも堀越翼かよ。

学年トップレベルのイケメンじゃねえかよ。

"コンコン"

ドアがノックされた。おそらく堀越翼だ。

「失礼します」

爽やかな笑顔と清潔な見た目、見るからに見た目がパーフェクトな奴が入ってきた。くそ眩しい。直視できない。

「あっ翼くん!よく来てくれたね。さあ入って座って。」

大曽根先生は手をパチンと叩きながら、堀越を椅子へと誘導させた。

しかも俺の隣。こいつが俺の横に座ったら俺の陰キャさが3倍くらいになっちまう。

堀越は「わかりました」といい俺の隣の席へと向かい座る。

「隣失礼するよ」

そう一言俺に言って堀越は椅子に座った。

くっそんな爽やかな笑顔するなよ。惚れちまうだろ(照)。

はーい腐女子の皆さん、美味しいおかずがここにありますよ。

「じゃあ翼くんが来た事だし早速会議を始めようか」

大曽根先生がそう言う、

そして夏休みの合宿についての会議が始まった。

〜2時間後〜

「よしこれでだいたいokですね」

やっと会議が終わった。疲れた。

会議は星空研究部部長の纏美ちゃんとアウトドア部部長の堀越中心となり進んだ。

合宿の内容を説明すると、この近くの小学校の5年生たちの中津川学習のお手伝いやアウトドアと星空ほしぞらの魅力を伝えるというものだ。

ちなみに中津川は岐阜県にある。

アイデア提案は陽向、天体観測については月葉姫、細かなところは千影がサポートに回った。

俺は何してたかって?そんなの決まってる、なんもやってない。

ずっとラノベ読んでました。

じゃあなんでるから疲れたかって?

だってなんか堀越がチラチラ見てくるんだもん。

それでなんか気が散ってすげえ疲れた。

「それじゃあ今日はこの辺でお開きにしようか」

堀越立ち上がって、資料をトントンとやりながらみんな言った。

よしさっさと帰ってゲームでもするかね。

まだ夕食作る時間でもないし。

今日はテストだったので、学校は午前で終わったため、まだ2時半だ。

みんなそれぞれ筆箱や資料をカバンに入れて、帰りの支度をする。

俺もラノベをカバンに入れ月葉姫に声をかける。

「月葉姫、お前帰るか?」

「ええ特に用事はないわ」

いつも通り返答が返ってきてじゃあ帰るかと思ったら

「あっちょっと待って」

急に堀越が俺たちを止めた。

なんだこのイケメン、月葉姫をその魅力で陥れるつもりか?

この後ちょっとどっか行かない的な感じで誘うつもりか?。

「なんだ?ナンパか?ナンパなのか?言っておくが月葉姫はやめておいた方がいいぞなぜなら」

「今から私の悪口を言うつもりならあなたを本当の星空ほしぞらにするわよ」

月葉姫はこちらを睨みつけながら言った。

こええ、いつまで経ってもなれねえ。

「はああ違うよ用があるのは君だよ。この後何処か遊びに行かない?」

堀越は微笑み手を振り俺を指さした。

は?俺?って言うことは…

「えっお前ゲイなの?そういう趣味あるの?陽キャこええ…」

俺は少し引きながら自分の体を両手でかばいながら言うと堀越は急いで否定する。

「違う違うそういう意味じゃなくて、僕は君と単純に仲良くなりたいだけだよ」

さっきよりも激しく手を横に振る。

なんだゲイなのかと思った。だが…

「いやでもおかしいだろ、なんで俺と仲良くなりたいんだ?」

俺は単純に疑問に思い尋ねる。

「そっそうよ。こっこの人あんまりいい人じゃないわよ」

月葉姫はまだ緊張しているのか声を少し震わせてぎこちな言った。

それにいつもの罵倒のキレも電池が切れた名刀電光丸なみに落ちてる。

あれなんか使う度に電池切れるんだよね。

ちゃんと充電しておけよっていつも思う。

「ほら、一緒に合宿するわけだし、いきなり一緒に泊まるよりも少しお互いを理解しておいた方がいいだろ」

確かにそうだな。

一般的に考えてほとんど面識のない人といきなり泊まるだなんてあんまりというかまったく気が進まないだろう、そう考えると1回一緒に遊ぶことによって気まずさ多少まぎらう。

やべえそう考えるとまともな否定する理由が見つからねえ。

でも行きたくねよ〜。

「……はあ、悪い月葉姫先帰ってくれ」

俺は月葉姫の方へ向き言った。

「えっ行くの?」

「まあ、気は乗らねえがな」

月葉姫はだいぶ驚いたのか、少し心配そうな目で言った。

「よし!じゃあ行くか刈谷くん」

堀越は俺の肩を少し叩き、俺の背中を押しながら一緒に部室を出た。

はあ早く家帰ってごろ寝したい。

まあだけどここで少し喋れるようにしておかないと、当日子供相手だから何があるかが分からないしな。

そういう意味でもコミュニケーションは必要だし仕方ないか。

俺は堀越に背中を押されながら学校を出て近くのイオンへと足を運んだ。



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