青春の選択肢は結局気持ちだけで決めるものだ

平等望

第一章第7話

いよいよ中間テストの日の朝が来た。


今回に限った話ではないが、自信はない。


昨日、月葉姫たちと勉強したきりで、家に帰ってからは何も手をつけていない。


でもまあ俺は特別行きたい進路はないからそんなに成績をとる必要は無い。


朝食を食べ、支度をして、小さな声で「行ってきます」と言って家を出ると、


いつも通り月葉姫が家の門の前にいた。


「おはよう星空かなた勉強はしたのかしら?」


「この俺がしてると思うか?」


「まあしてないでしょうけど、何故そんなことを胸を張って言えるのかしら?」


ほっとけ。


学校につき教室に入ると、


今日はテストなだけあってクラスのみんなが朝から教科書とにらめっこしていた。



月葉姫も席に座るなり教科書開いて復習始めた。


さらにあの陽向までもが朝から教科書やプリントを見て復習していた。



「陽向が朝から教科書見てるなんて明日は大雪か」


「やだなあ何言ってんの星空かなた今は5月の終わりだよ。


 雪なんて降るわけないじゃんw」


「陽向さんあなた馬鹿にされてるのよ」


「ええっ!」


陽向が俺が馬鹿にしてるのに気が付いていなかったので、


月葉姫が即指摘した。ていうか陽向天然過ぎない?


俺は「馬鹿にすんな~」と俺をポコポコ殴ってくる陽向をほっといて。


俺はいつも通り机の上で手を組み、そこに顔をうずめて寝た。


それでもまだ陽向がまだ「ワーワー」言ってくる。


俺も「無視無視」と思っていたが、その時すごく不思議な感覚になった。


それは一言では説明ができない。懐かしいというか見覚えがあるというか、


まあそんな感じの感覚になった。


俺は物心がつく前の記憶がほとんどなくない、正確には小5くらい位までの記憶がない。


だからこの感覚は俺が小さい頃時のなにかかと思った。


ということは俺は小さいころ陽向に会ったことがあるのか?


いやそれはないか。いくらなんでも可能性が低すぎる。


まあでも、考えても仕方がない。、もう一回寝よ。


そう思い、俺はもう一度目を閉じた。


1週間がたち、全教科のテストが終了した。陽向と千影がテストの労をねぎらいに


俺と月葉姫のところへよくあるテスト後の解放感に満たされた会話をしに来た。


「テスト終わった~!」


「やっと終わったね♪」


「そうだなテストがオワッタな」


「一人だけ意味が違うような気がしたけれど」


うん、終わったよ。二つの意味で終わったよ。結構マジで。


今回はマジで自信がない。いつも一夜漬けはしているが、


今回はその一夜漬けすらしていない。初日の前の日にみんなで勉強したとはいっても


たった3時間程度だ。


まあテストなんて理不尽に自分の頭脳が定めさせられるものなんて忘れて、


さっさと帰ろうと思ったが、


「そういえば星空かなた、今日部活あるからちゃんと来るのよ」


「マジ?」


「ええ」


「有給とかないの?」


「あるわけないでしょ」


有給がないとかどんなブラック企業だよ。まあこいつがもし社長やったらブラック企業


確定だな。そして多分俺が秘書になると思う。そしてこき使われまくる。


こうして月葉姫に無理やり部活に連れていかれた。


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